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真選組の女の子

原作: 銀魂 作者: 神崎しおり
目次

甘い物のオンパレード

早速、材料探しに行こう!クッキーとかでいいかな。そうだ、クッキーにしよう!

「銀さん、私ちょっとあっちの方見てきますね!」

「おう、おやつは300円までだかんなー」

「いや、何の話し?そもそも今どき300円じゃろくに買えませんよー?とにかく行ってきます」

というわけで、私は銀さんと別行動をとることにした。

「アリスさーん、バナナはおやつに入りませんからねー」

銀さんが口に手を添えて私に呼びかけてくる。

「でもバナナなら近藤さんのおやつに入りそうですー」

銀さんとよくわからない会話を交わしてから、私は買い物に取り掛かった。

「ラッキー、今日は卵が安いんだ!」

私はあっという間にクッキーの材料を買い物カゴに入れ終えた。

銀さんのは糖分多めにしてあげようかなぁ、銀さんもそろそろ買い物終わったとこかな?

そう思っていると、タイミング良く銀さんが視界に入ってきた。

「銀さん!買い物終わりまし……たか?」

銀さんの買い物カゴの中身を見てみると、イチゴ牛乳にプリン、チョコレートにコンデンスミルクにあずぎの缶詰にその他。甘い物のオンパレードだった。

あれ?銀さんって、晩御飯の材料買いに来たんじゃなかったっけ……?

「あの、銀さん、それ何ですか……?」

「何って、晩飯の材料」

いやいや、絶対違うよねそれ!仮にそうだとしても、いったいどんな晩御飯ができあがっちゃうわけー!?

「宇治銀時丼」

心の中読まれたー!?そもそも宇治銀時丼って何?銀さんしか食べれないような感じがするんだけど!?

おかしいな、新八君が銀さんは料理上手だって言ってたんだけどなぁ……

さては、私に嘘をついたなあのメガネ。だからいつまでたっても新八なんだよぱっつぁんはよー

私は心の中で、このやるせない気持ちを新八君に八つ当たりすることにした。

八だけに。

わ、心の中がなんだか寒くなった。不思議。


そんなこんなで、私達は大江戸マートを後にした。

銀さんと並んで帰っていたが、ふと、ある店が目に入る。

小物や髪飾りが置いてある店。思わず私は目を引かれ、立ち止まった。

あの花柄のやつ、可愛いな。あ、でもこっちのリボンをモチーフにしたやつも……あのハートのもいい!あ、でもあれは子どもっぽいかな?

そんなことを考えていると、先に歩いていた銀さんが私が立ち止まっていることに気づき、引き返してきた。

「なんだ、ほしいのか?」

そう聞いてくる銀さん。

「いや、別にほしいってわけじゃないんです。ただ可愛いなーって見てただけで」

本当は欲しいんだけど、こういうのを無駄遣いっていうんだよね。

こういうの買う暇があったら、新しい刀とかのためにお金貯めなきゃだし。


「どれ、どの髪飾りがいいんだ?俺が買ってやるよ」

思いもよらない銀さんの言葉に私はびっくりする。

「え、いや。別に欲しくないですよ。仮に欲しいとしても、私、ちゃんと自分のお金ありますから!」

だが、銀さんは私の言葉をスルーしていたのか、お花の髪飾りをふと手に取った。ちなみに私がいいな、と目に付けていたやつ。

「え……?」

「ばーか、俺が買ってやりたいんだよ。これが似合いそうだ」

そう言って銀さんは髪飾りを手に取り、会計に向かった。

そして私に、ほれ、と言いながら手渡す。

なんだかよくわからないけど、この胸から湧き上がる感情はなんだろう?

私、嬉しいんだ。

なんだか照れくさくて、私は聞こえるか聞こえないかのような声で

「ありがとう」

と呟いた。


万事屋につき、私は銀さんに買ってもらった髪飾りを眺めた。

嬉しいな。よく考えれば、多分初めて人からプレゼントってしてもらった気がする。

銀さんに選んでもらった、私に似合うといってくれた髪飾り。なんでこんなに嬉しい気持ちになるのか自分でよくわからない。

髪飾りをしばらく眺めていると、昨日と同じ位の時間に、新八君と神楽ちゃんが帰ってきた。

「ただいまヨー!アリス、いい子にしてたアルか~?怪我してるんだし、あんまり無理したら、お母さん心配するんだからね!」

「いや、だから、そんなに対した怪我じゃないよこれ?」

そんな私の言葉を無視し、神楽ちゃんは買い物袋を発見する。

「アリス、買い物行ってきたアルか?」

「うん」

「……お母さんね、あんたをそんなやんちゃ娘に育てた覚えないアルよ!」

私も神楽お母ちゃんに育てられた覚えはないよ。いや、記憶喪失だからとかそういうことじゃなくて。

そもそも買い物に出かけただけでやんちゃってなんだよ。

「ところでぱっつぁん、お通ちゃんの曲いいね!」

そして今日も私はお通ちゃんの曲の感想を新八君に言う。

「ほんとですか!アリスさんは、どの曲が一番好きですか!?」


「私はね~、チョメ交なんざクソくらえ!が好きかな」

私的に歌いやすいし。しかし、新八君は苦笑い気味にこう言うんだ。

「アリスさん……それ、あなたが立場上気に入ったら一番ダメな曲だと思います」

「え?なんで?」

そんなこんなで万事屋での一日は終わる。

クッキーは明日作るとしますか。
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