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真選組の女の子

原作: 銀魂 作者: 神崎しおり
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ビギナーズラック

長谷川さんが苦笑いを私に向けた後、再び自分の台に目を向けた。

見て覚えるほどのことじゃないと言われたけど、見よう見まねで私は台に障った。

少したつと、何とも派手な音楽が聞こえてきた。

「よっしゃ大当た・・・・・・り?」

「違げーよ銀さん。こいつは俺の台の音・・・・・・ってあれ?」

男2人が自分の台の音ではないことに困惑している中、アリスの台からは出玉が面白いくらいに次々と出ていた。

「あら?なんですかこれ?」

事態が飲み込めずにきょとんとした表情をするアリスだが、その表情とは正反対の顔をする銀さんと長谷川さん。


それ、当たりだよ、大当たりぃぃ!長谷川さん箱持ってこい!

お、おう!

と騒ぎ立てる2人の声を聞き、あ、当たったんだぁーすごーいと他人事のように考えていた私。

「ビギナーズラックって、ほんとにあんだな」

と銀さんが私の横で感心したように呟いた。


――結果私は、9万ほどの儲けを得ることができた。

今は3人でパチンコ店を出たところ。

ほくほくしている私とは裏腹に、長谷川さんと銀さんは浮かない表情。どうやら吸われたらしい。

そんながっかりとした表情がなんだか見ていられなくて

「はい」

私は、2人の目の前に3万円札を差し出した。

「「え?」」

「あげます。2人のおかげでパチンコができたようなものですから。だから、これは皆のお金です。丁度3等分できる金額なので、3人で分けましょう!」

2人とも最初は遠慮していたが、最終的に受け取ってくれた。長谷川さんなんか、涙まで流して喜んでいた。

そんなに喜んでもらえたなら、あげてよかった、って気持ちになる。

「嬢ちゃんありがとうな。俺ぁ、俺ぁ……」


「この金でまたパチンコしてくらぁー!!」

と言って、1人店の中へと消えていった。

「って、おぃぃ!長谷川さん!?あんた結局それかよ!だからあんたはマダオなんだよー!」

「大丈夫だよ銀さん、少なくとも半分はとっとくからさ!」

「そういう問題じゃねー!!」

銀さんは、はぁーっとため息をつき、人の好意をなんだと思ってるんだ長谷川さんは・・・・・・あんなおっさんでごめんな、お母さん後でちゃんと説教しておくから。あれ?俺お母さん?

と、ぶつぶつ言い出した。

でも当の私はそんなに気にしていなく

「長谷川さん、当たるといいですねぇ」

と呟くと、なぜだか銀さんは穏やかな顔をして

「帰ぇるか」

と言いながら、ふっと笑ったので一緒にバイクに乗ることにした。


「新八と神楽が戻ってくる前に帰ってこれたみてーだな」

万事屋へはあっという間についた。

私達が帰ってきた直後、すぐに新八君も神楽ちゃんも帰ってきた。

「ただいまヨー!アリスぅ、安静にしてたアルか?酢昆布買ってきたから一緒に食べるアル~」

「安静っていっても、そんなたいした怪我じゃないんだけどね。あ、酢昆布ありがとう~」

「ちなみに銀ちゃんとメガネの分は無いアルよ。残念だったな」

くくく、と誇らしげに酢昆布を銀さんと新八君に見せ付けている神楽ちゃんだったが、2人は、別にいらねーよそんなもん。という目をしていた。

「それよりアリスさん、お通ちゃんの曲はどうでしたか?」

「あ、なんか私聞いたことあるような感じがして、記憶失う前、聞いてたのかな?だから、すぐに覚えれたし、歌えるよ!お通ちゃんの曲ってなんだか好きかも」

新八は仲間ができたことに喜んだ。

「よければ、今度一緒にカラオケでも行く?」

「いいですね~!お通ちゃんの曲歌い合いましょう!」

「いやアリス、それは辞めておいたほうが身のためネ・・・・・・」

「え、どうして?」

そんなこんなで、アリスの万事屋での一日は終了した。


そんなこんなで万事屋生活2日目。

新八君は今日も会議があるとかで、神楽ちゃんはいつもどうり定春の散歩に出かけた。

昨日と同じパターン。

ただ昨日と違うのは、今日の銀さんには予定がないということ。

失礼だけど、依頼人とか来る時ってあるのかなぁ。なんて思うほど暇そうな銀さん。

だって、昨日何度も読んでた同じジャンプをまた読んでるぐらいだし。

仕方が無いからお通ちゃんの曲を口ずさんでみる。

お前、それでも人間か!お前の母ちゃん××だ!

・・・・・・うん、暇。


「そういや、今日の晩飯の当番俺だったなー」

すると銀さんが思い出したかのように呟いた。

「買出し行くけど、一緒に行くか?」

私は了承し、また2人で出かけることにした。

銀さんのその発言。当番なのは本当なのかもしれないけど、暇そうにしている私を見かねての言葉だったんだろうな、と解釈してしまう。

銀さんはやっぱり優しい。

そんな不器用な優しさがなんだか好きだ。

・・・・・・これで勘違いだったら、かなり恥ずかしいけど。

今日はバイクではなく歩き。

私は無意識に銀さんの手を掴んでおり、銀さんは驚いていたけど、優しく握り返してくれた。

大江戸マートにはすぐに到着した。

そういえば銀さん、パフェ作ってって言ってたよなー

パフェはちょっと無理だけど、お世話になってるし、お菓子でも作ろうかな。
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