ネット喫茶.com

オリジナル小説や二次創作、エッセイ等、自由に投稿できるサイトです。

メニュー

真選組の女の子

原作: 銀魂 作者: 神崎しおり
目次

入隊

アリスの提案により、その場はなんとか丸く収まり、けっきょく3人で行くことになった。

そして、今は江戸の町を歩いている最中である。

「あのぉ~」

「なんだ」

「なんでィ」

「歩きづらいんですけど」

アリスの右隣には無造作ヘアに鋭い相貌の土方が、左隣には栗色のサラサラヘアにつぶらな瞳、涼やかで甘いマスクの沖田が手を繋いで3人仲良く並んでいる状態だ。

2人ともかなりビジュアルポイントは高いので、歩きづらいというよりは2人に挟まれ照れくさいのがアリスの本音。

「歩きづらいってよ土方さん、さっさとそのタバコ臭ぇ手を離しなせェ」

「総悟、てめぇが離せ」

また討論が始まり、アリスは小さくため息をつき、これ以上何も言わないことにした。

そうこうしていると、目当ての店の前についたので、アリスは1人で入ることにした。


無事に下着も買い終え、行きと同じく2人に手を繋がれ挟まれた状態でアリスは屯所へと戻った。

とりあえずアリスはシャワーを浴びることにした。下着もあるし、着替えも沖田さんの予備の隊服があるし。どうやらこの隊服はくれるらしい。

シャワーを浴びてさっぱりした後、アリスは沖田に呼び止められた。

「その格好、様になってますねェ。この銃と刀、返しときまさァ」

「え、あ、はい」

「こんなもん所持してたってことは、実力があるってことでィ?ちょっと俺に見せてくれないか」

「銃の腕前ですか?いいですよ」

「とりあえず昼飯終わった後に見せてもらうことにしまさァ、ほれ、一緒に昼飯食いに行くぞ。食堂の場所わからねぇだろィ?」

沖田が右手を差し出したので、アリスはその手をとり食堂に一緒に行くことにした。

沖田もアリスも昼食を食べ終え、2人は庭へと出た。

「あそこの50メートル先のマヨネーズを撃って見せてくだせェ」

「あ、はい」

なんでマヨネーズ?普通空き缶とかでは?と思いつつ、アリスは従った。

ダァン

銃弾は見事マヨネーズの容器の中心にヒットし、マヨネーズが開いた穴から飛び出した。

「なかなかいい腕してまさァ、どれ、もっといろいろ見せてくだせェ」

沖田に言われるがまま、アリスは様々な方法で沖田に銃の腕前を見せ付けた。


「ほんとに良い腕してまさァ、こいつは女中にすんのはもったいねェ。・・・・・・決めた。アリス、お前一番隊に入るがいいでさァ」

「え?私なんかが隊に入れるのですか?」

「近藤さんと土方にはうまく言っときまさァ、あ、その前に刀の腕前も見せてくだせェ、軽く手合わせしやしょう」

「あ、はい」

そうしてアリスは刀の腕前も見せることになった。

――

「くっ、予想外でさァ」

アリスは沖田の思っていたよりも強く、力は互角に等しかった。だがやはり、女性の力では敵わないのかアリスの方が若干おされていた。

そんな2人の様子を密かに見ていたゴリラ、近藤がいた。

結果的にアリスは負けたが、アリスはどことなく満足そうな顔をしていた。

「いやー、アリスちゃん!総悟相手になかなかやるねぇ!」

ゴリ・・・・・・近藤さんが拍手をしながら2人に近づいてきた。

「近藤さぁん、こいつ一番隊に入れるんでよろしく」

「あぁ、なかなか実力もあるみたいだしな。よし決めた、今夜はアリスちゃんの歓迎会だ!」

豪快に笑い近藤さんはさっていった。

そんな様子をタバコをくわえ見ていた人物が1人。

「総悟も近藤さんも勝手に決めやがって、まったく・・・・・・」

土方は額に左手をあてた。

「あいつが危険な目にあったらどうすんだよ」

ぼそっと土方は呟き、その場を立ち去った。

そしてあっという間に空は暗くなり、夜がきた。

「今日は新しい仲間を紹介する!この度一番隊に入った北条アリスちゃんだ。ささ、アリスちゃん入って!」

そう近藤が言うと襖が開き、髪の長い女の子がゆっくりと入ってきた。

「北条アリスです、よろしくお願いします」

可愛らしい容姿、その風貌にぴったりの素敵な声色。

思わず隊士達は、おぉーっと感嘆の声を漏らす。男だらけのむさくるしいこの場所に、オアシスがきた、花がきたと隊士達は大騒ぎ。

「アリスちゃん、よろしくね」

「なんで真選組に入ったの?」

「俺、アリスちゃんと仲良くなりたいなー」

アリスは早速囲まれてしまい、少し苦笑気味。

それを見かねた土方が

「おいてめぇら、あんまり調子にのんじゃねぇぞ。そいつに近づきすぎると切腹してもらう」

その低いドスのきいた声に、ひっ と隊士達は小さな悲鳴をあげ、名残惜しそうにアリスから離れていった。

アリスはとりあえず沖田の隣に座ることにした。

「なんだか、面白い人達ばかりですねぇ」

にこにことしてアリスは沖田に言うが

「思ってたよりライバルが多いじゃねぇかィ」

「え?なんて?」

「なんでもねェ」

ぼそっとした沖田の呟きがアリスに届くことはなかった。


なんやかんやで歓迎会という名の飲み会は盛り上がり、アリスは沖田に無理矢理酒を飲まされ、アリスは酔っていた。まあ、アリスは酒とは知らずに飲んでいたのだが。

やだ、近藤さんが裸だー、ていうかなんだかフラフラしてきたぁ~あれ?なんかちょっと頭クラクラするなぁ
目次

※会員登録するとコメントが書き込める様になります。