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真選組の女の子

原作: 銀魂 作者: 神崎しおり
目次

初見回り

アリスはそのまま倒れてしまった。アリスの倒れた頭の着地地点は、沖田の膝の上。

「まったく、しょうがないやつでィ」

沖田はアリスのほっぺたを指でつんつんと突き、ほっぺたを両手でびろーんとのばして遊んだ後、アリスを抱きかかえ部屋まで運んでやることにした。

その様子を、料理にマヨネーズをたっぷりかけながら睨むように見ていた土方に、沖田は気づきさえしなかった。


目を覚ますと、自分の部屋にいたアリス。

あれ?私、昨日どうしたんだっけ?あんまり昨日の記憶が無いな。

・・・・・・まあ、いっか。

確か今日は初仕事。見回りをする日。

アリスは縁側で会った土方と沖田に挨拶をし、見回りへと向かった。土方も沖田も一緒に行こうとしたが、アリスは、昨日町並みはだいたい覚えたので大丈夫です、と言って断った。

本当は町並みなど頭には入ってなく、ただ1人で探索をしたかっただけなのだが。


「見回りー、見回りー!」

アリスは上機嫌に、見回りという名の観光をしている。

そういえば私、銀髪の人達に迷惑かけたよね、あんなに暴れちゃって・・・・・・あの人達に謝りに行かなきゃ。

でも、あそこはどこだろう?

まあ、歩いてればたどり着くでしょう!

万事屋銀ちゃんという看板があるところに銀髪の人達がいるということすら知らないアリスが、万時屋にたどり着けることはなかった。


さっきまでの元気はどこへやら。アリスは顔を下に向けとぼとぼと歩いていた。

「うぅ、迷子になっちゃったかもぉ」

若干泣きそうな顔でそう言うアリスの前に、1人の男がぶつかった。

「きゃっ」

その反動でアリスはよろけてしまった。

「おっとすまねぇお姉さん。大丈夫?・・・・・・あれ?君は」

それはジャンプを読みながら歩いていた銀時、アリスが捜し求めていた人物だった。


「銀髪さぁん!」

アリスは目に涙をためて、銀時に抱きついた。

「うぉっ!?」

「私、あなたに会いたかったんです!」

涙目上目遣いでそう言うアリス。

ちょ、ま、おま、その顔は反則だろ!と思わず照れる銀時。

「よくわからねぇけど、万事屋来るか?」

「はい、行きます!」

「とりあえず、離れてくれたら銀さん助かります」

「あっ、すみません」

そう言いアリスは銀時から離れたが、銀時の手をつかみだした。手を繋いで行きたい、というアリスの意思。

え?なにこの娘?照れるんですけど、わざとか?いや違うな・・・・・・なんて無垢な笑顔をしてやがるんだ。

そうしてアリスは、銀時と手を繋ぎながら万事屋へとたどり着くことに成功した。


万事屋。

「銀ちゃん、何ネその子。まさか誘拐・・・・・・」

「誘拐じゃない、この娘の顔をよく見なさい」

「嘘ネ、誘拐という名の拉致ネ」

「神楽ちゃん、それよく意味がわかんないよ、あれ?この人、北条さん?」

そう新八が言うと神楽の目が輝きだした。

「アリスぅー!可愛いネ、会いたかったアルよ!!」

いきなり抱きついてきた神楽に困惑するアリス。

「いや、神楽ちゃん、会いたかったにしては反応遅いよ!入ってきた時に気づこうよ!」

「あの、突然来てごめんなさい、この前のこと、謝りたくて」

神楽に抱きつかれながらアリスは必死にそう言った。

一瞬3人は

「?」

という顔をしたが、すぐになんのことかわかった。

「気にするんでねぇよ、沖田君の言うとおり、万事屋はこの通り元通りだ」

「それよりも北条さんが元気そうでよかったです」

アリスは銀時と新八にほっとしたようなにこりとした笑顔を見せた。


「!!」

銀時も新八もその笑顔を見て顔を赤くした。なにこの可愛さ、反則じゃね!?2人はそう思った。

「アリスちゃん?その服・・・・・・もしかして真選組に入ったの?」

「はい、真選組の皆さん、とても優しいんですよ。私、すっかり慣れてしまいました」

「でもあそこにはサドやマヨがいるアル。むしろ男しかいないアル。アリスのことが心配ネ。男は皆狼の皮を被った変質者ネ」

「いや、それ、被る必要ないじゃん」

つい癖で新八は突っ込んだが、銀時も新八も神楽と同じことを思っていた。アリスは、男だらけの中で大丈夫なのだろうか?


「サドにマヨ?沖田さんと土方さんのことかしら。土方さんにはご飯にマヨネーズをかけられましたし、沖田さんにはいじめられましたし、もう大丈夫です」

「いや何が大丈夫なの?全然大丈夫じゃないよねぇ?銀さん超心配なんですけどー!」

「えっと、とりあえず今日のところは帰りますね。あ、あと倒れてる私を助けて頂きありがとうございます」

「え、もう帰っちゃうんですか?」

もう少し北条さんと一緒にいたかったな、という新八の気持ち。

「ええ、暴れてしまった謝罪も、助けてもらったお礼も言えましたし」

「あ、アリスちゃん1つ言っておくけど」

「はい、何ですか?」

アリスは銀時の言葉に耳を傾けた。


「君を助けたのは、俺らじゃねーよ」

アリスは首をかしげる。

「アリスちゃんをここに運んできてくれたのは、ヅラという男だ。礼ならそいつに言うがいい」

「ヅラさん?どんな人ですか?」

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