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【ビックリじじいと】早く帰りたい【サバイバル生活】

原作: その他 (原作:刀剣乱舞) 作者: レジス
目次

遭難一日目3

「ほら、芋が焼けてきてるぞ」
「あ、ほんとだ……あっっっっつ!!」
「何で素手で掴もうとしたんだ君は!」
「条件反射的に!」
見れば熱いと分かるのになぜか手で掴もうとしてしまった。
鶴丸はそんな私に飽きれながらも洗ってきた木の枝にジャガイモを刺して渡して来る。
それを受け取った私はお礼を言った。
熱いのでフーフーしてから一口食べるとやはり海水の塩分でいい感じに塩味がついていた。
「うまいな」
「だね」
「まさか無人島でこんな普通のジャガイモ料理が食えるとは思わなかったなぁ」
普通ではない気がする。
「あ、そうだ写真撮ろう」
「お、いいぜ」
ふと思いたって写真を撮る。
それをさにわチャンネルのスレに上げた。

****

95 名無しの審神者
報告無いなぁ

96 名無しの審神者
心配になってきた。

97 名無しの審神者
落ち着けまだ慌てるような時間じゃない

98 遭難審神者
芋がうめぇえええええええええい
【鶴丸と審神者が芋を食べようとしている写真】

99 名無しの審神者
くっそ

100 名無しの審神者
心配して損した

101 名無しの審神者
俺らの心配返して?

102 名無しの審神者
戻ってきたと思ったらテンション高いな

103 名無しの審神者
ていうか芋なんてあったのか

104 名無しの審神者
思ったより平和そうである

105 遭難審神者
なんか鶴丸が野生のジャガイモゲットしたから焼いて食べてるなう
火はちゃちゃっと鶴丸がおこしてくれました

106 名無しの審神者
野生のジャガイモw

107 名無しの審神者
ジャガイモって無人島に自生してるもんなん??

108 名無しの審神者
というか火おこしできちゃう鶴丸すごいぃ

109 名無しの審神者
ご飯食べて火もおこしたとなると後は寝る場所か?

110 遭難審神者
寝床はいい感じの横穴見つけたからそこで寝る予定だよ
というか、鶴丸の順応力がすごいと思ったら某無人島生活の動画見てたらしい。ずるい

111 名無しの審神者
鶴丸wwwなぜにwwww

112 名無しの審神者
無人島生活の動画見てたかーじゃあ余裕で火もおこせちゃうわ

113 名無しの審神者
まさかの前情報有り

114 名無しの審神者
遭難審神者のとこの鶴丸はやればできる子か

****

「やればできる子だって」
そう言って端末を見せる。
「そりゃあ動画見てるんだからやればできるさ」
「いや、普通は見ててもできないから」
そう考えると確かにうちの鶴丸はできる子かもしれない。
「所で寝床はあそこでいいのかい?」
「ん?駄目?」
鶴丸は横穴を見ていった。
何か気になることでもあるのだろうか。
「あの大きさだと隣り合わせで寝ることになるんだが……」
「今更そんなこと気にしてられないでしょ」
何急に気をつかってんだこの鶴は。
私は腰に手を当てて言い切る。
肉体的には男女ではあるけれど審神者と刀剣男士だ。何か起こるわけでもないし。気にする事のほどじゃない。と思う。
「主が気にしないならいいんだ」
そう言って鶴丸はたき火に枝をくべた。
たき火は近くに燃え移る心配のない場所なのでこのまま燃えるに任せて放置することにする。
燃えている間はいるかもわからない獣避けになってくれるだろう。
空もだいぶ暗くなってきたのでできることがもう寝る以外にない。
「皆は大丈夫かなぁ」
パニックになっていないといいが。
「今日は奮発してローストビーフ丼だって言ってたぞ」
「うわ、今聞きたくなかった……!」
「すまん」
「おのれ鶴丸」
「だからすまなかったって」
心配なんてするんじゃなかった。
きっと今頃おいしいローストビーフ丼を食べてるんだ!ずるい!
「はぁ……考えてもローストビーフ丼を食べれるわけじゃないし……寝よ」
「そうだな、正直すまなかった」
言ってから鶴丸も後悔したのだろう。
なんども謝ってくるので手で制する。
何度も謝られると余計に虚しくなってくるからだ。
ふらりと立ちあがって今日の寝床へ向かうと申し訳なさそうに鶴丸も後をついてきた。
私が腰を下ろした場所の隣に鶴丸も腰を下ろす。
すると鶴丸は羽織を脱いで私の肩にかける。
「え」
「海風は寒いだろうからな」
「でもそうしたら鶴丸は?」
「俺はこう見えても頑丈なんでね」
「もやしみたいな体をしてよく言う」
「君なぁ……」
でも刀剣男士が風邪をひくといった話は聞いた事がないので本当に大丈夫なのかもしれない。
「そう、ありがとうね」
遠慮なく借りることにする。
お互い背中合わせに寝転んだ。
一応気を使ってくれてるようだ。
「なぁ主」
「ん?何?」
「絶対に無事に帰ろうな」
「どうしたの急に」
急に真剣な声で言われて驚いた。
そんな私の気持ちを知らずに鶴丸は言葉を続ける。
「いやなに、何があっても主を守るって言いたいんだ」
「守るって、危ないことなんてないじゃん」
「今日は何もなかったが明日は何が起こるかわからないだろう?」
モゾモゾと鶴丸が動く気配を感じた。
なんだろうと思っていると背後から抱きしめられる。
「寒くないか?」
「ななななに?!寒くなんてないよ?!」
「ハハッ、俺は少し寒いからこうさせてもらうな」
やっぱりもやしじゃないか!
「羽織返します」
「いらん」
きっぱりと言うと鶴丸は笑って却下した。
まさかの審神者抱き枕とは真剣な話の後にこやつ……!
思ったよりも強い力で抱きしめられているので逃げることは諦めて体の力を抜いた。
こうして時間は進んで行く。
私はいつの間にか眠りについていたのだった。
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