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【ビックリじじいと】早く帰りたい【サバイバル生活】

原作: その他 (原作:刀剣乱舞) 作者: レジス
目次

遭難二日目


無人島に来てから二日目の朝が来た。
無事何事もなく目覚めることが出来た私と鶴丸は小川までやってきて顔を洗っている。
「ぷはぁ、冷たくて気持ちいいー」
「そうだなぁ」
「これでシャワーでもあれば完璧なんだけどな」
「それはどうしようもないな」
「だよね」
そんな他愛もない会話をしながら私達は海辺へと戻って行く。
すると鶴丸が途中で足を止めた。
「ほわ、ここだぜ」
「うわ、ほんとに野生のジャガイモだ」
鶴丸が掘り起こしたであろうジャガイモの山とまだまだ埋まっているらしいジャガイモを見て驚いた。
本当に自生しているようだ。
私達はそこから朝ごはん分のジャガイモをいただいて帰る。
帰るとまたもや鶴丸による火おこしがあり、無事海水味の焼きジャガイモをゲットした。
やったね。

ジャガイモを食べながらさにわチャンネルをチェックしようと端末を操作していたら急に鶴丸が刀を持ちだした。
「どうしたの?」
「主、敵襲だ!」
「え?!」
急な事に驚く私を背に隠し鶴丸は刀を抜いた。
とたんにバリバリと鳴り響く轟音。
空間に亀裂が走りそこから蒼炎を纏った武者達が現れる。
「まずいな検非違使か……!」
「検非違使?!」
歴史修正主義者ではなく検非違使。
検非違使は一つの時代に留まり続けると出現することが確認されている。
私達がいたのはせいぜい一日程度。
検非違使が現れる条件には程遠いはず。
つまりこの時空は以前から検非違使の出現が確認されている場所ということだ。
検非違使はその時の部隊の練度上限に合わせた強さで現れる。
鶴丸はレベルカンスト勢だから、つまり相手もカンスト勢だ。
鶴丸一人対検非違使五人、圧倒的に不利だった。
「まいったねこりゃ」
そう軽口を叩きながらも刀を構えることを忘れない。
鶴丸は私を守るように一歩前に出た。
「主、どこかに隠れていてくれないか?」
「え、でも鶴丸は?」
「俺の事はいいから!」
「う、うん。わかった!」
そう言われて私は森の中へと走りだす。
幸い鶴丸が牽制しているおかげで検非違使は追ってこない。
丁度よさげな木の陰に隠れると端末を取り出した。
なんとかして早く救援を呼ばないと鶴丸が危ない……!

****

182 名無しの審神者
おはよう朝日

183 名無しの審神者
気が付いたら日が昇ってきていた……

184 名無しの審神者
お前ら寝てなかったのか

185 名無しの審神者
鶴丸のせいで皆某無人島生活シリーズ見始めたら止まらなくなったんだもんな……

186 遭難審神者
たすけて

187 名無しの審神者


188 名無しの審神者
ん?

189 名無しの審神者
朝からどうした?

190 名無しの審神者
鶴丸が驚きをもたらしたか?

191 遭難審神者
検非違使が出て、鶴丸が一人で応戦してる!

192 名無しの審神者
ふぁ?!

193 名無しの審神者
なんだって!!

194 名無しの審神者
検非違使が出るような時代にいたってことか?!

195 名無しの審神者
ていうか鶴丸一人で大丈夫なのか?

196 遭難審神者
検非違使5対鶴丸じゃ分が悪すぎる。どうしよう……!

197 名無しの審神者
まず落ち着け

198 名無しの審神者
そうだ落ち着くんだ!

199 名無しの審神者
俺担当に連絡した。
急いで座標特定するって言ってた。
通話は繋いだままで逐一情報を伝えてます!

200 名無しの審神者
確か検非違使が出た時はその本丸の戦場情報で確認できたよな?

201 名無しの審神者
それだ!

202 名無しの審神者
確かにリアルタイムで見れた気がする

203 名無しの審神者
そんな機能あったのか

204 名無しの審神者
知らんかった

205 遭難審神者
皆ありがとう

206 名無しの審神者
担当さんが転移座標の絞り込みできそうだそうです。
もう少しです頑張って!

****

もう少しで救援が来る。
そのことに少し安堵した。
それがいけなかったのだろう。
すぐ傍に来た検非違使に気が付かなったのだ。
「あっ……」
逃げようにも背後は木で塞がれている。
太刀が振り上げられた。
来る痛みに備えて目をつむる。

「主!」

鶴丸の声がして目を開いた。
すると、目の前に鶴丸がいて私の代わりに腕で刃を受け止めている。
切り裂かれた腕からは血が服に滲んできている。
思ってもみなかった事態に頭が混乱した。
「つ、鶴丸!」
鶴丸の傷からはとめどなく血が流れ出ている。
私の心配をよそに鶴丸は一刀で検非違使を斬りふせた。
「っ……!主、怪我はないか?!」
「わ、私より鶴丸のほうが重症じゃない!」
「俺のことはいいんだ」
「よくないでしょ?!こんな時まで強がらないでよ!」
私は服の裾を裂いて鶴丸の傷口を覆った。
それでも血は止まらない。
心なしか鶴丸の顔色が悪い気がする。
「ありがたいがまだ検非違使を倒しきれていないんだ」
「そうなの……?」
「あぁ、何体か散って森の中に入って行ったのを慌てて追いかけてきたんだ」
そのうちの一体が私を見つけたのだろう。
「主が無事で良かった」
「ここでは手入れできないんだから鶴丸は無理しないで……」
「わかったわかった」
私が言うと鶴丸はまいったといった風に言った。
それでも片腕を怪我している状態の鶴丸に検非違使相手の戦闘が出来るとは思えない。
不安になり鶴丸の服の袖を握る。
すると安心させるようにその手を鶴丸が握った。
「絶対守るからな」
「うん……」


その時、私達の背後で草を踏みしめる音がした。

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