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君のとなり

原作: BLEACH 作者: konayi
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自己紹介からの1年後

「お待たせしました~☆」
隊員たちが集まる練習場に大鍋をワゴンに乗せて元気よくアリスがやってきた。

自分で言ったとはいえ、10人分の食事を作ることになったアリスは悩んだ結果カレーを作ることにしたのだ。


「おお!すげぇいい匂いだ!!!」
「俺、久々だぜ!あったかい飯!!」
「実家以来!!早く食おうぜ!!!」

いい匂いに反応する隊員たちに
どうぞ、どうぞと一人一人手渡しするアリス。
「いっただっきまーーーす!!!」
「「「いただきます」」」
そしてやちるの号令とともに一斉に食事が開始される。



「飯の前に紹介しようと思ったんだけどな・・」
剣八がアリスの隣に座りはぁとため息をつきながら言う。
「あはは、いいんですよ。お一人ずつ配ることもできましたし、緊張もほぐれました。それに・・「うめぇ!!」「最高だ!!」「疲れた身体に沁みるぅぅ!!!」
二人の会話を遮るようにアリスの料理に対する大絶賛の声が周りから聞こえる。

「ふふ・・。それに、こんなにも喜んでもらえているのでうれしいです」
「まあ、そうだな。お前の美味い飯を食ってから話したほうがすんなりと話ができそうだな」
剣八の美味い発言、隊員たちの絶賛コメントを聞き、家庭手の授業が好きでよかったと心から思うアリスであった。






「さて、お前らももう分かっていると思うが今日から新人が入る。名前はアリスだ。戦闘部隊のうちだが、アリスは戦えねぇ。これから少しずつ戦い方は教えていくが、当面の間は飯と掃除の担当だ。・・・お前ら手ぇ出すなよ」

今まで交代で食事と掃除を行っていた隊員たちは、食事を作るくらいなら戦いたいという希望があり食事は白飯だけということが多かった。掃除も同じ理由で、剣八が怒らない程度に掃除をしていた。
そんな理由もあり、掃除と食事が免除になるうえ美味い食事が出てくることに誰一人反対する者はいなかった。
まあ、剣八に反対など誰一人としてできないのが現実であるが・・。

しかし、最後の一言に引っかかる隊員たち。
「手を出すな」
これは恋愛感情を持つなという意味なのか、戦うなという意味なのか・・・。しかし、霊圧を上げながら「手を出すな」と言った剣八にその疑問を投げかけるものは誰もいなかった。


「あ、ご紹介に預かりましたアリスです。皆さんが気持ちよく過ごせるように掃除と食事頑張ります!よろしくお願いします」
ネタ要素を入れた自己紹介を考えていたが、先ほどの剣八の前振り後から場の空気が少しぴりついたため普通の自己紹介に変えたアリス。

そんなアリスにどこからか「さっきの飯美味かったぞ」と言葉が投げられると、次々と「本当に美味かった!これからも期待してるぜ!」「ありがとよ」と感謝の言葉が飛び交った。

「お礼の言葉、ありがとうございます!私もうれしいです!」
隊員たちの言葉に花のような笑顔で答えるアリスに何人かの隊員が胸を打たれていた。
同時に剣八の霊圧が上がり何人かうめき声をあげるのであった。




☆☆☆☆☆☆




「ふふ~ん」
鼻歌を歌いながら掃除をするアリスは十一番隊にやってきてもう1年になる。この1年でアリスは料理と掃除のスキルを上げていた。
アリスの作る料理はバランスよく作られており、隊員たちの健康状態もよくなり戦闘能力も上がっていた。
また、事務仕事も今ではアリスの仕事になっている。理由は、何度も書類の請求に来るあらゆる隊の人たちに迷惑をかけないように始めたことがきっかけであった。
そのお陰で、十三隊の色んな人と顔見知りになることができた。

(ここに来てからもう1年か・・・)
尸魂界にきてからの1年を振り返っていると「おいアリス。稽古するぞ」そう剣八に声をかけられた。

「はーい!今日こそは勝ちますよ!!」
「はっ、お前なんかにやられっかよ」
宣戦布告をするアリスを鼻で笑う剣八。この二人の関係も1年で劇的に変わってい・・・・・・・なかった。

お互い気になるかも?と思っていたが、今まで戦いにしか興味がなかった剣八に恋愛という感覚がわからず、アリスもまだ18歳であり今まで彼氏がいたことも無かった為、こちらも恋というものが分からないのだった。
しかし、鈍い二人のせいで迷惑しているのは周りの隊員たちであった。
料理が上手なアリスに食事の感想や、リクエストの為に声を掛けようものなら霊圧を上げた剣八に「何の用だ」と威嚇され、他の隊からの飲み会に剣八が誘われようものなら上の空になりミスを連発するアリス。
どう見ても両思いであるが、経験値のなさが二人の距離を縮められずにいた。


そんな二人を面白そうに見ているのは、お隣十番隊の副隊長、乱菊であった。
「いや~・・ほ~んとじれったいんだから~。まぁ、それがいいんだけどね~うふふふふ。何かくっ付けるイベント起きないかしら~・・。あ!いいこと思いついちゃった(はーと)」
練習場に向かって歩く二人を、木の上から何やらよからぬことを考えながら嬉しそうにみていた。

そしてそんな乱菊を十番隊のちびっ子隊長は探し回っていたのであった。
「松本ぉぉぉおおおおお!どこだー!!!!」
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