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君のとなり

原作: BLEACH 作者: konayi
目次

十一番隊6席の誕生

バシッ、バン、カンッ

練習場から激しい音が聞こえる。

「お~アリスは懲りもせずに隊長に挑んでるのか?」
剣八とアリスが手合わせをしている中にわらわらと隊員たちがやってくる。二人の手合わせは十一番隊にとっては日常の一コマになっていた。


「破道の三十一、赤火砲!」
アリスの鬼道が飛び出すも、剣八にはヒョイっと避けられてしまう。そしてあっという間にアリスの持っていた木刀を飛ばす。
「そこまで」
終了の号令がかかった。


「もぅ!全然勝てなーい!せっかく雛森ちゃんに鬼道教えてもらって練習したのに~!剣の才能ないのかな~・・」
「はっ、俺に勝とうなんざ何百年も早ぇよ」
がははと笑いながら頭をたたく。
アリスはこの1年で雛森から鬼道を教えてもらっていた。鬼道のセンスがあるようで、様々な技を習得していった。しかし、剣八相手となると全て無駄なようでまったく勝てたためしがない。

「は~・・もういいや!ご飯作ろっ!!更木隊長ありがとうございました!今度は勝ちますからね!」
そう言うと、食事の準備の為キッチンに向かうアリス。
そんなアリスの後ろ姿を見ながら「そろそろか・・」と独り言を言う剣八であった。




食事の準備も終わり、みんなを招集しようとしたとき一角がキッチンに入ってきた。
「よぉ、アリス。ちょっと話があんだけど」
「いきなり如何したのですか?告白ですか?それともボコられるのですか?もしくはそのツルツルの頭を磨くのを手伝うのですか?・・それは嫌です」
いきなりやってきた一角に身構えるアリス。
「そうだな、最後の一言でボコることは決定したがそうじゃない。隊長が呼んでんだ。隊長室に来いって」
「えぇ!隊長が!?もしかして、さっきの手合わせの反省会かな~。もしくはこの間やちるちゃんとやった悪戯がバレたとか!?あ~だから鈴を鐘に変えるのは反対だったのよ~!!せめて風鈴くらいなら何とか誤魔化せたかもしれないのに~!ね?つるりん!」
「つるりん言うな。それと、お前らそんな事してたのか・・。知らねぇぞ俺は・・。一応伝えたからな!ま、怒られて稽古してもらえなかった時は俺が稽古つけてやるよ」
やちるとアリスの悪戯の悪質さに驚きながらも、自分は用件を伝えたと言いひらひら手を振りながら去っていく一角。

「あ~ほんとどうしよ。やばいよやばいよ~!!」

某芸人のキメ台詞を言いながら重い足取りで隊長室へ向かうのであった。






「よう、来たか」

チリンと髪の鈴を鳴らしながら顔を上げる剣八。

「どうしましたか?要件ならさっきの手合わせ後に言っていただいたほうがダメージ少ないと言いますか・・・。お、怒るならお手柔らかに・・!」
自分が負けた後に悪戯のお叱りを受ければダメージは1回で済むというアリス理論を話す。しかし、剣八の口からは予想外の言葉が返ってきた。
「は?何の話だ?」


え!?


・・・どうするアリス!?どうはぐらかす!?怒っていると仮定して話していたが怒っているのか!?もし、怒っていなくて「なんで怒られると思ったんだ!?」とか言われたらどうしよう!?
剣八は筋肉バカだが、鈴を鐘に変えたときはすぐに怒りだしていたから、鈴と鐘の違いはすぐに分かる・・しかしその程度しか気づかない馬鹿だ・・!そのほかに数えきれないほどの悪戯は全てスルーされていたハズ!!で、でも、怒られる原因を話したら命が危ない・・!!さあ、どうする!?

剣八がアリスの頭の中を覗いたら殺されるかもしれないほど、剣八を馬鹿にしているアリス。
しかしそれも仕方ない話・・。何故なら、剣八はこれまでやちるとアリスに数えきれない程の悪戯を仕掛けられてきたが、その全てをスルーして過ごしていた。

その中でも特に面白い反応が期待できそうだったのは、ごみが付いていると言いながら剣八の額に肉マークを書いたり、剣八の羽織にうさぴょんのアップリケを施したり、剣八の飲み物にデスソースを入れたりした悪戯だった。しかし、二人の予想通りにはならず・・全て・・本当に全ての悪戯をスルーされたのだ・・!


(実は剣八の額の肉マークはその後すぐに出会った一角にさり気なく拭かれ、うさぴょんのアップリケを施した後は、ホロウとの戦いで羽織が燃え落ち、デスソースは「ん?なんか美味いな」という人類を超えた味覚の為に気づく事無く終わったそうな)


そういう訳で、やちる&アリスコンビの名は尸魂界で知らない者がいないほど広まっていた。史上最恐の悪戯コンビになっていたのであった。



そんな回想をしながら剣八に「そ、それで話ってなんですか?」と思いっきり話を逸らす作戦に出た。
頭に?マークを付けながらも、この話逸らし作戦に乗っかってくれた剣八は「あぁ・・」と話を再開する。

「実はお前に辞令が出た。今日からお前は十一番隊第6席に任命する。異論は受け付けんが文句は聞くぜ」
突然の話に頭の回転が付いていかないアリス。
「へ・・?えぇ~第6席に~おめでとうございます~・・。え~っと・・・誰が出したっけ?」
「お前の話だぜ?アリス、お前がここの第6席になるんだ。キビキビ働けよ?」


「・・・・・・・!!!!はぁぁぁぁぁああああああ!!???」


本日、アリス6席が就任した。
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