第二問④
「ところで雄二、何で姫路さんに問題が無いと勝てるんだ?」
「そうか、転校生は知らなかったんだよな。姫路は元々Aクラス、しかもトップクラスの実力の持ち主なん
だ」
「……ああ!」
そういえば、振り分け試験の最中に熱が出たって言ってたな。だから自己紹介のときにクラスの馬鹿共が
騒いでいたのか。
凄い人なんだなぁ、姫路さんって。隣で 『そんなことないですよ~』 って言いながら頬を紅く染めな
がら照れてる仕草は、破壊力抜群だし。
「それで雄二。Dクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」
姫路さんに見惚れてると、明久のボイスが耳に入ってきた。最悪だ。
「ああ。確実に勝てるとは言えないな」
「だったら最初からAクラスに挑もうよ」
「初陣だからな。派手にやって今後の景気づけにしたいだろ? それに、さっき言いかけた打倒Aクラスの
作戦に必要なプロセスだしな」
確かに、こと戦争においては士気というものが大切になってくる。だからこそ、雄二の言うことは正しい
とは思うのだが……。
「…………うーむ」
いかんせん、Fクラスのメンバーでは圧倒的に戦力不足だろう。どれだけ士気を上げようが、Aクラス相
手では然程意味はないはずだ。
俺達がAクラスに勝つには、さっき雄二が言っていた作戦とやらに全てが掛かっている。内容は分からん
が、どうかまともな作戦であってくれ。
「あ、あの!」
と、姫路さんが発したとは思えない程のでかい声。何事だ?
「ん?どうした姫路」
「えっと、その。さっき言いかけた、って……吉井君と坂本君は、前から試召戦争について話し合ってたん
ですか?」
「ああ、それか。それはついさっき、姫路の為にって明久に相談されて――」
「それはそうと!」
突然明久が大声で雄二の言葉を遮った。
「さっきの話、Dクラスに勝てなかったら意味がないよ」
「負けるわけないさ。お前らが俺に協力してくれるなら勝てる」
笑いながらも、自信満々にそう応える雄二。
……あれ? さっきと矛盾してない?
「いいか、お前ら。ウチのクラスは──最強だ」
それは不思議な感覚だった。
根拠のない言葉なのに、なぜかその気になってくる。
雄二の言葉にはそんな力があった。
「いいわね。面白そうじゃない!」
「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」
「………… (グッ)」
「が、頑張りますっ」
「ふっ。転校生の活躍でハッピーエンド……最高じゃないか」
「いや、意味分からんぞ?」
打倒Aクラス。
荒唐無稽な夢かもしれない。実現不可能な絵空事かもしれない。
でも、やってみないと何も始まらない。
折角こうして転校してきて、同じクラスになったんだ。何かを成し遂げてみるのも悪くない。
「そうか。それじゃ、作戦を説明しよう」
涼しい風がそよぐ屋上で、俺達は勝利の為の作戦に耳を傾けた。
「そうか、転校生は知らなかったんだよな。姫路は元々Aクラス、しかもトップクラスの実力の持ち主なん
だ」
「……ああ!」
そういえば、振り分け試験の最中に熱が出たって言ってたな。だから自己紹介のときにクラスの馬鹿共が
騒いでいたのか。
凄い人なんだなぁ、姫路さんって。隣で 『そんなことないですよ~』 って言いながら頬を紅く染めな
がら照れてる仕草は、破壊力抜群だし。
「それで雄二。Dクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」
姫路さんに見惚れてると、明久のボイスが耳に入ってきた。最悪だ。
「ああ。確実に勝てるとは言えないな」
「だったら最初からAクラスに挑もうよ」
「初陣だからな。派手にやって今後の景気づけにしたいだろ? それに、さっき言いかけた打倒Aクラスの
作戦に必要なプロセスだしな」
確かに、こと戦争においては士気というものが大切になってくる。だからこそ、雄二の言うことは正しい
とは思うのだが……。
「…………うーむ」
いかんせん、Fクラスのメンバーでは圧倒的に戦力不足だろう。どれだけ士気を上げようが、Aクラス相
手では然程意味はないはずだ。
俺達がAクラスに勝つには、さっき雄二が言っていた作戦とやらに全てが掛かっている。内容は分からん
が、どうかまともな作戦であってくれ。
「あ、あの!」
と、姫路さんが発したとは思えない程のでかい声。何事だ?
「ん?どうした姫路」
「えっと、その。さっき言いかけた、って……吉井君と坂本君は、前から試召戦争について話し合ってたん
ですか?」
「ああ、それか。それはついさっき、姫路の為にって明久に相談されて――」
「それはそうと!」
突然明久が大声で雄二の言葉を遮った。
「さっきの話、Dクラスに勝てなかったら意味がないよ」
「負けるわけないさ。お前らが俺に協力してくれるなら勝てる」
笑いながらも、自信満々にそう応える雄二。
……あれ? さっきと矛盾してない?
「いいか、お前ら。ウチのクラスは──最強だ」
それは不思議な感覚だった。
根拠のない言葉なのに、なぜかその気になってくる。
雄二の言葉にはそんな力があった。
「いいわね。面白そうじゃない!」
「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」
「………… (グッ)」
「が、頑張りますっ」
「ふっ。転校生の活躍でハッピーエンド……最高じゃないか」
「いや、意味分からんぞ?」
打倒Aクラス。
荒唐無稽な夢かもしれない。実現不可能な絵空事かもしれない。
でも、やってみないと何も始まらない。
折角こうして転校してきて、同じクラスになったんだ。何かを成し遂げてみるのも悪くない。
「そうか。それじゃ、作戦を説明しよう」
涼しい風がそよぐ屋上で、俺達は勝利の為の作戦に耳を傾けた。
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