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原作: その他 (原作:キングオブプリズム) 作者: iou
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部屋に入ってきたのは今にも折れそうな小柄な身体と、
月明かりに照らされてさらさらと流れる銀髪だった。


「な・・」


明らかに、様子がおかしかった。


どうした、
とアレクが声をかけようとした瞬間
ルヰの瞳に溜まっていた涙は頬をつたった。

アレクは暗闇で見えないルヰの顔を確認しようと再度のぞき込むと
ルヰは静かに涙を流していた。




「アレク君、僕はもう、だめかもしれない」

アレクは言葉が出ない。
なぜか、
あまりにもさめざめと泣く姿が美しかったからだ。

その大きな瞳から流れる涙はまるで真珠のようだった。





「僕はね、とても弱いんだ。寂しさに、どうしても負けてしまう。」

「こんなことを、言うのも、思っても、いけないと思う。
誠実でもないのはわかっている。

でもね、
好きな人を一途に思うことは、ものすごく辛くて勇気のいることだよ。」



「僕だけが、好き。なんだ、彼を。
でも、彼は、僕を愛してはくれない。
気付いては、くれないんだ。


僕が彼への気持ちを伝えれば、
彼も答えてくれるかもしれない。
でも、それは本当の彼の気持ちなの?」


アレクには、返す言葉がなかった。
こんな時、なんて言って慰めればいいかわからない。

ルヰの言葉は深く刺さるようだった。


「こんな・・・こんなに悲しいことはない・・っ。」

あまりにもその瞳美しかった。



泣き顔が美しくて、
アレクは吸い寄せられるようにルヰの頬に手を伸ばしていた。


「う・・・っ」
冷えた頬につたう、温かい涙。
重なったのは、ルヰの手だった。

声を押し殺して泣くルヰの頬を、アレクは撫でた。
ルヰの白い顔が掌にすり寄る。


何かに気持ちが押されるかのをアレクは感じた。



「毎日夜明けが怖いんだ、
毎日、毎日

愛しい人に会いたいのに、会えないんだ。
会えているのに、孤独なんだ。」


「ずっとこのまま僕はこのまま孤独なんだろうか、
一人なんだろうか。

わかってる、おかしいのは

でも、

でもね、

僕だって時には苦しくって、苦しくって
泣きたくって、どうしようもない夜があるんだ。」


どうしたらいい?





ルヰを慰めようと近づくアレクの顔を見る。


上目づかいになった顔に
自分の中に新しい気持ちが芽生える。

一瞬抱きしめそうになった腕をぐっとこらえた。

なんだ、この気持ち、なんだ、この感情。


仁科カヅキに感じた気持ちとはまた異なる感情だ。






「僕だって寂しいんだ、さみしくてたまらない。」


「抱きしめてほしい夜だってある。」




「アレク君は、どう?」


ルヰの黄金色の瞳がゆらゆらと揺れている。
その純粋且つ、悪魔のような眼に吸い込まれそうになる。


「オ、れは・・・」

大丈夫、僕に任せて。

ルヰはそうつぶやくとアレクの唇に自分の唇を優しく押し当てた。



___________________________


アレクの中で何かがはじける音がした。
それは目に見えるものではないし、
感じることしかできないような、自分では抑えの効かないものだった。
唇に触れている優しい感触と、感情の処理が追いつかない。



ばちばちと目の間がチカチカする。
俺は今、いったい、何を、されて、る?


気付けば冷たい床にルヰを押し倒していた。

床は白く薄暗い色をしていたが、それに映えるようにルヰの白い肌は、月明かりに照らされて青白く見えた。
その地も通って居ないような青白さがやけに妖艶で、人間味を隠す。

さらに細い首筋は、指をかければいとも簡単に折れてしまいそうだ。
しかし、それはシルクのようで、思わず触れたくなる。


ぁ・・・っ

と、ルヰの小さな吐息が漏れる。
アレクは考える間もなくその柔肌に唇を落としてしまった。

冷たい唇を首に落とした瞬間、冷たさか、それとも感触か、アレクの意図しない行動に驚いたのか
小さな体が自分の腕の中で跳ねるのを見ると、アレクはその過敏な姿が愛らしくて守りたくて仕方がない衝動にかられた。

そんなことを考えているとルヰと目があった。
腕を首にかけられ、顔を引き寄せるようにして唇が触れる。

しっかりとした、柔らかい感触。
アレクの理性はそこで途絶え、重なった柔らかい唇をむさぼった。




_________________


ルヰはアレクの胸に手を這わせ、上目づかいで見つめると

「僕に任せて。」

一言だけ発して、アレクの制服のズボンに手をかける。



ベルトのボタンを外し、制服のチャックをあける。

ルヰはアレクの様子を伺うことはせず、ショーツの上からアレクに舌を這わせた。

ヘビのようなその振る舞いに、アレクはゾッとしたが、
不思議とそのルヰの慣れた手つきの行動に目をそらすことができなかった。

今まで、画面でしか見たことのないこの光景を、
自分が身体で感じる日が来るとは思ってもいなかったのだ。

好奇心と、恐怖と、羞恥心、とまどいとそして罪悪感で、
今にも頭が沸騰して、爆発しそうだ。


「ぐ・・っ」

くすぐったいだけの感覚から、急にせりあがるような快楽へと変わっていく。
ルヰはアレクのショーツを脱がし、そのまま軽く舌でなぞる。

じれるようなその動きに、思わずアレクの腰が動く。
ルヰは犯のが嬉しくて、思わずニヤリとしてしまった。
そのまま口に一気に加えると上下にピストンさせた。


徐々に追い込まれる感覚に冷や汗が出る。
寒く、冷えた部屋の気温が自分の体温によって上昇していくのがわかる。

「っぁ・・」

思わず腹部に力が入る。
ルヰは反応を楽しみながら、小さな赤い舌でチロチロと舐めて見せた。
その馬鹿にしたしぐさも愛らしくてアレクはルヰの顎をつかみ
唾液をぬぐってキスをした。





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