ネット喫茶.com

オリジナル小説や二次創作、エッセイ等、自由に投稿できるサイトです。

メニュー

春が訪れるかも

原作: その他 (原作:花より男子) 作者: inoiti
目次

マークの馬鹿

あきらからマカオに行ってこいと言われた。
あの男と別れて欲しいとも言われた。
あきらに聞いてみた。
「私の事を奪い去ればいいと思うんだけど。」
「そうして欲しいのか。それならそうするけど。」
して欲しいようなそうではないような、
複雑な気持ちだった。
マークに会ったら気持ちが変わるような気がした。
だからマークに会いたくもなかった。
電話が鳴った。
類様からだった。
「もしもし桜子、お前今他の男好きなんだってな。」
少し怒っている。
「花沢さんには関係ありません。」
「俺の事が好きだった癖に。」
「過去の話ですわ。」
「桜子は俺とあきら以外は好きになったらいけないの。
分かった?じゃあね。」
一方に電話が切れた。
えっ、告白?好きという事?
ますますわけ分からなくなってきた。
私は誰の事を好きなんだろう?
ツンデレのあきら、それとも癒し系の類様、
それとも、優しいマーク。
うーんマカオにいた頃は、マークが一番だった。
離れてからは分からない。
拗ねるあきらも可愛い。
でも本当にあきらで良いのか分からない。
恋は洋服を選ぶより難しい。
頭で考えていたらお腹が空いた。
マカオに着いたらスイーツ食べよう。
マカオでは一人でいたいな。
一人でいた方が気持ちが決められる。
マカオに着いた。
まずはスイーツ探しだ。
空港の近くに良いお店を見つけた。
ミルフィーユのようなケーキがあった。
美味しそうだ。
当たりだった。
食感が違って面白い。
このケーキのために戻って来たと
考えよう。
ついでにミルクプリンも頼んだ。
さっぱりしていて美味しい。
マークと食べたアイスを思い出した。
その方が気楽だ。
重い足取りでマークのレストランに向かった。
ちょうど営業中のようだ。
マークが私に気付いた。
裏に回るように言われた。
裏に回るとマークのレストランの従業員さんがいて、
休憩室に案内してくれた。
休憩室には色々なマークの私物があった。
その中に、アルバムを見つけた。
写真がたくさんある。
マークは小さい頃からイケメンのようだ。
次のページを開いて驚いた。
マークとたくさんの女性の写真があった。
個別に撮ってある。
女性の人数は数えきれない。
中にはハグやキスしている物もある。
裸の女性との写真もある。
普通ではない。
もっと見ようとしたらマークに取り上げられた。
「何それ、意味が分からない。
普通じゃない。変だよ、それ。」
「桜子には関係ない。余計な物は見るな。」
「桜子には関係ない。キスしたくせに。」
「キスくらいでグタグタ言うな。
そんなに文句があるなら帰れ。」
背中を押された。凄い勢いでおかげで転けそうになった。
凄い勢いでお店を出た。
行く所がないのでホテルに向かった。
ちょうどチェックインの時間だった。
涙をこぼさないように頑張った。
部屋に入ったとたん涙が溢れた。
何で私がマークのため何かになかないといけないのだろう。
本当にムカつく。マーク、二度と会うか。
連絡先も知らないので会えるわけもない。
お酒を飲みたい気分だった。
桜子は、一回もお酒を飲んだ事がない。
飲み始めると、あきらから電話がかかってきた。
「もしもし落ち合う場所、変更。
日本でにしよう。永徳のカフェテリアで待つ。」
「分かっちゃー」
「桜子、ろれつが回ってないぞ。
酔っぱらっているのか?」
「悪い?ほっといて…」
「ほっといておけるわけないだろう。
とりあえず寝るんだぞ。」
優しいあきらの声に救われた。
次の日の朝ー
二日酔いになっていた。
頭が割れそうに痛い。
マークのせいだ。
仕方がない。
今日一日、部屋で寝ていよう。
何も食べたくない。
痛い頭で考えた。
類様からは告白みたいな事を言われた。
あきらも優しい。
マークはなしだ。
凄く好きだった分、ショックだった。
あーいう男もいるという事が分かった。
マークの分、あきらを傷付けた。
会ったら謝ろう。
ホテルの部屋に居たら気分が沈むので、
出掛ける事にした。
どこにしよう。
あまり行った事がない所にしよう。
そうだ。カラオケだ。
日本でも行った事がない。
確かホテルの近くにあった。
歩いて出掛ける事にした。
部屋が凄く広かった。
一人では広すぎると思った。
ミラーボールが光っている。
少し安っぽい作りだ。
考えてみたら私は、
日本の歌手の歌を知らない。
英語の歌をいくつか歌った。
熱唱していたら気分が少し楽になった。
明日はよいよ日本に行く日だ。
そう考えると緊張する。
緊張したらお腹が減った。
朝から何も食べていない。
時刻は昼過ぎ。
カラオケを出てうろうろしていたら、
美味しそうな香りがしてきた。
よく見ると豚肉の丼だった。
ご飯大盛で注文した。
さっぱりしていて美味しい。
油っぽくない。
豚丼のおかげで決意出来た。
まっすぐホテルに帰った。
明日の荷造りのためだ。
きっともうマカオには来ない。
嫌な思い出があるからだ。
あんなに好きだったポルトガル料理だが、
しばらくは食べたくない。
あんな男とキスしたかと思うと、
気持ち悪くなった。
でもあのあとあきらにいっぱいキスされたから
なしになっているはずだ。
そうじゃないと困る。
そう思いながら桜子は荷造りをした。
目次

※会員登録するとコメントが書き込める様になります。