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春が訪れるかも

原作: その他 (原作:花より男子) 作者: inoiti
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思い出の解決

「桜子ちゃんじゃあないか」
「そうですけど何か?」
「隣の男の子はあきら君か。」
あきらと顔を見合わせた。
「二人とも面影がある。すぐに分かった。」
あきらを呼び寄せて小突いた。
あきらが痛そうにした。
「桜子ちゃんのわがままな所もそのままみたいだね。
あきら君は桜子ちゃんのそんな所が好きみたいだし…」
あきらがクスクス笑っている。
何かムカついた。
「二人は幼なじみじゃ。
親同士が昔、結婚の約束事をしていた。」
がーん、それ本当に私でしょうか?
「二人の両親はこの近くに別荘を持っていた。」
確かにそうですけど。
見た目も内装もよく似ている。
「二人ともよくここら辺で遊んでいた。
ここら辺のお店の人はみんな二人の事を知っている。」
「わしは二人が結婚した方がいいと思っておる。
二人に好きな人がいない場合の話ではあるが…」
あきらが何かの写真を見せた。
その写真は、私で間違えなかった。
私はため息をついた。
本当に私だった。
あきらは検討が付いていたみたい。
どうして…写真からか。
それとも他の方法か。
ロンドンの夜景スポットにてー
「綺麗だね、桜子。
でも一番綺麗なのは君だ。」
あきらは寒いせりふを繰り返している。
いい加減止めてほしい。
「もしかして自分が綺麗な事に気が付いていない?
だからモテるんだよ。そして俺を裏切る。」
あーあ、今の全てが嬉しくない。
しかも嫌みまで言われている。
ムカつくから止めて。
綺麗な夜景も綺麗に見えない。
もったいない。
「桜子にプレゼントがある。」
渡されたのは、指輪だった。
「俺からの愛の証だ。」
また気持ち悪い事言っている。
そもそも愛の証って何?
自由にして欲しい。
受け取った時点で何か起こりそう。
怖い。
勘弁して欲しい。
受け取ったらきっと明日は結婚式だ。
またキスをした。
いつの間にキス魔になったのだろう。
「ホテルに帰ろう。」
帰りたくないです。
野宿でもいいわ。
ホテルにてー
ホテルに着いてからもあきらは寝ようとしない。
寝ろ!寝ろ!とおまじないをかけている。
それでも寝ない。
私がまた逃げるとでも思っているのか。
「ねぇ俺が言った通りだった。
もう俺の物になれ。」
どういう意味だろうか?
一応断った。
「嫌です。大体幼なじみだからって結婚する理由にはなりません。」
「俺は、チャラチャラしているのも女癖も全て卒業する。」
「ほら、やっぱり他に女いたんだ。最低。」
「いない。」
「今夜は寝かせない…。」
「近づかないで…。」
「何て嘘。おやすみ。」
しばらくするとあきらは寝た。
アフタヌーンティーのお店にてー
せっかくイギリスに来たからにはこれを楽しまなくちゃ。
私の好きなアイシングクッキーもある。
甘さ控えめでいくらでも食べられる。
ここはあきらの行き着けらしく個室に通された。
食べている私の姿をあきらが見ていた。
「ケーキも食べよう。どれがいいかな。」
まずは、キャロットケーキで次はこのベリーのケーキ。
レモンタルトもある。
どれも美味しい。
私は、未だにキャロットが食べられない。
でもなぜかケーキにすると食べられる。
さっきからあきらが黙っている。
黙々とアイスコーヒーを飲んでいる。
もう3杯目だ。
なぜ、アフタヌーンティーでアイスコーヒーを飲んでいるのかも不明だ。
わけが分からない。
私が邪険にしたからだろうか?
昨日まではベタベタしてたくせに。
すると急に意を決したように話し出した。
「桜子、俺の事を本当に何とも思わないか?」
「分からない。少しは気になっているかもしれない。」
「本当か。」
「自分でも自分の気持ちが、ここ最近分からないの。」
「俺はお前の事が好きだ。前以上に。」
また告白された。
抱き締められそうになる。
お店にいる何人かがこっちを見ている。
個室だが、入り口が開いているので見えたようだ。
凄く恥ずかしい。
今日は香水をしているのかその香りがする。
柑橘系の爽やかな香りだ。
香りに気を取られていると、あきらの腕が目の前にあった。
筋肉質の腕だ。
前はあんなにマークを思っていたのに。
今の私はあきらの腕に抵抗しなかった。
だから次の瞬間、またキスされた。
あきらに言いたかった。
一応、ここ公衆の場ですよと。
たぶんあきらには通じない。
なので少し抵抗した。
するとあきらが怒った。
「やっぱりあいつが好きなんだ。
ひどい。類の次は得体のしれない奴だ。」
「あいつとは、マカオのど真ん中でイチャイチャしてたくせに。」
「昔に戻りたい。昔と言っても少し前の桜子が、
俺を好きだった頃に。」
少しだけど泣いている。
私のせいだという事は分かっている。
するとあきらが衝撃な事を言い始めた。
「桜子、一回マカオに行きな。
出来ればあの男と別れてきて欲しい。」
マークと別れられるだろうか?
私は優柔不断だ。
「もし別れてきたなら台湾で会おう。」
どうして台湾なのか、理由を聞いてみた。
「類とメイが旅行しているからだ。
昨日、あの二人に連絡しておいた。
なぜかバラバラに旅行しているみたいだったけど。」
そう言えば今、思い出したけどメイの殺し屋の人達、
現れなかった。
不思議だ。
「2日後台湾で落ち合う。約束だ。」
指切りさせられた。
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