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春が訪れるかも

原作: その他 (原作:花より男子) 作者: inoiti
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逃亡

そして私は、イギリスにいる。
逃げる方法を見つける事が出来なかった。
横を向くと彼は微笑んだ。
そして抱きついてきて首にキスをした。
正直、ウザいと思った。
イギリスに来て、喜んでいるのはあきらだけだ。
おめでたい。
「イギリスに来てから、何回キスするの。
うっとしい。」
「うっとしいじゃなくてうっとりだろう。」
「元いた場所に帰りたい。」
「大体どうしてマカオなんだ。カジノ負け続けるだろう。」
「とにもかくにも桜子は俺の物だから。
そうだ。ロンドンの夜景見に行こう。
ロマンチックだぞ。
ホテルも別室だから問題ないだろう。」
「行かない。見に行きたいなら一人で行けば。」
「じゃあ行かない。桜子といる。」
本当に嫌いだ。
あれからマークと連絡取ろうとしたが、連絡先を交換するのを忘れた。
さっき気が付いたがなぜかこの場所、カップルがイチャイチャしている。
早く離れよう。
あきらから逃げた。
まだ気が付いていない。
人混みをすり抜けてきた。
ここまで来たら安心だ。
さぁどこに行こう?
とりあえずホテルに戻ろう。
ホテルの入り口にてー
何ていう事だろう。
ホテルの入り口の回りにはあの巨漢の男達がいる。
今、入ったら捕まるだろう。
嫌だ。嫌だ。
とりあえずクレジットカードは持っている。
使うとたぶん場所がばれるので、ロンドンから離れよう。
ケンブリッジに移動しよう。
昔、行った事がある。
地理も少しなら分かる。
移動開始だ。
マカオのマークにてー
その頃、最後のデザートエッグタルトを作り終えたマークが、
ようやく桜子がいない事に気が付いた。
「姉貴、桜子がいない。」
「時間のかかる物も作っていたから待ちきれなかったのかな。」
「そんなわけないじゃない。
桜子さん、マークの料理楽しみにしてたんだから。」
「えっ、とりあえず警察に連絡、連絡。」
「もしもし警察ですか?女の子が一人いなくなりました。
名前は桜子です。」
「どういう事ですか?桜子を探せないって。」
電話は切れてしまった。
「探せないそうよ。」
「どうして…」
「ねぇ桜子さんとはどこで出会ったの?」
「空港だよ。何で。」
「探せないって何かありそうじゃない。
そうだ。桜子さんの泊まっていたホテル、
行ってみましょう。」
「分かったよ。」
マカオのホテルにてー
「ちょっとこのホテル、凄い高級な所じゃない。
宿泊費、いくらかかるのよ。」
「そうだね。」
「すいません、桜子という名前の女の子がこのホテルに宿泊していましたか?」
「はい、スイートルームに宿泊していましたよ。」
「どういう方ですか?」
「桜子様は、財閥令嬢です。
これ以上は教えられません。」
フロントから離れると、姉貴が話し出した。
「マーク、あの子が令嬢だと知っていたの?」
「知らないよ。告白しようと思ってたんだけど、
フラれるかな?」
「大丈夫よ。あの子もあなたの事、
好きみたいだし…」
「どうやって探そう?」
「とりあえず家に帰りましょう。」
ケンブリッジにてー
大学も多く、留学生も多い。
ケンブリッジなら隠れる事が出来そうだ。
ホテルも確保した。
安い宿にした。
そうした方が目立たないと思ったからだ。
でもすぐに居場所がバレそうなので、
明日には違う街に逃げる。
その前に、植物園に来た。
その前にお腹が空いた。
隠れるのに必死になりながら、
ケンブリッジに来たからだろう。
ひさしぶりに日本食を食べたくなった。
回転寿司のお店があった。
色々な日本食を食べる事が出来そうだ。
寿司の盛り合わせを頼んだ。
美味しい。
ダイエット中だけど今は忘れよう。
食べ過ぎてお腹が痛くなった。
少し休憩してから植物園に行こう。
ケンブリッジの植物園は、大学の植物園だ。
温室もあるらしい。
植物園は初めて行く。
普段の桜子なら植物園には来なかった。
マークと出会ってから少し変わった。
植物園に歩いて向かった。
植物園の前で誰に手を取られた。
誰だろうと思ったら、
あきらだった。
今にも泣きそうな顔をしている。
「何でいつも消えるんだ。
お前は俺の物だ。」
「違います。どちら様ですか???」
するとバックハグされた。
あきらは力が強い。
身動きが取れない。苦しい。
「離して…もう逃げないから。」
「本当に、本当?」
「はい、はい。」
マジで面倒だ。
マークに会いたい。
きっと今頃、心配している。
「桜子に告白します。
結婚して下さい。」
「それは、嫌です。」
「何で???」
何て言えばいいのか分からない。
本当の事を言うと大変な事になりそうだ。
そうだ。そうしよう。
「思い出の子と結婚して下さい。
もう誰か分かったんでしょう?」
「まだ分からないよ。」
「そう言えば桜子がどうしてマカオにいたか調べた。」
「大学の友人に勧められたそうだね。
単純。」
あきらが笑っている。
「マカオで何をしていたかも知っている。」
「そんなわけないじゃない。あきら、
マカオにいなかったんだから。」
あきらはいなかった。
でも巨漢の男達や明智さんはいた。
「まさかねぇ。どこまで知っている?」
「えー桜子が俺とずーっと一緒にいるって
言わないと教えない。」
あきらは、体を密着させてきた。
「それとも何かやましい事でもあるの。」
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