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春が訪れるかも

原作: その他 (原作:花より男子) 作者: inoiti
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悲しい色

約束通り、パン屋に向かっている。
そのパン屋は、ロンドンの中心部の外れにあるらしい。
市場は、週末だけしかやってない。
レトロな建物だった。
ドアを開けて、入った。
カランカランと音がした。
昨日の女性が出てきた。
「何回も言うけど、本当ひさしぶりねぇ。」
「はい、アルバム」
赤い表紙の物を受け取った。
開けば昔の思い出が分かるだろう。
分かりたいような分かりたくないような気分になった。
開いた。
アルバムの女性の小さい頃の写真の中に、
あきらの写真がある。
小さい頃から俺は、イケメンだ。
何枚かに女の子が一緒に写っている。
でも見た事ないような気がした。
決して可愛い子ではなかった。
「この子に見覚えない。」
「でもあなた達、本当に仲が良かったのよ。」
「ありがとう」
アルバムから調べるしかないか。
「あなた達の両親達は、いつか結婚してくれたら、なんてそんな話をしてわ」
凄い話だ。
ブランクがあり過ぎる。
「このパン屋によく来ていたわ。」
「この近くによく来ていたの?」
「そうよ。」
この近くで調べてみる事にした。
マカオにてー
マークの顔は飽きない。
今、私達はマカオタワーに向かっている。
「マカオ全体が見渡せるよ。」
「面白い事も出来るし。」
「えっ、何?何?」
「それは秘密。」
マークは、指を口に当てた。
「ほら、見えてきた。」
凄く綺麗なタワーが見えた。
初デートにぴったりの場所だ。
マカオタワーにてー
展望台に着いた。
本当にマカオ全体が見える。
小さい街だか綺麗な街だ。
一瞬、ここでマークと暮らしたいと思ってしまった。
「ここで、アトラクション出来るよ。バンジージャンプに、
スカイウォーク等が出来るよ。
桜子、やる?」
「怖いからやらないよ。」
マークが笑っている。
すると突然、マークからkissされた。
「どういう意味?」
また笑っている。
「桜子、可愛い。」
嬉しく感じた。
恋愛通りに行く前に教会に行こう。
「ねぇ教会で何を祈るの?」
「えっと桜子の事。」
マークも私の事が好きなのか。
もしそうなら嬉しい。
教会に着いた。
綺麗な教会だ。
歴史を感じる。
石畳な所もいいが歩きにくい。
マークが手を差し伸べてくれた。
登りきるとマカオタワーと同じくらい綺麗な
景色が広がった。
教会の中にも入った。
中も綺麗だった。
マークはさっそく何かを祈っている。
私の事だったら嬉しい。
嬉し過ぎて死んでしまいそうだ。
桜子もマークの事を祈った。
恋愛通りに行くのも楽しみだ。
でもマークからは離れたくない。
マークへの想いが大きくなった。
イギリスにてー
昔の思い出も大事だが、そろそろ桜子をはめなければいけない。
協力してもらうのは、俺の家を代々面倒みてくれている明智だ。
まず、明智に電話した。
「もしもし、明智か?頼みたい事がある。」
凄くウキウキしてきた。
これで桜子を取り戻せる。
桜子にてー
急に電話が鳴った。
マークといい感じなので初めは出なかった。
邪魔するなと思っていた。
あまりしつこいので出る事にした。
何となく逃げられないような気がした。
電話の相手は、あきらの家の明智さんからだった。
今、最も思い出したくない相手だ。
仕方がない。
「もしもし、明智さん。私に何の用ですか?」
「桜子様、お坊っちゃまがイギリスで居なくなりました。」
だから何?
私には、関係ないじゃない。
「どこにいるか存じませんが、
助けてくれませんか?お願いいたします。」
「嫌です。あきらとはもう関係ありません。」
切ってしまった。
歩いて電話してたら恋愛通りにたどり着いた。
ここの街並みも綺麗だ。
女性ばかりいる。
マークがここの壁が可愛いと教えてくれた。
本当に可愛い。
色も凄く鮮やかで日本にはない場所だ。
「夜になるとまた感じが変わるよ」
「写真をたくさん撮ろう。」
マークがカメラを持ってきてくれていた。
こういう所がマークの優しい所だ。
一緒にいて楽しい。
マークが写真を撮り始めた。
壁にカップル達の落書きを見つけた。
どれもロマンチックだ。
私は今までロマンチックとは無縁だったような気がする。
「ここが気に入ったなら今度は、コロアンビレッジに連れてくよ。」
と言われた。
嬉しいが、もうすぐ私は日本に帰る。
帰りたくない。
どうしよう。
するとマークが並んで写真を撮った。
しかもまたkissしてきた。
隣で撮影している人はウエディングドレスを着ていた。
マークいわくあーいう写真を撮るのも流行っているらしい。
恋愛通りのピンクの壁が切なく見えた。
本当に帰りたくない。
マークが笑いながらこのあと
ココナッツアイスを食べに行こうと誘ってくれた。
そして急に真剣な顔をして言った。
「明日も桜子に会いたい。
明日は僕の料理を食べてほしい。」
「もちろん。」
手をつないでココナッツアイスのお店に向かった。
そのお店もレトロで可愛い。
ココナッツアイスは初めて食べた。
毎日、食べたいくらい美味しい。
凄くさっぱりしている。
マークみたいなアイスだ。
マカオの建物は、色が可愛い。
でも今の桜子には悲しい色に映る。
マークとずっと一緒にいたい。
あきらには二度と会いたくない。
日本に帰りたくない。
もしマークが付いてくるなら別だ。
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