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真選組の女の子

原作: 銀魂 作者: 神崎しおり
目次

真選組突入


「おい総悟。真面目に聞いてるのか?まずその腹立だしいアイマスクをとりやがれ」

土方が沖田のアイマスクを無理矢理取ったが、そのアイマスクの下の沖田の瞳があまりにも真剣だったことに土方は一瞬躊躇した。

「そんなこと、俺だって思ってやしたよ。一目見たが、どうもあの野郎は胡散臭い。珍しく俺と考えが一致しやしたね土方さん。うわ土方さんと思考が同じだなんて気持ち悪くなってきた」

「んだと、てめっ」

土方が沖田に掴みかかろうとしたその時。

「副長ー!沖田隊長!屯所に、ここ、こんな手紙がぁ!」

山崎が血相を変えて、手紙を2人に差し出した。


「ミントン、楽しかったですね」

「あ、ああ。そうだな」

こちらはミントンを終えて再び家へと入ったところ。外はすっかりと暗くなっていた。

アリスが適当にテレビを見て過ごしていたところ、突然3人の男が入ってきた。

何事かとアリスが男達のほうを振り向いた。

「いやぁ、流石タケルさん。簡単に騙すとは」

「作戦成功。こうもうまくいくとは。記憶喪失ってのは騙すのに便利なものだな」

「夜になったらここに来いって言うから来ましたよ。さて、どう遊ぼうかねぇ」

男達が舐めるような視線でアリスを見る。アリスは、何!?といった感じで男達を凝視する。

すると、突然1人の男がアリスの腕を掴み押し倒し、馬乗りになった。

アリスの顔が怯えた表情へと変わっていく。

「やっ!タケルさ・・・・・・お父さん!どういう、こと・・・・・・」

アリスが助けを求めるものの

「バカめ、まだ気づいてないのか?この人はお前の父さんなんかじゃねぇんだよ」

そう馬乗りになった男が言い、もう1人の男はアリスの手首を縛り始めた。

「やっ!やだっ」

アリスは必死に抵抗するものの

「大人しくしてろ!」

と、男に鈍器のような物で殴られ、アリスの意識は薄れていった。

薄れゆく意識の中でアリスは

あぁ、私は騙されたんだ・・・・・・

と、やっと理解をした。

男達のいやらしい視線が飛び交う中、アリスはゆっくりと目を閉じた。

「さぁ、タケルさん。やっちゃいましょう」

「・・・・・・あ、ああ」

タケルのぎこちない返事。

最初は騙す目的で近づいたものの、甘味屋、動物園、そしてミントン。たったの半日だけれどアリスと過ごした時間を大切に思うようになり、こんな無垢な娘に俺はなんてことを、と罪悪感を感じ始めていた。

なんだかんだで、本当の娘と一緒にいるみたいで嬉しい気持ちだってあった。

でもそんな罪悪感の中、俺に目をつけられたこいつも悪い。と、アリスに手を出そうとした。

その時。


「御用改めである!!」

聞き覚えのある声に、たくさんの足音。玄関の扉が壊される音。

「真選組だー!!」

頭が痛む中、いろんな音が聞こえてきて、やがてその音たちは私の目の前へと現れた。

「げ、こいつら!なぜここが!?」

私に跨ってる男がそう言った瞬時、その男は土方さんの蹴りによって吹っ飛ばされた。

「てめぇら全員覚悟はできてるだろうな」

瞳孔開きっぱな顔で、土方さんは刀を手に、男4人を次々と切っていく。他の真選組の人たちは、素早く男たちに手錠をかけていく。

私はただ、その光景を黙って見てるだけ。

「大丈夫ですかィ」

すると、またも聞き覚えのある声。気遣いの言葉をかけてはくれたものの、目は土方さん同様、瞳孔が開いていた。

その男、沖田は私の手首の縄をほどいてくれた。自由のきくようになった手首、体制を変え、私が次に見た光景はタケルさんが土方さんに切られる瞬間。

「っ!やめて!!」

思わず私は叫んだ。


私の叫びに反応したのか、土方さんは一瞬動きが止まった。が、すぐにまた動き出した。

「なんでィ、まだ騙されたことに気づいてねぇのか!?バカ、あいつはお前の父親なんかじゃ「そんなのわかってるよ!会った時から、薄々、わかってたよ!」

「だったらなんで!」

「・・・・・・たとえ、本当のお父さんではなくても、まるで本当の親子の様に過ごした時間は、事実・・・・・・騙すつもりで近づいたんだろうけど、次第にタケルさんが段々父親の顔になってきて、私、それが嬉しくてっ・・・・・・なんだかんだで楽し・・・・・・」

アリスの言葉はそこで切れ、息苦しいのか呼吸の乱れが増していた。

「ほんと、バカで、バカ正直すぎるやつでさァ・・・・・・こんな目にあってんのに」

沖田はアリスの頭から流れる痛々しい血を見ながら呟き、アリスを守れなかった思いからか一粒の涙を流した。

タケルもアリスの言葉が耳に入っていたのか、アリスへの罪悪感が強まったのか、涙を流した。

「で、も・・・・・・どうし、て。私を助けに・・・・・・?私はもう真選組じゃないんじゃ・・・・・・」

「誰がいつそんなこと言ったんでさァ」

「だって、近藤さ・・・・・・追い出され・・・・・・」

「近藤さんは、真選組に女が入るのは無理だったかもと言っただけじゃなかったかィ。誰もあんたのこと追い出してなんて、もう真選組じゃないなんて思ってないでさァ。1人で勝手に勘違いしやがって、ほんとバカ女」

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