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真選組の女の子

原作: 銀魂 作者: 神崎しおり
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泣き虫で無知で

「すんません!今日非番じゃありませんでした!行ってきますー!!」

山崎は涙目になり、恐怖におびえた顔をしながらダッシュでその場を離れた。

ほっとしてる男2人をよそにアリスは

「なんだぁ、せっかくミントンできると思ったのにぃ」

と頬を膨らませていた。


「スポーツできると思ったのにー体動かせると思ったのにぃ」

ぶつぶつと呟くアリスに沖田は

「そんなにスポーツがしてぇんなら俺の部屋に来なせぇ。SMという名のスポーツをぶふぉ!」

土方が沖田の頭にチョップをくらわした。

「総悟、てめぇいい加減にしろよ」

「冗談ですぜィ、痛ぇや土方コノヤロー」

と言って沖田は頭をさすりながら自分の部屋に戻っていった。その様子を確認した土方もやれやれといった感じで部屋へと戻っていた。

「んー、また暇になっちゃった、あ、近藤さんの部屋にでも行こうかな!」

ということでアリスは近藤さんの部屋へと向かうことにした。


「近藤さーん?いますかー?」

局長室の前でそう叫ぶアリス。しかし返事が無い。いないのかなぁ、そう思った時1人の隊士の姿を見つけた。

「あのー、近藤さんっていますかね?」

「ああ、局長ならスナックすまいるに出かけましたよ」

警察なのにそんな所に行ってるの?あ、もしかして調査か何かかな?

「教えて頂きありがとうございます」

アリスはぺこりとおじぎをしてお礼を言った。

隊士はアリスさんに声をかけてもらった、ラッキーと心の中でガッツポーズをした。


「近藤さんいないのかぁ~、うーん、あ、土方さんの部屋にでも行ってみよっと!」

というわけで今度は土方の部屋に行くことにした。

土方の部屋に向かって歩きながらアリスは思う。行ってどうしようかな。土方さん、私の相手してくれるかなぁ。

あ、長髪のヅラって人に会ってお礼が言いたいな。土方さんはその人のこと知ってるかなぁ?そのこと聞いてみよっと!

「土方さーん?いますか?入りますよ~」

と言いながらアリスはゆっくりと襖を開けた。


「おう北条か。何か用か」

タバコを吸っていた土方はゆっくりとアリスの方を見た。

「あの、土方さんって、長髪のヅラって人のこと、わかりますか?」

すると土方の眉がぴくりと動いた。

「・・・・・・攘夷志士の暁の異名をもつ、桂小太郎のことか」

「じょうい、ん?だからその、じょうい何とかってなんなんですか?」

「真選組の隊士がそんなことも知らんなんざ、まったく・・・・・・よしいい機会だ攘夷志士のこと教えてやるよ」

そして土方は攘夷志士のことをアリスに説明した。


「攘夷志士とは、国を救う為に天人を排除しようとする攘夷活動に参加していた者だ。って、攘夷活動もわかんねーか?

天人に支配されている幕府を倒すためにテロなどの過激な行動を取るものも少なくないため、穏健派も含めて真選組の取り締まりの対象になってるんだ、天人はわかるよな?」

一気に説明をし、土方はちらりとアリスの方に目をやったがアリスの頭からは煙が出ていた。

ああ、理解できてねーなこれ、と土方は頭をかかえた。

「えっとー、とりあえず、攘夷志士を見つけたら、取り締まればいいんですね?桂さん見つければいいんですね」

「まあ、そういうことだ」

「私、絶対桂さんを見つけます!」

お礼を言うために。

「いや別に桂限定でなくていいんだが・・・・・・ていうかなんでそんなに気合入ってんだ?」

と真の理由を知らない土方は少し首をかしげた。


「ついでだ北条。局中法度についても説明しておく」

「局中ハット?それってどんな帽子ですか?」

「違ぇよ!法度だ、法度!」

土方の怒鳴り声に思わずアリスは肩を震わせた。その様子を見て土方は一瞬、しまった、と思った。

「・・・・・・土方さんの話し長いのでもういいです、さようなら、付き合ってくれてありがとうございましたっ」

と言ってアリスは土方の部屋を後にした。土方さんってやっぱ怖いなぁ~と思いながら。目には微量だけれども涙があった。

「・・・・・・なんであれぐれぇで泣くんだよ」

その涙を土方はしっかりと見ていた。土方ははーっとため息をつき、珍しく困惑したような顔をした。

「女とは、どう接していいかわからん。とりあえず後で謝りにでも行くとするか・・・・・・」

とりあえず、アリスは町へと出かけることにした。アリスの趣味はどうやら探索のようだ。

桂さん、見つけれるといいな~と思いながら歩いていたのだが、そう簡単に見つかるはずもなく。

ウィンドゥショッピングをしながら歩いていたら、あっという間に時間は過ぎていた。

「そろそろ、屯所に戻らなきゃ」

屯所に戻る途中、アリスはある人物を見かけた。


「あ、ザキー!仕事終わったところ?」

アリスは元気よく声をかけた。山崎もその声に気づき、アリスの方を見た。

「監察の仕事、お疲れ様ぁ」

「あぁ、ありがとうアリスさん」

本当は仕事なんかなかったから、その辺ブラブラしていただけなんだけど、と思いながらも山崎はアリスの暖かい言葉に癒された。

「私、なんかザキのこと見てると癒される。なんでだろ」
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