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「っ…」
それで正気に戻ったのか、ゆっくり立ち上がり、また無理に笑った。
「お見苦しいところをすみません^^」
佐藤「無理しなくても…」
「いえ、大丈夫です^^佐藤さんのおかげで^^」
佐藤「待って、大丈夫じゃないわ、ぜんっぜん!怪我してるじゃないの!病院行くわよ!」
「大丈夫ですよこれくらい^^それよりもさっき最初に駆けつけてくださった警察の方に拳銃を投げ返した時に突き指してたかもしれませんので、そちらを先に見てあげてください^^」
佐藤「あなたねぇ…;!」
「あ、さっきはありがとうございました^^偉そうにタメ口きいてすみません^^…指、大丈夫ですか…?早く診てもらわないと…」
下っ端「いや、そっちの方が大怪我だろ!」
佐藤「そうよ!」
「怪我の大きい小さいじゃありませんよ^^警察の方がお怪我をされてこれからのお仕事に支障をきたさないためです^^私は適当にしますので^^戻って報告書もまとめないといけませんので、失礼します^^」
服部「椿はん!」
その場を立ち去ろうとすると服部本部長から声をかけられたので目の前まで行ってガバッと勢いよく頭を下げた。
「申し訳ございませんでした。…私のようなものが指示を出して、その上警察の方にお怪我を負わせてしまって。本当に、申し訳ございませんでした。」
服部「頭をあげてくれ。頭を下げなあかんのはこっちや。」
「やめてください^^そんな、安室さんがしてくださった報告はお気になさらないでください^^…私は報告書がありますので、これで失礼します^^」
そう言うとゆりはその場から立ち去った。
佐藤が送ると言って聞かなかったが、汚れたままで車に乗りたくないと断固拒否され、しぶしぶ諦めていた。
ゆりは一度自宅に戻りシャワーを浴び、着替えると腕の見えるところだけ手当をし、署に戻った。
…が、震えは一向に止まらないためになかなか文字が打てない。何度もカッターを腕に当てて痛みで震えを止めて完成させた報告書を完璧にこなすと、会議室にいる全員の元へと向かった。
「失礼します。」
会議室に入るなりゆりは大きく頭を下げた。
「この度は私ごときが皆様警察の方々に指示をし、身勝手な行動、及び警察の方にあろうことかお怪我を負わせてしまいまして大変申し訳ございませんでした。」
そしてゆりは土下座をしてから切り替え、引きつった作り笑顔でまた一人一人に報告書を渡した。
「今回の報告書です^^遅くなって申し訳ございません」
とまた頭をさげるといつもの部屋の端に立ったまま会議に参加した。
それぞれ報告書に目を通して自分の報告の発言など質疑応答が終わった。
小田切「今回は椿くんのお陰だ。ありがとう。」
会議の終わり際にそう言われて拍手が起こったが、今回の件の報告を逐一報告していたゆりにとって大きなトラウマのストレスだった。
拍手に頭を下げて答えるも、顔を上げると途端に押し寄せる激しい頭痛にただ耐えるしかなかった。
上司から会議室を出て行き、最後にゆりが出るのだが、ゆっくりと壁伝いに歩き、片手で頭を押さえて部屋を出た。
何とか署を出ることができるとその場に座り込んでしまった。
何をしていても止まることのない頭痛に苦しみながらも歩こうとするが足に力が入らない。
焦りでフラッシュバックする今日までの光景に頭痛は異様なまでな痛みを放った。
それを見つけたのは佐藤で、直ぐに病院へと連れられた。
医者「過労とストレスによる頭痛ですね。」
佐藤「…」
医者「暫く休んで行かれた方がいいかと思います。」
佐藤「まだ高校生ということですので保護者の方に連絡を取らないといけませんが」
佐藤「彼女に聞いてみます」『そう言えばこの子の保護者って…?』
医者「お願いします。」
佐藤「過労とストレスだって言ってたわよ。」
「すみません、何か親代りなことさせてしまって…^^;」
佐藤「その親御さんに連絡を取って欲しいって言われたんだけど、連絡取れるかしら?」
「いないので^^」
佐藤「えっ…?」
「今は生きてるか死んでるかさえもわかりません^^」
佐藤「そう…聞いて悪かったわね…」
「あ、いえ!別に何か悲しいとかもなかったですし、謝らないでください^^」
佐藤「…」
「私ならもう大丈夫ですので^^帰ります^^」
佐藤「だめよ、お医者さんもまだ休んでいた方がいいって言ってたんだから!」
「そうですか^^なら今日だけ休んだら帰りますね^^明日からの仕事もありますし^^」
佐藤「あなたまだ働く気?!」
「働かないと空を養えないですからね^^」
佐藤「…じゃあそろそろ私も買えるけどしっかり休むのよ?」
「はい^^」
医者「おはようございます、気分はどうですか?」
「すっかり良くなりました^^ありがとうございました^^」
医者「いえ、もう少し休まれた方がいいかと思いますが?」
「大丈夫です^^あ、でも頭痛を一時的にでも止める薬があれば頂きたいです^^」
医者「ないこともないですが…根本的な頭痛が治るわけではありませんし…それにかなり強い薬じゃないとあなたの頭痛はとまらないでしょうし、無理して悪化でもすれば…」
「無理はしませんよ^^例えばテスト中とかに頭が痛くなれば困るからなので^^」
医者「そういうことでしたらお渡ししましょう」
「ありがとうございます^^」
医者「ではお大事に^^」
「ありがとうございます^^」
空「ねーちゃん!」
「空ー!えらーい!ありがとね!空のお陰でおねーちゃん大手柄あげちゃった!こんど奮発して美味し~いご飯食べにいこっか!」
空「え!ほんまに?!」
「うん^^」
空「でもねーちゃんも女なんやからあんまり傷つくったらあかんで?」
「はいはい^^気をつけます^^…あ、昴さんっ、すみません、長い間預かってもらいっぱなしで…今回の件もお手伝いして下さってありがとうございました^^」
昴「いえ、かまいませんよ、それに、空くんがいる方が何かと面白いですしよくお手伝いもしてくれていますよ^^」
「そうですか^^空えらいねー!」
空「へへーん♪」
昴「お茶でも淹れましょう。せっかくですし空くんとゆっくりしていってはいかがですか?」
「ありがとうございます^^じゃあ、少しだけお邪魔します^^」
昴「どうぞ」
「ありがとうございます^^」
昴「空くんについてですが、彼は一体…」
「あぁ、病気の一種みたいなものです^^瞬間記憶能力、記憶の操作、頭脳値、空はそれを自分の意思で操作することができるんです。まぁ、そのおかげで利用しようっていう大人から守らないといけないんですけどね^^;」
昴「ほぅ。そうですか。」
「私からも…聞いていいですか?」
昴「どうぞ^^」
「あなたは、FBI捜査官の赤井秀一さん、ですよね?」
昴「!」
「首につけている変声期、あなたのことを少し調べさせていただきました。赤井さんであるならこの計画はほぼ確実にせいこうしますが。もしそうでないなら…」
…リーンゴーン…
昴「ちょっと失礼。…はい」
安室「宅配便です』
「…昴さん、変声期を取ってください。そしてこちらのマスクを。マスクを取れと言われたら私が話します。もちろん…あなたの声で」
昴「!!…全く、流石だな。変声期なしで声色を変えることができるなんて。」
「やはり赤井さんですね」
赤井「その策に乗ろう。」
「因みに拘束されるであろうFBIの方には既に降谷さんの指示で動かないようにいってありますのでご安心を。」
赤井「なるほど。」
「ではいつも通りの沖矢昴さんとして出てください。」
赤井「わかりました。」
それで正気に戻ったのか、ゆっくり立ち上がり、また無理に笑った。
「お見苦しいところをすみません^^」
佐藤「無理しなくても…」
「いえ、大丈夫です^^佐藤さんのおかげで^^」
佐藤「待って、大丈夫じゃないわ、ぜんっぜん!怪我してるじゃないの!病院行くわよ!」
「大丈夫ですよこれくらい^^それよりもさっき最初に駆けつけてくださった警察の方に拳銃を投げ返した時に突き指してたかもしれませんので、そちらを先に見てあげてください^^」
佐藤「あなたねぇ…;!」
「あ、さっきはありがとうございました^^偉そうにタメ口きいてすみません^^…指、大丈夫ですか…?早く診てもらわないと…」
下っ端「いや、そっちの方が大怪我だろ!」
佐藤「そうよ!」
「怪我の大きい小さいじゃありませんよ^^警察の方がお怪我をされてこれからのお仕事に支障をきたさないためです^^私は適当にしますので^^戻って報告書もまとめないといけませんので、失礼します^^」
服部「椿はん!」
その場を立ち去ろうとすると服部本部長から声をかけられたので目の前まで行ってガバッと勢いよく頭を下げた。
「申し訳ございませんでした。…私のようなものが指示を出して、その上警察の方にお怪我を負わせてしまって。本当に、申し訳ございませんでした。」
服部「頭をあげてくれ。頭を下げなあかんのはこっちや。」
「やめてください^^そんな、安室さんがしてくださった報告はお気になさらないでください^^…私は報告書がありますので、これで失礼します^^」
そう言うとゆりはその場から立ち去った。
佐藤が送ると言って聞かなかったが、汚れたままで車に乗りたくないと断固拒否され、しぶしぶ諦めていた。
ゆりは一度自宅に戻りシャワーを浴び、着替えると腕の見えるところだけ手当をし、署に戻った。
…が、震えは一向に止まらないためになかなか文字が打てない。何度もカッターを腕に当てて痛みで震えを止めて完成させた報告書を完璧にこなすと、会議室にいる全員の元へと向かった。
「失礼します。」
会議室に入るなりゆりは大きく頭を下げた。
「この度は私ごときが皆様警察の方々に指示をし、身勝手な行動、及び警察の方にあろうことかお怪我を負わせてしまいまして大変申し訳ございませんでした。」
そしてゆりは土下座をしてから切り替え、引きつった作り笑顔でまた一人一人に報告書を渡した。
「今回の報告書です^^遅くなって申し訳ございません」
とまた頭をさげるといつもの部屋の端に立ったまま会議に参加した。
それぞれ報告書に目を通して自分の報告の発言など質疑応答が終わった。
小田切「今回は椿くんのお陰だ。ありがとう。」
会議の終わり際にそう言われて拍手が起こったが、今回の件の報告を逐一報告していたゆりにとって大きなトラウマのストレスだった。
拍手に頭を下げて答えるも、顔を上げると途端に押し寄せる激しい頭痛にただ耐えるしかなかった。
上司から会議室を出て行き、最後にゆりが出るのだが、ゆっくりと壁伝いに歩き、片手で頭を押さえて部屋を出た。
何とか署を出ることができるとその場に座り込んでしまった。
何をしていても止まることのない頭痛に苦しみながらも歩こうとするが足に力が入らない。
焦りでフラッシュバックする今日までの光景に頭痛は異様なまでな痛みを放った。
それを見つけたのは佐藤で、直ぐに病院へと連れられた。
医者「過労とストレスによる頭痛ですね。」
佐藤「…」
医者「暫く休んで行かれた方がいいかと思います。」
佐藤「まだ高校生ということですので保護者の方に連絡を取らないといけませんが」
佐藤「彼女に聞いてみます」『そう言えばこの子の保護者って…?』
医者「お願いします。」
佐藤「過労とストレスだって言ってたわよ。」
「すみません、何か親代りなことさせてしまって…^^;」
佐藤「その親御さんに連絡を取って欲しいって言われたんだけど、連絡取れるかしら?」
「いないので^^」
佐藤「えっ…?」
「今は生きてるか死んでるかさえもわかりません^^」
佐藤「そう…聞いて悪かったわね…」
「あ、いえ!別に何か悲しいとかもなかったですし、謝らないでください^^」
佐藤「…」
「私ならもう大丈夫ですので^^帰ります^^」
佐藤「だめよ、お医者さんもまだ休んでいた方がいいって言ってたんだから!」
「そうですか^^なら今日だけ休んだら帰りますね^^明日からの仕事もありますし^^」
佐藤「あなたまだ働く気?!」
「働かないと空を養えないですからね^^」
佐藤「…じゃあそろそろ私も買えるけどしっかり休むのよ?」
「はい^^」
医者「おはようございます、気分はどうですか?」
「すっかり良くなりました^^ありがとうございました^^」
医者「いえ、もう少し休まれた方がいいかと思いますが?」
「大丈夫です^^あ、でも頭痛を一時的にでも止める薬があれば頂きたいです^^」
医者「ないこともないですが…根本的な頭痛が治るわけではありませんし…それにかなり強い薬じゃないとあなたの頭痛はとまらないでしょうし、無理して悪化でもすれば…」
「無理はしませんよ^^例えばテスト中とかに頭が痛くなれば困るからなので^^」
医者「そういうことでしたらお渡ししましょう」
「ありがとうございます^^」
医者「ではお大事に^^」
「ありがとうございます^^」
空「ねーちゃん!」
「空ー!えらーい!ありがとね!空のお陰でおねーちゃん大手柄あげちゃった!こんど奮発して美味し~いご飯食べにいこっか!」
空「え!ほんまに?!」
「うん^^」
空「でもねーちゃんも女なんやからあんまり傷つくったらあかんで?」
「はいはい^^気をつけます^^…あ、昴さんっ、すみません、長い間預かってもらいっぱなしで…今回の件もお手伝いして下さってありがとうございました^^」
昴「いえ、かまいませんよ、それに、空くんがいる方が何かと面白いですしよくお手伝いもしてくれていますよ^^」
「そうですか^^空えらいねー!」
空「へへーん♪」
昴「お茶でも淹れましょう。せっかくですし空くんとゆっくりしていってはいかがですか?」
「ありがとうございます^^じゃあ、少しだけお邪魔します^^」
昴「どうぞ」
「ありがとうございます^^」
昴「空くんについてですが、彼は一体…」
「あぁ、病気の一種みたいなものです^^瞬間記憶能力、記憶の操作、頭脳値、空はそれを自分の意思で操作することができるんです。まぁ、そのおかげで利用しようっていう大人から守らないといけないんですけどね^^;」
昴「ほぅ。そうですか。」
「私からも…聞いていいですか?」
昴「どうぞ^^」
「あなたは、FBI捜査官の赤井秀一さん、ですよね?」
昴「!」
「首につけている変声期、あなたのことを少し調べさせていただきました。赤井さんであるならこの計画はほぼ確実にせいこうしますが。もしそうでないなら…」
…リーンゴーン…
昴「ちょっと失礼。…はい」
安室「宅配便です』
「…昴さん、変声期を取ってください。そしてこちらのマスクを。マスクを取れと言われたら私が話します。もちろん…あなたの声で」
昴「!!…全く、流石だな。変声期なしで声色を変えることができるなんて。」
「やはり赤井さんですね」
赤井「その策に乗ろう。」
「因みに拘束されるであろうFBIの方には既に降谷さんの指示で動かないようにいってありますのでご安心を。」
赤井「なるほど。」
「ではいつも通りの沖矢昴さんとして出てください。」
赤井「わかりました。」
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