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METAL GEAR SOLID the ROCK

原作: その他 (原作:メタルギアソリッド) 作者: gekco
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第六話

「スネーク、あんたダクトがここにつながってるって知ってたのか?」
ぎこちなくM9を構えたジョニーが尋ねる。
「どっかの誰かさんが地下水路にクソを垂れたからな。俺はきれい好きなんだ。」
表情一つ変えずにスネークが答えた。
「まぁどのみち、施設内部の通路に出られたのは正解だったよ。その先にちょっとしたテラスがある。きっと、かつては看守の休憩所だったんだろう。そこが、ミサイルの設置に最適な場所のひとつだ。きっとそこにミサイルが配置されている。」
「ああ、だがすぐに海兵隊が追ってくるだろう。テラスってことは、この先は行き止まりだな?」
「そうだね。テラスで追っ手を迎撃すると、君達は追い詰められてしまう。」
「のんきなもんだな、サンフランシスコ上空にいる奴は。」
「そう言わないでくれよ、スネーク。こっちも必死なんだ。」
「わかってるさ、オタコン。」
とはいうものの、海兵隊に追いつかれるのも時間の問題だろう。
前方にテラスが見えてきた。
「あった!スネーク、ミサイルが設置されてる!」
スネークはジョニーを振返った。
「急げ、こんなところで海兵隊に見つかったらおしまいだ。」
テラスに入る二人。
確かに、ミサイルはランチャーにセットされ、発射可能な状態になっていた。
「ジョニー、この状態でもミサイルの無力化は可能なのか?」
「ああ、大丈夫だ。ミサイルの構造が変わるわけじゃないし、ランチャー上で誘導チップを抜いても遠隔装置が検知するようなことはない。」
「わかった。そういうのはその道のプロに任せよう。」
しかし、ここにあるミサイルは1基。
追跡してくる海兵隊を避けながら、残り2基を探し出さなければいけない。
ならば・・・。
「ジョニー、逃げるのは止めだ。ここで奴らを迎撃する。それには、お前の協力が必要だ。」
「えっ!?」
ジョニーの体が固まる。
「言ったじゃないか。僕はアカデミー以来、銃を撃ったことがないって・・・。」
「別に、お前に敵を倒せと言いたい訳じゃない。俺を手伝って欲しい。」
「わかった。どうすればいい?」
「何もしなくていい。ここで適当にミサイルをいじっていてくれ。そして敵が来たら、誘導チップは自分が持っていると叫べ。そうすれば撃たれない。」
「でも、そうしたら捕まるんじゃ・・・。」
「そうなる前に何とかする。大丈夫だ。」
「わかった・・・スネーク。あんたを信じるよ。」
スネークが身を隠すと、ヘンドリックスたちの姿が見えた。
それを見たジョニーが、あわてて叫ぶ。
「ゆ、誘導チップは僕が持っている!僕を撃ったら誘導チップが壊れてミサイルが再起不能になるぞ!」
ヘンドリックスは警備を任されていた関係上、ミサイルの構造を知っていた。確かに、誘導チップを失えばミサイルの発射はできない。
ハメルに叱責を受けた屈辱を晴らすのに敵を八つ裂きにしようといきり立っていたが、手出しできない事実に余計苛立ちを隠せない。
「そこを動くな!妙なマネをしたら射殺する!」
今すぐ走ってナイフで突き殺してやりたいが、さすがにハメルが信頼する軍人だけあって慎重に接近する。部下2名にも同様に接近を命じた。
もちろん、Seal’sの生存者は一人だけなのだから、この対応で問題ない。はずだったが・・・。
最後の一人が入ってきた瞬間、スネークは音もなく立ち上がり、背後から首と肩の関節を極めて気絶させた。そのまま体を回転させ、気づいたもう一人に後ろ回し蹴り。
ばかな、Seal’sの生き残りがもう一人いるだと?
ヘンドリックスはとっさに持っていたM16を構えたが、構えきる前にスネークがハンドガードを握り、ぐっと引き寄せた。そのままヘンドリックスの顔面にエルボーを浴びせる。
しかし、ヘンドリックスも素人ではない。スネークのエルボーをギリギリでかわし、M16を構え直してスネークに銃口を向けようとする。が、マガジンがない。
M16を投げ捨て、ガバメントを引き抜いて撃とうとした瞬間、スネークが素早く接近し、ガバのスライドを外しつつ、ヘンドリックスを片手で投げ飛ばした。地面に後頭部を叩きつけられ、ヘンドリックスは気を失った。
「おいジョニー、大丈夫か?」
「大丈夫かって、あんた僕を囮に使ったな!?」
「手伝ってくれと、頼んだはずだが?」
「それはそうだけど・・・」
「囮にすると言ったら、素直に囮になったのか?」
「・・・」
ジョニーは納得のいかない顔でスネークをにらむが、当のスネークは涼しい顔をしている。
「さぁ、残り2基だ。」


「将軍、残念ながら・・・ヘンドリックス大尉からの連絡が途絶えました。」
沈痛な面持ちで、クリスプが報告する。
「将軍、ヘンドリックスはやられました。人質を使いましょう。」
ダロウがハメルに詰め寄るように話した。
「奴ら、所詮は政府の犬です。人質を処刑してやれば、すぐに出てきますよ。」
ダロウは平静を装っているが、その目は人殺しの昂奮に飢えていた。
「将軍、見せしめは必要です」
戦友のバクスターが口を開いた。
「これ以上、ミサイルを失えば、我々の理想も達成できなくなります。」
ハメルは重い腰を上げた。
「バクスター、人質の中から適当な人物を一人、ここに連れてこい。」
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