ネット喫茶.com

オリジナル小説や二次創作、エッセイ等、自由に投稿できるサイトです。

メニュー

METAL GEAR SOLID the ROCK

原作: その他 (原作:メタルギアソリッド) 作者: gekco
目次

第三話

「こちらスネーク、地下水路の入り口を見つけた。ここから潜入できそうだ。」
「了解だ、スネーク。ザ・ロックは刑務所として稼働していた頃に何度も増改築を繰返していて、正確な図面が残っていないんだ。だから、ソリトンレーダーも使えない。生体反応を検知するバイオレーダーは使えるから、うまく活用してくれ。それと、GPSと衛星写真でおおまかな位置なら特定できる。簡単な方向指示くらいなら、できると思うよ。」
「そいつは、頼もしい限りだ。」
SOCOMピストルを手に周囲を警戒しながら、スネークは水路内を進む。
「そのまま進めば、かつての遺体安置所の真下にたどり着く。ミサイルはそこにあるはずだ。」
「遺体安置所にミサイルね。風情のある話だ。」
皮肉をつぶやくスネークに、キャンベルが告げた。
「遺体安置所に行くまでに、シャワー室の近くを通過するだろう。そのあたりに、Seal’sの生存者がいるはずだ。探してコンタクトを取ってくれ。」
「あのSeal’sの隊員なんだろう?いつまでもそこにいるわけじゃないだろうし、自力でミサイルを捜索してるんじゃないのか?」
「実はな、スネーク。その隊員は、正式にはSeal’sの隊員ではないんだ。」
「ほうら、厄介事のお出ましだ。」
スネークは首をすくめた。
「VXガスを搭載したミサイルは最新鋭の兵器で、まだ実用段階にも達していない。実戦配備されていない兵器に精通した工作員など、いくら特殊部隊でもいるわけではないんだ。そこで、今回の作戦のために、FBIから化学兵器の専門家を招集、部隊の一員として参加したんだ。だが、彼はあくまでFBIの捜査官、それも科学者で、戦闘のプロではない。先の戦闘で生存したのも、彼を守るためにSeal’sの隊員が地下水路に押しとどめたからだろう。」
「これから海兵隊の英雄と渡り合うってのに、そんなヒヨッコを連れ歩かなくちゃならないのか。」
「スネーク、言いたいことはわかるが、彼がいなければミサイルの無力化はできない。それに、君だってミサイルや化学兵器の専門家を必要としているはずだ。彼を探し出して接触し、ミサイルの捜索と無力化に当たってくれ。」
「了解だ、大佐。任務にもどる。」
スネークは、オタコンとの最初の出会いを思い出していた。ロッカーで恐怖のあまり失禁していた奴と、今はタッグを組んで動いている。人生、わからないものだ。
暗闇の中で時おり、足元をネズミが駆けていくのを感じる。シャドー・モセスで道案内してくれたのも、ネズミだったな。
油断なく周囲を警戒しながら、地下水路を進んでいく。
「そろそろシャワー室の真下だ、スネーク。」
オタコンが告げた。
「どう?Seal’sの隊員、いそうかい?」
「さあな・・・今のところ、海兵隊員の姿も見ていないな。」
右側に分かれ道があった。クリアリングしようとゆっくり接近すると、背後に何かの気配が。
「・・・っ!」
とっさに振り返り銃を向けると、フラッシュライトに驚いたのかネズミが走り去っていった。
銃を下ろして短いため息をついた、そのとき。
「銃を捨てろ!」
さっきクリアリングしようとしていた右側の分かれ道から男が飛び出し、こちらに銃を向けていた。覆面で表情はわからない。
だが、声でわかる。
この男、素人だ。
「み、妙なマネはするな。早く銃を捨てろ!」
震えがかった声で、男は繰返した。
はいはい。
スネークはゆっくりとうなずくと、足元の濡れない場所にSOCOMピストルを置いた。
「よ・・・よし、そのまま、出口に向かって歩け!」
そんなに大声出すと海兵隊に見つかるぞ。
スネークはゆっくりと踏み出したが、踏み出したその足で男のほうへ振り向いた。
「お・・・おい!こっち向くなよ!」
男の声が上ずっている。
そのまま、スネークは男が構えたMP5の銃口に自分の指を突っ込んだ。
「おい、引き金を引いてみろ。その瞬間、燃焼ガスが銃から噴出してお前の顔面を直撃する。俺は片手で済むが、お前は顔面を失うぞ。それでもいいなら、引き金を引いてみろ。」
「・・・」
男の指がトリガーから離れた。
次の瞬間、スネークは銃口に指を突っ込んだ手で銃のハンドガードを握り、銃口を押し下げた。と同時に、男の顎に強烈な一撃を食らわせ、バランスを失ったところで足を引っ掛けて引きずり倒した。
そのまま、腕を捻り上げる。念のため、確認しなければ。
「Seal’sの生き残りってのは、お前だな?」
男はパニックを起こしている。
「ああやっぱりダメだ!僕にはできない!海兵隊を倒してミサイルを無力化するなんて僕には無理だ!無理なんだあ!」
「落ち着け。俺は海兵隊員じゃない。」
「えっ」
パニックになっていた男の動きが止まる。
固定していた腕を離し、立ち上がるのを手伝う。
「海兵隊員じゃ、ない?あんた、Seal’sにはいなかっただろ?」
「ああ、俺はアメリカの軍人じゃない。お前と同じくスペシャリストだなんて理由でこんなところに落っことされた、哀れな潜入工作員だ。俺はスネーク。お前は?」
「ジョニー。あの、僕は本当は特殊部隊員なんかじゃない。FBI所属の科学者なんだ。」
目次

※会員登録するとコメントが書き込める様になります。