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山姥切国広極めたらもう一人増えました

原作: その他 (原作:刀剣乱舞) 作者: レジス
目次

協力者


さっそく長義と一緒に本丸に戻って第一部隊のメンバーに声を掛けて回る。
この本丸の第一部隊はほぼ練度カンスト勢で、普段は戦場に出ずに各々自由に過ごしていた。
メンバーは
打刀 山姥切国広極
大太刀 蛍丸
大太刀 次郎太刀
太刀 鶴丸国永
太刀 三日月宗近
短刀 小夜左文字極
の六振りだ。
山姥切は主と一緒に政府施設に残っているからそれ以外のメンバーを門の前に集める。
長義が相手は祟り神だと簡単に経緯を説明してくれた。
「ほー、祟り神が相手とは退屈しなさそうだ」
「鶴や、遊びに行くのではないぞ?」
「わかってるって」
軽口をたたいて三日月さんに窘められる鶴丸。
「復讐?」
「え?」
「国姫はそこの審神者に復讐しないの?」
そう小夜左文字に問いかけられて困る。
復讐が口癖なのは知っていたが私が復讐したいかと言うと違うと思う。
彼、山姥切国広が望んでいたのは仲間の救出であって審神者への復讐は含まれていなかったはずだ。
だから私は首を横に振る。
「そう、わかったよ」
「うん、ありがとうね」
「ほらしゃべってないで主の所へ行くぞ」
そう言って長義が転送装置を操作する。
一瞬の間をおいて私たちは政府の施設に到着していた。
「皆、待ってたよ!」
祭さんが待っていて手を振っている。
皆でそちらへ移動するとすでに協力者を招集していたのか何人か審神者らしき人と政府の役人らしい人がいた。
あ、暁さんと三日月もいる。
浄化系の審神者として招集されたんだろう。
この間といい本当にこき使われているなぁ。
「国姫、この人達は前から貴女の本丸を摘発しようとして動いてくれていたの」
「え」
まさか本丸の外でそんな動きをしてくれている人達がいたなんて思わなかった。
ならば長義は一人で動かず外へ助けを求めるべきだったんじゃないか……?
「今回彼等は刀剣の保護を第一に動いてくれることになったわ。私たちは祟り神になった長義を浄化、もしくは封印するのが目的よ」
「あ、はい。ありがとうございます」
できれば浄化して助けたい。
そうは思うがどうすれば祟り神になった刀剣男士を救えるのだろう。
それが分からず曖昧な返事をしてしまった。
そんな私の気持ちを知ってか長義が肩を叩いてくる。
長義の方を見れば安心させるように頷いていた。
不思議なものでそれを見ただけなのに少し気持ちが落ち着く。

「では時間が惜しいので早速ゲートを開きます。各々準備のほうをお願いします」
そう言って政府の役人が転送装置を操作する。
すると門に薄膜が張ったような状態になった。
どうやらこの門はくぐることで転送されるタイプのようだ。
「国姫、行くよ」
「……はい!」

「国広!」
名前を呼ばれて振り返る。
すると見送りに来たのか政府の役人に付き添われた骨喰藤四郎が立っていた。
私は安心させるように微笑み手を振る。
そして先頭をきってゲートをくぐったのだった。

****

その本丸の空気は穢れていた。
空はどんよりとしていて空気は淀んでいる。
息をするのが辛くなるのは穢れのせいだろうか?
次々とゲートをくぐってくる審神者さんや刀剣男士たちが顔をしかめている。
「これは……酷いね」
蛍丸の言葉に山姥切が頷いた。
「まずは部隊を分けて行動しよう。祟り神に出会ってしまったらすぐ連絡をいれて、不用意に戦闘しないようにしてください」
応、と答えて刀剣男士達が部隊ごとに駆け出していく。
審神者さんたちはここで連絡役になるらしい。
「暁さんは祟り神の情報が来たら直行お願いしますね」
「お、おおうまっままかせとけ!」
「それまでにその震えも治めといてください」
祭さんに言われて暁さんが落ち込んでいる。
相手は堕ちた神だ。やっぱり怖いものは怖いのだろう。
「僕たちも行くよ」
そう言って小夜左文字に布を引かれた。
私は頷いて隊長の後に続いて駆け出す。

この本丸に来てから頻繁に山姥切国広の記憶が見える。
本丸のここを曲がると何があったとか、誰の部屋がここにあるとかそんな他愛もない情報だ。
でも今はこの情報が欲しかった。
「そこを曲がったら大広間前の廊下だ!」
「わかった」
まず、刀剣達が避難しているとしたらどこだろうと考え大広間なら大人数で引きこもることができると思いそこへ案内する。
すると曲がり角を曲がった所で山姥切の足が止まった。
何があったのかと前を見ればそこには夥しい量の血が飛び散っていて、血は渇いて黒く変色している。
どうやらここで審神者は斬られたようだ。
それに折れた刀剣が散らばっているのが見える。
数からして全員分ではないがここで何人も折られたんだろう。
「国姫!!」
「え?」
急に名前を呼ばれてぽかんとしてしまった。
突然横に衝撃を受けて庭へと転がり落ちる。
何が?と私がいた場所を見たら黒いスライムのような物体がそこにいた。
どうやら部屋の中にいたのが刀剣男士の気配を感じて飛び出したのが丁度私の所だったようだ。
皆が慌てて散開する。
こちらへ駆け寄ってきた長義に助け起こされた私もその物体から距離をとる。
明らかにおかしい物体だ。
皆警戒して距離を取っている。

おそらくこいつが祟り神なのだろう。
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