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Sky

原作: 名探偵コナン 作者: takasu
目次

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倉庫に一斉に突入すると、手足に複雑に手錠をかけられている組織のメンバーが気絶していた。

ベルモットだけは一人だけ個別に手錠をされた姿で笑顔でただその場に座っていた。

その前を通る時、ベルモットに「あの子を頼んだわよ…」と一言言われた。

奴らが犯人を送るための車に乗せられたのを確認すると俺はゆりを探した。

血痕を辿っていけばすぐに見つかり、一人で爆弾の解体をしているところだったようだが、どうやら様子がおかしい。

降谷「ゆり!!」

「零くんっ…はやく、水…」

降谷「まってろ、すぐに持ってくる!」

俺は直ぐに水を持ってくると彼女は飲むわけでもなく、少しずつ爆弾にかけているようだった。

降谷「何してるんだ…?」

「…この爆弾、重さを一定に保っておかなくちゃいけなくて…もう、私の血も限界だから…助かった、ありがとう…あとは、このコードを切って…解除…」

解除と示された爆弾を彼女はしっかりもつと、ゆっくりと壁に体を預けながら持ち出した。

上司「矢神!!」

「お水、ありがとうございました…助かりました。解除したので、あとは処理班にお願いします…」

上司「なんて無茶してるんだ!!」

上司は今にも泣きそうな顔で彼女の手元の爆弾を見つめるとぐっと拳を握りしめた。

「すみません…爆弾をこんなにしてしまって…捜査資料になったかもしれないのに…」

上司「そんなことどうでもいい!お前………無事でよかったっ……!!」

上司の声に驚いて駆けつけた風見と、ゆりを追って来た俺は明るいところでその爆弾を見て驚きのあまり声も出なかった。

重りで管理された爆弾の僅かな重さを管理するために矢神は自分の血で微調整していたのだ。

おかげで爆弾は血まみれで、彼女の細くて白い手にも血液が流れ出ていた。それだけではない、彼女の脇腹には刺されたような跡もあった。

彼女はゆっくりとその場に腰を下ろし、爆弾を庇うように抱きかかえるとその場でぐったりと座っていた。

上司「早く!救護班を!!」

その後、病院に運ばれたゆりはなんとか一命をとりとめた。

しかし、彼女はいつになっても目を覚ますことはなかった。


空「ねーちゃん…早く起きてよ…」

上司「空くん…」

空「ねーちゃん…」

もう半年にもなるだろうか、組織を抑えた安心感からか、それとも全ての疲労が一気に来たのか、傷はもう治りかけだというのに全く反応さえもなかった。

降谷「ゆり…お前は死神じゃない…誰も死んでないだろ…?…俺が悪かった…だから、はやく目を覚ませよ…」

降谷「俺の方が…死神だったよ」

「…っ…まだ、死んでないよ…」

降谷「ゆり…!!」

「勝手に殺さないでよね…」

降谷「ゆり…!!よかった…!!」

「私、死神じゃなかった…?」

降谷「あぁ!!」

「よかった…」

降谷「ごめん…ごめん…!ゆり…!!」

「私も、ごめんなさい。」

降谷「え…」

「一人で何でもやるなんて、無理だった笑」

降谷「当たり前だろ!!」

「ふふっ…ねぇ、零くん、ずっと言いたいことがあったの…でもね、言えなかった。けど、今回寝てる間に松田くんたちも、皆応援してくれたの…死神じゃないよって、だから伝えていいんだよって、だから、言うね…?私、零くんが好き」

降谷「!!」

「返事はなくていいの、わかってるから…だけど言うくらいは許してくれるでしょ?」

降谷「ごめん。」

「いいの、わかってたから^^」

降谷「違う。そういうのは男から言うもんだろ。」

「え…?」

降谷「好きだ。…付き合って、くれるか?」

「!!…はいっ!」



上司「ドアの前で何してるんだ?風見、空くん?入らないのか?」

空「シーッ!!」

風見「だめですよ!!今いいところなんですから!!」

上司「ん?…って!矢神!!起きてたのか!!!」

風見「ああぁ!!!ダメですってば!!」

空「いいとこなのにー!!!」

上司「矢神!!心配したんだぞ!!お前ってやつはぁぁぁぁ(泣」

風見「空気読んでください!!けど、矢神さん、起きてよかったです!!!(泣」

空「ねーちゃぁぁぁん!!!!(泣」

「ふふっ」

それから彼女は順調に回復し、無事に退院した。


梓「まさか安室さんが公安の人だったなんて!」

降谷「騙しててすみませんでした…」

梓「いえ!とんでもない!今日はお客さんとしてゆっくりしていってくださいね^^」

降谷「ありがとうございます^^」

…カランコロン…

空「あ!コナン!!」

「来てくれたのね^^」

灰原「話って?」

「実はね…」

空「お前達の正体はわかっているんだぞ!!」

コナン「えっ…」

灰原「つまらない茶番はやめてくれる?」

空「ははっ!ほんとだ!ねーちゃんの言う通り!!はい!!二人にねーちゃんからのプレゼントだってさ!!」

そう言って空は小さな箱を二人に渡した。

二人はそれを開けると驚きのあまり声も出なかった。

降谷「ん?薬…?これは?」

「APTX4869の解毒剤の完成バージョン!!」

コナン「はぁぁぁあ?!」

灰原「あなた、ちょっとこれ…!!どうやって…」

「なんと!この間組織を取り押さえた時に参考資料として解毒剤のレシピがみつかってね♪作ってみました!!さすがに参考資料を渡すわけにはいかないから私の方で調合させてもらったの^^」

空「やっぱりふたりとも小学生じゃなかったんだな!ねーちゃんに聞いたぞ!」

「ふふっ♪使うも使わないもあなた達次第^^なーんてねっ」

灰原「ありがとう…」

コナン「やっと元の姿に戻れるぜ!」

「ただし!元の姿に戻るのなら二人とも海外に転校したことにしておいたほうがいいわ?それと、博士達にちゃんと報告すること!」

私の言ったことに2人は賛成するとそのままポアロから出て行った。

空「で、ねーちゃん、次は俺に言うことないわけ?」

「え?」

空「ケッコン!!するんだろ?このにーちゃんと!」

「え、えええ?!なんで空が知ってるのよ!!」

降谷「俺から空くんに言ったんだ。」

空「俺、どーすればいいわけ?赤井さんのところに預けるとかねーちゃんの口からちゃんと聞かなきゃ納得できないんだけど?」

「え?ばか!私はそんなつもりないわよ!!」

空「え?」

「空はずっと私達と一緒にいるの!わかったわね?」

空「だって…」

降谷「ゆりならそう言うと思ってたよ」

「当たり前!空がいるからって結婚してくれないような相手選ぶほど男の趣味はわるくないわよ!」

降谷「結婚早々息子ができるなんてな笑」

空「俺…ねーちゃんと一緒にいていいの?」

「当たり前でしょ!ほら、もうねーちゃんって呼び方やめて?これからは私と零くんが親なんだからね?」

空「ねーちゃん…!」


その後、私達3人は親子として養子届けを出し、正式に親子になった。

工藤くんや志保ちゃんも元の姿に戻り、それぞれの生活を楽しんでいるようだった。

赤井さんも変装なしで外に出られるようになり、零くんとの誤解も解け、FBIがアメリカに帰るまではうちによく遊びに来ていた。

そして、今も私も零くんも公安のエースとして現役で働いている。
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