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ポケモンアドベンチャー

原作: ポケットモンスター 作者: ruru
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17話「リッシ湖~ナギサシティ」

「くっエレキッド、準備しろ!」俺はエレキッドを繰り出してガイルと対峙する。

リッシ湖でアグノムをフーディンのイリーガルボールから守ったのが、ガイルというオネェの仲間だった悪人。こいつもアグノムを狙ってるのだとしたら実力差がどうだろうと止めに入らなければならない。清掃服で且つ遠くで1人別行動だったからこいつの義手も見えなければ義足の金属音も聞こえなかったのだ、この空洞で近づいた時に聞こえた金属音に気付くべきだった。

「その表情で察したが、下らん。俺が欲しいのはそんなやわなポケモンでないし、他に大義を背負っているからな」ガイルはそう言い、ヘラクロスを普通のモンスターボールに戻す。

(!そういえばイリーガルボールに入ってない?それにオネェの仲間なのにフーディンの邪魔をしたのは何故だ?)

「た、助けてくれて有難う」俺は少し頭が混乱している。的外れの言葉にガイルは馬鹿らしいという表情を見せて答える。

「貴様などに感謝される筋合いはない」

そう言い、ガイルは空洞を去る。



アグノムの無事を確認した後、俺達も空洞を出てリッシ湖で解散となった。これからのポケモン泥棒対策を考えようという話になったのだが、今回はアグノムも無事だしアグノムの強さならよっぽどの敵でないと太刀打ちできないと湖自体の対策は施されなかった。しかし代わりにそのフーディン達の組織を潰そうと、シンオウチャンピオンのシロナに依頼をするというとても凄い事になっていた。

そんなリッシ湖での騒動が一旦収まろうとしている中、俺はリッシ湖のレストランで夕食を食べながらフーディンの言った事を思い出していた。

『もっと鍛えて私の最強の下僕にしてくれよ?』

俺はゴンベの入ったイリーガルボールを見る。ゴンベは確かにイリーガルボールに入ってからかなりの成長を見せた。ノモセジム戦のすいすいで素早さが上昇したフローゼルの気合パンチを麻痺状態とはいえ一回で止めるなんてゴンベの素早さではほぼ不可能に近い事だった。イリーガルボールに入ってからのゴンベの強さに対する違和感が今になって溢れてくる。

だが強さというのをただボールに入れただけで得ることが何か腑に落ちない。それに頑張って鍛えたゴンベが結局フーディンの手に落ちるのは絶対に嫌だ。

実はハルアキに、自分の住んでいるナギサシティは電気・工業分野などが進んでいるからゴンベをナギサシティの研究所で調べてみてはどうかと提案され、明日ナギサシティに行く予定だ。

ホテルに泊まって後日、ナギサシティに向かおうと222番道路を通る。そこでトレーナーや釣り人がポケモンバトルをしないかと誘ってくる。ナギサシティにもジムがあり、そこのジムリーダー・デンジは四天王クラスに強いからポケモンを本当に鍛えないと勝てないらしくここはトレーナーの修行場と呼ばれているらしい。釣り人についてはそこの海で巨大コイキングを釣り上げたという伝説があるらしく、釣り人界隈では話題のスポットらしい。気晴らしにポケモン勝負を挑んでくる程度の気持ちらしいが、手持ちポケモンはギャラドスやトリトドンなどジムリーダーが持つような種類だけなら強い部類のポケモンを繰り出してくる。まぁジムリーダーのポケモンと比べたら全然弱いが。

俺はそのバトルでゴンベを選出することはなかった。リッシ湖でのゴンベがフーディンの盾となってアグノムの未来予知を受ける場面、あれを見せられて俺はゴンベが本当に俺のポケモンなのかという事が分からなくなってきたからだ。

しばらくしてナギサシティに着く。222番道路からの入口前でハルアキが立っており、研究所まで案内してくれ、研究所入口前で別れた。

ゴンベを早速イリーガルボールの中に入れて研究所の人に預ける。ゴンベがどのような事をさせられているのかは見ることが出来なかったが、1時間で調査は終わり研究員から話を聞くことに。

「まずゴンベの健康状態についてですが、恐らく大丈夫です」

「恐らく?恐らくってどういうことですか」

「実はゴンベに状態異常が付いているみたいなんです。ポケルスというんですが、これは一般的治療を施しても治らない状態異常なんです。まぁ現在の医療科学ではそのポケモンに危害を加えることはない謎の病気として報告されているのでこの状態がゴンベに何か悪いことが起きるとは言いづらいので、安心して大丈夫です」

「そうですか、良かった」

「次にゴンベのステータスについてですが、良い情報と悪い情報の2つがあります。非常に奇妙な話ですが、ゴンベは努力値の上限が無くなっています」

「努力値の上限?すいません、どういう事ですか」

「簡単に言うと、このゴンベは普通のゴンベが強くなる限界のパラメータを上回ることが出来ます」

「え?ゴンベに限界なんてあるんですか?」

「ゴンベというか、全てのポケモンには3値というものがありましてね。個体値・種族値・努力値、この3つがポケモンのステータスを作り上げているんですよ。その中の努力値というのは、そのポケモンが種族値・個体値によってパラメータが大体決まった中でどのステータスを強くするか、言ってみれば上昇させるステータスの振り分けが出来るみたいなもんです」

「へぇ、知らなかった」

「あなたのゴンベはステータスの振り分けが無限に出来ます。先程述べたポケルスは他に獲得する努力値を倍増させる効果があるという説があるので、それも踏まえてゴンベの成長スピードは異常な速さとなるでしょう」

「そ、そうですか」俺はゴンベの強さの秘密を知り、少し複雑な気持ちになる。このままイリーガルボールに入ったらゴンベはもっと強くなるのではないかという考えさえよぎる。

「さて、ここから悪い情報です。このポケモンはゴンベと言うには程遠い存在となっています」

「えっ!?」

「先程言った種族値という数値についてですが、ポケモンの種類によってパラメータが違うというのは分かりますか?」

「それは何となく分かります。ポケモンが進化して別のポケモンになって、強くなったところを見ましたから」

「はい、その種族値ですがゴンベの種族値はフーディンの種族値に近い値に時々変化しています」

「えっ!?」さっきから同じリアクションしか取れない。言ってることがあまり理解できないからだ。

「あなたのゴンベですが、次第にフーディンに変化している兆候が見られます」

「えっ!?」俺はまたも同じリアクションを取るのだった。

 (手持ちポケモン バリヤードLv.39 ブビィLv.37エレキッドLv.39ゴンベLv.44)
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