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私達は忍術学園を守るんだ…!

原作: NARUTO 作者: コアラ
目次

壱章 "十字の黒狐"

忍術学園に向かう三人に鉢屋と木下が合流し、五人は学園長の庵に居た。

その後に先生、六年生と集まる。


「"怪しい忍者が二人いる"…尾浜はそうサインしたのじゃな?」


学園長の大川平次渦正は確認を取る。

鉢屋は「はい」と頷く。


「"学園に向かう途中かもしれない"と…どうしますか?学園長」


木下が問う。

学園長が返答に迷っていた時…


「失礼します!!狼煙が!!狼煙が上がってます!!」


井桁模様の忍者服を着ている眼鏡の男の子…猪名寺乱太郎が勢いよく入ってきた。

久々知は慌てて庵をでて山を見る。


「まずい…勘右衛門があの忍者達に見つかったみたいです!!この色は…!!怪我をしている!!!」


七松が続いて出る。

狼煙が上がっている場所を特定させる。


「――――裏山だ!!!!」


直接、学園長が声を上げた。



「――――先生、六年生、五年生!全員で尾浜勘右衛門を無事忍術学園に帰させるんじゃ!!絶対!死なせるんじゃないぞー!!」




「はっ!」


短い返事と共に走り出した。




――――どの位走っただろうか…


二人組の近くに行った時、不覚にも木の枝を踏んでしまい、気付かれてしまったのだ。


((不運にも程があるだろっ!))


尾浜は懐から鼠色の布を取り出し、自身を包ませる。

岩に扮してやり過ごそうとした。


「くそっ!逃げ足の速い奴め!!」


「そう遠くには行ってないだろう、探せ!!」


((…何とかやり過ごせた…!))


二人の気配が完全に消えたのを確認し、尾浜は布を仕舞う。

逃げている途中に狼煙を上げておいた。

怪我をしてる事を伝えたから救護を待とう…

最初にクナイが腕をかすめた時、毒に犯された用だ…遅効性だった為、気付くのが遅れた。

体が少し痺れてきた。動き辛い。


「まさか、こんな事になるなんて…」




「やり過ごせたとでも思ったか?」




直後、尾浜は回し蹴りをくらい、数メートル先の木にぶつかる。

飛ばされた時に木の枝に引っかかったのだろう、左側の額から血が流れてきた。


「気配が消えたと思ったのに…」


脇腹を押さえ、よろめきながらも立ち上がる。


「確かに向こうには走って行った…だがアレは影分身だ、本体じゃあない」


そして、クナイを出した。

尾浜も万力鎖を出す。


「見た事の無い武器だな…まぁ、興味は無いがな」


直後、クナイを投げた。

間一髪で避ける。


((速い!!))


尾浜は次々と放たれるクナイを避け続ける。

と、不意に仮面の男性は両手を胸の前に持っていく。


((何をする気だ…?))


男性は両手を何かを表現するように素早く動かす。

そして、


「火遁・豪火球の術!!」


何と、火を吹いた。

尾浜は慌てて右へと避ける。


((何だあれ!?妖術を使うなんて知らないぞ!?))


反撃と、万力鎖を投げる。が、


「どこに向かって投げている?」


((しまっ!!))


背後を取られてしまった。

振り返った尾浜の鳩尾に拳が当たる。

相当強かったのだろう、胃液が逆流してきた。

吐き出しながらも何とか遠のきそうな意識を保たせる。


「ほう、中々やるな…鳩尾をくらっても意識を保っていられるとは…」


「さて、殺す前に一つ訊こう」


もう一人の仮面の男性が現れた。



「忍術学園の場所を吐け」




尾浜は驚きで目を見開く。

そして、先生方に知らせておいて良かったと思った。


「忍者がホイそれと吐くと思います?」


「――――残念だ」


攻撃を仕掛けようとした時、男性は何かに気付き、距離を取る。


「勘右衛門!!」

「勘右衛門!大丈夫か!?」


そこに、犬猿と称されている、潮江文次郎と食満留三郎が走ってきた

「潮江先輩…食満先輩…!」


二人は尾浜の前に立つ。

"先輩が来た"

ただそれだけの事だが、尾浜は大きな安心感を得ていた。


「チッ…仲間か」


「そんなものは関係無い…我等の姿を見られたからには…どちらも消すまで…」


潮江と食満は得意武器を構える。


「先輩、こいつら…強いです」


「そんなものは分かっている…だが」


「やるしかねぇんだ!勝負だ!!」


二人が駆けようとした時…




「そこまでだ」




五人の真ん中に現れる。

右側の目元に大きな十字模様がある黒い狐の仮面を付けている者だ。


((似たような仮面!仲間か!?))


潮江が問おうとしたが、それより先に黒狐が言い出した。


「消えるのはお前等の方だ…ライ、リョク」


男性達は驚く。

また、彼等は黒狐の事を知っていた。

「な…何故…貴方が…」


「"十字の黒狐"…繊月総隊長…」


男性達は一歩、二歩と後退る。


「繊月...」


「安心しろ……尾浜勘右衛門、潮江文次郎、食満留三郎…私はお前達の味方だ」


黒狐は振り返って言う。


「何故名前を!?」


苗字は分かるとしても名前までは言ってなかった筈だ。

食満の問いに答える事無く、黒狐は男性達の方に向き直る。


「私はお前等の仲間…"紅蓮"によってこの世界に転生された…」


黒狐は両手を素早く動かす。


「もちろんお前等の目的を知っている…阻止させてもらうぞ!」


左手を地面に勢いよく付けた。


「土遁・裂土転掌の術!!」


地面に亀裂が走る。

尾浜、潮江、食満の三人は、戦闘をただ見ている事しか出来なかった。


「何だあの三人は…」


「本当に奴等は忍者なのか?見知らぬ妖術を使っているが」


プロに一番近いと言われている六年生の二人ですら唖然としている。




…レベルが違いすぎる




三人はそう痛感した。


「…終わりだ…」


あっという間に黒狐は男性達を地に伏せさせていた。

クナイで彼等の四肢を刺して固定させる。




「――――天照」




直後、二人の体に黒い炎が生じる。

苦痛の声が上がっている二人に対し、黒狐は「それでも暗部か…声を荒げるとは、はしたない」と冷たく言い放つ。


「くそっ!こうなったら!!」


一人が最期の力を振り絞って腕に刺さっているクナイを引き抜き、ポケットから三本クナイを取り出し...


「!!」


後ろの三人目掛けて投げた。

三人は避けようと体制を立て直したが…

黒狐の左腕にクナイが刺さっていた。

咄嗟に出して守ったのだろう。


「何故守った!?」


思いがけない事態に潮江は叫んでしまう。


「言っただろう?…私はお前達の味方だと」


焼き尽くされた二人を見届けた後、黒狐はゆっくりと振り返る。


「クナイを抜かないと!」


尾浜は黒狐の側に行き、クナイに手をかけようとしたが…やんわりと制止される。


「毒が塗ってある、触らない方が良い」


「なら解毒しないとっ!!」


その必要はないと黒狐はクナイを抜いた。


「それよりもこれを飲みなさい…解毒剤だ…弱性とはいえ君も毒に侵されている」


尾浜は黒狐から小瓶を受け取り、その中の液体を飲む。


「…探す必要が無くなったか…」


黒狐の言葉に疑問を感じたが、直後に先生、六年生、五年生全員が集まってきたのを見て理解した。
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