18
降谷「知っていることを全て教えてくれ。多忙だったとはどういうことだ。あの人は一体何者なんだ」
降谷が身を乗り出してそう言うと赤井はふっと笑った。
赤井「随分と彼女にご執心なようだな。こちらが話す前に君と彼女の関係を話すべきじゃないか?」
降谷「お前には関係ない!!」
降谷はそう言うとバンっと机に手をついて立ち上がった。
新一「降谷さん落ち着いて!」
新一はそう言って降谷をなだめた。新一になだめられた降谷はむっとしながらももう一度腰を下ろした。
降谷「矢神さんは僕の上司になった。組織の件がひと段落した直ぐあとだ。」
赤井「ホォ、流石だな。あの歳でそこまでとは」
新一「その人いくつなんですか?」
降谷「25だそうだよ。」
新一「え?!降谷さんより年下?!」
赤井「見た目だけで言えば君と変わらんよ」
新一「一体何者…;」
赤井「何者かは俺も知らない。が、一つ言えるなら彼女があらゆる組織に潜入していたことは確かだ。恐らく今も複数の組織に潜入しているんじゃないか?」
降谷「それは有り得ない!殆ど公安に入り浸りだ!」
赤井「ホォ、相変わらず仕事が恋人という所には変わりがないらしいな」
新一「仕事が恋人…」
新一はそう聞いて頭の中で男勝りな女を想像した。
新一「それで、どうして赤井さんと矢神さんが知り合いだって降谷さんは知ってるんですか?」
赤井「差し詰め彼女の家の周りで聞き込みをした所だろう。彼女の家に出入りする人間を聞けばニット帽の男とでも言われた…そうだろ?」
赤井は得意げに降谷に挑発的な視線を向けた。
降谷「あぁ、そうだ。」
新一「え!赤井さんその人の家に行ったことあるんですか?!」
新一が驚いて聞けば赤井は余裕の表情で答えた。
赤井「一度だけだがな。組織の件で匿ってもらった事がある。一人で、しかも成人した女が住んでいるとは思えん部屋だったよ。」
新一「部屋汚いんですか?」
新一の中での矢神という女の像が間違った方向に作られていき顔をしかめた。
赤井「いや。まぁ、外観はオンボロアパートといったところか?部屋の中は至って綺麗だったよ。6畳くらいのワンルームだったか。ユニットバスで風呂が狭いのが難点だな。とても長風呂をしようという気になれなかったよ。とても女が好んで住むような家ではないな。部屋には机も何もなく布団とキャリーバッグがあるくらいか?全く生活感のない家だよ」
新一「お風呂借りたんですか?」
新一はえっという顔で赤井を見た。
降谷も赤井を睨みつけている。
赤井「あぁ。そうだが?」
平然とそう言う赤井に新一は顔を赤くした。
降谷に至ってはもはや鬼の顔をしていた。
赤井「安心しろ。彼女とは何もない。たまたま知り合っただけだ」
新一「たまたま?」
降谷「ホォー」
赤井「彼女の弟さんが事件に巻き込まれていたのを助けた時にな。礼をしたいと言われたから1日泊めてくれと頼んだんだ」
新一「え゛。初対面で泊まったんですか?」
赤井「あぁ。そうだが?あの時は丁度日本に来たばかりでセーフティハウスもない時だったからな。助かったよ。」
降谷「それで。弟さんと一緒に住んでるんですか、彼女。」『大家さんは弟がいるとは一言も言っていなかったはず…』
赤井「弟は病院に入院していたよ。事件に巻き込まれたのはある組織に連れ去られたからだったがな。」
新一「その組織って…」
赤井「いや、奴らじゃないさ。その組織はすぐに彼女が取り押さえたさ。」
新一「今も弟さんは入院を?」
赤井「いや、今は大学に通っているらしい。一人暮らしだと聞いたが。」
新一「公安だから一緒に暮らせないですもんね」
降谷「他には!他には知っていることはないのか?FBI!」
そんな情報よりも彼女自身の情報がほしいんだと言わんばかりに降谷は声をあげた。
新一「ふ、降谷さん落ち着いて…」
赤井「悪いがそれ以上のことは知らない。力になれなくて悪いな。」
赤井はそう言うと腰を上げた。
降谷「…ありがとうございました。」
降谷は不満そうだが一応礼は言った。
赤井「君に感謝されるとはな。…彼女について困る事があればいつでも連絡してくるといい。」
赤井はそう言って降谷の胸ポケットに一枚の紙を入れるとそのまま工藤邸を出て行った。
相変わらずの赤井の余裕のある態度に降谷はワナワナと震えていたが新一が降谷さん…?と遠慮がちに声をかけると降谷は新一に礼を言うと帰ると言ってスタスタと出て言ってしまった。
新一「どんな人なんだろ、矢神さんって…」
残された新一には煮え切らない疑問だけがのこった。
その一方降谷は愛車に戻りハンドルにもたれかかってうな垂れていた。
彼女についての経歴を知る事ができなかったこと。
赤井に連絡先を渡されたこと。
新一の前で大人気なかったな、と思い返していた。
考えても仕方がないと思い降谷は自宅に戻ることにした。
自宅に戻るなり大量に料理を作ってしまい、一人で食べきれないという事態に陥っていた。
降谷「風見にやるか…」
そう思いふとタッパーを取り出すと確か美弥妃もまともな食事をとっていなかったなと思い2人にお裾分けしようとせっせとお弁当作りを始めた。
生物はないから明日わたそう。
そう思い降谷の休日は幕を閉じた。
降谷が身を乗り出してそう言うと赤井はふっと笑った。
赤井「随分と彼女にご執心なようだな。こちらが話す前に君と彼女の関係を話すべきじゃないか?」
降谷「お前には関係ない!!」
降谷はそう言うとバンっと机に手をついて立ち上がった。
新一「降谷さん落ち着いて!」
新一はそう言って降谷をなだめた。新一になだめられた降谷はむっとしながらももう一度腰を下ろした。
降谷「矢神さんは僕の上司になった。組織の件がひと段落した直ぐあとだ。」
赤井「ホォ、流石だな。あの歳でそこまでとは」
新一「その人いくつなんですか?」
降谷「25だそうだよ。」
新一「え?!降谷さんより年下?!」
赤井「見た目だけで言えば君と変わらんよ」
新一「一体何者…;」
赤井「何者かは俺も知らない。が、一つ言えるなら彼女があらゆる組織に潜入していたことは確かだ。恐らく今も複数の組織に潜入しているんじゃないか?」
降谷「それは有り得ない!殆ど公安に入り浸りだ!」
赤井「ホォ、相変わらず仕事が恋人という所には変わりがないらしいな」
新一「仕事が恋人…」
新一はそう聞いて頭の中で男勝りな女を想像した。
新一「それで、どうして赤井さんと矢神さんが知り合いだって降谷さんは知ってるんですか?」
赤井「差し詰め彼女の家の周りで聞き込みをした所だろう。彼女の家に出入りする人間を聞けばニット帽の男とでも言われた…そうだろ?」
赤井は得意げに降谷に挑発的な視線を向けた。
降谷「あぁ、そうだ。」
新一「え!赤井さんその人の家に行ったことあるんですか?!」
新一が驚いて聞けば赤井は余裕の表情で答えた。
赤井「一度だけだがな。組織の件で匿ってもらった事がある。一人で、しかも成人した女が住んでいるとは思えん部屋だったよ。」
新一「部屋汚いんですか?」
新一の中での矢神という女の像が間違った方向に作られていき顔をしかめた。
赤井「いや。まぁ、外観はオンボロアパートといったところか?部屋の中は至って綺麗だったよ。6畳くらいのワンルームだったか。ユニットバスで風呂が狭いのが難点だな。とても長風呂をしようという気になれなかったよ。とても女が好んで住むような家ではないな。部屋には机も何もなく布団とキャリーバッグがあるくらいか?全く生活感のない家だよ」
新一「お風呂借りたんですか?」
新一はえっという顔で赤井を見た。
降谷も赤井を睨みつけている。
赤井「あぁ。そうだが?」
平然とそう言う赤井に新一は顔を赤くした。
降谷に至ってはもはや鬼の顔をしていた。
赤井「安心しろ。彼女とは何もない。たまたま知り合っただけだ」
新一「たまたま?」
降谷「ホォー」
赤井「彼女の弟さんが事件に巻き込まれていたのを助けた時にな。礼をしたいと言われたから1日泊めてくれと頼んだんだ」
新一「え゛。初対面で泊まったんですか?」
赤井「あぁ。そうだが?あの時は丁度日本に来たばかりでセーフティハウスもない時だったからな。助かったよ。」
降谷「それで。弟さんと一緒に住んでるんですか、彼女。」『大家さんは弟がいるとは一言も言っていなかったはず…』
赤井「弟は病院に入院していたよ。事件に巻き込まれたのはある組織に連れ去られたからだったがな。」
新一「その組織って…」
赤井「いや、奴らじゃないさ。その組織はすぐに彼女が取り押さえたさ。」
新一「今も弟さんは入院を?」
赤井「いや、今は大学に通っているらしい。一人暮らしだと聞いたが。」
新一「公安だから一緒に暮らせないですもんね」
降谷「他には!他には知っていることはないのか?FBI!」
そんな情報よりも彼女自身の情報がほしいんだと言わんばかりに降谷は声をあげた。
新一「ふ、降谷さん落ち着いて…」
赤井「悪いがそれ以上のことは知らない。力になれなくて悪いな。」
赤井はそう言うと腰を上げた。
降谷「…ありがとうございました。」
降谷は不満そうだが一応礼は言った。
赤井「君に感謝されるとはな。…彼女について困る事があればいつでも連絡してくるといい。」
赤井はそう言って降谷の胸ポケットに一枚の紙を入れるとそのまま工藤邸を出て行った。
相変わらずの赤井の余裕のある態度に降谷はワナワナと震えていたが新一が降谷さん…?と遠慮がちに声をかけると降谷は新一に礼を言うと帰ると言ってスタスタと出て言ってしまった。
新一「どんな人なんだろ、矢神さんって…」
残された新一には煮え切らない疑問だけがのこった。
その一方降谷は愛車に戻りハンドルにもたれかかってうな垂れていた。
彼女についての経歴を知る事ができなかったこと。
赤井に連絡先を渡されたこと。
新一の前で大人気なかったな、と思い返していた。
考えても仕方がないと思い降谷は自宅に戻ることにした。
自宅に戻るなり大量に料理を作ってしまい、一人で食べきれないという事態に陥っていた。
降谷「風見にやるか…」
そう思いふとタッパーを取り出すと確か美弥妃もまともな食事をとっていなかったなと思い2人にお裾分けしようとせっせとお弁当作りを始めた。
生物はないから明日わたそう。
そう思い降谷の休日は幕を閉じた。
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