第30話
と。
「そうですか……まあ、いいでしょう。もう、貴女を仲間に引き込めるとは思っていませんもの。……そういえば、貴女にプレゼントがありますわ」
パチンと、指を鳴らす綾瀬川奈々子。
それを合図に、綾瀬川奈々子の背後から、一人の人物が現れた。
「な……っ!?」
それをもて、あたしは驚愕した。
その人物とは、全裸の翔平太だったのだから。
「あんた……翔平太を……っ!」
「この子、なかなか可愛い顔しているでしょう? ですから、わたくしの奴隷にしましたの。貴女と初めて出会った日にね」
初めて出会った日って言うと、翔平太のお見舞いに行った日か。
あの日以降、翔平太に襲われる可能性があったから、しばらくお見舞いは控えることにしてたんだよな。
「愛する弟によって、恥辱を与えられる……。これほどの余興がありますでしょうか? さあ、お行きなさい! 貴方の愛する姉を捕え、犯すのですわ!」
「了解しました、奈々子様」
じりじりと、あたしに迫ってくる翔平太。
口からはよだれが垂れ流しになっていて、息子はギンギン。操られているとはいえ、弟のこんな姿は見たくなかった。
「くっ……」
あたしは、一旦距離を取ろうと後退する。
すると、翔平太は、あたしが想像していたよりも早いスピードで、あたしを追いかけ、そして、腕を掴んだ。
「っ!? は、離せ翔平太!」
「はぁ……はぁ……お姉ちゃん……はぁ……はぁ……ペロペロ」
「ひぃいいいいいっ!?」
翔平太は、掴んだあたしの腕を、ペロペロと舐めまわしてきた。
あまりの気持ち悪さに、鳥肌が立ってくる。
「っ! ええい! すまん翔平太! はぁっ!」
「ぐふぇっ!?」
翔平太のボディに、思いっきりパンチを叩きこむ。
それによってできた隙に、あたしは翔平太から離れる。大分距離があるから、すぐに捕まることはないだろう。
「げほっ……ごほっ……っ」
よほどあたしのパンチが効いたのか、翔平太はその場に蹲っていた。
ごめん、翔平太。
『お主、実の弟にあの一撃とは……鬼畜じゃのう』
うるさい。
「ふう……わたくしの『精神調教』で多少痛みに耐性ができているとはいえ、元が病弱ですから使えませんわね。……仕方ありませんわ。現れなさい! 我が下部たち!」
綾瀬川奈々子が言うと、目の前の地面が二つに割れていき、下からエレベーターのようなものに乗って、黒光りする男たちがせり上がってくる。
わらわらと、ゴキブリのようだな。
とりあえず、後ろに下がる。前を向きながら後ろにダッシュって、転びそうで怖い。
『飛鳥、後ろもじゃ!』
「え? ……なっ!?」
後ろを振り向くと、モザイク化計画の餌食になったゾンビたちが。
その数はざっと300人。
これは……あたし一人じゃ無理でしょ!
「涼太! 助けてくれ!」
「無理! 悪いけど、こっちもぎりぎりなんだ!」
大声で助けを乞うけど、涼太からは無理と大声で返事が返ってきた。使えない男だなオイ!
「おいシャル! 早くおっぱいから出てきて、こいつらをなんとかしてくれよ!」
『……飛鳥』
「? なんだよ?」
『すまぬが、まだ力が回復しておらんのじゃ……』
「……それって、つまり?」
『……妾にできることは、揺れることだけじゃ』
「つっかえねぇ――――っ!」
頼りにならないおっぱいにツッコんでいると、いつの間にかあたしはゾンビと黒光りする奴隷に囲まれていた。
「え、えーと……」
「「「「「ウホッ!」」」」」
「「「「「うぐーぉーがぁーーー」」」」」
ヤバい! コイツらヤバい!
逃げようとしても、四方を囲まれているため、逃げ場はない。
頼みの涼太も、どこかで奴隷たち相手に奮闘しているんだろう。助けにこいよと言いたいが……。
あたしも、能力とか使ってこのピンチを切り抜けたいけど、相手のエロい思考だけを読み取る能力で、どうしろと?
『……終わりじゃの。短い人生じゃった……いや、神様だから、神生なのか?』
「どうでもいいわそんなこと!」
そうこうしているうちに、あたしと全裸の男たちとの距離は、もう1メートルもない。
せめて処女膜だけは、奪わないでくれ!
目を瞑り、祈りをささげていると、突如天井が爆発した!
なんだ? 何事だ!?
「私の出番かな?」
どこからか声。この声は――
「私はそう、変態と言う名の紳士なのだよ!」
意味不明な叫び声を上げながら、天井から颯爽と舞い降りるのは、変態こと始まりの男。
「さあ、行きなさい! 我が毛より生まれし分身たちよ!」
天井から虫のようにわらわらと降ってくる、黒ずくめの集団たち。変態の能力、『百の白子』だ。
「助けにきましたよ、飛鳥嬢」
あたしの横に着地した変態が、フッ、とカッコつけながらそう言った。キモい。
「さて、邪魔者は我が分身たちに任せて、私たちは奈々子嬢のもとへ行きますかね」
ゆっくりと歩いていく変態。あたしも、その後を付いていく。
黒いマントを羽織った人形たちが、奴隷やゾンビを退けていき、あたしたちの通る道を作っていく。
「そうですか……まあ、いいでしょう。もう、貴女を仲間に引き込めるとは思っていませんもの。……そういえば、貴女にプレゼントがありますわ」
パチンと、指を鳴らす綾瀬川奈々子。
それを合図に、綾瀬川奈々子の背後から、一人の人物が現れた。
「な……っ!?」
それをもて、あたしは驚愕した。
その人物とは、全裸の翔平太だったのだから。
「あんた……翔平太を……っ!」
「この子、なかなか可愛い顔しているでしょう? ですから、わたくしの奴隷にしましたの。貴女と初めて出会った日にね」
初めて出会った日って言うと、翔平太のお見舞いに行った日か。
あの日以降、翔平太に襲われる可能性があったから、しばらくお見舞いは控えることにしてたんだよな。
「愛する弟によって、恥辱を与えられる……。これほどの余興がありますでしょうか? さあ、お行きなさい! 貴方の愛する姉を捕え、犯すのですわ!」
「了解しました、奈々子様」
じりじりと、あたしに迫ってくる翔平太。
口からはよだれが垂れ流しになっていて、息子はギンギン。操られているとはいえ、弟のこんな姿は見たくなかった。
「くっ……」
あたしは、一旦距離を取ろうと後退する。
すると、翔平太は、あたしが想像していたよりも早いスピードで、あたしを追いかけ、そして、腕を掴んだ。
「っ!? は、離せ翔平太!」
「はぁ……はぁ……お姉ちゃん……はぁ……はぁ……ペロペロ」
「ひぃいいいいいっ!?」
翔平太は、掴んだあたしの腕を、ペロペロと舐めまわしてきた。
あまりの気持ち悪さに、鳥肌が立ってくる。
「っ! ええい! すまん翔平太! はぁっ!」
「ぐふぇっ!?」
翔平太のボディに、思いっきりパンチを叩きこむ。
それによってできた隙に、あたしは翔平太から離れる。大分距離があるから、すぐに捕まることはないだろう。
「げほっ……ごほっ……っ」
よほどあたしのパンチが効いたのか、翔平太はその場に蹲っていた。
ごめん、翔平太。
『お主、実の弟にあの一撃とは……鬼畜じゃのう』
うるさい。
「ふう……わたくしの『精神調教』で多少痛みに耐性ができているとはいえ、元が病弱ですから使えませんわね。……仕方ありませんわ。現れなさい! 我が下部たち!」
綾瀬川奈々子が言うと、目の前の地面が二つに割れていき、下からエレベーターのようなものに乗って、黒光りする男たちがせり上がってくる。
わらわらと、ゴキブリのようだな。
とりあえず、後ろに下がる。前を向きながら後ろにダッシュって、転びそうで怖い。
『飛鳥、後ろもじゃ!』
「え? ……なっ!?」
後ろを振り向くと、モザイク化計画の餌食になったゾンビたちが。
その数はざっと300人。
これは……あたし一人じゃ無理でしょ!
「涼太! 助けてくれ!」
「無理! 悪いけど、こっちもぎりぎりなんだ!」
大声で助けを乞うけど、涼太からは無理と大声で返事が返ってきた。使えない男だなオイ!
「おいシャル! 早くおっぱいから出てきて、こいつらをなんとかしてくれよ!」
『……飛鳥』
「? なんだよ?」
『すまぬが、まだ力が回復しておらんのじゃ……』
「……それって、つまり?」
『……妾にできることは、揺れることだけじゃ』
「つっかえねぇ――――っ!」
頼りにならないおっぱいにツッコんでいると、いつの間にかあたしはゾンビと黒光りする奴隷に囲まれていた。
「え、えーと……」
「「「「「ウホッ!」」」」」
「「「「「うぐーぉーがぁーーー」」」」」
ヤバい! コイツらヤバい!
逃げようとしても、四方を囲まれているため、逃げ場はない。
頼みの涼太も、どこかで奴隷たち相手に奮闘しているんだろう。助けにこいよと言いたいが……。
あたしも、能力とか使ってこのピンチを切り抜けたいけど、相手のエロい思考だけを読み取る能力で、どうしろと?
『……終わりじゃの。短い人生じゃった……いや、神様だから、神生なのか?』
「どうでもいいわそんなこと!」
そうこうしているうちに、あたしと全裸の男たちとの距離は、もう1メートルもない。
せめて処女膜だけは、奪わないでくれ!
目を瞑り、祈りをささげていると、突如天井が爆発した!
なんだ? 何事だ!?
「私の出番かな?」
どこからか声。この声は――
「私はそう、変態と言う名の紳士なのだよ!」
意味不明な叫び声を上げながら、天井から颯爽と舞い降りるのは、変態こと始まりの男。
「さあ、行きなさい! 我が毛より生まれし分身たちよ!」
天井から虫のようにわらわらと降ってくる、黒ずくめの集団たち。変態の能力、『百の白子』だ。
「助けにきましたよ、飛鳥嬢」
あたしの横に着地した変態が、フッ、とカッコつけながらそう言った。キモい。
「さて、邪魔者は我が分身たちに任せて、私たちは奈々子嬢のもとへ行きますかね」
ゆっくりと歩いていく変態。あたしも、その後を付いていく。
黒いマントを羽織った人形たちが、奴隷やゾンビを退けていき、あたしたちの通る道を作っていく。
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