第25話
第4章
智が入院することになってから、3日が経っていた。
あれから、綾瀬川奈々子が言っていた『研究所』の場所を探したが、それらしきものは見つかってはいない。
でも、諦めるわけにはいかなかった。
「よしっ!」
今日も、この朝食を食べたら調べてみよう。
そう気合を入れ、ニュースを見るためにテレビを点ける。
すると、驚きの映像が流れていた。
『エロマンガ島内に住む皆様。初めまして。わたくしは綾瀬川奈々子と申します。不躾ですが、テレビをジャックさせていただきました』
「ぶっ!?」
『な、なんじゃこれは!?』
テレビに映るのは、綾瀬川奈々子の姿。
一応他のチャンネルにも変えてみたが、全チャンネルとも同じ映像だった。
『さて、まずエロマンガ島内で現在起こっている事件。それは、全てわたくしのばら撒いたウイルスの仕業ですわ』
「事件? 事件って、なんのことだ、シャル?」
『少し待ってくれ。今他の神様に連絡を……なんじゃと!』
「どした?」
『飛鳥、今、エロマンガ島内にいる男全員、翔平太やお主の学友と同じ状態にあるということじゃ』
「同じ状態って……あれか」
脳内に鮮明に蘇ってくる映像。
男が、女を捕え、ペロペロするというもの。
「それって、ヤバいんじゃないのか?」
『うむ……男全員となると、ヤバいじゃろうな。一種のバイオハザードじゃ』
男が全員、ってことになると、守護部隊も機能してないんだろう。
取り押さえる人間がいない、ということになる。
『さて、わたくしがこのようなことをするのには、ある目的があるからです。それは、このエロマンガ島を、支配するということですわ!』
『うむ……じゃが、ウイルスをばら撒いたからといって、どうやって支配するんじゃ? まあ確かに男連中は支配したようなものじゃが……女が残っておろう』
「たしかに」
男だけを支配すればいいという考えなのだろうか?
しかし、この島の妄想力者の半分は女なのだ。
男だけでは、他の国に戦争を仕掛けても勝てる可能性は低いはず。防衛に残った妄想力者が協力するかもしれないし。
綾瀬川奈々子は、どうするつもりなのだろう?
『さて、わたくしは計画を次の段階へシフトさせますわ。もし止めたいのなら、今しかありませんわよ?』
そう言い残して、綾瀬川奈々子はテレビの画面から消えた。
ニュースは、今の電波ジャックに関することと、エロマンガ島内の事態が流れている。
本当に、世界の危機なんじゃなかろうか?
……あたしが止めるしか、ないよなぁ……。
はぁ、と嘆息すると、あたしのおっぱいが激しく揺れた。
『ついに見つけたぞ。『モザイク化計画』の犯人、綾瀬川奈々子の所在を』
「ホントか!?」
『うむ。今の映像の電波の発信源を辿ったのじゃ。このために、人手……いや、神手をこちらに割いたのじゃからな』
神様も、ようやく役にたったか。
「よし、なら早速乗り込むか!」
『うむ。早い方が、敵も油断しておるかもしれんしの』
あたしとシャルは、素早く準備して、綾瀬川奈々子のいる場所へと向かった。
決着をつけるために。
◆
街は、混沌と化していた。
ゾンビのように歩き回る男たちで溢れていたのだ。つか、もうゾンビって呼んでも遜色はない。
女性の姿は、どこにもない。避難したのだろう。
つまり、だ。
男が追いかけてくるのは、必然的にこの場にいる唯一の女であるあたしになるわけで。
「いやぁあああ―――――――!」
「うがぁあああああ!」
「ぶひぃいいいいい!」
事実、こうして追いかけられていた。
『頑張るのじゃ飛鳥! 綾瀬川奈々子がいるという研究所は、もうすぐじゃ!』
「はぁ……はぁ……」
エロマンガ島内にいる男全員が感染しているというのは本当のようで、追ってくるゾンビの数は、おびただしいものだった。
「……っ!?」
目の前にも、ゾンビの一団が現れる。
囲まれたっ!?
マズイ! お、犯される!?
じりじりと距離を詰めてくるゾンビ。
「い、いやぁああああああ!」
あたしは、目を閉じた。
だって、ゾンビの連中、気持ち悪いんだもん。
でも、一向に触れられたという感触はない。
「無事か、椎名」
どこかで聞いたことのある声。
恐る恐る目を開けると、そこには我らがクラスの担任、徳元知弦先生の姿が。
「ふんっ!」
すらりと伸びた足で、ゾンビを蹴り飛ばす。
痛そうだ。
「先生、どうしてここに?」
「島内の女子生徒全員を、残った教師全員で守っているんだ。すでに、全女子生徒の半数以上が、各学校の体育館に避難している。お前も、早く避難しろ」
ゾンビと格闘を続けながら、息一つ乱さずにそう言う先生。
智が入院することになってから、3日が経っていた。
あれから、綾瀬川奈々子が言っていた『研究所』の場所を探したが、それらしきものは見つかってはいない。
でも、諦めるわけにはいかなかった。
「よしっ!」
今日も、この朝食を食べたら調べてみよう。
そう気合を入れ、ニュースを見るためにテレビを点ける。
すると、驚きの映像が流れていた。
『エロマンガ島内に住む皆様。初めまして。わたくしは綾瀬川奈々子と申します。不躾ですが、テレビをジャックさせていただきました』
「ぶっ!?」
『な、なんじゃこれは!?』
テレビに映るのは、綾瀬川奈々子の姿。
一応他のチャンネルにも変えてみたが、全チャンネルとも同じ映像だった。
『さて、まずエロマンガ島内で現在起こっている事件。それは、全てわたくしのばら撒いたウイルスの仕業ですわ』
「事件? 事件って、なんのことだ、シャル?」
『少し待ってくれ。今他の神様に連絡を……なんじゃと!』
「どした?」
『飛鳥、今、エロマンガ島内にいる男全員、翔平太やお主の学友と同じ状態にあるということじゃ』
「同じ状態って……あれか」
脳内に鮮明に蘇ってくる映像。
男が、女を捕え、ペロペロするというもの。
「それって、ヤバいんじゃないのか?」
『うむ……男全員となると、ヤバいじゃろうな。一種のバイオハザードじゃ』
男が全員、ってことになると、守護部隊も機能してないんだろう。
取り押さえる人間がいない、ということになる。
『さて、わたくしがこのようなことをするのには、ある目的があるからです。それは、このエロマンガ島を、支配するということですわ!』
『うむ……じゃが、ウイルスをばら撒いたからといって、どうやって支配するんじゃ? まあ確かに男連中は支配したようなものじゃが……女が残っておろう』
「たしかに」
男だけを支配すればいいという考えなのだろうか?
しかし、この島の妄想力者の半分は女なのだ。
男だけでは、他の国に戦争を仕掛けても勝てる可能性は低いはず。防衛に残った妄想力者が協力するかもしれないし。
綾瀬川奈々子は、どうするつもりなのだろう?
『さて、わたくしは計画を次の段階へシフトさせますわ。もし止めたいのなら、今しかありませんわよ?』
そう言い残して、綾瀬川奈々子はテレビの画面から消えた。
ニュースは、今の電波ジャックに関することと、エロマンガ島内の事態が流れている。
本当に、世界の危機なんじゃなかろうか?
……あたしが止めるしか、ないよなぁ……。
はぁ、と嘆息すると、あたしのおっぱいが激しく揺れた。
『ついに見つけたぞ。『モザイク化計画』の犯人、綾瀬川奈々子の所在を』
「ホントか!?」
『うむ。今の映像の電波の発信源を辿ったのじゃ。このために、人手……いや、神手をこちらに割いたのじゃからな』
神様も、ようやく役にたったか。
「よし、なら早速乗り込むか!」
『うむ。早い方が、敵も油断しておるかもしれんしの』
あたしとシャルは、素早く準備して、綾瀬川奈々子のいる場所へと向かった。
決着をつけるために。
◆
街は、混沌と化していた。
ゾンビのように歩き回る男たちで溢れていたのだ。つか、もうゾンビって呼んでも遜色はない。
女性の姿は、どこにもない。避難したのだろう。
つまり、だ。
男が追いかけてくるのは、必然的にこの場にいる唯一の女であるあたしになるわけで。
「いやぁあああ―――――――!」
「うがぁあああああ!」
「ぶひぃいいいいい!」
事実、こうして追いかけられていた。
『頑張るのじゃ飛鳥! 綾瀬川奈々子がいるという研究所は、もうすぐじゃ!』
「はぁ……はぁ……」
エロマンガ島内にいる男全員が感染しているというのは本当のようで、追ってくるゾンビの数は、おびただしいものだった。
「……っ!?」
目の前にも、ゾンビの一団が現れる。
囲まれたっ!?
マズイ! お、犯される!?
じりじりと距離を詰めてくるゾンビ。
「い、いやぁああああああ!」
あたしは、目を閉じた。
だって、ゾンビの連中、気持ち悪いんだもん。
でも、一向に触れられたという感触はない。
「無事か、椎名」
どこかで聞いたことのある声。
恐る恐る目を開けると、そこには我らがクラスの担任、徳元知弦先生の姿が。
「ふんっ!」
すらりと伸びた足で、ゾンビを蹴り飛ばす。
痛そうだ。
「先生、どうしてここに?」
「島内の女子生徒全員を、残った教師全員で守っているんだ。すでに、全女子生徒の半数以上が、各学校の体育館に避難している。お前も、早く避難しろ」
ゾンビと格闘を続けながら、息一つ乱さずにそう言う先生。
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