後編
光と青葉が、お台場に着くころには、日も傾きはじめていた。
「見て~テレビフジだよ~!こっちの建物は、ショッピングできるよ~」
とはしゃぐ青葉。光は、青葉に手を引かれながら、クリスマスを過ごす人々の間を急ぎ足ですり抜けていった。
青葉のお目当てのショッピングセンターに付くと、その中は既に、買い物客やカップルでにぎわっていた。店舗ごとに、いろいろなクリスマスイルミネーションがされており、光には、青葉の夢の中にいる気分になっていた。
「あんた!ちょっと聞いてんの!」
「・・・何?」
「も~!これ紅葉のお土産にどうかな?」
と青葉がてにとったのは、どう見ても、紅葉が着そうもないプリント柄付きのTシャツだった。光は顔を指でかきながら、
「やめといたほうがいいんじゃ・・・紅葉は食べ物の方がいいよ。うんうん。」
「私のセンスが悪いって言いたいの!?・・・確かに紅葉は食べ物の方が喜ぶか~」
青葉はアゴに指を当てて悩んだ顔をした。光は、今日一日で、いろいろな青葉の表情が見れた事で、満足していた。
「私の顔に何かついてる?」
と青葉が光の顔を見つめ返していた。青葉の顔がまともに見つめ返す事が出来ずに光は、青葉の手をとり
「紅葉のお土産見つけに行こうか」
青葉は軽くうなずき、光の手を離さないように手を握っていた。
(二)
赤石とあかねは、美術館から、近くの動物園に場所を移していた。赤石は、あかねに言われた言葉の影響でさらに、緊張感を増していた。それに対して、心の中がスッキリしたのか園内を、明るくはしゃぎまわるように、動物をじっくり観察していた。
「赤石君。こっちに、カバとかいるよ~」
「ああ。」
とだけ答える赤石に、あかねは、心配した表情で
「大丈夫?私に付き合わせちゃった感じだから・・ごめんね。」
「いや、そんなことは・・」
と言葉を詰まらせていた。あかねはアゴに掴むように考え込んだ表情をしていた。
「やっぱり、あれじゃ~伝わらないのか~」
とぼそっと呟いていた。赤石はベンチに腰をかけて
「俺の勘違いじゃなきゃ伝わってるんだけど・・・・」
とあかねに向かってこっちも小さい声で呟いていた。
「赤石君、表情に表さないから、伝わったかどうか、わからないんだもん。私も、青葉ちゃんみたいになりたいなって・・・」
「へぇ!?」
「そんな、驚く顔するんだね。赤石君も。夏の甲子園前にお見舞いに来てくれた時に、私のこと、真剣に心配してくれたのって、赤石君なんだよね。って思ったら、赤石君の事が好きになってたの。充分、私の気持ち伝わったかな?」
とあかねは、堂々と赤石に告白したのだった。赤石は固まって、しまったが、自分の顔を両手で2回叩いた。
「あかねちゃんから言われてるのは、凄くうれしいよ。でも、・・・」
「えっ!?・・・」
「俺が本当は、あかねちゃんよりも先に伝えなくちゃいけなかったんだ。」
「良かった~一瞬断られちゃったと思っちゃった。」
あかねは、胸に手を置き安堵の表情をした。赤石はあかねに向って。
「俺と付き合って下さい。」
と頭を下げた赤石にあかねは笑顔で、
「はい。よろしくお願いします。」
と笑顔で答えた。
(三)
ショッピングが終わった時には、時間がだいぶ経っていた。
「青葉~腹減った~」
「何、食べようかな~。」
とレストラン街を歩いていると目に入ったのが、レインボーブリッジや東京の夜景だった。
「光!ここは?夜景がきれいに見えるから。」
といった瞬間、青葉はやってしまったという感じの表情をした。店の名前の最初の文字にパスタ専門店とかいてあったのだった。
「了解」
と光は文句も言わずに青葉の手を握って中に入って行った。
「いや~食った食った。このコーヒーもいいけど、ナポリタンうまかったよ」
「なんで別のを食べないの?ビックリしたよ。ナポリタンなんて言うから」
「ははは、いつもの癖で。」
光は青葉といられるだけで、充分だったので、何を食べようが気にしていなかった。
「いつもの癖って・・・こりゃ~先がおもいやられるな~」
と青葉は光の顔を見ながら言った。青葉はしまった~という顔をし、光に何かを言われると思ったのだが、光は、外の夜景を見ていた。
「ここも綺麗だけど、青葉に見せたいのが有るんだけど、恵比寿にいかない?」
「いいけど・・・どうしたの光?」
ちょっと心配そうな顔をのぞかせた青葉にたいして
「心配そうな顔するなよ。青葉と一緒に見たいのがあるだけだから」
といい席をたった。
(四)
恵比寿に着くと、二人は腕を組みながら歩いて目的地に向かった。青葉は光のぬくもりがいつまでも続くようにと思いながら。目的地に着くと、そこには大勢の恋人達が各々の時間を過ごしていた。そこには、大きなクリスマスイルミネーションのメインの飾りである
大きなシャンデリアが飾られていた。
「すご~い綺麗。わぁ~」
青葉はシャンデリアに見とれていた。
「やっぱり大きいな~綺麗だな~」
と言いながら、右のポケットから小さな箱を取り出していた。
「青葉」
という声に青葉が振り返ると、光の手に小さな箱があった。
「プレゼント。青葉。」
青葉に渡すと、驚いた表情をしている青葉に
「開けてみてくれ、たいしたもんじゃないけど。」
箱を開けた青葉が目にしたのは、イヤリングだった。光は一姉に青葉にどんなプレゼントが良いのか相談していたのだった。
「これ、私に?」
光はうなずいた。青葉はすぐに付けてみせた。
「どう?」
「凄く、似合ってよ。可愛いよ。」
青葉は光からプレゼントがあるとは、思ってもいなかったので、驚きとうれしさで、目から涙が一筋流れていた。
ベンチに座って光は青葉に向かって
「俺の彼女になってください。」
青葉は、うつむきながらうなづいた。
「私は地区大会の優勝の時から光のこと、彼氏と思ってたから」
青葉がうつむいた顔をあげようとしたとき、青葉の頬を光の両手が軽く押さえた。
「青葉。好きだよ。」
と言うと青葉は自然に目を閉じていた。
シャンデリアからの光が、二人の顔と顔が重なった影を映しだしていた。
「見て~テレビフジだよ~!こっちの建物は、ショッピングできるよ~」
とはしゃぐ青葉。光は、青葉に手を引かれながら、クリスマスを過ごす人々の間を急ぎ足ですり抜けていった。
青葉のお目当てのショッピングセンターに付くと、その中は既に、買い物客やカップルでにぎわっていた。店舗ごとに、いろいろなクリスマスイルミネーションがされており、光には、青葉の夢の中にいる気分になっていた。
「あんた!ちょっと聞いてんの!」
「・・・何?」
「も~!これ紅葉のお土産にどうかな?」
と青葉がてにとったのは、どう見ても、紅葉が着そうもないプリント柄付きのTシャツだった。光は顔を指でかきながら、
「やめといたほうがいいんじゃ・・・紅葉は食べ物の方がいいよ。うんうん。」
「私のセンスが悪いって言いたいの!?・・・確かに紅葉は食べ物の方が喜ぶか~」
青葉はアゴに指を当てて悩んだ顔をした。光は、今日一日で、いろいろな青葉の表情が見れた事で、満足していた。
「私の顔に何かついてる?」
と青葉が光の顔を見つめ返していた。青葉の顔がまともに見つめ返す事が出来ずに光は、青葉の手をとり
「紅葉のお土産見つけに行こうか」
青葉は軽くうなずき、光の手を離さないように手を握っていた。
(二)
赤石とあかねは、美術館から、近くの動物園に場所を移していた。赤石は、あかねに言われた言葉の影響でさらに、緊張感を増していた。それに対して、心の中がスッキリしたのか園内を、明るくはしゃぎまわるように、動物をじっくり観察していた。
「赤石君。こっちに、カバとかいるよ~」
「ああ。」
とだけ答える赤石に、あかねは、心配した表情で
「大丈夫?私に付き合わせちゃった感じだから・・ごめんね。」
「いや、そんなことは・・」
と言葉を詰まらせていた。あかねはアゴに掴むように考え込んだ表情をしていた。
「やっぱり、あれじゃ~伝わらないのか~」
とぼそっと呟いていた。赤石はベンチに腰をかけて
「俺の勘違いじゃなきゃ伝わってるんだけど・・・・」
とあかねに向かってこっちも小さい声で呟いていた。
「赤石君、表情に表さないから、伝わったかどうか、わからないんだもん。私も、青葉ちゃんみたいになりたいなって・・・」
「へぇ!?」
「そんな、驚く顔するんだね。赤石君も。夏の甲子園前にお見舞いに来てくれた時に、私のこと、真剣に心配してくれたのって、赤石君なんだよね。って思ったら、赤石君の事が好きになってたの。充分、私の気持ち伝わったかな?」
とあかねは、堂々と赤石に告白したのだった。赤石は固まって、しまったが、自分の顔を両手で2回叩いた。
「あかねちゃんから言われてるのは、凄くうれしいよ。でも、・・・」
「えっ!?・・・」
「俺が本当は、あかねちゃんよりも先に伝えなくちゃいけなかったんだ。」
「良かった~一瞬断られちゃったと思っちゃった。」
あかねは、胸に手を置き安堵の表情をした。赤石はあかねに向って。
「俺と付き合って下さい。」
と頭を下げた赤石にあかねは笑顔で、
「はい。よろしくお願いします。」
と笑顔で答えた。
(三)
ショッピングが終わった時には、時間がだいぶ経っていた。
「青葉~腹減った~」
「何、食べようかな~。」
とレストラン街を歩いていると目に入ったのが、レインボーブリッジや東京の夜景だった。
「光!ここは?夜景がきれいに見えるから。」
といった瞬間、青葉はやってしまったという感じの表情をした。店の名前の最初の文字にパスタ専門店とかいてあったのだった。
「了解」
と光は文句も言わずに青葉の手を握って中に入って行った。
「いや~食った食った。このコーヒーもいいけど、ナポリタンうまかったよ」
「なんで別のを食べないの?ビックリしたよ。ナポリタンなんて言うから」
「ははは、いつもの癖で。」
光は青葉といられるだけで、充分だったので、何を食べようが気にしていなかった。
「いつもの癖って・・・こりゃ~先がおもいやられるな~」
と青葉は光の顔を見ながら言った。青葉はしまった~という顔をし、光に何かを言われると思ったのだが、光は、外の夜景を見ていた。
「ここも綺麗だけど、青葉に見せたいのが有るんだけど、恵比寿にいかない?」
「いいけど・・・どうしたの光?」
ちょっと心配そうな顔をのぞかせた青葉にたいして
「心配そうな顔するなよ。青葉と一緒に見たいのがあるだけだから」
といい席をたった。
(四)
恵比寿に着くと、二人は腕を組みながら歩いて目的地に向かった。青葉は光のぬくもりがいつまでも続くようにと思いながら。目的地に着くと、そこには大勢の恋人達が各々の時間を過ごしていた。そこには、大きなクリスマスイルミネーションのメインの飾りである
大きなシャンデリアが飾られていた。
「すご~い綺麗。わぁ~」
青葉はシャンデリアに見とれていた。
「やっぱり大きいな~綺麗だな~」
と言いながら、右のポケットから小さな箱を取り出していた。
「青葉」
という声に青葉が振り返ると、光の手に小さな箱があった。
「プレゼント。青葉。」
青葉に渡すと、驚いた表情をしている青葉に
「開けてみてくれ、たいしたもんじゃないけど。」
箱を開けた青葉が目にしたのは、イヤリングだった。光は一姉に青葉にどんなプレゼントが良いのか相談していたのだった。
「これ、私に?」
光はうなずいた。青葉はすぐに付けてみせた。
「どう?」
「凄く、似合ってよ。可愛いよ。」
青葉は光からプレゼントがあるとは、思ってもいなかったので、驚きとうれしさで、目から涙が一筋流れていた。
ベンチに座って光は青葉に向かって
「俺の彼女になってください。」
青葉は、うつむきながらうなづいた。
「私は地区大会の優勝の時から光のこと、彼氏と思ってたから」
青葉がうつむいた顔をあげようとしたとき、青葉の頬を光の両手が軽く押さえた。
「青葉。好きだよ。」
と言うと青葉は自然に目を閉じていた。
シャンデリアからの光が、二人の顔と顔が重なった影を映しだしていた。
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