前編
(一)
「一姉~!これって結構、私的には・・・恥ずかしいんですけど・・・」
と青葉が一葉に大声で話した。あきれ顔の一葉は
「あんたは、女の子らしくすれば、可愛いんだからね。その服だって、私と紅葉からのクリスマスプレゼントなんだから、光ちゃんにちゃんと女の子らしさを見せてあげなさい。」
実は2週間前に、青葉は、学校帰りに、光からクリスマスイブの日にどこか、でかけないか?と誘われたのだった。その話を、一葉と紅葉にした次の日に早速、一葉と紅葉は、青葉のために、洋服を購入しに出かけて、前日に青葉に洋服をプレゼントしていたのだった。
「青ちゃん!可愛いじゃん!これで光も完全にますます、青ちゃんを好きになるよ~」
と紅葉が青葉をからかって言った。青葉は、紅葉に怒る気力もなく、鏡で自分の姿を見直してから、
「一姉・紅葉。行ってくるね。」
と青葉は出掛けて行った。
青葉が樹多村スポーツの前を通りかかった時に、自宅のそば屋の店先を掃除している、滝川あかねに向って
「あかねさん。おはよ~」
その声にあかねが、振り向きながら
「青葉ちゃん・・・お・おはよう」
「寒い中、お掃除お疲れ様です。赤石先輩とデートはいかないんですか?」
「赤石君とはお昼から会う予定なの。上野の国際美術館にいくの」
「青葉ちゃんは、あいつと駅で待ち合わせ~どこに連れてかれるのやら」
と言う青葉の顔は笑顔だった。青葉は、駅に向かって歩みを進めた。
赤石酒店の前でも、掃除をしている赤石に
「おはようございます。赤石先輩。あかねさんと昼からデートなんですって~やる~」と青葉が赤石に向かって歩きながら話かけた。
青葉の声に気が付いた赤石は
「お・おう。」
と一声だけかけて、駅に向かう青葉を見送っていた。すると、小走りで駆け寄る、あかねに気が付いた。
「赤石君!青葉ちゃんに会った?よね。ほうきとチリトリが落ちてるもんね。」
「あかねちゃんも?うん。ビックリしちゃって。気合入ったオシャレしてたから。」
「月島がひざ上のスカート姿なんて初めてみたから・・・俺、かたまったよ。」
と赤石とあかねは、駅に向かう青葉の小さくなっていく青葉の背中を見送っていた。
(二)
青葉の怒りは頂点に達しようとしていた。
「待ちあわせの時間とっくに過ぎてるのに!」
とぶつぶつと呟いていた。すると駅に向かって歩いてくる、光の姿が目に映った。
光も青葉らしき姿を確認したが、青葉なのか確信がもてなかった。それは、いつもの服装とは違った姿だったからだ。キョロキョロして近づく光に青葉は、
「あんた!遅い!何分待たせるんだ!」
と光にいつもの青葉の声がした。すると光が安堵した表情で
「やっぱり青葉だな。あまりにも、かわいかったからさ。青葉がそんなミニスカ着ると思ってなかったから。でも、めちゃかわいいよ。青葉。」
光の言葉に、ドキッとしてうつむいてしまった青葉に光は、青葉の手を握って駅のホームに向かって歩きはじめた。
「青葉何時に来てたんだ?待ち合わせ10時だったよな?」
青葉は、しまった~と言う表情を隠した。一姉が今日は9時半っ位まで家にいるという話をしていたのと待ち合わせの時間を混同してしまっていたのだ。
「あはは・・・あんたが来る少し前だよ」
「そっかそっか、で、今日はどこ行くんだ?」
青葉は、確実に光に見抜かれているのを察していた。
「あんたのホームグランドがある神宮外苑あたりで散歩して食事かな~まずは」
「了解。」
(三)
千駄ヶ谷駅に着いた2人は、手を繋いだまま、神宮球場を目指して歩いて行く。国立競技場や秩父宮ラグビー場等を見ながら、今までの距離感を縮めていた。
光と手を繋ぎながら青葉は光のコートのポケットに手を入れて、光のぬくもりをかんじていた。
「結構、神宮外苑って広いんだな~」
と光が口を開くと、青葉は黙ってうなずくだけで精一杯だった。自分が、こんなに光の事を好きだった事を改めて感じていた。
「腹減ったから、何か食べようぜ。青葉。リサーチ済みなんだろ」
「うん。ナポリタンが美味しいお店なんだそこ。」
「クローバーでも食べれるじゃん」
「も~ドンカン!いいから行くよ!」
と今度は、青葉が光の手を引いて歩きだしていた。その店の中に入ると予約席に案内され光は青葉に
「物凄い高いナポリタンが出てくるんじゃないよな?」
「大丈夫。値段もクローバーより少し高いだけだから」
その頃、上野の国際美術館の中を見て回っていた、赤石とあかねは、一枚ずつじっくり絵を見て回っていた。
「赤石君。疲れない?一生懸命見てるから」
「芸術には鈍いから、すこしでも、あかねちゃんの感性に近づきたくてさ。」
とぼそっと呟いた。その言葉を耳にした、あかねは
「赤石君は湘南ベイスターズでしょ。だから、私、横浜にある美大に進学する事にしたんだ~。そうすれば、赤石君の試合見る事が出来るから。」
と恥ずかしそうに赤石の顔を見上げながら言った。
(四)
「くったくった~美味しかった~ナポリタン。」
と光が言うと、青葉は心の中でガッツポーズを決めていた。
「光。ちょっと待ってて。」
と青葉は、席を立って店の奥に消えて行った。
「すみません。ありがとうございます。」
「頑張って、彼氏に作って上げね」
と青葉と誰かが話している声が聞こえてきた。青葉が戻ってくると
「お前、何かしたのか?」
「あんたと違って、私は何もしません。」
といつもの青葉の口調になっていた。光は青葉の気持ちに何となく気が付いていた。
「青葉~次はどこ行くんだ~」
「次はお台場に行くぞ~」
「了解」
2人は店をでて駅に向かって歩き出していた。すると青葉は光の腕にしがみつくようにして歩きだしていた。
「一姉~!これって結構、私的には・・・恥ずかしいんですけど・・・」
と青葉が一葉に大声で話した。あきれ顔の一葉は
「あんたは、女の子らしくすれば、可愛いんだからね。その服だって、私と紅葉からのクリスマスプレゼントなんだから、光ちゃんにちゃんと女の子らしさを見せてあげなさい。」
実は2週間前に、青葉は、学校帰りに、光からクリスマスイブの日にどこか、でかけないか?と誘われたのだった。その話を、一葉と紅葉にした次の日に早速、一葉と紅葉は、青葉のために、洋服を購入しに出かけて、前日に青葉に洋服をプレゼントしていたのだった。
「青ちゃん!可愛いじゃん!これで光も完全にますます、青ちゃんを好きになるよ~」
と紅葉が青葉をからかって言った。青葉は、紅葉に怒る気力もなく、鏡で自分の姿を見直してから、
「一姉・紅葉。行ってくるね。」
と青葉は出掛けて行った。
青葉が樹多村スポーツの前を通りかかった時に、自宅のそば屋の店先を掃除している、滝川あかねに向って
「あかねさん。おはよ~」
その声にあかねが、振り向きながら
「青葉ちゃん・・・お・おはよう」
「寒い中、お掃除お疲れ様です。赤石先輩とデートはいかないんですか?」
「赤石君とはお昼から会う予定なの。上野の国際美術館にいくの」
「青葉ちゃんは、あいつと駅で待ち合わせ~どこに連れてかれるのやら」
と言う青葉の顔は笑顔だった。青葉は、駅に向かって歩みを進めた。
赤石酒店の前でも、掃除をしている赤石に
「おはようございます。赤石先輩。あかねさんと昼からデートなんですって~やる~」と青葉が赤石に向かって歩きながら話かけた。
青葉の声に気が付いた赤石は
「お・おう。」
と一声だけかけて、駅に向かう青葉を見送っていた。すると、小走りで駆け寄る、あかねに気が付いた。
「赤石君!青葉ちゃんに会った?よね。ほうきとチリトリが落ちてるもんね。」
「あかねちゃんも?うん。ビックリしちゃって。気合入ったオシャレしてたから。」
「月島がひざ上のスカート姿なんて初めてみたから・・・俺、かたまったよ。」
と赤石とあかねは、駅に向かう青葉の小さくなっていく青葉の背中を見送っていた。
(二)
青葉の怒りは頂点に達しようとしていた。
「待ちあわせの時間とっくに過ぎてるのに!」
とぶつぶつと呟いていた。すると駅に向かって歩いてくる、光の姿が目に映った。
光も青葉らしき姿を確認したが、青葉なのか確信がもてなかった。それは、いつもの服装とは違った姿だったからだ。キョロキョロして近づく光に青葉は、
「あんた!遅い!何分待たせるんだ!」
と光にいつもの青葉の声がした。すると光が安堵した表情で
「やっぱり青葉だな。あまりにも、かわいかったからさ。青葉がそんなミニスカ着ると思ってなかったから。でも、めちゃかわいいよ。青葉。」
光の言葉に、ドキッとしてうつむいてしまった青葉に光は、青葉の手を握って駅のホームに向かって歩きはじめた。
「青葉何時に来てたんだ?待ち合わせ10時だったよな?」
青葉は、しまった~と言う表情を隠した。一姉が今日は9時半っ位まで家にいるという話をしていたのと待ち合わせの時間を混同してしまっていたのだ。
「あはは・・・あんたが来る少し前だよ」
「そっかそっか、で、今日はどこ行くんだ?」
青葉は、確実に光に見抜かれているのを察していた。
「あんたのホームグランドがある神宮外苑あたりで散歩して食事かな~まずは」
「了解。」
(三)
千駄ヶ谷駅に着いた2人は、手を繋いだまま、神宮球場を目指して歩いて行く。国立競技場や秩父宮ラグビー場等を見ながら、今までの距離感を縮めていた。
光と手を繋ぎながら青葉は光のコートのポケットに手を入れて、光のぬくもりをかんじていた。
「結構、神宮外苑って広いんだな~」
と光が口を開くと、青葉は黙ってうなずくだけで精一杯だった。自分が、こんなに光の事を好きだった事を改めて感じていた。
「腹減ったから、何か食べようぜ。青葉。リサーチ済みなんだろ」
「うん。ナポリタンが美味しいお店なんだそこ。」
「クローバーでも食べれるじゃん」
「も~ドンカン!いいから行くよ!」
と今度は、青葉が光の手を引いて歩きだしていた。その店の中に入ると予約席に案内され光は青葉に
「物凄い高いナポリタンが出てくるんじゃないよな?」
「大丈夫。値段もクローバーより少し高いだけだから」
その頃、上野の国際美術館の中を見て回っていた、赤石とあかねは、一枚ずつじっくり絵を見て回っていた。
「赤石君。疲れない?一生懸命見てるから」
「芸術には鈍いから、すこしでも、あかねちゃんの感性に近づきたくてさ。」
とぼそっと呟いた。その言葉を耳にした、あかねは
「赤石君は湘南ベイスターズでしょ。だから、私、横浜にある美大に進学する事にしたんだ~。そうすれば、赤石君の試合見る事が出来るから。」
と恥ずかしそうに赤石の顔を見上げながら言った。
(四)
「くったくった~美味しかった~ナポリタン。」
と光が言うと、青葉は心の中でガッツポーズを決めていた。
「光。ちょっと待ってて。」
と青葉は、席を立って店の奥に消えて行った。
「すみません。ありがとうございます。」
「頑張って、彼氏に作って上げね」
と青葉と誰かが話している声が聞こえてきた。青葉が戻ってくると
「お前、何かしたのか?」
「あんたと違って、私は何もしません。」
といつもの青葉の口調になっていた。光は青葉の気持ちに何となく気が付いていた。
「青葉~次はどこ行くんだ~」
「次はお台場に行くぞ~」
「了解」
2人は店をでて駅に向かって歩き出していた。すると青葉は光の腕にしがみつくようにして歩きだしていた。
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