第4話「カーム」
深夜、とある銀行の支店。防犯用の監視カメラが破壊される。拳銃などで破壊されたわけではない。
超能力で破壊されたのだ。すべての監視カメラが破壊されると、銀行の近くに1台の車が停まった。
その車から、数人の男が降りる。男の1人は、超能力を使ってATMを破壊した。
電子マネーが普及している【ゼロポリス】であるが、現金も使われている。破壊されたATMから、紙幣や貨幣がバラまかれる。
男たちはそれを回収しようとするが、
「そこまでよ」
と少女の声が浴びせかけられた。
男たちが声が聞こえた方に顔を向けると、そこにはマゼンタのブレザーの制服を着た少女……シオンが立っていた。
彼女1人ではない。もう1人いる。【アイギス】の制服を着た、褐色の肌の女。
【アイギス】のメンバーであるカームだ。
男たちの1人が、シオンとカームに向かって右手を突き出す。2人は反射的に横に跳んだ。目に見えない衝撃波が通過するのが分かった。
おそらくそれが、監視カメラやATMを破壊した超能力だろう。
シオンの右腕が青白い電光で覆われる。カームも超能力を発動させた。
衝撃波を放つという超能力を持つ超能力犯罪者は、カームに向かって衝撃波を放つ。
目に見えない衝撃波……だがカームには、空気の揺らぎなどで衝撃波が自分に向かって飛んでくるのが分かった。
飛んでくるのが分かれば、避けるのは簡単である。
カームは上半身をひねって衝撃波を避け、路面を蹴って一瞬にして男との距離を縮めた。
彼女の動きは素早い。男はもう一度、衝撃波を放とうとしたが間に合わない。それよりも速く、カームのパンチが男の顔面に叩き込まれる。
カームの超能力は鋭敏感覚と呼ばれるもの。五感のすべての能力が向上し、それに対応して身体能力も上がるという超能力だ。
向上した五感を駆使することで、衝撃波が生じさせる空気の揺らぎなどを感知することができた。素早く動くこともできる。
他の超能力犯罪者たちもシオンやカームに向かって超能力による攻撃を放とうとするが、シオンが放った電撃やカームの格闘術によって倒されていく。
超能力のレベルが4のシオンと3のカーム。2人が力を合わせれば、怖いものなしであった。超能力犯罪者たちは、またたく間にシオンとカームによって叩き伏せられていた。
カーム・ライアル……彼女は傭兵捜査官と呼ばれる捜査官だ。傭兵の名のとおり、金で雇われている捜査官であり、半分は賞金稼ぎであった。
犯罪者を捕らえれば、賞金をもらうことができる。
「手伝ってくれて、ありがとう、カーム」
カームと賞金を山分けしたシオンは、彼女に礼を述べた。
長谷川が予知した『これから起きる犯罪』を聞いたシオンが連絡を入れた相手は、カームである。
レベルの低い超能力者でも、集団になれば厄介な相手だ。
レベル4のシオンであるが、賞金稼ぎとして活動するときはカームの手を借りることにしていた。
確実に賞金首を捕らえるためにだ。
「かまわないさ。私も賞金を得られるからな。ただ礼は言葉より……」
「分かっているわよ」
そう言うとシオンはカームの腕に抱きつく。
「【夜の黒猫亭】へ行きましょう」
顔に笑みを浮かべるシオン。カームも「ああ」と笑みを浮かべた。
◇◇◇
娼館【夜の黒猫亭】の一室。【アイギス】の制服姿のカームとマゼンタのブレザーの制服姿のシオンはそこで抱き合っていた。
ただ抱き合っているだけではない。唇も重ね合わせていた。
唇と唇の間で、シオンとカームの舌が絡み合い、しごき合う。
「んっ、ふぅ……んっ」
舌と舌が奏でる淫らな音の中に、シオンの甘い声が混ざる。
シオンの唇と舌を味わいながらカームはマゼンタのブレザーを脱がし、スカートのホックを外してファスナーを下げた。
シオンの足元にストンッと落ちるスカート。レーサーパンツが露わとなる。
カームは唇を離すとシオンに万歳のポーズをとらせ、ニットベストを脱がした。続けてカームはブラウスも脱がす。
シオンはスポーツブラとレーサーパンツ、そしてソックスだけという格好にされた。
カームの手によって下着姿にされたシオン。今度は彼女がカームの服を脱がしていく。
カームの下着は黒いスポーツブラとスポーツタイプのショーツであった。
鍛え上げられた肉体を持つカーム。肉体美や健康美という言葉が似合う肢体である。
黒い下着姿となったカームは、再びシオンを抱きしめた。スポーツブラで覆われたGカップの乳房が、同じくスポーツブラに包まれたAカップの乳房に押されて形をたわませた。
カームはシオンとともにベッドへと飛び込んだ。カームの手が、シオンのスポーツブラを掴んでたくし上げる。露わにされるAカップの乳房。
カームの手は彼女の小さな乳房を片方、握った。握られた乳房は、そのまま優しい力で揉まれる。
「ああ……」
揉まれる乳房から快感が広がってきて、シオンは甘い声を漏れ響かせた。
カームは4本の指で小さな膨らみを揉みながら、人差し指の先で膨らみの頂を飾るピンク色の乳首を軽くつっついた。
「あんっ!」
敏感な乳首。軽い力でつっつかれるだけでも快楽が走ってきて、シオンは肩を震わせながら声を漏らす。
片方の乳房を揉みながら、カームはもう片方の乳房に顔を寄せていく。そして乳首を口に含んだ。含み、舌先でツンツンとつっつく。
「あふっ!」
両の乳首から悦楽が広がってきて、シオンが響かせる声の中にある甘さが濃くなっていった。
指先と舌先で愛撫される乳首は、硬く立ち上がっていく。
カームは片方の乳首を2本の指でつまみ、もう片方の乳首に軽く前歯を立てた。
つままれたピンク色の肉突起が、キュッとひねられる。
「くあっ!」
ピリッとした小さな痛みが混ざった快感が、ひねられた乳首から疾走してくる。
カームは片方の乳首をキュッ、キュッとひねりながら、前歯を立てた方の乳首を軽い力でクニクニと噛む。
「ああっ! くぅ……あっ!」
指と歯で愛撫されるたびに硬く尖った肉突起からは軽い痛みの混ざった悦楽が疾走し、シオンは肩を震わせて顔を赤く染め、甘い色が感じられる声をカームに聞かせる。
そんなシオンの声を聞いていると、愛撫を与えているカームは興奮していった。
スポーツブラの内側で、乳首が充血する。
黒い布に勃起した乳首がこすれ、痛みが走った。
シオンに愛撫を与え続けながら、カームは黒いスポーツブラをたくし上げる。
Gカップの褐色の乳房が下着の締めつけから解放されたのを悦ぶかのように、ユサリと揺れながら露わとなった。
カームはスポーツタイプのショーツを脱ぐ。彼女の股間は、髪と同じ色の柔毛で濃く茂っていた。彼女の手は、シオンのレーサーパンツも脱がす。
レーサーパンツの下に何も身に着けていない。彼女は全裸にソックスだけという格好になる。
そんな格好のシオンと、カームは体を重ねた。乳房と乳房も重なり合い、硬く立ち上がった乳首同士も触れ合う。股間の秘裂も重ね合わせると、カームは体を前後に動かした。
興奮で呼吸を荒くしているカームが体を動かすと、乳首同士が、秘裂同士がこすれ合ってシオンは快楽を感じた。
快楽を感じているのは、シオンだけではない。カームも悦楽を得ていた。
「ああ……」
シオンの乳首とこすれ合う乳首から、シオンの股間の秘裂とこすれ合う秘裂から生じる悦楽。肉体の内側を疾走する悦楽で甘い声を漏らしながら、もっと悦楽を求めるようにカームは体を動かし続けた。
甘い声を漏らすのは、カームだけではない。
「あっ、あっ……ふぅ……あふっ! ああっ!」
乳首と秘裂から駆けてくる快感で、シオンも裸身を震わせながら甘い声を漏れ響かせる。
快感を得ている2人の女の股間……そこにある女の証しである秘裂の上で、何かが小さく立ち上がった。
疾走する悦楽で充血し、勃起した女の淫らな肉真珠。
カームはシオンの肉真珠と自分の肉真珠を、軽く触れ合わせた。
「んくぅっ!」
乳首よりも敏感な突起。軽く触れられただけでも、シオンの中を強烈な快感が走り抜けていく。
カームの愛撫で快感が膨れていたシオン。淫真珠から走ってきた強すぎる肉悦で、膨れていたソレが破裂した。
「あっ、あ……ああっ!」
シオンは嬌声を上げ、カームの下で背中を反らす。
ビクビクと裸身が震え、秘裂から淫らな蜜が噴き出してカームの股間を濡らした。
肉の真珠を刺激され、性の高みに達したシオン。そんな彼女の肉真珠を、自分の肉真珠で再び刺激するカーム。
「あふんっ! ふぅあっ!」
新たな快感がソコから生じて、シオンはカームの下で喘いだ。
シオンは喘ぎながら自分も体を動かし、カームの胸と股間を愛撫する。
「あっ、うっ! うふぅ……ふうっ!」
シオンが体を動かしたことで、カームが感じる悦楽は大きくなった。シオンの上で、カームは裸身を震わせて同じように喘いだ。
今度はカームの中を強烈な快感が走り抜けていった。
シオンの乳首で乳首をこすられるたびに、淫真珠で淫真珠をこすられるたびに、カームの中の快感がどんどん膨れていく。
それを感じ取ったのか、シオンは体の動きを強くさせた。
「んくうぅっ! くうぅっ!」
乳首とクリトリス、2つの性感帯から大きな悦楽が駆け巡ってきて、カームはシオンの上で体を震わせる。
彼女の中で、快感は破裂寸前まで膨れていた。
シオンはカームの勃起しているクリトリスを、自分のクリトリスで強くこする。
「くあっ!」
淫らな肉真珠を強い勢いで刺激されたカームは、目を大きく見開いた。
膨らんでいた快感が、彼女の中で破裂する。
「あくぅっ! くぅっ……くぅああっ!」
ビクビクと体を震わせながら、シオンの上で背中を反らすカーム。シオンの股間は、彼女の秘裂から噴き出した淫蜜でベトベトに濡れた。
互いに絶頂を迎えた2人だが、まだ物足りなかった。シオンもカームも体を動かし続け、相手に快感を与える。
「ああっ! あふぅっ! ふぅ……ああっ!」
2人の女の声が、揃って部屋の中に響く。
絶頂して敏感になっている肉体。すぐにシオンとカームの中で快感が風船のように膨らんでいった。
「ああ……シオン、今度は一緒に……んくぅっ」
クリトリスとクリトリスをこすり合わせて快楽を与え、快楽を貪り、喘ぎながらカームはささやくように言う。
乳首と乳首をこすり合わせているシオンは、そのささやきに小さくうなずいた。
2人は体の動きを速く、強くさせる。
それに合わせ、体の内側を疾走する快楽が大きくなっていった。
シオンとカームは抱きしめ合って、体の密着を強めた。それに合わせて、乳首とクリトリスから生じる快楽も強まる。
2人の女は呼吸を荒くさせた。体の内側で膨らんでいる快感は、もう爆発寸前であった。
乳首と乳首、クリトリスとクリトリスが強くこすれ合った瞬間、
「くふぅああっ!」
シオンとカームの中の快感が、同時に爆発を起こす。
絶頂した2人は抱きしめ合ったままの体をガクガクと震わせ、背中を反らした。
秘裂から噴き出した淫蜜が、互いの股間を濡らしていく。
「ふぅ、ああ……」
熱い吐息をこぼし、カームはシオンの上に崩れ落ちる。シオンもクタッと脱力した。
赤く染まり、快楽の汗で濡れている2人の体は熱くなっている。しかし、不快な熱さではない。シオンもカームも、相手の熱さを心地いいと感じていた。
心地よさを感じながら2人は、相手を抱きしめ続けた……。
※会員登録するとコメントが書き込める様になります。