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君と僕との

原作: その他 (原作:君の膵臓をたべたい) 作者: rokomoko
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迷いと戸惑い

それから一週間二週間とその噂は続いた。
僕がクラスの人からその真相を聞かれることもあった。
「なー。お前ってさ、桜と付き合ってるの?
仲良さそうだけど。」
「付き合ってもいないし、仲も良くないよ。」
「そっかー。あっ、ガムいる?」
「いや、遠慮しておくよ」
「おう!」


夏休みが近くなり、図書館で本を貸し借りする人が多くなったいた。僕は本を並べ、彼女はカウンターで携帯をいじっていた。いるなら仕事はしろよ。とは思ったが言う気にはなれず、ただただ本を並べていた。

「ね!今日も死ぬ前に行きたいとこあるんだけど!」
「いや、僕は遠慮しておくよ」
「また、クラスに笑い者にされるのは迷惑だ」
「あっ!ねー、そー言えば!君私と仲良くないってクラスの人に言ったでしょ!」
「あぁ」
「「あぁ」、じゃないわよ!メールしたじゃん!死ぬまで仲良くって!」
「僕は、他人に観察されるのはまだしも話しかけられたり、接して欲しくないんだ。」
「病気の事を秘密にするっていう配慮もあったし、僕が怒られる筋合いはないと思うよ。」
「むー!君とは考え方が合わないなー!」
「そうだね。僕らは正反対の人間だ。」
「…プッ!そーだね(笑)正反対だね(笑)」
「静かにしてよ。ここは図書館だよ。」
彼女が口を手で覆う
「話戻すけど行くよね?」
「…はぁ、どこ?」

そんなこんなで、結局僕は彼女とケーキ屋の食べ放題にいる。
「こういう店は女友達とでも来なよ。なんで僕と…」
「ここね、ケーキもおすすめだけど飲み物の凄く美味しいんだよ!」
「はぁ…君は太りたいの?なんでこの前といい今日も食べ放題なわけ?」
「別に太りたいわけじゃないよ!私がただ食べたいだけ」
「そんなことより、君は彼女とか居たことあるの?」
「突然何?」
「さっきから可愛い人が側を通っても見向きもしないよね?」
「いるわけないだろ」
「今まで一度も?」
「あぁ。」
「つくろうとは思わないわけ?」
「まさか、人と話すのが嫌いな僕が彼女なんかつくろうと思うわけないだろ。友達だっていないんだから。」
「今まで一度も?」
「あぁ。」
「友達ならつくってもいいんじゃないかな?って私は思うけどなぁ」
「友達ならつくってもいいかなって思った時期もあったよ。でも僕は人と話すより小説の世界の方が楽しいと思ってるから。」
「そーゆーことか。だからいっつも小説ばっか、読んでるのか。」
「私はね、最近彼氏と別れちゃった。」
「それは君が死ぬから?」
「違うよ、この前も言ったじゃない。君と家族にしか病気のことは言ってないって。」
「彼は友達としては凄っくいい人だったけど、彼氏になった途端ダメね。しつこくて」
「君も多分知ってるよ。同じクラスだから。」
「…」
「…ねぇ、ここだと話しづらいから場所移動しない?」
「えっ?」
そういうと彼女はお会計へと行ってしまった。
多分だけど、クラスの人か、その元彼氏が居たのだろう。僕は、顔も名前も知らないのでわからなかったが、急いで彼女がいるレジへと向かった。
「…」

時間は夕暮れどき。場所は砂浜。
綺麗な夕日が彼女と重なってより眩しく見えた。

「急n」
急にどうしたの?そう聞きたかったが、彼女はすぐに、
「元彼がいたの、あの店に。気づかなかった。」
いつもより、暗い表情を浮かべながら彼女が言う。
「君は気づいた?」
「いや、僕は、君の彼氏が誰かをよく知らないから」
「そっか。君本当に私に興味がないんだね。私だけじゃない、他の人にも。」
「…」
「付き合ってた頃、元彼にも病気のことを言おうか迷ったの」
「でも、言ってたらもっとしつこくなってたと思うし、クラス中に広がって京子にも伝わっちゃうかも知れないから」
「きょうこ?」
「私の親友の京子!中学校からの友達なんだ。いっつも一緒にいるからそれくらいわかると思ってたのに(笑)」
「京子や他の友達にバレちゃったら、絶対気を使うと思うし。親だってそうすぐ心配して夜ご飯の時だってこの前お母さん泣きながらご飯食べてた。」
「そんなんになったゃったら楽しくないでしょ?」
「でも、君は、君だけは私に普通に接してくれる。前と何も変わらない日常をくれるんだよ。真実を知りながらね!」
「君にしかこんなことは話せないよ。」
そう言って彼女は砂浜を歩いて言ってしまった。

「春の方が好きだけど、暑い夏もいいよね?」
「花火にお祭りに海!海はもう来てるか(笑)」
「最期の夏になるかもしれないんだからウンと楽しまなきゃ!」
「…」
「…君は本当に死ぬの?」
「死ぬよ?」
わかっていた。彼女が病気なのも全部していた。けど、彼女からその「死ぬ」という言葉を聞いて再確認できた。
そして、僕は…
「夏休m…「夏休み行きたい場所があるんだろ?」
「…えっ!?うん!」
「どこ?」
「君から言うなんて珍しいね(笑)うーん、秘密!」
「決まったら、連絡するよ!」
「わかった」
「もう暗くなるし、今日のところは解散しようか!」

僕の人生で初めて、誰かと遊びにいく夏休みの予定が入った
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