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山姥切国広極めたらもう一人増えました

原作: その他 (原作:刀剣乱舞) 作者: レジス
目次

国姫とその後


452 国姫
というわけで審神者さんは保護観察。刀剣は顕現を解き保管されることになりました。
皆さんありがとうございました。

453 名無しの審神者
うぉぉ……審神者も国姫も無事で良かったが後味悪い終わりだったな……

454 名無しの審神者
まさかの犯人いまつるちゃん……

455 名無しの審神者
いやでも本当無事で良かったよ

456 国姫
今後はもっと気を付けて行動するように怒られてしまいました。

457 名無しの審神者
まぁしょうがないよね

458 名無しの審神者
まぁしょうがないよね

459 名無しの審神者
過保護かな?

****

そこまで読んで私は端末の画面を消してポケットにしまった。
結局予備の端末をお守り替わりにと支給されたのだ。
「どうしたの国姫」
私の様子に書類に目を通していた祭さんが顔を上げて聞いてくる。
「いえ、スレのほうに報告を書き込んでいただけです」
「お世話になったもんね」
「はい、まさかさにわちゃんねるが緊急用の特別回線で繋いでるとは思ってませんでしたよ」
後で長義から聞いたのだけど今回のような神隠しや結界に囚われたり、本丸が閉鎖空間化してしまった場合の特殊な措置として政府がとある神様に力を借りて作ったのがさにわちゃんねるらしい。
元々政府で役人をしていたからその仕様を知っていたんだって。
「これからも何かあったら遠慮なくスレ民に助けを求めるんだよ。そのためにスレ民はいるんだから」
「はい、わかりました」
私が答えると祭さんは再び書類に目を通し始めた。
その隣では山姥切国広が今日やる必要がある書類と明日でもいい書類を仕分けしている。
私と長義は邪魔にならない場所で同じように書類仕分けの仕事をしていた。
それにしてもこの三人で仕分けしている量の書類をいつも一人でやっているのだろうか。
「ほら、国姫手を止めるんじゃない」
「あ、ごめんなさい」
考え事をしていたら手が止まっていたらしい。
長義に注意されて手を動かす。
「……何か気になることでも?」
仕分けの手を止めずに聞いてくる。
まさか聞いてくるとは思っていなかったので驚いた。
「あ、その……すごい量の書類だなって……」
「あぁ……今が特別忙しい時期なだけだよ。しばらくすれば落ち着くさ」
「そうなの?」
私の言葉に長義は頷いた。
「それに仕分けが終わったら俺も手伝うから問題無いよ」
「主さんが見なきゃいけない書類とかは」
「もちろん主に任せるけど、主が確認しなくてもいい書類はあるんだ」
「なるほど……私にもできるかな?」
少しでも手伝いは増えたほうがいいだろう。
そう思って口にしたのだが「え」と疑うような目で見られた。
「……できるのか?」
「……多分?」
「じゃあやめておけ」
「はい」
改めて確認されると自信が無かった。
なのでお手伝いは諦めることにする。
「国姫、これが終わったら兄弟の所へ行ってくれ。何か手伝ってほしいみたいだ」
長義と話をしていたら山姥切国広に話しかけられた。
「兄弟……あ、堀川と山伏?」
私の言葉に山姥切国広は頷く。
そう言えば初対面の時馴れ馴れしく話しかけてくるから驚いて「だ、誰ですか?」と言ってしまい膝から崩れ落ちたのが印象的な二人だった。
山姥切国広が教えてくれたが二人は同じ『国広』の仲間らしい。
だから兄弟と呼んでいるのだとか。
私のことも妹のように扱ってくれるのでなんだかくすぐったい気持ちになる。
「わかった。この後行くね」
「そうしてやってくれ」

「あ、そうだ長義。ちょっと万屋に行ってくれないかな?」
唐突に祭さんが言いだす。
「何を言っているんだ。この量の書類を君1人でどうにかできるのか?」
「うぐ、でも必要なことだから」
そう言って長義に向かってお金が入っているらしい財布を投げる。
それをなんなく受け取った長義は仕方ない、と腰を上げた。
「万屋のお姉さんに言ってあるから行けば商品出してくれると思う」
「わかった。じゃあ行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」
ひらひらと手を振ると軽く振り返してくれた。
長義はそのまま部屋を出て行く。
残った私は書類の仕分け作業を再開する。

****

「んん!ちょっと待って何今の尊い」
今の国姫と長義のやりとりを見て小声で悶えている主を横から小突いた。
「馬鹿な事言ってないで手を動かせ」
「う、でもあの長義が国姫にデレ甘とか尊過ぎない?」
「珍しいとは思うが今は書類の方が大事だ」
「うぅ……山姥切が冷たい」
そう言って書類に目を通し始める。
その表情は真剣そのもので公私をしっかりと分けているようだ。
「仕方ないだろう……その国姫のための書類なんだからな」
日課の書類にまざっていくつか、国姫がいたであろうブラック本丸に関する情報が記載されてた書類がある。
それに神隠しの際に協力を依頼した山姥切国広の本霊が言っていたのだ。
『彼女は山姥切国広の願いの結果だ。決して折ってはいけない』
と。
何のことかわからないが本霊まで彼女を気にかけている……もうただのブラック本丸の刀とは思えない。
そう考えたら不安になった。
なにか国姫の事で俺たちには見えていない事があるんじゃないか?

それに気が付かなければならない、そんな気がした。
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