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春が訪れるかも

原作: その他 (原作:花より男子) 作者: inoiti
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わがままは誰?

どうしてあの人に再会してしまったのだろう?
あの頃、私はあの人の事が物凄く好きだった。
死ぬほどだ。
でも今の私の横には、違う人がいる。
F4の美作あきらだ。
彼は、私があの頃好きだった人と凄く仲が良い。
けれど私があの人の話題をすると、少し怒る。
そして言うのだった。
「どうして今は、俺の彼女なのに。
あいつの事を聞くんだ。
嫉妬してしまいそうになる。」
その彼と今、私はイギリスにいる。
横を向くと彼は微笑んだ。
そして抱きついてきて首にキスをした。
正直、ウザいと思った。
イギリスに来て、喜んでいるのはあきらだけだ。
おめでたい。
今、私はあきらの事、そんなに好きではない。
だからあきらの言動が鼻につく。
どうしてあの時、つくしに相談してしまったのだろう。
そんな事しなければこんな想いする事もなかっただろう。
本当に自業自得だ。
何故、私達がイギリスにいるかとあきらの提案だった。
最初は、凄く反対だった。
私は、本当は他の所に行きたかった。
だって初めてのあきらとの旅行だもん。
行きたい場所は、山のようにあった。
あきらが、旅行なんていうとは思わなかった。
そんな話を、
私達はあきらが私のために見つけてくれた、
レトロなカフェでしていた。
このお店特製のブレンドティーをと、
私はチーズケーキを、
あきらはガトーショコラを注文した。
私は、あきらのガトーショコラを少し奪い取ろうと、
手を伸ばした時に、
あきらが話始めた。
「大体、こういう行為は嫌いなんだよ。
そんなに欲しければ2つ頼めばいいのに。」
そして紅茶を一口飲んでさらに話を
続けた。
「紅茶と言えばイギリスだよな。」
「はぁ、イギリス。
前も言ってたよね。
イギリスって。
イギリスに何がいるのよ。
婚約者とか?」
「今は、桜子以外に女はいない。
本当だ。信じるかはお前次第だが。」
「一応、信じてあげる。」
嘘だ。この間から疑っている。
行動が怪しいのだ。
「で今度の桜子との初旅行先を、
イギリスにしたいと思っている。」
一瞬、自分の耳がおかしくなったのかと、
思った。
初旅行がイギリス!!おかしくない?
普通は、常夏の島だと思うんだけど。
世の中、そうではないのか。
そして私は、あきらの事を睨んだ。
「イギリスは、俺にとって、思い出の場所
なんだ。幼少期の頃からずっと行っているが、
ずっと心に忘れられない物がある。
桜子、一緒に行ってそれが何なのか見つけて
欲しい。」
「無理だわ。
イギリスになんで行かなきゃならないの。
どうせ私ではない誰かとの
思い出よ。
下らない。」
「下らない???俺の思い出は、
桜子にとって
下らないのか?」
「自分がそう言ったの、
忘れたの?
私に昔、好きだった人を忘れるように、
言った癖に。最低ですわ。」
「じゃあ、分かった。俺が一人で
イギリスに行くよ。さようなら。」
「あぁ、忘れてた。これで俺ら終わりな。」
そういい残して、お店を出た。
あきらは会計していない。
全て、私に払えという事か。
あきらは金持ちなのに、
私には
ケチだ。
何なんだ。わけが分からない。
消えた後は、物凄くムカついた。
大体なんで私があきらごときの
言うことを聞かないといけないの。
意味不明なんだけど。
付き合った頃、あきらが言った事
がある。
「これからは、
俺ら一心同体な。
だから二人で色々な事を話し合って、
決めよう。わがままはなしだ。」
わがままなのは、あきらだ。
今までもたくさんのわがままに、
付き合ってきた。
私は、
男の言う事をきくタイプではない。
私は、付き合ってから一度も、
わがままを言った事がない。
イギリスに行きたいのも、
どうせ他の女の事についてだ。
ムカつく。
他の女とは切れたというのもどこまで本当か、
分からない。
女性物の香水の匂いがした事もある。
その時は、母親の物だ。
くせーなとか言っていた。
私と付き合う前は、
本命はいなかったという。
仕方なく会計を済ませて、
お店を出た。
このお店に来る事ももうないだろう。
あきらが探したお店だ。
来るとムカつくに決まっている。
歩いていると、
ムカつきとか色々な
感情が吹き出た。
そして涙がこぼれた。
空から何か降って来た。
それは、雨だった。
桜子は、
少し笑えてきた。
自分が最悪な気持ちに雨が降るなんて、
最高だ。
そうだ、傘も持っていない。今、涙をたくさん
流しても、きっと誰も気が付かないだろう。
ちょうど良い恵みの雨だった。
行く所が、ないから自宅に帰る事にした。
あきらは追いかけようとは思わない。
追いかけても無視されるかもしれない。
そしたら、
今の数倍ムカつく事だろう。
その時、スマホが鳴った。
相手は、つくしだった。
「ヤッホー、桜子どうして先に帰っちゃったの?
悲しいよ。もしもし、なんで泣いているの?」
私は、涙を拭いて出たが声が涙声だったようだ。
そしてつくしに、大学に来るように言われて
しまった。
「まだ、永徳大学のカフェテリアにいるよ。
いいから来なよ。
話せば楽になれるかもしれないじゃん。」
私は、自宅とは逆の方向に向かった。
「つくしにどう言われるだろうか。」
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