ネット喫茶.com

オリジナル小説や二次創作、エッセイ等、自由に投稿できるサイトです。

メニュー

真選組の女の子

原作: 銀魂 作者: 神崎しおり
目次

決闘

「何言ってやがんだ!俺は認めねぇ!近藤さんには、絶対に生き残ってもらうからな!」

仮に土方さんが局長になったとして、じゃあ総悟が副長に?でも、近藤さんが死ぬなんてことがあったら、総悟はきっといなくなるんだろうなぁ。

こんな非常時に、そんなことを思った私。

隊員達の信頼を一身に受けているだけのことはある。近藤さんは本当に隊士達から慕われているんだな。

土方さんもザキも、他の隊士達も近藤さんのことになるとみんな必死になっている。

総悟は割と落ち着いているけれど、きっと心の中は穏やかではないのではないだろうか。

流石、隊士たちから多大の信望を集める真選組局長。

みんなの様子を見て、私はそう思い、近藤さんは優しいだけのゴリラではないということを、再認識した瞬間でもあった。


「近藤さん、あんたがいなくなったら、俺たちにどう進めってんだよ!あんたがいない真選組なんてな、これっぽっちも意味ねぇんだよ!」

「トシ……お前……」

土方さん、こんなに近藤さんのことを……

「真選組の絆って、深いんですね……」

私はつい、思ってたことが口に出てしまっていた。

「アリスちゃん。君も真選組の一員なんだ。君も俺らと深い絆で結ばれているに決まってるじゃないか」

私がぽろりと漏らした言葉を、近藤さんは拾ってくれて、それに答えてくれた。


そういえば前に、私の前に現れた偽父親のことを、偽りでも本当の親子みたいに過ごしたことは事実だのなんだの言ったことがあり、万事屋から帰ってきた時に総悟が

そんな使い捨てキャラのことをそういう風に思うぐれぇなら、俺達のことを、家族だと思いなせェ、仲間だと思いなせェ。俺達との時間を……大切に思ってほしいんでさァ。

なんてことを言ってくれたことがある。

近藤さんも、土方さんも、ザキも。そうだ、そうだ。と受け入れてくれた。

そういう風に言われなくても、私は真選組での時間を大切に思っていた。でも、直に言われてとても嬉しい感情を持ったのを覚えている。

前に銀さんが、血は繋がってなくても大切な絆がある、と言っていたことがあったが、みんなの近藤さんを思う気持ちを見て、真選組の人が私に言ってくれた言葉を思い出して、私は銀さんの言葉の意味を深く理解することができた。


感慨にひたっていた私だが、ずっと気になっていたことを私は近藤さんに投げかけた。

「……あの、近藤さんに決闘を申し込んできた?人たちって、どんな人なんですか?」

私の質問を聞き、他の隊士達も一斉に近藤さんの方を見た。

真選組局長、または副長相手にその辺の浪士が束になろうとかなうわけがないと言われているのに、相手はそれほどの強敵なのだろうか?

いったい、どんな人たちが近藤さんを?

「ああ、アリスちゃん。それはだな……」


数時間前。

俺はいつものようにお妙さんに愛を伝えるために抱きつこうとしたが、お妙さんに蹴り飛ばされてしまった。

しかし、そんなお妙さんの態度も照れ隠しだとわかっている俺は、再びお妙さんのもとへと向かった。

すると、お妙さんの横にいた九兵衛殿が口を開いてきた。


「前々から気になっていたのだが、お妙ちゃんへのその態度、気に入らない。お妙ちゃんが嫌がっているではないか!」

何を言うのかと思えば、そんなこと。九兵衛殿は何もわかっていないようだな。

「九兵衛殿は、嫌よ嫌よも好きのうち、という言葉を知らないのか?」

俺がこう言うと、本気で嫌がってるんじゃボケェ!!という、お妙さんの怒声が聞こえたが、それもまた照れ隠しに違いない。すると、九兵衛殿が呆れたように、そしてどこか怒りを込めて口を開く。

「こうなると、僕はもう黙っていられない。柳生家総出で、近藤勲への決闘を申し込む。お妙ちゃんをかけて勝負といこうじゃないか」

違う形ではあるが、前にもお妙さんを巡って柳生家とは対決したことがあったな。その時のことを思い出しながらも俺は受けてたった。

「望むとことろよ。何人かかってきても俺はお妙さんのために戦ってそして勝ってみせる」

すると、お妙さんが。

「何人かかってきても?あら、なんだか面白いことになりそうじゃない。それならば、ウチのスナックすまいるの従業員も参加させていただこうかしら。私の店のスタッフは強いのよ、女だからって甘く見ないでちょうだいね」


「その申し出に勝って、お妙さんが俺に惚れてくれるのなら喜んで受けて立ちます!」


「勘違いしないでもらえるかしら。別に誰も惚れるとは言ってねーけどな。いい加減うざいゴリラをボコボコにしたいだけだから」


これは、お妙さんなりのツンデレ!?と思いながらも、俺は柳生家&スナックすまいるスタッフと対決をすることになったのだ。


「と、言うわけだ」

「いや、決闘ってそう言うこと!?くだらなすぎだろォォ!」

山崎の突っ込みが響くと同時に、隊士たちの一気に冷めた温度と表情を感じ取った。

土方さんは呆れてため息をつき、総悟は心配して損しやしたと呟いたのち、まあこんなことだろうと思ったけど、と言葉を発していた。

なにやら、大変な決闘ではなくてよかったが(よかったのか?)、こんな感じで真選組の日常はこれからも続いていくと思います。ちゃんちゃん。
目次

※会員登録するとコメントが書き込める様になります。