新上司との出会い
僕は、会社に勤めて2年目の若手社員、浅川祐介、23歳。
国内でも高レベルの偏差値を誇る天羽(あまば)大学を卒業したけども、中々内定を決められなくて、漸く87社目としてこの会社に就職したけども…。
しかし、社会人はさらに厳しい洗礼を受けた。
勉強と違って、あらゆる対応策を練らなきゃいけないし、テストと違って良い答えが見つからず苦戦する毎日…。
その為、周りの先輩方に助けてもらってばかりの情けない状況です…。
そんな僕も、この会社に勤めて1年が経ち、漸く迎えた2年目の春、僕も念願の後輩が出来る年となったが、未だに上手く仕事が出来ない僕は…後輩をリードできる自信は無かった…。
だが…今日、後輩がやって来るのと同時に…うちの課に新しい上司として別の人がやってきた。
部長がその人を中に呼ぶ。
部長「入ってきてくれ!」
コッ、コッ。
女性「本日より、ここの課で課長を勤めます[深澤 薫]と申します、皆さん、どうぞ宜しくお願いします。」
入ってきたのは若い女性だった、キツそうな外見では有るものの顔立ちは本当に綺麗で、さらに背も高くとにかく、スタイルの良さがくっきり分かるパンツスーツの似合うお姉さんって感じの人だ。
「おい…中々綺麗な課長じゃねえか…。」
「そうだな…。」
ガヤガヤ…。
周りの男社員の人達は、その美貌にヒソヒソと喋っていた。
薫「んっ゛!! えー、すいませんが、そこの喋っている社員の人達。 少しお静かに出来ませんか?」
「は、はいっ…。」
と、聞こえていた様で、その何人かは注意をされる始末ではあったが。
ただ、僕はその時にもう気づいてしまった。
この人は、かなり仕事に熱心であり、すごい真面目な人だという事、しかし、その言葉の中に理不尽な上司の特徴であるパワハラの要素が見えなかったからだ。
だとしても、僕みたいな社員は、真っ先に説教の対象に選ばれるだろうと思った。
その後の歓迎会では、緊張と恐怖のあまり、僕は彼女に自分の名前を伝えることすら出来なかった…。
そして歓迎会が終わって次の日、完成した資料を新しい課長である彼女に見せた。
薫「ふん…ふん…。」
資料を見せると、彼女の表情は真剣な表情に…ただ、時たまに険しくなったりと繰り返している為、もはや僕は…。
祐介「…か、課長…。(あ…こりゃダメかも。)」
もう半ば説教を覚悟していた。
パサッ
薫「ねぇ…確か…貴方、浅川君よね…?」
祐介「えっ、あっ…はいっ!!(えっ、この人僕の名前をどうして!?)」
僕は驚きだった、昨日の歓迎会では僕は彼女に名前は愚か名字も教えてすらいないのに、なぜか彼女は僕の名前を覚えていた!!
名前を呼ばれて僕はさらに緊張を増した。
薫「貴方…確か、国内で高いレベルを誇った天羽(あまば)大学の出身よね?」
祐介「えっ…!? あっ、はい…。」
僕はさらに驚いた天羽(あまば)大学は、僕の出身の大学でもあるのだ、名前すら昨日の時点で教えてなかったのにも関わらずナゼこの人が僕の出身大学を知っているのか…!?
もはや、恐怖でしか無かった…。
そんな彼女から送られた言葉は…。
薫「正直言って、恥ずかしいわ。 ここの誤字と誤計算。」
祐介「えっ…あっ!!」
僕は、彼女から資料を返され確認すると、印をつけられた箇所は確かに誤字や誤計算になってしまってた。
薫「貴方…大学で一体何を学んだの? 私みたいな高卒の人間でもこんなミスしないようにと一生懸命になって、やって来たのよ…。」
祐介「…!!」
彼女からのキツめの説教の中に驚くべき事実が、なんと彼女は大学にすら通わず、なんと高卒での入社だと言う…。
しかも、この人は27歳でありながら課長なのに…その上高卒の入社…もはや、それを知った時点で僕は彼女の言葉の重みが一瞬にして変わった。
薫「まだ社会人成り立てだからって、もう2年目よね? 悪いけど、2年目ならば少なからずは1年はこういう作業をしてきたのよね? 何でミスしているわけ?」
祐介「…も、申し訳ありません…!!」
薫「全く…ホラ、さっさとやり直す!!」
パサッ!!
祐介「は、ハイッ!!」
僕は、彼女の言葉を聞いて初めて分かった。
社会人は「学歴」がどうこう等の話では無いという事、社会人でも「努力」が必要な事、「時間」だの何だのは関係無い事。
何れも僕は、これらを言い訳にして出来ない事を認めたく無かったのかも知れない…。
人間誰だって頑張ってる…だけど僕は、頑張った[ふり]にしか見えなかったんだ…。
ただ、唯一疑問が残ってるのは。
どうして、彼女が僕のことを知っていたのか…。
祐介「(もしかすれば…彼女…僕に気があるんじゃ…? そうなれば嬉しいけど…!!)
僕は、彼女が僕に対して気になってるんじゃないのかと最初は考えていたが…
祐介「(ハッ!! 待てよ…。 まさか、僕が高学歴だという事からの嫉妬心なのか…!?)」
次に考えたのは、彼女が僕の学歴に対する嫉妬心。
彼女の家庭事情は知らないとは言え…高卒でここまで上がってきたのは…無論、彼女の「実力」だろうし…
祐介「(いや…もしかしたら、彼女、僕の弱みを握って…脅迫の材料に…!!? 良く考えてみたら…高卒の彼女がここまでの地位に立つなんて通常じゃあり得ないよ…まさか…。)」
と、色んな想像を膨らませながらも…やり直しをされた書類を直していく…。
国内でも高レベルの偏差値を誇る天羽(あまば)大学を卒業したけども、中々内定を決められなくて、漸く87社目としてこの会社に就職したけども…。
しかし、社会人はさらに厳しい洗礼を受けた。
勉強と違って、あらゆる対応策を練らなきゃいけないし、テストと違って良い答えが見つからず苦戦する毎日…。
その為、周りの先輩方に助けてもらってばかりの情けない状況です…。
そんな僕も、この会社に勤めて1年が経ち、漸く迎えた2年目の春、僕も念願の後輩が出来る年となったが、未だに上手く仕事が出来ない僕は…後輩をリードできる自信は無かった…。
だが…今日、後輩がやって来るのと同時に…うちの課に新しい上司として別の人がやってきた。
部長がその人を中に呼ぶ。
部長「入ってきてくれ!」
コッ、コッ。
女性「本日より、ここの課で課長を勤めます[深澤 薫]と申します、皆さん、どうぞ宜しくお願いします。」
入ってきたのは若い女性だった、キツそうな外見では有るものの顔立ちは本当に綺麗で、さらに背も高くとにかく、スタイルの良さがくっきり分かるパンツスーツの似合うお姉さんって感じの人だ。
「おい…中々綺麗な課長じゃねえか…。」
「そうだな…。」
ガヤガヤ…。
周りの男社員の人達は、その美貌にヒソヒソと喋っていた。
薫「んっ゛!! えー、すいませんが、そこの喋っている社員の人達。 少しお静かに出来ませんか?」
「は、はいっ…。」
と、聞こえていた様で、その何人かは注意をされる始末ではあったが。
ただ、僕はその時にもう気づいてしまった。
この人は、かなり仕事に熱心であり、すごい真面目な人だという事、しかし、その言葉の中に理不尽な上司の特徴であるパワハラの要素が見えなかったからだ。
だとしても、僕みたいな社員は、真っ先に説教の対象に選ばれるだろうと思った。
その後の歓迎会では、緊張と恐怖のあまり、僕は彼女に自分の名前を伝えることすら出来なかった…。
そして歓迎会が終わって次の日、完成した資料を新しい課長である彼女に見せた。
薫「ふん…ふん…。」
資料を見せると、彼女の表情は真剣な表情に…ただ、時たまに険しくなったりと繰り返している為、もはや僕は…。
祐介「…か、課長…。(あ…こりゃダメかも。)」
もう半ば説教を覚悟していた。
パサッ
薫「ねぇ…確か…貴方、浅川君よね…?」
祐介「えっ、あっ…はいっ!!(えっ、この人僕の名前をどうして!?)」
僕は驚きだった、昨日の歓迎会では僕は彼女に名前は愚か名字も教えてすらいないのに、なぜか彼女は僕の名前を覚えていた!!
名前を呼ばれて僕はさらに緊張を増した。
薫「貴方…確か、国内で高いレベルを誇った天羽(あまば)大学の出身よね?」
祐介「えっ…!? あっ、はい…。」
僕はさらに驚いた天羽(あまば)大学は、僕の出身の大学でもあるのだ、名前すら昨日の時点で教えてなかったのにも関わらずナゼこの人が僕の出身大学を知っているのか…!?
もはや、恐怖でしか無かった…。
そんな彼女から送られた言葉は…。
薫「正直言って、恥ずかしいわ。 ここの誤字と誤計算。」
祐介「えっ…あっ!!」
僕は、彼女から資料を返され確認すると、印をつけられた箇所は確かに誤字や誤計算になってしまってた。
薫「貴方…大学で一体何を学んだの? 私みたいな高卒の人間でもこんなミスしないようにと一生懸命になって、やって来たのよ…。」
祐介「…!!」
彼女からのキツめの説教の中に驚くべき事実が、なんと彼女は大学にすら通わず、なんと高卒での入社だと言う…。
しかも、この人は27歳でありながら課長なのに…その上高卒の入社…もはや、それを知った時点で僕は彼女の言葉の重みが一瞬にして変わった。
薫「まだ社会人成り立てだからって、もう2年目よね? 悪いけど、2年目ならば少なからずは1年はこういう作業をしてきたのよね? 何でミスしているわけ?」
祐介「…も、申し訳ありません…!!」
薫「全く…ホラ、さっさとやり直す!!」
パサッ!!
祐介「は、ハイッ!!」
僕は、彼女の言葉を聞いて初めて分かった。
社会人は「学歴」がどうこう等の話では無いという事、社会人でも「努力」が必要な事、「時間」だの何だのは関係無い事。
何れも僕は、これらを言い訳にして出来ない事を認めたく無かったのかも知れない…。
人間誰だって頑張ってる…だけど僕は、頑張った[ふり]にしか見えなかったんだ…。
ただ、唯一疑問が残ってるのは。
どうして、彼女が僕のことを知っていたのか…。
祐介「(もしかすれば…彼女…僕に気があるんじゃ…? そうなれば嬉しいけど…!!)
僕は、彼女が僕に対して気になってるんじゃないのかと最初は考えていたが…
祐介「(ハッ!! 待てよ…。 まさか、僕が高学歴だという事からの嫉妬心なのか…!?)」
次に考えたのは、彼女が僕の学歴に対する嫉妬心。
彼女の家庭事情は知らないとは言え…高卒でここまで上がってきたのは…無論、彼女の「実力」だろうし…
祐介「(いや…もしかしたら、彼女、僕の弱みを握って…脅迫の材料に…!!? 良く考えてみたら…高卒の彼女がここまでの地位に立つなんて通常じゃあり得ないよ…まさか…。)」
と、色んな想像を膨らませながらも…やり直しをされた書類を直していく…。
※会員登録するとコメントが書き込める様になります。