7話「ヨスガシティ~コトブキシティ」
俺がコンテスト決勝で対戦した相手は義手に義足、そして口元をマスクで覆った奇妙な見た目の男性だった。しかし、この男異常なほどまでに強い。
決勝で男はドダイトスとリングマを繰り出して、俺は準決勝と同じバリヤードとブビィを選出した。そしていきなりドダイトスがハードプラントという大技をしてきて、バリヤードのバリアーを貫きそのまま2体を戦闘不能までもっていくほどの破壊力を見せつける。たった1手で勝利するほどの強さのポケモン、それは何度戦っても勝てる気配がしないほどだった。
「あれ?見当たらないな、あの人」
コンテスト準優勝についてのインタビューが終わった後、その男を探しに行ったがどこにも見つからない。インタビューを全て断ったのだろうか?その代わりなのか、メリッサの周りには未だにインタビュアーが押し寄せている。
その男を探すのを諦め帰ろうとすると、会場の入口前で母が待っていた。
「お疲れ、カッコよかったわよ」
「ありがとう。この後ポケモンセンターで寝泊まりするつもりだけど、母さんは?」
「私はヨスガホテルを予約してるから、明日ポケモンセンターで待ってて」
そう言い、僕たちは夜別々で過ごした。
そして朝になる。僕は母と合流し、コトブキシティに戻る。母が途中のテンガン山をどうやって通ったのか今更疑問に思っていたが、どうやら特定の曜日と時間に山男がいつもテンガン山を登っており、ボランティアの一環としてトレーナー以外の人達や俺のようなほぼ初心者のトレーナーを護衛してくれるらしい。あの時はコウキがいてくれたからこのことを全く知らなかったわけだが、ちゃんと山男がいる時間帯が書いてある看板が各入口に置いてあった。
そして今はクロガネシティに着いて、カフェで少し休憩している。サンドイッチを食べたりして母と談笑しているだけだが、正直この時間に幸せを感じている。俺のワガママに振り回されてもう家族でいられないことも覚悟していた。でも許してくれて今は仲良くいられることに家族の大切さをかみしめる。失うと感じた時にしか大事なものが何か気付けない、こんなバカは自分だけなのだろうか。
母と談笑中、空に何やらとても大きいポケモンが見えた。あれはプテラだった気がする、クロガネ博物館の館員の人がスクールで特別授業をしていたのを思い出した。
すると突然、プテラが破壊光線をして遠くの建物を破壊する。その建物はクロガネ博物館、化石を展示している場所で有名だ。確かポケモンの化石の復元に成功したと今朝のニュースでやっていたから、それがプテラだという所まで話が読めた。
俺は母の制止を振り切って博物館に向かう。プテラは破壊光線を辺り構わず発射して館員から負傷者が続々と出ている状況だ。
ジムリーダーのヒョウタがイワークを繰り出してプテラを捕えようとするも、プテラは突進でイワークを吹き飛ばす。
「バリヤード、サイコキネシス!」
俺のバリヤードがサイコキネシスで動きを止めようとしたが、距離が遠くて威力が弱くなり逃げられる。
「ねぇ君、バリヤードの技で空中の動きを限定させることは出来るかい?」ヒョウタが俺にそう聞いてきたので、俺は技を応用することを試してみる。
「バリヤード、プテラを囲んだバリアーをしろ!」俺はそうバリヤードに指示する。
プテラの周りを広範囲のバリアーで覆いプテラを閉じ込める。がしかし広範囲のバリアーはとても脆く、プテラは破壊光線でバリアーを破る。
「ありがとう、それだけで十分だ」そうヒョウタが言うと、ロックカットをして素早くなったイワークがプテラの頭上を尾で叩き付ける。プテラの動きを絞れたおかげだ。
「ズガイドス、諸刃の頭突き!」プテラの落下点を目がけてヒョウタのズガイドスがトドメを刺しにいく。
しかしその時、リングマが飛び出してきてアームハンマーでズガイドスを吹き飛ばし、プテラを庇う。
「いやぁ~いいわねぇ。ジムリーダーのポケモンをボコれる日が来るなんて」遠くで癇に障る声が聞こえる。
声の主はカンナギタウンで俺とポケモンバトルをしたオネェ口調のトレーナー、だがこのリングマのトレーナーではない様子。
そのオネェの隣で何者かが指示している。嫌、あれは見たことがある顔だ。
「嘘だろ、コンテストの・・・?」
そいつはヨスガシティのコンテスト決勝で俺に圧勝して優勝したトレーナー。確か名前は、ガイル。
「アンタ達をもう少し痛めつけてやりたいところだけど、今日はこのプテラを奪いに来ただけだから、バイバ~イ」
そう言いオネェとガイルはプテラを奇妙なモンスターボールに入れ、逃げる。博物館は他にも化石をいくつか奪われて被害は甚大なものとなった。
「何なんだあのボール。それにあの人があのオネェの仲間だったなんて」
いくつか不審な点が残りながらも、俺はヒョウタ達に任せてその場を後にする。
先程のことが気がかりながらも、コトブキシティに着いた。
俺は父に家出の事をすぐ謝ったが、強く叱られた。どうやら母も俺が帰るまで怒るのは止めるようにしてたようだ、2人に家で散々説教された。
でもそうだとしても、自分で選んだ道。シンオウ地方とお別れするのも次の出会いが待ってるという期待を抱きながら、俺は夜を過ごす。
3日後、父はミオシティに向かい船に乗って出発する。
「2人とも、じゃあ先にホウエン地方で待ってるな」父が別れの挨拶を告げる。
俺はそこで初めて引っ越す地方について知った。ホウエン地方がどこか分からないが大丈夫、俺はそこでもやっていける気がする。
父は船に乗って、手を振りながら見せる顔には涙が流れていた。
その1週間後、俺の10歳の誕生日になる。俺は母の許しを受け、1か月の旅をすることを許された。
「いい?キッサキシティに行くのは危険だから絶対1人で行っちゃダメよ、分かった?」
「分かってるって、じゃあ行くね」
そう言い終え、俺は家を後にする。まずはソノオタウン、そこから新たな俺のシンオウ地方の旅が始まる。シンオウ地方にいられるのはあとわずかだという事を噛み締め、コトブキシティを出る。
(手持ちポケモン バリヤードLv.33 ブビィLv.30エレキッドLv.28)
決勝で男はドダイトスとリングマを繰り出して、俺は準決勝と同じバリヤードとブビィを選出した。そしていきなりドダイトスがハードプラントという大技をしてきて、バリヤードのバリアーを貫きそのまま2体を戦闘不能までもっていくほどの破壊力を見せつける。たった1手で勝利するほどの強さのポケモン、それは何度戦っても勝てる気配がしないほどだった。
「あれ?見当たらないな、あの人」
コンテスト準優勝についてのインタビューが終わった後、その男を探しに行ったがどこにも見つからない。インタビューを全て断ったのだろうか?その代わりなのか、メリッサの周りには未だにインタビュアーが押し寄せている。
その男を探すのを諦め帰ろうとすると、会場の入口前で母が待っていた。
「お疲れ、カッコよかったわよ」
「ありがとう。この後ポケモンセンターで寝泊まりするつもりだけど、母さんは?」
「私はヨスガホテルを予約してるから、明日ポケモンセンターで待ってて」
そう言い、僕たちは夜別々で過ごした。
そして朝になる。僕は母と合流し、コトブキシティに戻る。母が途中のテンガン山をどうやって通ったのか今更疑問に思っていたが、どうやら特定の曜日と時間に山男がいつもテンガン山を登っており、ボランティアの一環としてトレーナー以外の人達や俺のようなほぼ初心者のトレーナーを護衛してくれるらしい。あの時はコウキがいてくれたからこのことを全く知らなかったわけだが、ちゃんと山男がいる時間帯が書いてある看板が各入口に置いてあった。
そして今はクロガネシティに着いて、カフェで少し休憩している。サンドイッチを食べたりして母と談笑しているだけだが、正直この時間に幸せを感じている。俺のワガママに振り回されてもう家族でいられないことも覚悟していた。でも許してくれて今は仲良くいられることに家族の大切さをかみしめる。失うと感じた時にしか大事なものが何か気付けない、こんなバカは自分だけなのだろうか。
母と談笑中、空に何やらとても大きいポケモンが見えた。あれはプテラだった気がする、クロガネ博物館の館員の人がスクールで特別授業をしていたのを思い出した。
すると突然、プテラが破壊光線をして遠くの建物を破壊する。その建物はクロガネ博物館、化石を展示している場所で有名だ。確かポケモンの化石の復元に成功したと今朝のニュースでやっていたから、それがプテラだという所まで話が読めた。
俺は母の制止を振り切って博物館に向かう。プテラは破壊光線を辺り構わず発射して館員から負傷者が続々と出ている状況だ。
ジムリーダーのヒョウタがイワークを繰り出してプテラを捕えようとするも、プテラは突進でイワークを吹き飛ばす。
「バリヤード、サイコキネシス!」
俺のバリヤードがサイコキネシスで動きを止めようとしたが、距離が遠くて威力が弱くなり逃げられる。
「ねぇ君、バリヤードの技で空中の動きを限定させることは出来るかい?」ヒョウタが俺にそう聞いてきたので、俺は技を応用することを試してみる。
「バリヤード、プテラを囲んだバリアーをしろ!」俺はそうバリヤードに指示する。
プテラの周りを広範囲のバリアーで覆いプテラを閉じ込める。がしかし広範囲のバリアーはとても脆く、プテラは破壊光線でバリアーを破る。
「ありがとう、それだけで十分だ」そうヒョウタが言うと、ロックカットをして素早くなったイワークがプテラの頭上を尾で叩き付ける。プテラの動きを絞れたおかげだ。
「ズガイドス、諸刃の頭突き!」プテラの落下点を目がけてヒョウタのズガイドスがトドメを刺しにいく。
しかしその時、リングマが飛び出してきてアームハンマーでズガイドスを吹き飛ばし、プテラを庇う。
「いやぁ~いいわねぇ。ジムリーダーのポケモンをボコれる日が来るなんて」遠くで癇に障る声が聞こえる。
声の主はカンナギタウンで俺とポケモンバトルをしたオネェ口調のトレーナー、だがこのリングマのトレーナーではない様子。
そのオネェの隣で何者かが指示している。嫌、あれは見たことがある顔だ。
「嘘だろ、コンテストの・・・?」
そいつはヨスガシティのコンテスト決勝で俺に圧勝して優勝したトレーナー。確か名前は、ガイル。
「アンタ達をもう少し痛めつけてやりたいところだけど、今日はこのプテラを奪いに来ただけだから、バイバ~イ」
そう言いオネェとガイルはプテラを奇妙なモンスターボールに入れ、逃げる。博物館は他にも化石をいくつか奪われて被害は甚大なものとなった。
「何なんだあのボール。それにあの人があのオネェの仲間だったなんて」
いくつか不審な点が残りながらも、俺はヒョウタ達に任せてその場を後にする。
先程のことが気がかりながらも、コトブキシティに着いた。
俺は父に家出の事をすぐ謝ったが、強く叱られた。どうやら母も俺が帰るまで怒るのは止めるようにしてたようだ、2人に家で散々説教された。
でもそうだとしても、自分で選んだ道。シンオウ地方とお別れするのも次の出会いが待ってるという期待を抱きながら、俺は夜を過ごす。
3日後、父はミオシティに向かい船に乗って出発する。
「2人とも、じゃあ先にホウエン地方で待ってるな」父が別れの挨拶を告げる。
俺はそこで初めて引っ越す地方について知った。ホウエン地方がどこか分からないが大丈夫、俺はそこでもやっていける気がする。
父は船に乗って、手を振りながら見せる顔には涙が流れていた。
その1週間後、俺の10歳の誕生日になる。俺は母の許しを受け、1か月の旅をすることを許された。
「いい?キッサキシティに行くのは危険だから絶対1人で行っちゃダメよ、分かった?」
「分かってるって、じゃあ行くね」
そう言い終え、俺は家を後にする。まずはソノオタウン、そこから新たな俺のシンオウ地方の旅が始まる。シンオウ地方にいられるのはあとわずかだという事を噛み締め、コトブキシティを出る。
(手持ちポケモン バリヤードLv.33 ブビィLv.30エレキッドLv.28)
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