33
「なら言えません!」
風見「ええっ!」
「言えますけど…言いません!」
降谷「矢神さん、そろそろ本気で怒りますよ?」
「ぐっ…」
降谷「黙っていても仕方ないでしょう。どちらにせよ、貴女が仕事をするわけにいかないんですから。」
「でも…」
降谷「ほら、早く言ってください。」
「降谷さん赤井さんと仲が悪いから言いにくいです!」
降谷「は?」
風見「矢神さん!それ、もう内容言ってしまっているようなものですよ!!」
「あぁ!しまったっ!」
降谷「はぁ。全く。そんなことですか。」
「あああやっぱり怒って…あれ?」
降谷「仕事に好きも嫌いもないでしょう。事実、あの男の腕がいいことはわかっています。問題は貴女が一人でコソコソと仕事をしようとしていることです。まだ怪我も治っていないというのに一人で仕事を抱えて、少しは学習したらどうですか?いいですか?貴女は上司なんです。その立場を存分に生かして部下達に仕事を分配しろとあれほど言いましたよね?」
「ああぁ、別のことで怒ってる…!どうしよう、風見さん…」
風見「いえ、もとはといえば矢神さんがご無理をなさるから怒られているんですよ。」
「ええええ」
降谷「人の話を最後まで聞いてくださいね?矢神さん?」
「はいいい!すみません!すみません!」
降谷「それから風見。矢神さんを甘やかすな。」
風見「ひぃっ!はい!す、すみませんん!!!」
「あのぉ〜じゃあ、降谷さんは、赤井さんと一緒に仕事することになってもいいということでしょうか…?」
降谷「さっきも言いましたが、プライベートなら死んでもお断りするところですが、仕事ならば別です。赤井が優秀なのはわかっています。それに、海外が絡んでくるとなるとFBIの協力は必須になることでしょう。むしろ、今回は協力関係にあって良かったと思いますよ。」
「よ、よかったあぁぁぁあ〜!!!!!」
降谷「なので、矢神さんはまずはしっかり休んで早く怪我を治してください。その間に必要な仕事は俺達部下がやります。勿論FBIとも必要となればコンタクトを取りますしご心配なく。」
「んんん…何となくFBIって言うたびに顔が怖いんですけど…。」
降谷「気のせいですよ。ということで、これは没収です。」
そう言うと降谷は美弥妃の手元にあるパソコンを取り上げた。
「あ!あぁぁぁ!まだ途中なのに!」
降谷「矢神さん?」
「あっ、はい、すみません…」
風見「矢神さん、ちゃんと休んでくださいね。私まで一緒に怒られる羽目になりますから…」
風見はそう耳打ちした。
降谷「では。お大事に。」
そう言うと降谷は風見を連れて病室を出て行った。
病室を出ると先程美弥妃の病室に怒鳴り込んできた医者がいた。
風見「あれ…貴方は…」
医者「彼女は無事に休んでくれそうですか?」
降谷「はい。何とか。」
医者はちらりと降谷の手元のパソコンを見て安堵のため息をついた。
医者「ならよかった。」
そう言ったものの一向に動こうとしない医者に降谷は何かを感じ取ったようだった。
降谷「わざわざ待っていたということは何かあるみたいですね。」
医者「彼女の身内と言えばいいのかな。あの2人のご遺体に気になるものが見つかってね。」
医者はそう言うと白衣のポケットから2つの袋に分かれて入った小さな部品を見せた。
風見「それは一体…」
医者「さぁ、こっちは医療専門だから知らない。と言いたいところだったんだがねぇ…。本来あるはずの場所にはなくて彼らの遺体の胃の中からそれぞれ見つかったんだ。ペースメーカーの部品がね。」
降谷・風見「「!!」」
医者「2人とも同じペースメーカーの部品をそれぞれ砕いて飲み込んだんだろうね。」
降谷「見せていただいても?」
医者「あぁ。かまわないよ。」
降谷は医者から手渡されたものをまじまじと見つめた。
医者「そのペースメーカーは日本で主に使われているものとは全く違ったよ。恐らく、ドイツで作られているものだ。今見ている裏側にドイツ語で何か書かれているだろう。…生憎ドイツ語には詳しくないから消えかかっている文字ではこちらで判断することはできなかったよ。…今ドイツで使われている主流製品のメーカー名を調べれば何かわかるのか…それとも別の意味があるのか…わからないが、彼女を慕っていた子達だろう。自分達のどちらか、または両方が死んだ時のことを見越してこれを遺したんじゃないかと思ってね。本来遺体から発見されたものは遺族に渡ることになっているが、彼らはそういった身内はいないだろう?いるとすれば彼女だ。…だがなぁ…あの状態でまた仕事詰になられても困る。…彼女が復帰したらそれを渡してやってもらえないかな。…それまでは君達が調べるだろう。少しは彼女の負担も減ると思って待っていたんだ。」
風見「なるほど…」
降谷「そうですか。…わかりました。これはこちらでお預かりさせていただきます。」
医者「頼むよ。あぁ、それから…」
医者はなにかを言いかけたがやっぱりいいと言って2人に背を向けて歩いていった。
風見「ええっ!」
「言えますけど…言いません!」
降谷「矢神さん、そろそろ本気で怒りますよ?」
「ぐっ…」
降谷「黙っていても仕方ないでしょう。どちらにせよ、貴女が仕事をするわけにいかないんですから。」
「でも…」
降谷「ほら、早く言ってください。」
「降谷さん赤井さんと仲が悪いから言いにくいです!」
降谷「は?」
風見「矢神さん!それ、もう内容言ってしまっているようなものですよ!!」
「あぁ!しまったっ!」
降谷「はぁ。全く。そんなことですか。」
「あああやっぱり怒って…あれ?」
降谷「仕事に好きも嫌いもないでしょう。事実、あの男の腕がいいことはわかっています。問題は貴女が一人でコソコソと仕事をしようとしていることです。まだ怪我も治っていないというのに一人で仕事を抱えて、少しは学習したらどうですか?いいですか?貴女は上司なんです。その立場を存分に生かして部下達に仕事を分配しろとあれほど言いましたよね?」
「ああぁ、別のことで怒ってる…!どうしよう、風見さん…」
風見「いえ、もとはといえば矢神さんがご無理をなさるから怒られているんですよ。」
「ええええ」
降谷「人の話を最後まで聞いてくださいね?矢神さん?」
「はいいい!すみません!すみません!」
降谷「それから風見。矢神さんを甘やかすな。」
風見「ひぃっ!はい!す、すみませんん!!!」
「あのぉ〜じゃあ、降谷さんは、赤井さんと一緒に仕事することになってもいいということでしょうか…?」
降谷「さっきも言いましたが、プライベートなら死んでもお断りするところですが、仕事ならば別です。赤井が優秀なのはわかっています。それに、海外が絡んでくるとなるとFBIの協力は必須になることでしょう。むしろ、今回は協力関係にあって良かったと思いますよ。」
「よ、よかったあぁぁぁあ〜!!!!!」
降谷「なので、矢神さんはまずはしっかり休んで早く怪我を治してください。その間に必要な仕事は俺達部下がやります。勿論FBIとも必要となればコンタクトを取りますしご心配なく。」
「んんん…何となくFBIって言うたびに顔が怖いんですけど…。」
降谷「気のせいですよ。ということで、これは没収です。」
そう言うと降谷は美弥妃の手元にあるパソコンを取り上げた。
「あ!あぁぁぁ!まだ途中なのに!」
降谷「矢神さん?」
「あっ、はい、すみません…」
風見「矢神さん、ちゃんと休んでくださいね。私まで一緒に怒られる羽目になりますから…」
風見はそう耳打ちした。
降谷「では。お大事に。」
そう言うと降谷は風見を連れて病室を出て行った。
病室を出ると先程美弥妃の病室に怒鳴り込んできた医者がいた。
風見「あれ…貴方は…」
医者「彼女は無事に休んでくれそうですか?」
降谷「はい。何とか。」
医者はちらりと降谷の手元のパソコンを見て安堵のため息をついた。
医者「ならよかった。」
そう言ったものの一向に動こうとしない医者に降谷は何かを感じ取ったようだった。
降谷「わざわざ待っていたということは何かあるみたいですね。」
医者「彼女の身内と言えばいいのかな。あの2人のご遺体に気になるものが見つかってね。」
医者はそう言うと白衣のポケットから2つの袋に分かれて入った小さな部品を見せた。
風見「それは一体…」
医者「さぁ、こっちは医療専門だから知らない。と言いたいところだったんだがねぇ…。本来あるはずの場所にはなくて彼らの遺体の胃の中からそれぞれ見つかったんだ。ペースメーカーの部品がね。」
降谷・風見「「!!」」
医者「2人とも同じペースメーカーの部品をそれぞれ砕いて飲み込んだんだろうね。」
降谷「見せていただいても?」
医者「あぁ。かまわないよ。」
降谷は医者から手渡されたものをまじまじと見つめた。
医者「そのペースメーカーは日本で主に使われているものとは全く違ったよ。恐らく、ドイツで作られているものだ。今見ている裏側にドイツ語で何か書かれているだろう。…生憎ドイツ語には詳しくないから消えかかっている文字ではこちらで判断することはできなかったよ。…今ドイツで使われている主流製品のメーカー名を調べれば何かわかるのか…それとも別の意味があるのか…わからないが、彼女を慕っていた子達だろう。自分達のどちらか、または両方が死んだ時のことを見越してこれを遺したんじゃないかと思ってね。本来遺体から発見されたものは遺族に渡ることになっているが、彼らはそういった身内はいないだろう?いるとすれば彼女だ。…だがなぁ…あの状態でまた仕事詰になられても困る。…彼女が復帰したらそれを渡してやってもらえないかな。…それまでは君達が調べるだろう。少しは彼女の負担も減ると思って待っていたんだ。」
風見「なるほど…」
降谷「そうですか。…わかりました。これはこちらでお預かりさせていただきます。」
医者「頼むよ。あぁ、それから…」
医者はなにかを言いかけたがやっぱりいいと言って2人に背を向けて歩いていった。
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