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部屋に戻った時は丁度お昼時で、秀政以外には誰も部屋におらず、あやりとゆりは静かに席に戻ることが出来た。
秀政「え?あやり。ゆりどうしたの?」
あやり「体調悪いのに休まないのよ」
秀政「え…?」
「あやりちゃんありがとう、座ったら落ち着いた^^もう大丈夫^^」
あやり「…そう…」『そんな青い顔して何が大丈夫よ…』
秀政「ゆり、ちゃんと病院行きな?全然大丈夫そうじゃないよ」
「はは…病気とかじゃないのは自分が一番良くわかってるから大丈夫^^」
秀政「ゆり。だめ。最近ろくに休みもとってないし、そんなんじゃ大事な時に倒れるぞ」
「…そうかなぁ」
あやり「せめて今日くらい早退しな?」
「…それもそうだね、毎回あやりちゃんに助けてもらうわけにいかないもんね^^」
あやり「そうだよ!」
秀政「上には俺たちから言っておくしもう帰りな?」
あやり「上の人も心配して私達に聞きにくるくらいだからすんなり許してもらえると思うよ」
「じゃあ、お願いする。ごめんね?二人とも」
秀政「気にすんな!ほら、帰った帰った!」
「あ、零くんにはこのこと…」『これ以上幻滅されたくない…』
あやり「わかってる。ほら荷物」
「ありがと^^」
あやり「お疲れ様…ゆっくり休みな」
秀政「お疲れ!」
「お疲れ様…」
二人はゆりを見送るとあやりはゆりの椅子に、秀政は降谷の椅子に座って話し込んだ。
あやり「やっぱ降谷に言われたこと気にして無理してるのかな…」
秀政「え?」
あやり「"お前といると皆死んでしまう"…あの子、降谷の仕事まだやってるんだよ。…それも危険な仕事だけを選んでね」
秀政「そんなっ!」
あやり「ほら、前に一回話してくれたことあったでしょ?自分の両親のこと」
秀政「あぁ…。でもあれは…!」
あやり「そう、あの子は何も悪くないし原因にもなっていない。」
秀政「なのにっ…」
あやり「あの歳で背負ったものが大きすぎるわ…」
秀政「…っ」
あやり「私達がお見舞いに来ないように徹底して引っ越し先も教えないくらい、あの子は自分を追い詰めるのが上手なのよ」
秀政「どうにもできないのかな…」
あやり「降谷とはそれなりに仲良くやってたから随分マシになったと思ってたんだけど、今はそれが…アダになってるっ、って感じだからね…」
秀政「このままじゃゆりがおかしくなりそうで俺見てられないんだけど」
あやり「私も同感よ。…でも、これは私達には口出しできることじゃない。あの組織に潜入している限り降谷にも負担はかけられないのは事実だもの。何より、私達から降谷に言ったところで、降谷自身の意思じゃないとゆりが降谷に負担をかけることを一番負担としてるかもしれないからね…」
秀政「そうだな…」
そんな会話をしていると丁度降谷と上司が戻ってきた。
降谷「二人で何話してるんだ?」
秀政「あ、降谷」『だめだ、降谷に言ってしまいたい…』
あやり「あー、世間話?」『だめ、言いたいのは山々だけど…これ以上ゆりを追い詰めたくない…。早く気付け!降谷…!』
上司「そういえば椿はまだ戻っていないのか?」
秀政「あ、あー、椿は今日は早退です!」
上司「そうか」『やはり少しガタが来始めたか…』
あやり「ひ、秀政!昼ごはん食べよう!」
秀政「そ、そうだな!んじゃ、失礼しまーす!」
二人は降谷から逃げるようにその場を去っていった。
フラフラと歩いてたどり着いた自宅は相変わらずなんの変哲もなく殺風景に必要最低限のものしかない。
着替える気力もなくバタンとベッドに寝転ぶと自然と目を閉じてしまう。
目を閉じると瞼の裏に浮かぶのはあの日の光景。
全員が私を責めるような目で見ている気がして、その視線に耐えきれなくなって…
「…ぅっ…」
私は急いでトイレに駆け込んだ。
ここ最近眠れないのはこのせいだ。仮眠でも何でも目を閉じれば余計なことを考えてしまって気分が悪くなってしまう。
そのおかげで喉は炎症を起こし始めているようで、ジンジンと熱を持っている。
「…はぁ…つかれた…」
そう呟く声は酷くかすれはじめていた。
風邪をひいてしまう前に眠ればいいものの、眠る恐怖で私は組織の仕事を始めた。
…pipipi…
「ジン、昨日言ってた情報、手に入ったから送るね」
ジン「流石だ。」
「他に何か仕事ない?」
ジン「今はない。…随分と仕事熱心だが何かあるのか?」
「いいえ。ちょっと暇潰しよ。じゃあそっちの邪魔しちゃ悪いから切るね。」
ジンは勘がいい。私の今の状態を見れば何かと探りを入れてくるはず。…いくらジンよりも立場が上だからといって油断するわけにはいかない。
やはりこういう時は赤井さんだ。
…pipipi…
「赤井さん、何か仕事はない?」
赤井「どうした、自分から仕事を催促するとは」『以前なら仕事を頼めば軽く愚痴の一つでも言ってきたのにおかしい…。声も少し枯れているようだが…』
「手が空いたから聞いてみただけ笑」
赤井「そうか。」『疲れたような声が気になるところだが今はそれどころじゃない。…死体すり替えトリックに集中しなければならないからな…敵を騙すにはまずは味方から。…といっても相当なキレ者の(名前)には通用しないだろうけどな』
秀政「え?あやり。ゆりどうしたの?」
あやり「体調悪いのに休まないのよ」
秀政「え…?」
「あやりちゃんありがとう、座ったら落ち着いた^^もう大丈夫^^」
あやり「…そう…」『そんな青い顔して何が大丈夫よ…』
秀政「ゆり、ちゃんと病院行きな?全然大丈夫そうじゃないよ」
「はは…病気とかじゃないのは自分が一番良くわかってるから大丈夫^^」
秀政「ゆり。だめ。最近ろくに休みもとってないし、そんなんじゃ大事な時に倒れるぞ」
「…そうかなぁ」
あやり「せめて今日くらい早退しな?」
「…それもそうだね、毎回あやりちゃんに助けてもらうわけにいかないもんね^^」
あやり「そうだよ!」
秀政「上には俺たちから言っておくしもう帰りな?」
あやり「上の人も心配して私達に聞きにくるくらいだからすんなり許してもらえると思うよ」
「じゃあ、お願いする。ごめんね?二人とも」
秀政「気にすんな!ほら、帰った帰った!」
「あ、零くんにはこのこと…」『これ以上幻滅されたくない…』
あやり「わかってる。ほら荷物」
「ありがと^^」
あやり「お疲れ様…ゆっくり休みな」
秀政「お疲れ!」
「お疲れ様…」
二人はゆりを見送るとあやりはゆりの椅子に、秀政は降谷の椅子に座って話し込んだ。
あやり「やっぱ降谷に言われたこと気にして無理してるのかな…」
秀政「え?」
あやり「"お前といると皆死んでしまう"…あの子、降谷の仕事まだやってるんだよ。…それも危険な仕事だけを選んでね」
秀政「そんなっ!」
あやり「ほら、前に一回話してくれたことあったでしょ?自分の両親のこと」
秀政「あぁ…。でもあれは…!」
あやり「そう、あの子は何も悪くないし原因にもなっていない。」
秀政「なのにっ…」
あやり「あの歳で背負ったものが大きすぎるわ…」
秀政「…っ」
あやり「私達がお見舞いに来ないように徹底して引っ越し先も教えないくらい、あの子は自分を追い詰めるのが上手なのよ」
秀政「どうにもできないのかな…」
あやり「降谷とはそれなりに仲良くやってたから随分マシになったと思ってたんだけど、今はそれが…アダになってるっ、って感じだからね…」
秀政「このままじゃゆりがおかしくなりそうで俺見てられないんだけど」
あやり「私も同感よ。…でも、これは私達には口出しできることじゃない。あの組織に潜入している限り降谷にも負担はかけられないのは事実だもの。何より、私達から降谷に言ったところで、降谷自身の意思じゃないとゆりが降谷に負担をかけることを一番負担としてるかもしれないからね…」
秀政「そうだな…」
そんな会話をしていると丁度降谷と上司が戻ってきた。
降谷「二人で何話してるんだ?」
秀政「あ、降谷」『だめだ、降谷に言ってしまいたい…』
あやり「あー、世間話?」『だめ、言いたいのは山々だけど…これ以上ゆりを追い詰めたくない…。早く気付け!降谷…!』
上司「そういえば椿はまだ戻っていないのか?」
秀政「あ、あー、椿は今日は早退です!」
上司「そうか」『やはり少しガタが来始めたか…』
あやり「ひ、秀政!昼ごはん食べよう!」
秀政「そ、そうだな!んじゃ、失礼しまーす!」
二人は降谷から逃げるようにその場を去っていった。
フラフラと歩いてたどり着いた自宅は相変わらずなんの変哲もなく殺風景に必要最低限のものしかない。
着替える気力もなくバタンとベッドに寝転ぶと自然と目を閉じてしまう。
目を閉じると瞼の裏に浮かぶのはあの日の光景。
全員が私を責めるような目で見ている気がして、その視線に耐えきれなくなって…
「…ぅっ…」
私は急いでトイレに駆け込んだ。
ここ最近眠れないのはこのせいだ。仮眠でも何でも目を閉じれば余計なことを考えてしまって気分が悪くなってしまう。
そのおかげで喉は炎症を起こし始めているようで、ジンジンと熱を持っている。
「…はぁ…つかれた…」
そう呟く声は酷くかすれはじめていた。
風邪をひいてしまう前に眠ればいいものの、眠る恐怖で私は組織の仕事を始めた。
…pipipi…
「ジン、昨日言ってた情報、手に入ったから送るね」
ジン「流石だ。」
「他に何か仕事ない?」
ジン「今はない。…随分と仕事熱心だが何かあるのか?」
「いいえ。ちょっと暇潰しよ。じゃあそっちの邪魔しちゃ悪いから切るね。」
ジンは勘がいい。私の今の状態を見れば何かと探りを入れてくるはず。…いくらジンよりも立場が上だからといって油断するわけにはいかない。
やはりこういう時は赤井さんだ。
…pipipi…
「赤井さん、何か仕事はない?」
赤井「どうした、自分から仕事を催促するとは」『以前なら仕事を頼めば軽く愚痴の一つでも言ってきたのにおかしい…。声も少し枯れているようだが…』
「手が空いたから聞いてみただけ笑」
赤井「そうか。」『疲れたような声が気になるところだが今はそれどころじゃない。…死体すり替えトリックに集中しなければならないからな…敵を騙すにはまずは味方から。…といっても相当なキレ者の(名前)には通用しないだろうけどな』
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