6話「ヨスガシティ コンテスト」
遂に始まろうとする、コンテストの二次審査。
二次審査は、ダブルバトル形式のポケモンバトルをする。1次審査を勝ち抜いた4名で決勝トーナメントを行い、二連戦を勝ち抜いたものが優勝だ。
しかし、そんな決勝トーナメントで思わぬアクシデントが起きた。
決勝トーナメントの初戦となる準決勝、対戦相手はなんといきなりメリッサだった。
「ボーイ!初戦で戦えるのはラッキーでしたネ!決勝まで、ボーイじゃ勝ち残れないかもしれませんから」
「メリッサさんこそ決勝まで勝ち残れないで、俺がただコンテスト優勝しただけみたいにならなくて良かったですよ」
そんな会話をしている内に、どうやらもう一つの準決勝が終わったみたいだ。観客席はさっきまで盛り上がっていたのがさらにデッドヒートする。
「いやぁまさかこんな凄い参加者がいたなんて、こりゃ後ろの残された2人も凄いプレッシャーかかってるんじゃないでしょうか?じゃあ続きまして準決勝第2試合、皆さま大変長らくお待たせしました、戦うのはこの方々達です!」
僕とメリッサがさっき1次審査をしたコンテストステージに上がる。ここで始まる、僕とメリッサのジムバッジを賭けた本気のバトルが。
「行くぞマネネ、ブビィ!」
「ゲンガー、ムウマージ、レディゴー!」
「マネネ、サイコキネシスをゲンガーに!ブビィは火の粉でゲンガー達を寄せ付けないようにしろ!」
「ふぅ・・・、それではパワーが足りないですネ。ムウマージ、怪しい光!」
ムウマージの怪しい光で眩しくなり、全く目が見えない。やっと周りが見えるようになったと思ったその時、ステージ上にはマネネとブビィ、相手のムウマージしかいない。ゲンガーはどこに?
「くそっ、ブビィはマネネの方に寄って、マネネはバリアーで2人を守れ!」
マネネはバリアーをしてムウマージの方を窺いながら、ブビィと共に周りを見渡す。だがステージ全体が見えるトレーナーの俺ですら、全くゲンガーがどこにいるか分からない。
「これは我々にチャンスをプレゼントしたという事デスカ、シャドーパンチ!」
すると突然マネネは吹っ飛ばされ、バリアーが消える。
「ムウマージのシャドーボールでフィニッシュ!」
シャドーボールで大きな煙が巻き起こり、マネネ達は吹っ飛ばされる。これはさすがに耐えられない。
もう駄目だと思われたその時、ステージ上に立っているマネネ達を見てトレーナーの自分自身正直驚いた。恐らくマネネが傷付きながらも自分で身代わりを出して、それでシャドーボールから身を守ったのだろう。身代わりならバリアーより早く出せると分かって。
「まさか身代わりに助けられるとは、予想外デース!デモ、それがいつまで続くデショウ?」
メリッサの言う通りだ。でも、マネネが俺の指示なしに自分で考えて技を繰り出したことの成長に対して、今はその嬉しさだけが胸に強く響いてくる。
「マネネ、やっぱお前と旅に出て本当に良かったよ。期待以上を魅せてくれる」
僕がそう言い、マネネはこちらを見てニッコリ笑う。すると突然マネネの体が光りだして、コンテスト会場の全員が不思議にそれを見つめ続ける。そして光が消えた瞬間、マネネはバリヤードに進化したのだった!
「マネネ・・・?嫌、バリヤード!進化したのか!」
「バリ、バリリッ!」バリヤードはマネネの時よりさらに大きな笑顔を見せてくる。
「よし、行くぞお前達!さっきの攻撃で全て見極めた」
「ワッツ?進化の奇跡はオメデトウですが、能力の上昇だけで勝てるほどこのメリッサ、甘くありまセーン!」
「ブビィ、日本晴れ!」
「日本晴れで炎技を強くしようという考えデスカ・・・OH!?」
日本晴れをしたのはそれだけじゃない。ゲンガーを誘いだす為だ。ずっと隠れていた、ブビィの陰から地上へ誘い出すために!
「やはりあの時ゲンガーもサイコキネシスを使ってマネネのサイコキネシスを打ち破り、ムウマージの怪しい光で姿が見えない内にブビィの陰へ入り込んだんだな」
そして今そのゲンガーは、ブビィの体温約600度もする熱さだけでなく日本晴れによる地獄のような暑さを味わっている。ゲンガーは冷たくてジメジメした物陰を住処とするポケモン、当然その暑さには耐えられないだろう。
「ガガッ!?」ゲンガーはたまらず陰から出てくる。そして猛スピードでムウマージの方に戻ろうとするが、いきなり何かにぶつかったように怯む。
「これは、壁・・・?」メリッサが驚きの表情を見せる。
「そう、これはバリヤードが空気を固めて作った、見えない壁ですよ」
「ムウマージ、援護して・・くっ!」ムウマージはブビィの煙幕を受け周りが見えなくて、身動きが取れないでいる。
「サイコキネシス!」バリヤードのサイコキネシスでゲンガーを吹き飛ばし、ゲンガーは戦闘不能。後はムウマージだけだ。
ムウマージも何とか煙幕を脱出し、こちらに向かってくる。まだその目は諦めていない。
「ムウマージ、シャドーボール!」メリッサは鬼気迫る勢いで叫ぶ。
「バリヤードはまねっこ、ブビィは炎のパンチで決めてやれ!」
ここからまだ激闘が繰り広げられると思ったが、2対1は流石にジムリーダーといえど厳しいものだったのだろう。バリヤードとムウマージのシャドーボールがぶつかり合い両者一歩も引かないが、その隙にブビィの炎のパンチを喰らわせムウマージは怯み、バリヤードのシャドーボールがムウマージを吹っ飛ばし戦闘不能にするという、最後はあっけない勝利だった。
「ここで終了!準決勝第2試合、どちらも最高にナイスファイトでした!意外な2人が勝ち進みこれは決勝が楽しみになってきましたね、会場の皆さん!」
決勝の前に控室で休んでいると、メリッサが話しかけてくる。
「ボーイ、約束のレリックバッジデース。このタイミングで渡すのもなんですが、準決勝で見せたあの戦いなら優勝できると思いマース!」
「ありがとうございます。俺、頑張ります!」そう言い、ステージに向かう。
(バリヤードに進化したしジムバッジも獲得、完全に流れ来てるよな、これ!)
しかし次の決勝戦、俺は相手のポケモンに何一つダメージを与えることなく惨敗したのだった。
(手持ちポケモン バリヤードLv.30 ブビィLv.29 エレキッドLv.26)
二次審査は、ダブルバトル形式のポケモンバトルをする。1次審査を勝ち抜いた4名で決勝トーナメントを行い、二連戦を勝ち抜いたものが優勝だ。
しかし、そんな決勝トーナメントで思わぬアクシデントが起きた。
決勝トーナメントの初戦となる準決勝、対戦相手はなんといきなりメリッサだった。
「ボーイ!初戦で戦えるのはラッキーでしたネ!決勝まで、ボーイじゃ勝ち残れないかもしれませんから」
「メリッサさんこそ決勝まで勝ち残れないで、俺がただコンテスト優勝しただけみたいにならなくて良かったですよ」
そんな会話をしている内に、どうやらもう一つの準決勝が終わったみたいだ。観客席はさっきまで盛り上がっていたのがさらにデッドヒートする。
「いやぁまさかこんな凄い参加者がいたなんて、こりゃ後ろの残された2人も凄いプレッシャーかかってるんじゃないでしょうか?じゃあ続きまして準決勝第2試合、皆さま大変長らくお待たせしました、戦うのはこの方々達です!」
僕とメリッサがさっき1次審査をしたコンテストステージに上がる。ここで始まる、僕とメリッサのジムバッジを賭けた本気のバトルが。
「行くぞマネネ、ブビィ!」
「ゲンガー、ムウマージ、レディゴー!」
「マネネ、サイコキネシスをゲンガーに!ブビィは火の粉でゲンガー達を寄せ付けないようにしろ!」
「ふぅ・・・、それではパワーが足りないですネ。ムウマージ、怪しい光!」
ムウマージの怪しい光で眩しくなり、全く目が見えない。やっと周りが見えるようになったと思ったその時、ステージ上にはマネネとブビィ、相手のムウマージしかいない。ゲンガーはどこに?
「くそっ、ブビィはマネネの方に寄って、マネネはバリアーで2人を守れ!」
マネネはバリアーをしてムウマージの方を窺いながら、ブビィと共に周りを見渡す。だがステージ全体が見えるトレーナーの俺ですら、全くゲンガーがどこにいるか分からない。
「これは我々にチャンスをプレゼントしたという事デスカ、シャドーパンチ!」
すると突然マネネは吹っ飛ばされ、バリアーが消える。
「ムウマージのシャドーボールでフィニッシュ!」
シャドーボールで大きな煙が巻き起こり、マネネ達は吹っ飛ばされる。これはさすがに耐えられない。
もう駄目だと思われたその時、ステージ上に立っているマネネ達を見てトレーナーの自分自身正直驚いた。恐らくマネネが傷付きながらも自分で身代わりを出して、それでシャドーボールから身を守ったのだろう。身代わりならバリアーより早く出せると分かって。
「まさか身代わりに助けられるとは、予想外デース!デモ、それがいつまで続くデショウ?」
メリッサの言う通りだ。でも、マネネが俺の指示なしに自分で考えて技を繰り出したことの成長に対して、今はその嬉しさだけが胸に強く響いてくる。
「マネネ、やっぱお前と旅に出て本当に良かったよ。期待以上を魅せてくれる」
僕がそう言い、マネネはこちらを見てニッコリ笑う。すると突然マネネの体が光りだして、コンテスト会場の全員が不思議にそれを見つめ続ける。そして光が消えた瞬間、マネネはバリヤードに進化したのだった!
「マネネ・・・?嫌、バリヤード!進化したのか!」
「バリ、バリリッ!」バリヤードはマネネの時よりさらに大きな笑顔を見せてくる。
「よし、行くぞお前達!さっきの攻撃で全て見極めた」
「ワッツ?進化の奇跡はオメデトウですが、能力の上昇だけで勝てるほどこのメリッサ、甘くありまセーン!」
「ブビィ、日本晴れ!」
「日本晴れで炎技を強くしようという考えデスカ・・・OH!?」
日本晴れをしたのはそれだけじゃない。ゲンガーを誘いだす為だ。ずっと隠れていた、ブビィの陰から地上へ誘い出すために!
「やはりあの時ゲンガーもサイコキネシスを使ってマネネのサイコキネシスを打ち破り、ムウマージの怪しい光で姿が見えない内にブビィの陰へ入り込んだんだな」
そして今そのゲンガーは、ブビィの体温約600度もする熱さだけでなく日本晴れによる地獄のような暑さを味わっている。ゲンガーは冷たくてジメジメした物陰を住処とするポケモン、当然その暑さには耐えられないだろう。
「ガガッ!?」ゲンガーはたまらず陰から出てくる。そして猛スピードでムウマージの方に戻ろうとするが、いきなり何かにぶつかったように怯む。
「これは、壁・・・?」メリッサが驚きの表情を見せる。
「そう、これはバリヤードが空気を固めて作った、見えない壁ですよ」
「ムウマージ、援護して・・くっ!」ムウマージはブビィの煙幕を受け周りが見えなくて、身動きが取れないでいる。
「サイコキネシス!」バリヤードのサイコキネシスでゲンガーを吹き飛ばし、ゲンガーは戦闘不能。後はムウマージだけだ。
ムウマージも何とか煙幕を脱出し、こちらに向かってくる。まだその目は諦めていない。
「ムウマージ、シャドーボール!」メリッサは鬼気迫る勢いで叫ぶ。
「バリヤードはまねっこ、ブビィは炎のパンチで決めてやれ!」
ここからまだ激闘が繰り広げられると思ったが、2対1は流石にジムリーダーといえど厳しいものだったのだろう。バリヤードとムウマージのシャドーボールがぶつかり合い両者一歩も引かないが、その隙にブビィの炎のパンチを喰らわせムウマージは怯み、バリヤードのシャドーボールがムウマージを吹っ飛ばし戦闘不能にするという、最後はあっけない勝利だった。
「ここで終了!準決勝第2試合、どちらも最高にナイスファイトでした!意外な2人が勝ち進みこれは決勝が楽しみになってきましたね、会場の皆さん!」
決勝の前に控室で休んでいると、メリッサが話しかけてくる。
「ボーイ、約束のレリックバッジデース。このタイミングで渡すのもなんですが、準決勝で見せたあの戦いなら優勝できると思いマース!」
「ありがとうございます。俺、頑張ります!」そう言い、ステージに向かう。
(バリヤードに進化したしジムバッジも獲得、完全に流れ来てるよな、これ!)
しかし次の決勝戦、俺は相手のポケモンに何一つダメージを与えることなく惨敗したのだった。
(手持ちポケモン バリヤードLv.30 ブビィLv.29 エレキッドLv.26)
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