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私はその翌日から全ての仕事を一人でこなすことにした。
風見「矢神さん、この件ですが…」
「あぁ、それは私がやるから風見くんはこっちをやってもらえる?」
風見「え?これを一人でですか?無茶ですよ!こんな膨大な情報量から…」
「大丈夫。こっち、お願いね。終わったら今日はもうあがっていいよ。じゃあ私は現場に行って来ます。」
風見「あ、ちょっと…矢神さんっ…!」
私は風見くんの言葉を無視して一人で現場検証に向かった。
組織でも私は単独行動を希望した。
ベルモットには散々心配されたけど、ジンにはスコッチの件で他にもノックがいるかもしれないから信じられないと言うと流石だと余計に気に入られた。
私が零くんに言っていないのはこのことだけではない。
そもそも私はジンより立場は上で、ラムと並ぶ、いや、それ以上の立場。
暗殺こそしないが、単独行動を希望してからはハニートラップもするようになった。
だからこそ自分自身、自分が最低に思えて空との時間も減っていった。
ほとんどFBIや空が仲良くなったと言う江戸川コナン、もとい工藤新一の居候先の探偵事務所。そして灰原哀もといシェリーの住む阿笠博士という老人の家に預かってもらうことが多くなった。
空の養育費だけでなく、預かってもらうお礼の品々、空の習い事代、私の給料は全てそれらに消えていっていた。
それでも組織と公安の掛け持ちの給料でなんとか賄えているがここで自分が休んでしまうといつお金が底を尽きるか不安で働かざるを得ない状況にあるのがまだ自分を奮い立たせる理由ができてある意味いいかもしれない。
一つ問題があるとすれば空が不満そうにしていることだった。
そんなある日、問題ごとは増えてしまうもので。
空「ねーちゃん!」
空が公安に訪ねて来てしまった。
「空っ?!…どうしてここに?…何かあったの?」
空「ねーちゃんのこと迎えに来たんや!」
「え…?」
空「ねーちゃん全然帰ってこーへんし!帰ろ!」
「空、おねえちゃんまだお仕事があって…」
空「嘘やろ!ねーちゃんここ最近仕事しかしてへんのに仕事残ってるわけないやろ!…なんで俺のこと避けるん?俺のこと邪魔なってもーたん?」
「空、違うの…」
空「いややー!ねーちゃんと一緒におりたいのに!!何でやのん?なぁ、帰ろーやー!」
そう言って泣き出してした空にただただ私は焦っていた。
「空、皆お仕事してるの。送ってあげるから博士のところに戻って…」
空「いややー!」
泣きわめく空に私はどうしていいかわからず、珍しくあたふたしてしまった。
「空、帰ろ?送るから…」
空「いややいやや!ねーちゃんもずっと一緒におってくれないややー!」
寂しい思いを我慢させていたという罪悪感で押しつぶされそうになった。
「空、ごめん、ごめんね?…もうちょっと、我慢してくれないかな…おねえちゃんも仕事が落ち着いたら…」
空「ねーちゃんのアホ!!仕事仕事仕事って!!ほんまは俺が邪魔なんやろ?!」
「ちがうの、空っ…おねえちゃんは…」
空「もうええ!ねーちゃんなんか大嫌いや!!俺もうにいちゃんのとこおる!!」
「まってっ…!!空っ…!!」
私は上司にすぐ戻ると頭を下げて駆け出した空を追いかけた。
「空っ…!まって…!」
空「にーちゃん!!」ぎゅっ
空を追いかけて外へ出るとそこには車にもたれてタバコを吸う赤井さんがいた。
「あ、赤井さんっ…」
赤井「事情はわかっている。暫くこちらで預ろう。以前に伝えた計画があるから暫くはFBIで空を預かるさ。」
「あの…すみません…」
赤井「空も時期に落ち着くだろう。」
空「いややいやや!もうねーちゃんなんか大嫌いや!顔も見たないねん!あっちいけ!!」
空はそう言うと車の中にはいっていった。
「すみません…いつも迷惑ばかり…」
赤井「それはこっちのセリフさ。本来ならばこちらで保護するべき空を預かってもらっているんだからな。」
「いえ…海斗には返しきれないほどの借りがありますし…それに…。空がお年頃になるまではきちんと面倒見てあげたかったんですけど…やっぱり私、保護者失格ですね…」
ぽんっ
赤井「君はよくやっているさ。空も本当は分かっているはずだ。」
「いえ…。あの、空の生活費も学費もお稽古事のお金も私が負担しますから…。空には何でも好きなことやらせてあげてください…」
赤井「その心配は無用だ。こちらも…」
「ダメです!保護者失格ですけど…でも、一度は空を引き受けたんです、保護者として少しでもできることはさせてくださいっ。…学校行事も、仕事の都合がつくかぎり行きますし…」
赤井「わかった。ならそうしよう。…それにしても随分と疲れた顔してるな。…少しは休むべきだと思うが。」
「いえ…大丈夫ですよ…。空のこと、お願いします。」
赤井「あぁ。…また連絡する。」
「はい…」
赤井はそう言って車に乗ると空の横の窓をあけた。
空「にーちゃん!なんであけんねん!閉めてや!」
赤井「空。」
「…空、ごめんね…。」
空「ねーちゃんなんか知らんわ!」
「…空、大好きだよ…」
空「えっ…」
「じゃあ、赤井さん、よろしくお願いします。」
私は赤井さんの車を見送ると本部へと戻った。
風見「矢神さん、この件ですが…」
「あぁ、それは私がやるから風見くんはこっちをやってもらえる?」
風見「え?これを一人でですか?無茶ですよ!こんな膨大な情報量から…」
「大丈夫。こっち、お願いね。終わったら今日はもうあがっていいよ。じゃあ私は現場に行って来ます。」
風見「あ、ちょっと…矢神さんっ…!」
私は風見くんの言葉を無視して一人で現場検証に向かった。
組織でも私は単独行動を希望した。
ベルモットには散々心配されたけど、ジンにはスコッチの件で他にもノックがいるかもしれないから信じられないと言うと流石だと余計に気に入られた。
私が零くんに言っていないのはこのことだけではない。
そもそも私はジンより立場は上で、ラムと並ぶ、いや、それ以上の立場。
暗殺こそしないが、単独行動を希望してからはハニートラップもするようになった。
だからこそ自分自身、自分が最低に思えて空との時間も減っていった。
ほとんどFBIや空が仲良くなったと言う江戸川コナン、もとい工藤新一の居候先の探偵事務所。そして灰原哀もといシェリーの住む阿笠博士という老人の家に預かってもらうことが多くなった。
空の養育費だけでなく、預かってもらうお礼の品々、空の習い事代、私の給料は全てそれらに消えていっていた。
それでも組織と公安の掛け持ちの給料でなんとか賄えているがここで自分が休んでしまうといつお金が底を尽きるか不安で働かざるを得ない状況にあるのがまだ自分を奮い立たせる理由ができてある意味いいかもしれない。
一つ問題があるとすれば空が不満そうにしていることだった。
そんなある日、問題ごとは増えてしまうもので。
空「ねーちゃん!」
空が公安に訪ねて来てしまった。
「空っ?!…どうしてここに?…何かあったの?」
空「ねーちゃんのこと迎えに来たんや!」
「え…?」
空「ねーちゃん全然帰ってこーへんし!帰ろ!」
「空、おねえちゃんまだお仕事があって…」
空「嘘やろ!ねーちゃんここ最近仕事しかしてへんのに仕事残ってるわけないやろ!…なんで俺のこと避けるん?俺のこと邪魔なってもーたん?」
「空、違うの…」
空「いややー!ねーちゃんと一緒におりたいのに!!何でやのん?なぁ、帰ろーやー!」
そう言って泣き出してした空にただただ私は焦っていた。
「空、皆お仕事してるの。送ってあげるから博士のところに戻って…」
空「いややー!」
泣きわめく空に私はどうしていいかわからず、珍しくあたふたしてしまった。
「空、帰ろ?送るから…」
空「いややいやや!ねーちゃんもずっと一緒におってくれないややー!」
寂しい思いを我慢させていたという罪悪感で押しつぶされそうになった。
「空、ごめん、ごめんね?…もうちょっと、我慢してくれないかな…おねえちゃんも仕事が落ち着いたら…」
空「ねーちゃんのアホ!!仕事仕事仕事って!!ほんまは俺が邪魔なんやろ?!」
「ちがうの、空っ…おねえちゃんは…」
空「もうええ!ねーちゃんなんか大嫌いや!!俺もうにいちゃんのとこおる!!」
「まってっ…!!空っ…!!」
私は上司にすぐ戻ると頭を下げて駆け出した空を追いかけた。
「空っ…!まって…!」
空「にーちゃん!!」ぎゅっ
空を追いかけて外へ出るとそこには車にもたれてタバコを吸う赤井さんがいた。
「あ、赤井さんっ…」
赤井「事情はわかっている。暫くこちらで預ろう。以前に伝えた計画があるから暫くはFBIで空を預かるさ。」
「あの…すみません…」
赤井「空も時期に落ち着くだろう。」
空「いややいやや!もうねーちゃんなんか大嫌いや!顔も見たないねん!あっちいけ!!」
空はそう言うと車の中にはいっていった。
「すみません…いつも迷惑ばかり…」
赤井「それはこっちのセリフさ。本来ならばこちらで保護するべき空を預かってもらっているんだからな。」
「いえ…海斗には返しきれないほどの借りがありますし…それに…。空がお年頃になるまではきちんと面倒見てあげたかったんですけど…やっぱり私、保護者失格ですね…」
ぽんっ
赤井「君はよくやっているさ。空も本当は分かっているはずだ。」
「いえ…。あの、空の生活費も学費もお稽古事のお金も私が負担しますから…。空には何でも好きなことやらせてあげてください…」
赤井「その心配は無用だ。こちらも…」
「ダメです!保護者失格ですけど…でも、一度は空を引き受けたんです、保護者として少しでもできることはさせてくださいっ。…学校行事も、仕事の都合がつくかぎり行きますし…」
赤井「わかった。ならそうしよう。…それにしても随分と疲れた顔してるな。…少しは休むべきだと思うが。」
「いえ…大丈夫ですよ…。空のこと、お願いします。」
赤井「あぁ。…また連絡する。」
「はい…」
赤井はそう言って車に乗ると空の横の窓をあけた。
空「にーちゃん!なんであけんねん!閉めてや!」
赤井「空。」
「…空、ごめんね…。」
空「ねーちゃんなんか知らんわ!」
「…空、大好きだよ…」
空「えっ…」
「じゃあ、赤井さん、よろしくお願いします。」
私は赤井さんの車を見送ると本部へと戻った。
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