111
安室「…ええ、そうですね。…でも今は貴方に頼ってもいいんですよね。」
「ええ、頼られるのは構わないわ。力になれるとは限らないけど。」
安室「力になっていますよ。」
「…そう。」
安室「何か飲みますか?お酒以外で。」
「…ふふっ…そうね、お水、いただけるかしら。」
安室「ちょっと待っててくださいね。」
…ガシッ…
ゆりは立ち上がろうとした安室の手を掴んだ。
安室「ゆりさん…?」
「…ごめんなさい。何もないわ…」
ゆりはそう言ってゆっくりと手を離した。
安室「どうぞ。」
「…ありがとう。」
安室「たまにはそうやってしおらしくいてくれたらいいんですけどね。」
「…」
安室「おちつきましたか?」
「ええ。」
安室「それじゃあまた寝てくださいね。いつでも起こしてもらっていいですから。」
「…………ねぇ。」
安室「はい?」
「………ただ横で寝ててくれないかしら。」
安室「え?」
「………いえ、ごめんなさい。何でもない。今のは忘れて。」『ダメだ、また甘えてる…』
安室「いいですよ。」
「え…」
安室「ただ、あまりこういうお願いは男性にはしないでください。危ないですから。」
「え…まさかバーボンって女なの?」
安室「…;そうじゃなくて………;」
「びっくりした。」
安室「さ、寝ますよ。」『全く、鈍感な人だ。』
「うん。…おやすみ。………ごめんね。」
そう言ってゆりはゆっくりよこになると眠りについた。
安室『寝顔だけは子供っぽいのにな………一体何を抱えてこんな…』
安室は顔色の悪いまま横で眠るゆりを見つめた。
それからまた1時間も経たないうちにゆりは起きるというサイクルを繰り返していて、段々とそれも酷くなっていた。
「…ハァッハァッ…」
安室「落ち着いて、ゆっくり呼吸してください…」
「…ハァッ……ハァッ……」
安室「明日病院に行きましょう。」
「…いらないわ。…ごめん、ゆっくり寝れないわよね…。私あっちで寝…」
そう言いながらベッドを出ようとしたゆりはそのまま床に座り込んでしまった。
安室「ゆ「さん?!」
「……ハァッ………っく…ぅっ…」
また襲ってくる頭痛にゆりはまたその場で蹲ってしまった。
「………っ…大…丈夫………」
安室「何が大丈夫なんですか。…夜間の病院でも…」
「いいっ……………」『病院なんか行けば入院でもさせられかねない…』
そう考えつつも熱と頭痛のせいで意識は朦朧としつつあった。
「ごめ…っ………」
ゆりはただただ安室に謝っていた。
安室『こんな弱々しい姿、初めてだ…』
「……ちょっと……手、か…して…」
安室「あ、はいっ…」
「吐きそ…」
安室はそっとゆりをトイレまで運んだ。
安室「大丈夫ですか…」
その声とほぼ同時くらいにゆりはトイレにまた大量の血を吐いた。
安室「…」
安室はそれをただただとまるまで背中をさすることしかできなかった。
「ごめん…見苦しいものを…」
安室「そんなこと気にしてる場合じゃなくて…自分の体の心配をしてください!」
「…慣れてるから…」
安室「え…」
「よくあることよ…」
安室「いつから…」
「…忘れた。……はぁ…ほんと、役に立たない体…」
安室「ゆりさん…」
「………でも貴方が居てくれてよかったわ………熱のせいで、1人で動けないし…それに……1人だとこんな悪夢………耐えられなかったかも…なーんて…」
安室「ゆりさん…」
「……悪いけど、薬、持ってきてもらえる…?」
安室「はい…ちょっと待っててくださいね。」
安室は一度リビングへ戻るとゆりの鞄から薬を出してトイレに戻ってきた。
が、そこにはぐったりと顔を真っ青にして倒れているゆりがいた。
安室「ゆりさん?!」
ゆりはうっすらと目を開けて力なく微笑みありがとうと言って再び目を閉じた。
安室「ゆりさん!!」
名前を呼び続けて10分ほどするとゆりはようやく意識を取り戻した。
「ごめん…寝てた、かも…」
ゆりはそのままゆっくりと安室の方へ倒れこんだ。
「ごめん、肩、かして…」
そう息も絶え絶えに言ったゆりを安室はおもわず抱きしめた。
「…なんか、…落ち着く…」
安室『あぁ、この人は一人に疲れたんだ。』
安室はそう確信した。
「そこでそうしてどれほどの時間が経っただろうか。
「ありがと、だいぶ気分良くなった。」
安室「よかったです」
「よ、いしょっ…」
ゆりは壁伝いにゆっくり立ち上がるとそのままゆっくりとリビングへと歩き始めた。
安室は何も言わずに肩を貸して歩いた。そこから感じるゆりの体温は高くて。
「老人の、介護、みたいね」
ゆりはクスッと笑った。
安室「若いですが病人なのでね。」
「ふふっ…」
ゆっくり歩いてゆりはするっとベッドに倒れ込むと少しの距離しか歩いてないが既に息切れしている様子からしてだいぶ辛いということは、容易にわかった。
安室はそんなゆりに布団を掛けるとゆっくり寝てくださいねとそこを離れようとした。
が、ゆりがまたもや腕を掴んできたので足を止めた。
安室「どこか辛いですか?」
心配そうに顔を覗き込む安室にゆりはしんどさからか潤んだ瞳を向けた。
「ええ、頼られるのは構わないわ。力になれるとは限らないけど。」
安室「力になっていますよ。」
「…そう。」
安室「何か飲みますか?お酒以外で。」
「…ふふっ…そうね、お水、いただけるかしら。」
安室「ちょっと待っててくださいね。」
…ガシッ…
ゆりは立ち上がろうとした安室の手を掴んだ。
安室「ゆりさん…?」
「…ごめんなさい。何もないわ…」
ゆりはそう言ってゆっくりと手を離した。
安室「どうぞ。」
「…ありがとう。」
安室「たまにはそうやってしおらしくいてくれたらいいんですけどね。」
「…」
安室「おちつきましたか?」
「ええ。」
安室「それじゃあまた寝てくださいね。いつでも起こしてもらっていいですから。」
「…………ねぇ。」
安室「はい?」
「………ただ横で寝ててくれないかしら。」
安室「え?」
「………いえ、ごめんなさい。何でもない。今のは忘れて。」『ダメだ、また甘えてる…』
安室「いいですよ。」
「え…」
安室「ただ、あまりこういうお願いは男性にはしないでください。危ないですから。」
「え…まさかバーボンって女なの?」
安室「…;そうじゃなくて………;」
「びっくりした。」
安室「さ、寝ますよ。」『全く、鈍感な人だ。』
「うん。…おやすみ。………ごめんね。」
そう言ってゆりはゆっくりよこになると眠りについた。
安室『寝顔だけは子供っぽいのにな………一体何を抱えてこんな…』
安室は顔色の悪いまま横で眠るゆりを見つめた。
それからまた1時間も経たないうちにゆりは起きるというサイクルを繰り返していて、段々とそれも酷くなっていた。
「…ハァッハァッ…」
安室「落ち着いて、ゆっくり呼吸してください…」
「…ハァッ……ハァッ……」
安室「明日病院に行きましょう。」
「…いらないわ。…ごめん、ゆっくり寝れないわよね…。私あっちで寝…」
そう言いながらベッドを出ようとしたゆりはそのまま床に座り込んでしまった。
安室「ゆ「さん?!」
「……ハァッ………っく…ぅっ…」
また襲ってくる頭痛にゆりはまたその場で蹲ってしまった。
「………っ…大…丈夫………」
安室「何が大丈夫なんですか。…夜間の病院でも…」
「いいっ……………」『病院なんか行けば入院でもさせられかねない…』
そう考えつつも熱と頭痛のせいで意識は朦朧としつつあった。
「ごめ…っ………」
ゆりはただただ安室に謝っていた。
安室『こんな弱々しい姿、初めてだ…』
「……ちょっと……手、か…して…」
安室「あ、はいっ…」
「吐きそ…」
安室はそっとゆりをトイレまで運んだ。
安室「大丈夫ですか…」
その声とほぼ同時くらいにゆりはトイレにまた大量の血を吐いた。
安室「…」
安室はそれをただただとまるまで背中をさすることしかできなかった。
「ごめん…見苦しいものを…」
安室「そんなこと気にしてる場合じゃなくて…自分の体の心配をしてください!」
「…慣れてるから…」
安室「え…」
「よくあることよ…」
安室「いつから…」
「…忘れた。……はぁ…ほんと、役に立たない体…」
安室「ゆりさん…」
「………でも貴方が居てくれてよかったわ………熱のせいで、1人で動けないし…それに……1人だとこんな悪夢………耐えられなかったかも…なーんて…」
安室「ゆりさん…」
「……悪いけど、薬、持ってきてもらえる…?」
安室「はい…ちょっと待っててくださいね。」
安室は一度リビングへ戻るとゆりの鞄から薬を出してトイレに戻ってきた。
が、そこにはぐったりと顔を真っ青にして倒れているゆりがいた。
安室「ゆりさん?!」
ゆりはうっすらと目を開けて力なく微笑みありがとうと言って再び目を閉じた。
安室「ゆりさん!!」
名前を呼び続けて10分ほどするとゆりはようやく意識を取り戻した。
「ごめん…寝てた、かも…」
ゆりはそのままゆっくりと安室の方へ倒れこんだ。
「ごめん、肩、かして…」
そう息も絶え絶えに言ったゆりを安室はおもわず抱きしめた。
「…なんか、…落ち着く…」
安室『あぁ、この人は一人に疲れたんだ。』
安室はそう確信した。
「そこでそうしてどれほどの時間が経っただろうか。
「ありがと、だいぶ気分良くなった。」
安室「よかったです」
「よ、いしょっ…」
ゆりは壁伝いにゆっくり立ち上がるとそのままゆっくりとリビングへと歩き始めた。
安室は何も言わずに肩を貸して歩いた。そこから感じるゆりの体温は高くて。
「老人の、介護、みたいね」
ゆりはクスッと笑った。
安室「若いですが病人なのでね。」
「ふふっ…」
ゆっくり歩いてゆりはするっとベッドに倒れ込むと少しの距離しか歩いてないが既に息切れしている様子からしてだいぶ辛いということは、容易にわかった。
安室はそんなゆりに布団を掛けるとゆっくり寝てくださいねとそこを離れようとした。
が、ゆりがまたもや腕を掴んできたので足を止めた。
安室「どこか辛いですか?」
心配そうに顔を覗き込む安室にゆりはしんどさからか潤んだ瞳を向けた。
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