愛眼
「なぁ?アンタさ。イベントとか盛り上がるタイプ?」
さりげなく、彼女の好きなものを探るのもアリだけど、今回は話題のひとつとして、彼女の気持ちを聞き出そうと思う。最近長いお友だち状態からようや脱却して付き合い出した彼女は、めっちゃイジワルな困ったちゃんな癖に時々目が離せなくなるほど、どうしようもないほどたまんなくなる人だ。もちろん、仲良く友だち期間中もいろんな場所に遊びにいったけど、そういや仮装とかそんなんしてなかった気がする。興味がないのか、趣味じゃないのか、それとも本当にただ都合が合わなかっただけなのか……。
ハッキリいって厳密に言えば、文化祭でやった学園演劇とか?あれもまぁ、場合によっちゃぁコスプレ的な側面もある?いやまぁ、あれはデートじゃねぇし。
「……イベント?」
それにしても、話しかけてからの返事とは思えないほどの間のあきかただ。どうやら心ここにあらずのような彼女と今日はしっとり大人な秋の公園デートを楽しんでいる真っ最中。の、ハズだ。そして、……今彼女は無邪気に紅葉狩りに夢中だ。毎回季節イベントには積極的に参加している彼女は人工的なイベントよりもこちらの方が好きなのだろうか?それにしても。
「あー…。……アンタ、ハンターの目してんじゃん。んで?いいのあった?」
彼女が紅葉狩りを楽しんでいる合間、こっちはチラチラ見える胸の谷間を本能的に堪能しつつ、木葉の匂いや音で癒されている。紅葉狩りにやけに真剣な彼女の様子を眺めているのが、楽しいことに変わりはない。
「ふふふ。ニーナ、みてみてコレいいでしょ?キラキラして可愛くない?」
彼女が嬉々として見せてきた葉っぱは、赤や緑、黄色の色合いが1枚のはっはのなかにグラデーションになってとけあっている。
「へぇー……。キレイな色合いだね」
昔は、押し花なんてしている同級生を少女趣味だとばかにしてたけど。オレと出掛けた先で見つけた花や葉を使って栞を作っている彼女の姿は抱きしめたくなるほど、愛しい。
「ってかさ。アンタ、オレの話聞いてた?」
すっかりオレの存在を忘れて紅葉狩りに夢中になっている彼女の後ろ頭を眺めていると、ついついイタズラを仕掛けたくなってしまう。
「ふふふ。楽しいよー」
「聞いてねーし。なぁ。ちょっとは、オレのこと構ってよ」
抱きしめようとかがんで、てを伸ばした瞬間、素晴らしい速度と間合いでチョップが飛んできた。
「あだっ。アンタなにすんの」
「ニーナ。私の後ろをとろうなんて100年早い」
あーぁ、ヤダヤダこの人。可愛い顔が台無し。完璧、ふざけてる顔なんですけど?ちょっとくらい、恋人らしくイチャイチャしたってバチあたんないでしょ?
「……。なぁ?いつまで……」
ずっと、紅葉狩りに夢中な彼女の背中を眺めながら、寂しくていつまでおあずけなのか聞こうとしたときだった。空から、ドサドサドサーっと大量の木葉が降ってきた。
「ニーナ。ほーら、ね?寂しくない」
オレの隣にたくさんの木葉をかぶったドクロクマが残念なオレを仰ぎ見るように、隣に置かれていた。
「ぷはっ。ちょっと、アンタの変わりにお人形遊びして待ってろっていってんの?ヒッデー」
そんなに紅葉狩りに夢中になるものなんだろうか?ちぇっ。
「そそっ。いいでしょ?でも、……そっかぁ。もうすぐだねぇ?ハロウィン」
さっきまでの話を聞いてないようで、どうやら話は聞いていたらしい。彼女は楽しそうにニヤニヤしながらこちらの出方をうかがっている。
「そそ。今度さ、羽ばたきランドでハロウィン限定イベがあってね……」
アンタの可愛いコスプレ姿がみたいなんて、言えない。はぁ……でも。きっと……絶対可愛いだろうな。
「あぁ。羽ばたきランド?そういえば、毎年あるよねぇハロウィンコス。なんか、毎回イベント時期に予定が合わなくて行けなかったっけ?」
彼女は可愛い眉をハの字に曲げ、フムムとなにやら考え込んでいるような仕草をみせた。
「じゃあさ。次のデートは羽ばたきランド、ね」
晴れやかな満面の笑みで言われて、不覚にもドキッとした。もう、なんて無邪気に笑うんだろう。普段はとってもイジメっこな彼女の見せる不意打ちの可愛らしい姿に目が離せない。
「……」
もう。心臓バクバクいってんの!ヤバイから。
「……ニーナ?」
心臓の音にパニクって、言葉につまってしまう。なんだか、うまく言葉にできないオレを心配してか彼女がぐっと顔を近づける。よこしまなオレは……あぁ、めっちゃ可愛い唇に釘付けだ。もう、キスしてぇなぁって、ボンヤリ考えていたらいきなり鼻をつままれた。
「…ってアダっ。ちょっアンタ、マジなにすんの?!」
「ったく。ニーナのくせにボンヤリするなんてけしからん!」
わざとらしくふざけて頬を膨らませる彼女が、勢いよく背中を叩く。
「シャキッとしろ!次の予定は羽ばたきランドに決定」
かっかかと豪快に笑うその顔は、さすが嵐さんにマネージャーにスカウトされたことがある人だなと思った。マジパネェ。
ホント、彼女には敵わない。
「……ウッス!」
「完」
さりげなく、彼女の好きなものを探るのもアリだけど、今回は話題のひとつとして、彼女の気持ちを聞き出そうと思う。最近長いお友だち状態からようや脱却して付き合い出した彼女は、めっちゃイジワルな困ったちゃんな癖に時々目が離せなくなるほど、どうしようもないほどたまんなくなる人だ。もちろん、仲良く友だち期間中もいろんな場所に遊びにいったけど、そういや仮装とかそんなんしてなかった気がする。興味がないのか、趣味じゃないのか、それとも本当にただ都合が合わなかっただけなのか……。
ハッキリいって厳密に言えば、文化祭でやった学園演劇とか?あれもまぁ、場合によっちゃぁコスプレ的な側面もある?いやまぁ、あれはデートじゃねぇし。
「……イベント?」
それにしても、話しかけてからの返事とは思えないほどの間のあきかただ。どうやら心ここにあらずのような彼女と今日はしっとり大人な秋の公園デートを楽しんでいる真っ最中。の、ハズだ。そして、……今彼女は無邪気に紅葉狩りに夢中だ。毎回季節イベントには積極的に参加している彼女は人工的なイベントよりもこちらの方が好きなのだろうか?それにしても。
「あー…。……アンタ、ハンターの目してんじゃん。んで?いいのあった?」
彼女が紅葉狩りを楽しんでいる合間、こっちはチラチラ見える胸の谷間を本能的に堪能しつつ、木葉の匂いや音で癒されている。紅葉狩りにやけに真剣な彼女の様子を眺めているのが、楽しいことに変わりはない。
「ふふふ。ニーナ、みてみてコレいいでしょ?キラキラして可愛くない?」
彼女が嬉々として見せてきた葉っぱは、赤や緑、黄色の色合いが1枚のはっはのなかにグラデーションになってとけあっている。
「へぇー……。キレイな色合いだね」
昔は、押し花なんてしている同級生を少女趣味だとばかにしてたけど。オレと出掛けた先で見つけた花や葉を使って栞を作っている彼女の姿は抱きしめたくなるほど、愛しい。
「ってかさ。アンタ、オレの話聞いてた?」
すっかりオレの存在を忘れて紅葉狩りに夢中になっている彼女の後ろ頭を眺めていると、ついついイタズラを仕掛けたくなってしまう。
「ふふふ。楽しいよー」
「聞いてねーし。なぁ。ちょっとは、オレのこと構ってよ」
抱きしめようとかがんで、てを伸ばした瞬間、素晴らしい速度と間合いでチョップが飛んできた。
「あだっ。アンタなにすんの」
「ニーナ。私の後ろをとろうなんて100年早い」
あーぁ、ヤダヤダこの人。可愛い顔が台無し。完璧、ふざけてる顔なんですけど?ちょっとくらい、恋人らしくイチャイチャしたってバチあたんないでしょ?
「……。なぁ?いつまで……」
ずっと、紅葉狩りに夢中な彼女の背中を眺めながら、寂しくていつまでおあずけなのか聞こうとしたときだった。空から、ドサドサドサーっと大量の木葉が降ってきた。
「ニーナ。ほーら、ね?寂しくない」
オレの隣にたくさんの木葉をかぶったドクロクマが残念なオレを仰ぎ見るように、隣に置かれていた。
「ぷはっ。ちょっと、アンタの変わりにお人形遊びして待ってろっていってんの?ヒッデー」
そんなに紅葉狩りに夢中になるものなんだろうか?ちぇっ。
「そそっ。いいでしょ?でも、……そっかぁ。もうすぐだねぇ?ハロウィン」
さっきまでの話を聞いてないようで、どうやら話は聞いていたらしい。彼女は楽しそうにニヤニヤしながらこちらの出方をうかがっている。
「そそ。今度さ、羽ばたきランドでハロウィン限定イベがあってね……」
アンタの可愛いコスプレ姿がみたいなんて、言えない。はぁ……でも。きっと……絶対可愛いだろうな。
「あぁ。羽ばたきランド?そういえば、毎年あるよねぇハロウィンコス。なんか、毎回イベント時期に予定が合わなくて行けなかったっけ?」
彼女は可愛い眉をハの字に曲げ、フムムとなにやら考え込んでいるような仕草をみせた。
「じゃあさ。次のデートは羽ばたきランド、ね」
晴れやかな満面の笑みで言われて、不覚にもドキッとした。もう、なんて無邪気に笑うんだろう。普段はとってもイジメっこな彼女の見せる不意打ちの可愛らしい姿に目が離せない。
「……」
もう。心臓バクバクいってんの!ヤバイから。
「……ニーナ?」
心臓の音にパニクって、言葉につまってしまう。なんだか、うまく言葉にできないオレを心配してか彼女がぐっと顔を近づける。よこしまなオレは……あぁ、めっちゃ可愛い唇に釘付けだ。もう、キスしてぇなぁって、ボンヤリ考えていたらいきなり鼻をつままれた。
「…ってアダっ。ちょっアンタ、マジなにすんの?!」
「ったく。ニーナのくせにボンヤリするなんてけしからん!」
わざとらしくふざけて頬を膨らませる彼女が、勢いよく背中を叩く。
「シャキッとしろ!次の予定は羽ばたきランドに決定」
かっかかと豪快に笑うその顔は、さすが嵐さんにマネージャーにスカウトされたことがある人だなと思った。マジパネェ。
ホント、彼女には敵わない。
「……ウッス!」
「完」
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