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pipipi…
風見「降谷さん!!」
降谷「いま処置が終わったところだ。命に別状はない。後遺症もないそうだ。」
風見「そうですか!……よかった…!!本当に…よかった…!」
風見の反応を見て美弥妃が無事だとわかったのか電話越しに部下達が「矢神さん…よかった…!よかった…!!!」と声を上げているのがわかった。
降谷「今から俺もそっちに戻る。」
風見「いえ、もう仕事はないのでこのまま帰宅して頂いて大丈夫ですよ!」
降谷「そんなはずはないだろう。あれだけの事があったんだぞ。報告書が山ほど…」
風見「矢神さんの事が心配で全員早く病院に向かうために急ピッチで終わらせたんです」
降谷「そうか…かざ…」
降谷が風見と呼ぼうとした時だった。不意にスマホが奪われた。
降谷「え」
「風見さん?!風見さんですよね?!」
風見「え?!矢神さん?!」
「皆さん無事ですか?!怪我人とか出てませんか?!私としたことが自分のことで精一杯でみなさんの安否確認を怠って…!!すみません!!無事ですか?!」
先程まで寝ていた彼女が壁に手をつきながら降谷のスマホを片手に血相を変えて部下の安否を確認していた。
風見「こちらは矢神さん以外全員無事です!!それよりもご自分の心配を…!!」
降谷「悪い風見、あとで掛け直す。」
…pi…
風見が何かを言いかけていたであろうが降谷は御構い無しに美弥妃の手からスマホを奪い返すと掛け直すと伝えて電話を切った。
降谷「まだ安静です!!何考えているんですか!!」
「いや、だって部下の安否を…」
降谷「知らない間に目を覚まして勝手に動いて!!かなり出血していたんですよ!!」
「あ、はい。それは何となく察してます…」
降谷「今すぐ病室に戻…」
降谷がそう言いかけると目の前の彼女がふらりとよろけたので降谷は慌てて支えてやった。
「あ、すみません…」
降谷「はぁ。」
降谷は彼女を軽々と抱き上げると病室まで運んだ。
降谷「全く…無理をするからですよ。今日はもう休んでください。」
「…はい」
美弥妃はそう言ったがまた体を起こそうとしたので降谷が目を光らせた。
降谷「休めと言ったのですが。」
「あ、いや喉が渇いたのでお水を取ろうとしただけですよ…」
そういうかのじょは確かにサイドテーブルのペットボトルを取ろうと手を伸ばしていた。
降谷「はぁ。そういう事くらい僕にえばいいでしょう。…どうぞ」
「すみません…ありがとうございます」
降谷が水を渡すとペットボトルを開けようとしても傷が痛むのかなかなか開けられなかった。
降谷「貸してください。」
「あ、はい。…すみません」
降谷にペットボトルを開けてもらい喉を潤した(名前)は手の届くところにそれを戻した。
降谷「あなたはもう少し周りに頼るべきです。…今日のところはゆっくり休んでください。では、お疲れ様です。」
降谷はそう言い残して帰ろうとした時だった。
「あの…」
降谷「ん?」
「ひとつだけ…ひとつだけお願いが…」
降谷「何でも言ってください。」
降谷はふっと笑うと美弥妃の元に戻った。
「手を、貸してくれませんか…」
ぎゅっと布団を握り締めながらそう言う彼女は俯きながらも真剣な顔をしていた。
降谷「何の件でしょう」
降谷もこれは何か重要な事件の事かもしれないと真剣な顔で返事をすると予想外にも彼女は「へっ?」と間抜けな声を出したあと徐々に顔を真っ赤にさせていた。
降谷「え?」
「あ、いや、違うんです、いや、違うくないんですけど…いえ、すみません、何でもないです。お疲れ様です。
突然狼狽え出した彼女は布団で顔を隠した。
そこでやっと降谷は気がついた。手を貸して欲しいは仕事を手伝ってほしいではなく、物理的に、手という物体を借りたかったのだと。
降谷「いいですよ。」
降谷はそう言いながら布団で顔を隠している彼女の手を握った。
すると一瞬ビクッと反応したものの、すぐに布団からばっと手を離すと泣きそうな顔で降谷の手を白くて小さくて細い両手で握り返した。
「あったかい…生きてる…死んでない、生きてる…よかった…」
そう呟くうちに美弥妃の目からは涙がぼろぽろと溢れ出していた。
降谷「えっ…矢神さん…?」
「絶対に、守るから…死なないでください…」
降谷「そんな簡単に死んだりしませんよ」
降谷はそう言いながらもう片方の手で美弥妃の頭を抱き寄せた。
「うん…」
敬語が外れた彼女は年相応の女の子に見えて、思わず頭をポンポンと撫でてしまった。
暫くすると降谷の腕の中から静かな寝息が聞こえきた。
安心したのだろうか。
降谷は起こさないようにゆっくりと彼女を寝かせて布団をかけてやった。
降谷「守るからって、僕は男で歳上なんだけどな。」
彼女の寝顔を見てふっと笑うと降谷は病室を後にした。
翌日、美弥妃の病室は部下で溢れていた。
部下一同「「「「「勝手な行動をとってすみませんでした!!!」」」」」
病室に集まった部下たちは一斉に頭を下げた。
その様子を鬼のように睨む降谷と降谷の形相に冷や汗タラタラの風見。
風見「降谷さん!!」
降谷「いま処置が終わったところだ。命に別状はない。後遺症もないそうだ。」
風見「そうですか!……よかった…!!本当に…よかった…!」
風見の反応を見て美弥妃が無事だとわかったのか電話越しに部下達が「矢神さん…よかった…!よかった…!!!」と声を上げているのがわかった。
降谷「今から俺もそっちに戻る。」
風見「いえ、もう仕事はないのでこのまま帰宅して頂いて大丈夫ですよ!」
降谷「そんなはずはないだろう。あれだけの事があったんだぞ。報告書が山ほど…」
風見「矢神さんの事が心配で全員早く病院に向かうために急ピッチで終わらせたんです」
降谷「そうか…かざ…」
降谷が風見と呼ぼうとした時だった。不意にスマホが奪われた。
降谷「え」
「風見さん?!風見さんですよね?!」
風見「え?!矢神さん?!」
「皆さん無事ですか?!怪我人とか出てませんか?!私としたことが自分のことで精一杯でみなさんの安否確認を怠って…!!すみません!!無事ですか?!」
先程まで寝ていた彼女が壁に手をつきながら降谷のスマホを片手に血相を変えて部下の安否を確認していた。
風見「こちらは矢神さん以外全員無事です!!それよりもご自分の心配を…!!」
降谷「悪い風見、あとで掛け直す。」
…pi…
風見が何かを言いかけていたであろうが降谷は御構い無しに美弥妃の手からスマホを奪い返すと掛け直すと伝えて電話を切った。
降谷「まだ安静です!!何考えているんですか!!」
「いや、だって部下の安否を…」
降谷「知らない間に目を覚まして勝手に動いて!!かなり出血していたんですよ!!」
「あ、はい。それは何となく察してます…」
降谷「今すぐ病室に戻…」
降谷がそう言いかけると目の前の彼女がふらりとよろけたので降谷は慌てて支えてやった。
「あ、すみません…」
降谷「はぁ。」
降谷は彼女を軽々と抱き上げると病室まで運んだ。
降谷「全く…無理をするからですよ。今日はもう休んでください。」
「…はい」
美弥妃はそう言ったがまた体を起こそうとしたので降谷が目を光らせた。
降谷「休めと言ったのですが。」
「あ、いや喉が渇いたのでお水を取ろうとしただけですよ…」
そういうかのじょは確かにサイドテーブルのペットボトルを取ろうと手を伸ばしていた。
降谷「はぁ。そういう事くらい僕にえばいいでしょう。…どうぞ」
「すみません…ありがとうございます」
降谷が水を渡すとペットボトルを開けようとしても傷が痛むのかなかなか開けられなかった。
降谷「貸してください。」
「あ、はい。…すみません」
降谷にペットボトルを開けてもらい喉を潤した(名前)は手の届くところにそれを戻した。
降谷「あなたはもう少し周りに頼るべきです。…今日のところはゆっくり休んでください。では、お疲れ様です。」
降谷はそう言い残して帰ろうとした時だった。
「あの…」
降谷「ん?」
「ひとつだけ…ひとつだけお願いが…」
降谷「何でも言ってください。」
降谷はふっと笑うと美弥妃の元に戻った。
「手を、貸してくれませんか…」
ぎゅっと布団を握り締めながらそう言う彼女は俯きながらも真剣な顔をしていた。
降谷「何の件でしょう」
降谷もこれは何か重要な事件の事かもしれないと真剣な顔で返事をすると予想外にも彼女は「へっ?」と間抜けな声を出したあと徐々に顔を真っ赤にさせていた。
降谷「え?」
「あ、いや、違うんです、いや、違うくないんですけど…いえ、すみません、何でもないです。お疲れ様です。
突然狼狽え出した彼女は布団で顔を隠した。
そこでやっと降谷は気がついた。手を貸して欲しいは仕事を手伝ってほしいではなく、物理的に、手という物体を借りたかったのだと。
降谷「いいですよ。」
降谷はそう言いながら布団で顔を隠している彼女の手を握った。
すると一瞬ビクッと反応したものの、すぐに布団からばっと手を離すと泣きそうな顔で降谷の手を白くて小さくて細い両手で握り返した。
「あったかい…生きてる…死んでない、生きてる…よかった…」
そう呟くうちに美弥妃の目からは涙がぼろぽろと溢れ出していた。
降谷「えっ…矢神さん…?」
「絶対に、守るから…死なないでください…」
降谷「そんな簡単に死んだりしませんよ」
降谷はそう言いながらもう片方の手で美弥妃の頭を抱き寄せた。
「うん…」
敬語が外れた彼女は年相応の女の子に見えて、思わず頭をポンポンと撫でてしまった。
暫くすると降谷の腕の中から静かな寝息が聞こえきた。
安心したのだろうか。
降谷は起こさないようにゆっくりと彼女を寝かせて布団をかけてやった。
降谷「守るからって、僕は男で歳上なんだけどな。」
彼女の寝顔を見てふっと笑うと降谷は病室を後にした。
翌日、美弥妃の病室は部下で溢れていた。
部下一同「「「「「勝手な行動をとってすみませんでした!!!」」」」」
病室に集まった部下たちは一斉に頭を下げた。
その様子を鬼のように睨む降谷と降谷の形相に冷や汗タラタラの風見。
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