拗らせ女の残念な日常
好きな物?そう訊かれたら答えは簡単だ。
二次元。美しい物。以上。
二次元だったらイケメンだろうが美少女だろうがどっちでも良い。
取り敢えず癒される。
プライベートでは現実と二次元の狭間、いや、意識は非現実に居るから二次元の世界で暮らしていると言っても過言ではない。
周りが次々と結婚、出産していく中で私は現実と二次元の境界線をフラフラしている。
勿論、彼氏は二次元にしか居ない。
容姿は自分で言うのもなんだが悪くはないだろう。
地元に帰省して友達と会うと「彼氏出来た?」と聞いてくれていた友達だったが、いつの間にか彼氏が出来たかの確認がされなくなっていた。
「もうさ、テレビ番組のお見合いのやつに応募してあげるから出なよ!」と私にとっては有難迷惑な心配をされる始末だ。
確かに一人暮らしでふと強烈な孤独感に襲われる事はある。
そんな時、彼氏が居たら良いのにな……とは思うが……。
結婚?結婚となってくると話は別だ。
結婚したら相手の分まで家事をこなさなければいけない。
毎日の食事で毎回コンビニのお弁当を出して喜ぶ様なそんな物好きな旦那は居ないだろう。
いや、居たとしてもそれはそれでサイコパスの様な気がして嫌だ。
それに自分の自由に使える時間も格段に少なくなってしまう。
私は何よりも自由を愛する人間だ。
かっこよく言ってはいるが、言い換えれば自分が大好きなナルシストなのだろう。
そんな自由と結婚している様な人間が自由を奪われたらおそらく発狂して即離婚だろう。
この事を既婚者の友達に話すと「まだ、自分の時間が無くなっても良いと思える人に出逢ってないからだよ。」と返された。
そして、どんな人がタイプなの?と訊かれると「こういう人。」と待ち受け画面の画像を見せた。
流石に二次元が好きな私でもちゃんと現実にも好きな人、いや好きな人達は存在している。
待ち受けに設定しているのはV系のバンドマンのボーカリストだ。
勿論、お化粧をしている時の画像。その画像を見せつけられた友達は「……」と一瞬言葉を失っていた。
そして私にとってはもうお馴染みとなった言葉「こんな人、その辺には居ないから!」が返ってきた。
すかさず「いや、東京近郊には実在してるよ!二次元じゃないから、ちゃんと存在はしてる。」と返答した。
「確かにそうだけど……。こういう人ってメイクしているからかっこよく見えるんじゃないの?」
「分かってないねえ。もとのスッピンが良いからこそメイクが生えて更にかっこよくなるのだよ。」と最早、末期症状とも言える発言をぶっこんだ。
きっと友達は内心では「コイツ、一回騙されて酷い目に遭ってしまえ」と思っただろう。
しかし、こんな私の友達で居てくれる友達だから簡単に投げやりに扱ったりはしない。
男運は無いが友達には男女問わず恵まれている。
「性格!性格とかはどんな人が良いの?」
「うーん。年下が良いな。」
「みやは姉御肌だから年下からは好かれるんじゃないの?」
「まあ、年下の友達は多いけどさー……。」
「けどって何?」
「みんな身長が小さい!」
「は?どういう事?」
「電車に乗ってる時とか、男友達と歩いている時によく思うんだけど、私がデカいのか周りの男が小さいのか……とにかく身長の時点で不合格だわ。目線が同じだと萌えないもん。」
「確かにみやは身長が大きい方だけどそこまで気にするの?」
「するって!ほら、遊ぶ時は底が高い靴履くでしょ?そしたら完全に私の方が身長高くなるもん。」
「じゃあ履くなよ!」
「だから私が厚底履いても身長が大きくないとあかんね。175cm以上限定。」
「もうね、そんな人居ないから……ほら店内を見渡してご覧よ。」
友達は優しく私を諭す様に言った。店内を見渡していると「ね、居ないでしょ?」と尋ねられた。
「うん……。居ないね……。よし、もう悟った。私は悟りの居地を開いた。もうこうなったら開き直ってやる!」
「いきなりどうしたよ?現実を受け入れるこ事にしたの?」
「いや、もうね、この歳になったら次に付き合う彼氏には一切の妥協はしない事にした!」
「ん!?」突然の宣戦布告とも言える私の宣言に目を丸くする友達。
「取り敢えずは書類選考から始めるわ。あ、でも見るのは履歴書の写真だけね。」
「お、おう……。」
「そして書類選考に合格した人には面接試験を行います。一緒に立った時の身長さの確認。お酒がどれだけ飲めるかの勝負。煙草を嫌がらないかどうか諸々質問します。アクセサリーが多ければ多い程加点の対象です。そして晴れて面接に通過した人には最終試験に進めます。」
「え?!面接試験で合格したらそこで終わりじゃないの?」
「そうだよ。第三者の意見も取り入れたいから、場所はそうだなー、やっぱり原宿辺りでバンギャやV系が好きそうな人達に私が思いっ切り寄せに行ったアーティスト写真、所謂アー写ですね。その写真と面接通過者の写真でどっちの方がかっこいいか街頭調査をします。それでもし、私よりもかっこいいと票を獲得出来れば見事合格です。」
「あのさー、確かにみやはかっこいい系の女子だよ。それは認めるけど、その一連の試験に合格するのって日本の超一流の大企業に就職する事がアルバイト感覚になりそうな位難しくない?」
「そうですね。おそらくはNASA辺りに就職する方が簡単でしょう。」
「自分でも分かってんのかい!」
「だからね、もう良いのよ。私はもう彼氏や結婚相手は……。」突然の情緒不安定になったかのような発言に友達は「諦めるなって希望はあるから!現実をちゃんと見れば!」と励ましてくれたが「優しい言葉をありがとう……。私は良い友達を持てて嬉しいよ。でもね、彼氏とかは無理だから一緒に楽しく笑顔でお酒を飲んでくれるグッドルッキングガイが居ればそれで良い。」
「もう、お前ホスト行けよ!」
「えー!嫌だよ、何でお金まで払って!しかも自分よりもイケメンじゃないホストが隣に座ったらどうするのさ!」
「みやの頭の中と今後がどうするのさだよ!」
居酒屋での会話だったが、ほぼほぼ素面の状態で数々の暴走している発言を繰り返す私に狂気を感じて怖かったといった感想を聞いたのは後日だったが、拗らせてっしまった私の日常は暫くはこのまま続きそうだ。
中にはこういう事を言っている奴程、乙女な心を持っていたり理想的な相手に出逢った時に恋に落ちやすいという本人にとっては都市伝説的な意見も聞こえてはくるらしい。
二次元。美しい物。以上。
二次元だったらイケメンだろうが美少女だろうがどっちでも良い。
取り敢えず癒される。
プライベートでは現実と二次元の狭間、いや、意識は非現実に居るから二次元の世界で暮らしていると言っても過言ではない。
周りが次々と結婚、出産していく中で私は現実と二次元の境界線をフラフラしている。
勿論、彼氏は二次元にしか居ない。
容姿は自分で言うのもなんだが悪くはないだろう。
地元に帰省して友達と会うと「彼氏出来た?」と聞いてくれていた友達だったが、いつの間にか彼氏が出来たかの確認がされなくなっていた。
「もうさ、テレビ番組のお見合いのやつに応募してあげるから出なよ!」と私にとっては有難迷惑な心配をされる始末だ。
確かに一人暮らしでふと強烈な孤独感に襲われる事はある。
そんな時、彼氏が居たら良いのにな……とは思うが……。
結婚?結婚となってくると話は別だ。
結婚したら相手の分まで家事をこなさなければいけない。
毎日の食事で毎回コンビニのお弁当を出して喜ぶ様なそんな物好きな旦那は居ないだろう。
いや、居たとしてもそれはそれでサイコパスの様な気がして嫌だ。
それに自分の自由に使える時間も格段に少なくなってしまう。
私は何よりも自由を愛する人間だ。
かっこよく言ってはいるが、言い換えれば自分が大好きなナルシストなのだろう。
そんな自由と結婚している様な人間が自由を奪われたらおそらく発狂して即離婚だろう。
この事を既婚者の友達に話すと「まだ、自分の時間が無くなっても良いと思える人に出逢ってないからだよ。」と返された。
そして、どんな人がタイプなの?と訊かれると「こういう人。」と待ち受け画面の画像を見せた。
流石に二次元が好きな私でもちゃんと現実にも好きな人、いや好きな人達は存在している。
待ち受けに設定しているのはV系のバンドマンのボーカリストだ。
勿論、お化粧をしている時の画像。その画像を見せつけられた友達は「……」と一瞬言葉を失っていた。
そして私にとってはもうお馴染みとなった言葉「こんな人、その辺には居ないから!」が返ってきた。
すかさず「いや、東京近郊には実在してるよ!二次元じゃないから、ちゃんと存在はしてる。」と返答した。
「確かにそうだけど……。こういう人ってメイクしているからかっこよく見えるんじゃないの?」
「分かってないねえ。もとのスッピンが良いからこそメイクが生えて更にかっこよくなるのだよ。」と最早、末期症状とも言える発言をぶっこんだ。
きっと友達は内心では「コイツ、一回騙されて酷い目に遭ってしまえ」と思っただろう。
しかし、こんな私の友達で居てくれる友達だから簡単に投げやりに扱ったりはしない。
男運は無いが友達には男女問わず恵まれている。
「性格!性格とかはどんな人が良いの?」
「うーん。年下が良いな。」
「みやは姉御肌だから年下からは好かれるんじゃないの?」
「まあ、年下の友達は多いけどさー……。」
「けどって何?」
「みんな身長が小さい!」
「は?どういう事?」
「電車に乗ってる時とか、男友達と歩いている時によく思うんだけど、私がデカいのか周りの男が小さいのか……とにかく身長の時点で不合格だわ。目線が同じだと萌えないもん。」
「確かにみやは身長が大きい方だけどそこまで気にするの?」
「するって!ほら、遊ぶ時は底が高い靴履くでしょ?そしたら完全に私の方が身長高くなるもん。」
「じゃあ履くなよ!」
「だから私が厚底履いても身長が大きくないとあかんね。175cm以上限定。」
「もうね、そんな人居ないから……ほら店内を見渡してご覧よ。」
友達は優しく私を諭す様に言った。店内を見渡していると「ね、居ないでしょ?」と尋ねられた。
「うん……。居ないね……。よし、もう悟った。私は悟りの居地を開いた。もうこうなったら開き直ってやる!」
「いきなりどうしたよ?現実を受け入れるこ事にしたの?」
「いや、もうね、この歳になったら次に付き合う彼氏には一切の妥協はしない事にした!」
「ん!?」突然の宣戦布告とも言える私の宣言に目を丸くする友達。
「取り敢えずは書類選考から始めるわ。あ、でも見るのは履歴書の写真だけね。」
「お、おう……。」
「そして書類選考に合格した人には面接試験を行います。一緒に立った時の身長さの確認。お酒がどれだけ飲めるかの勝負。煙草を嫌がらないかどうか諸々質問します。アクセサリーが多ければ多い程加点の対象です。そして晴れて面接に通過した人には最終試験に進めます。」
「え?!面接試験で合格したらそこで終わりじゃないの?」
「そうだよ。第三者の意見も取り入れたいから、場所はそうだなー、やっぱり原宿辺りでバンギャやV系が好きそうな人達に私が思いっ切り寄せに行ったアーティスト写真、所謂アー写ですね。その写真と面接通過者の写真でどっちの方がかっこいいか街頭調査をします。それでもし、私よりもかっこいいと票を獲得出来れば見事合格です。」
「あのさー、確かにみやはかっこいい系の女子だよ。それは認めるけど、その一連の試験に合格するのって日本の超一流の大企業に就職する事がアルバイト感覚になりそうな位難しくない?」
「そうですね。おそらくはNASA辺りに就職する方が簡単でしょう。」
「自分でも分かってんのかい!」
「だからね、もう良いのよ。私はもう彼氏や結婚相手は……。」突然の情緒不安定になったかのような発言に友達は「諦めるなって希望はあるから!現実をちゃんと見れば!」と励ましてくれたが「優しい言葉をありがとう……。私は良い友達を持てて嬉しいよ。でもね、彼氏とかは無理だから一緒に楽しく笑顔でお酒を飲んでくれるグッドルッキングガイが居ればそれで良い。」
「もう、お前ホスト行けよ!」
「えー!嫌だよ、何でお金まで払って!しかも自分よりもイケメンじゃないホストが隣に座ったらどうするのさ!」
「みやの頭の中と今後がどうするのさだよ!」
居酒屋での会話だったが、ほぼほぼ素面の状態で数々の暴走している発言を繰り返す私に狂気を感じて怖かったといった感想を聞いたのは後日だったが、拗らせてっしまった私の日常は暫くはこのまま続きそうだ。
中にはこういう事を言っている奴程、乙女な心を持っていたり理想的な相手に出逢った時に恋に落ちやすいという本人にとっては都市伝説的な意見も聞こえてはくるらしい。
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