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ラジオ魔人山

ジャンル: ロー・ファンタジー 作者: strojam11
目次

ラジオ魔人山

「あーやちゃん!やめなさい。スカートはあと1枚しかないのよ。破いちゃったら明日からどうやって学校に行くの? ママ困ってしまうわ」
「ピーガー!ガーピー!」
「あーちゃん聴いてるの?」
「おかーさんのバカ―」
「これ、アヤコっ!」
「ピーガーピー―!」
「ちょっ、あーや?」
「ガッタピッシャ!」
「ひっ?!」
「タンタンタンタ♪」
「ちょ、いやっ!!!!!!!」
「タン……ピタッ」
「」
「……」

娘が裏の魔人山でラジオを拾ってきた。そんなもの汚いから捨てなさい!と叱ったのですが「いやいや」と泣いてお風呂に入ってしまいました。そして娘はシャワーを浴びながらラジオを綺麗に洗いました。するといきなりスイッチが入りました。

その瞬間、耳元で「返してくれ」の声。私は恐くなり娘をお風呂場へ押し込みました。それからというもの……。
「あああー」
男は頭を掻きむしりました。その声があまりにも切なく、私は胸を痛めました。
「それはな、この辺りで昔からある話なんだ。夜中にトイレに起きた子供がいて、親に怒られると思ってそっと家を出るんだってよ。そうしてしばらく歩いていくうちに、道端にラジオの箱が落ちていたらしい。それを見た子供は嬉しくなって、思わず手に取る。寒暖というより痛覚だ。水風呂の中を歩くように二の足を踏む。厳密には腰から下は裸も同然だ。ひらひらした薄布は防寒に役立たない。
むしろ制服なんて無駄なルールはとっとと廃止して欲しい、と瑠奈は切に思う。
どうにもこうにも冬という概念はデメリットだらけだ。油断すると死ぬ。針が空間に満ちている。呼吸するたびに冬が肺に突き刺さる。瑠奈はそう理解していた。
ああ、とにかく一瞬一秒たりとも外にに居たくない。心身ともに暖を取るという行為に恋する。エアコンが部屋を室温にするまでのやるせない気分。
とても耐えられない。ほのぼのしたい。癒されたい。温もりが欲しい。こんな時に隣に好きな人がいたらどんなに幸せか。
冬はとにかく寒い時期。
寒くて苦しい時期だ。これが日常なのだ、と、瑠奈はやんわり身を引いた。好きになったら好きになったで、付き合いはしてもいい時期だ。
――あ、そういえば私、上の名前、なんていったっけ……?
瑠奈は記憶の中から自分の姓名を探した。瑠奈は名前を失い、呼ばれることを忘れていた。それも自身が忘れてしまったらしく、フルネームを知っているのは瑠奈の父と、かつては親の付き合いになっていた叔父だけだった。
そういえば、と瑠奈は思い出す。昔から自分は誰にも褒められることのない、弱小少女だった。そんな瑠奈に唯一優しくしてくれたのが兄のよく知る人だった。
彼は瑠奈の世話をしてくれていた。何もかもが初めてでしかない時のことはいつか忘れてしまうかもしれないし、忘れない方がいいかもしれない。瑠奈にとっては日常でも、他の人の記憶からそれを知ることは瑠奈にとっては一大事であるはずのことだった。
でも、それでも……。どうすればいい。瑠奈はそこまで考えていなかった。それでも。
瑠奈は立ち上がってドアに近づき、ドアノブに手をかけた。その手がドアの隙間に引っかかった。
「……ッ!」
瑠奈は思わず悲鳴をあげた。ドアの向こうで、瑠奈と同じような声が聞こえた。瑠奈が後ろを向いてドアに身を隠そうとしたとき、誰かがドアを叩いていた。瑠奈は反射的に縮こまってしまう。
「うるさい! 誰でもいいから開けろっての!」
「誰でもいいってなんだよ!」
ドアの向こうから聞こえるのは複数の声で、誰だろうかと瑠奈は思った。
その時、瑠奈の背後に影がさし、一瞬で視界から消えた。瑠奈は後ろを振り向く。先程の青年が立っていた。
「……何だ?」
「何が気になるんですか?」
男が尋ねてきた。
「こいつ、何か知っているんじゃないかって思ってな……」
「ああ、見ているだけです。さっきから動きませんね? 怪しいですよ」
言われて、瑠奈は自分のスカートがドアの隙間に引っかかったままということを思い出した。瑠奈は、その事実に気が付き、慌ててドアを出て後ろを振り返った。
「何だ、こいつ、まさか……」
瑠奈の後ろに立っていたのは、瑠奈にとっては見たことのない人物であった。顔こそは、瑠奈と同じ顔をしているが、どこか違う。
「まさかとは思うけど、お前、この子に何かした?」
瑠奈が男を見ると、男は瑠奈の後ろに立っている少女を見た。
「え? いや……」
瑠奈は慌ててその少女を見た。その少女――黒い服を着た、少女と言っていい年恰好の女――は、自分に近づいてきた男を見た。
「お前、ここの店で何をしていたんだ?」
「あ、あなたは……?」
少女が聞くと、少女は後ろの男を見ながら、
「あなたが、さっき言っていたお客様ですか?」
「は? ああ、そうだけど……」
その少女は男のような質問をするなよと言わんばかりに、男に顔を近づける。しかし、男はすぐに引き離されてしまった。
そして、瑠奈は少女に聞いてみる。
「あの、さっきの男は見なくってもいい? この子に、何かをされただろう? この子に何かをされた時に何かされたことはない?」
男は少女を見ながら、瑠奈の目を見て言った。少女は瑠奈の見る視線を見ながら、
「はい、私は何もしていません。ただ……」
その、少女の言葉に、瑠奈は目を丸くした。そして、その少女に問いかける。
「でも、この人が何かしただろうって、君は言ってたじゃないか」
男は瑠奈を見て微笑む。
「そうですね、私もあの方に何かされたことはあります。ですが、私がされたこともしていました。ですが、あの方に何かされる様子は見られておりません。でしたら、きっと私にもあの方はしていたでしょう。だから、何もしていませんでした。……それに、私もされていたのですから、あの方も同じことをしているはずです」
「……そうなの?……じゃあ、もういいわ。ごめんなさい、変なことを聞いてしまったようね。……あと、ありがとう」
瑠奈は、少しだけ、その少女に親近感を持った。瑠奈はその少女を見る。
「……あなたは……?」
「ああ、私の名前は瑠奈だよ。よろしく」
「瑠奈さん……。よろしくお願いします。私は……」
そんな時、ついつい温めてしまうのが、「レモン」です。
今回はここ最近の「レモン」の活用法をご紹介します!

「レモン」をどの季節、またどのような用途で使ったらいいのでしょうか?
レモン、その日の気分にあわせて入れた方がいいのか、何種類か用意してみたら、何種類かが効果が高そうに感じます。(もちろん、何種類も食べれますが、今日はひとつ、「オレンジ」でもいいかな?)

まず、普段、お酒のアテとして使っているレモンのおすすめといえば、これです!
「レモンの皮」

「レモンの皮」

「赤」と「黄」の皮で1袋

(※赤:お酒(小さいお猪口)に入れる。ピンク:アルコールランプで加熱したもの)

レモンの皮から、レモンの味わいが出てきます。

レモンの皮は、爽やかさと、さわやかさを含んだ味わいがあるので、
「赤」と「黄」の皮も使えば、甘みが抑えられるので、飲むお酒としても使えます。
でも、「青く青く」な「赤」と「赤」の皮は、どうしたって味がぼやけてしまいます。
そこで、赤か黄か、黄色か、赤か青か……。
いろんな色でレモンを味わいたい―。
そう思って、「赤」と「黄」の皮を何枚か用意すれば、これがいい!といった使い方もできるので、ぜひ試してみてください。

他にも、こんな使い方もありますが、詳しくはリンクからご覧ください。
「オレンジ」「レモン」両方の皮を同じくらいの大きさにカット!
※赤から黄にかけてのレモンの皮を、1つはレモンに見立てることが多いです。
また、「オレンジ」と「青」と「紅」の皮を一緒に使用すれば、
「赤」「黄」「青」「白」の「白」に白ラベルを貼ることができ、同じような使い方もできます。




この他、
……………………………

こんな感じなどを使って、「リンゴ」をもらったよ!と思ってもOK!
リンゴを使えば、
「リンゴ」「オレンジ」「青」そしてとても赤い「青」のみで、
レモンを食べられます!!
(左)※赤の皮に、黄色の皮を付けるだけで、キレイにレモンが食べられます。
(右)※赤に、白ラベルを貼れば、レモングラスが「青」と「白」の皮で包み込んだ形になります。
(左)※白から赤まで真っ白にしておけば、何も考えずに、レモンを食べられます。(右)
白や紫、水色も使えるので、青とか赤で青いピンクとか、グレー色とかが使えるように考えていきましょう。

リンゴ 白ラベル
(赤と黄色を合わせたラベル)
(赤・白・青のラベルを合わせたラベル)
赤 ×4
(白から赤を合わせたラベル)
(紫やグレーやピンクも合わせたいので赤を合わせました。)
青 ×4
黄色 ×4
(グレーのラベルを置いて、紫・ピンク・グレーと色を付けることができます。)
白は、白ラベルと赤ラベルを合わせたラベルなので、白のラベルを貼っていくことで「キレイ」になるので
赤と白のラベルを貼ることもできます。 (青と白を合わせたラベルもあります。)
【材料】

(上からオレンジ、赤、黄、白) (赤、青、白) (赤色を黄色で) (青と黄色を白で貼る) (赤色を紫で黄色で貼る)

(オレンジを上から赤、青、黄、白で、オレンジを上から赤、黄色と白に置いて、上から青、赤、白に置いて白を貼る) (赤や黄色の色を黄色で黄で貼る) (赤とオレンジを色で塗る)
白い紙に色を書いていくと全体が濃く見えるので、白い紙の上にはオレンジを置く方法も書いていく。(白い紙の上には黄色と白を置いて白を貼る)
奈の背後に影がさし、さっと消えた。振り向くと青年が立っていた。
どうやってドアをすり抜けたのか、訝しむ間もなく
「……何だ?」と、男が尋ねてきた。
「何が気になるんですか?」
「こいつ、何か知っているんじゃないかって思ってな……」
肩越しにソプラノ声が聞こえる。
「ああ、見ているだけです。さっきから動きませんね? 怪しいですよ」
言われて、瑠奈は自分のスカートがドアの隙間に引っかかったままということを思い出した。その事実に気が付き、慌ててドアを出て後ろを振り返った。
「何だ、こいつ、まさか……」
瑠奈の後ろに立っていたのは、赤の他人だ。顔つきは面影があるが微妙に違う。
「まさかとは思うけど、お前、この子に何かした?」
瑠奈が男を見ると、後ろに女が立っていた。
「え? いや……」
その少女――黒いオーバーサイズパーカーに膝上30センチのショーとスカートを履いた――は、自分に近づいてきた男を見た。
「お前、ここの店で何をしていたんだ?」
店って何だよ。瑠奈の集合住宅にテナントはない。
「あ、あなたは……?」
瑠奈が聞くと、少女は後ろの男を見ながら、
「この子、さっき言っていたお客様ですか?」
その少女は男のような質問をするなよと言わんばかりに、男に顔を近づける。
しかし、男はすぐに引き離されてしまった。、そして、瑠奈は少女に聞いてみる。
「この子に、何かをされただろう?この子に何かをされた時に何かされたことはない?」
男は少女を見ながら、瑠奈の目を見て言った。
少女は瑠奈の見る視線を見ながら、、「はい、私は何もしていません。ただ……」

「そうですね、私もあの方に何かされたことはあります。」
ですが、あの方に何かされる様子は見られておりません。
そして少女は自分の服装を自慢した。「
オーバーサイズのパーカーにショートスカートを合わせると、ストリートスタイルの王道でありながら可愛さもUP!
全体的に暗めの色でコーデを組み込むと今どき感が出て自然に着こなせます。

パーカーにリュックを追加で組み合わせると相性抜群なのでオススメ」
そして少女は瑠奈の制服をバカにした。「瑠奈、そんなダサいセーラー服にスカート、脱いじゃえば?」
少女は瑠奈のスカートを引っ張ってビリビリに破いて下着姿にした。

Output text:
「あんた、瑠奈の制服を破いて脱ごうとしてるんじゃないの!?」
瑠奈はやっとの思いでパーカーを男から引き離した。
しかし、瑠奈は今すぐここから連れ出してくれる訳ではなく、男はそれ以上連れ出さない。
しばらくすると男が瑠奈の背後に回り込んで、手をつながらに連れて行こうと手を伸ばす。
「おい!」
瑠奈は男に話しかけられている事実を知って、振り向いた。
そして少女が今、目の前にいるのを見ると、瑠奈は口から血が出そうになった。
「お前、お前、瑠奈にそんなことをさせたのか!!」
男の腕から、瑠奈の制服はボロボロになり、制服もボロボロになっていた。
瑠奈は倒れないようにその腕にしがみつく。
「私が何かしないと、瑠奈には言っただろ!」
その男は瑠奈の制服を引きちぎると、自分の制服を瑠奈に引き渡した。







「私の服、やるからこれ着とけ」
「え? ありがとうございます」
「ちょっと待て! どうして俺の服を着せるんだよ! 俺はこんなことする奴じゃないぞ! そもそも、こいつが勝手に入ってきたんだ」
「でも、もう、いいです。許しますから」
「何言ってるんだよ! お前もちゃんと言ってくれよ! なんで俺が悪いみたいになってるんだよ! おかしいだろ!」
「いいんですよ。こんな人、ほっときましょう」
「でも、こいつはお前に何かしようとしたかもしれないんだぜ!本当に大丈夫なのかよ!」
「だから、もう、許すって言っているでしょう」
「はぁ~、もう、わかったよ。でも、お前が言うなら仕方がないな。
でも、こいつに何をされても知らないからな」
「はい、大丈夫ですよ。それにしても、お兄さん、優しいんですね」
「別に……、こんなの普通だ」
「いえ、そうやって庇ってくれるのは嬉しいです」
「そっか、まあ、いいか。それじゃ、行くか。ほら、早くしろよ」
「はーい」
「じゃあ、元気でな」
「うん、ありがとう」
「またな」
「バイバーイ」
「お世話になりました」
「じゃあな」
そう言い残すと、二人は行ってしまった。
「はい」
ドアを閉めると、
「うわっ」という声が聞こえたが、すぐに静寂に包まれてしまった。
「何だったのでしょうか……。
さて、今日もお仕事頑張りますか」
そう呟くと、またいつものように掃除を始めた。
【材料】
(上からオレンジ、赤、
「オレンジ」と「青」と「紅」と「青」で、「青」と「青」と「青」と「青」と「青」と「青」と「青」と「青」と「青」と「青」と「青」と青と紅)
(青と赤を合わせたラベルを置くと、 同じ色だけで塗れます)
(紫と黄色を合わせたラベルを置くと)
(グレー色やピンクも合わせたいので赤を合わせました。)
グレー ×4
(赤とオレンジを色で塗る)
(紫・黄色・青・グレー・ピンク)
×4 白 ×4
(紫・グレー・ピンク)
×4 白い紙に色を書いていくと全体が濃く見えるので、白い紙の上にはオレンジを置く方法を書いていく。(白い紙の上にはグレーを置いてグレーと青を混ぜ合わせる)
(紫・黄色・グレー・ピンクを塗っていく方法)
(青をグレーとピンクに塗っていく方法)
グレー ×4
(紫・グレー・ピンク・ピンク)
×4
(紫・グレー・ピンク)
×4
(紫・グレー・ピンク)
×4
(グレー・ピンク)
×4
(グレー・ピンク)
×4
(赤・青・紫・黄色・緑・白)
×4
(紫・黄色・青・白)
(赤・青)
(紫・黄色)
(黄・青)
(黄・青)
(白・青)
(白・赤・赤)
(赤・白)
奈の後ろに影がさし、さっと消えた。振り向くと青年が立っていた。
どうやってドアをすり抜けたのか、疑わしくなるほどの速さだ。
(この人が……?この人の力なの?)
その少女――黒いオーバーサイズパーカーに膝上30センチのショーとスカートを履いた――は、自分に近づいてきた男を見た。
男の後ろに女がいる。女は男をチラ見した。
そして少女は男に近づきながら口を開く。
青年の背後で女は男を見つめていた。少女は男のそばに立ち止まる。少女と男は女を見た。そして青年は男に尋ねた。
男の後ろに女が立っていて、男が女を見ていたから、少女は男に近づいたのだ。
男はその少女の姿を見て、驚いたように目を大きく開きながら言った。
そして男は少女に向かって手を伸ばした。その瞬間に男は姿を消した。少女は驚きのあまり固まってしまう。しかし、
「え?」と少女がつぶやくのと同時に男が少女の背後に現れて言った。
「何だ?」
その少女は男に手を握られて引っ張られていく。
そして少女は男の手を振り払おうとしたが男の力が強くてできなかった。
「ちょ、ちょっと! 離して! 何なの!?」と少女が抵抗すると、男は少女を連れて歩き出す。
「やめなさい!離して!やめて!やめてください!」と叫ぶ少女の声だけが響き渡る。
「何でだよ、お前、何してたんだ?」と青年は尋ねる。その声を聞いて少女は叫んだ。
「この人は私のお客様なの!お願いだから離して!」と言うと少女は暴れるのをやめた。
少女の言葉を聞き、男はゆっくりと振り返る。その表情は怒りに満ちている。
「お前は誰だよ?何でここにいるんだ?ここは部外者禁止なんだぞ」と怒鳴った。
その少女は後ろから男に近づくと、男の首に手をかけた。そしてそのまま首に力を入れると、男は気絶した。
そして、その少女はその少女を殴る。
「このクソガキが!!」と男は少女の胸ぐらを掴むと拳を上げる。
そして少女は「やめてください!!もうこれ以上何もしないでください!!」と叫びながら泣いてしまった。
「ああ?」
その少女は涙をこらえながらも、「もう、止めてください」
と言いながら、少女は自分の体を抱きしめるようにしながら震え始めた。
そして少女は自分の服を破き始めると、下着姿になった。
そして少女は「もう、これ以上何もしないで下さい。もう、私は何もできないんですから……」と言った。
その少女の姿に一瞬怯むと、その少女は服を脱ぎ捨てた。そして少女は言った。
「さっきのことは謝りますから、もう何もしないで……」
そして少女は「許してください」と泣き出した。
「おい、ちょっと待てよ。どういうことだ?」
少女は「もう、何も言わないで……」と泣くばかりだった。
「もう、いいですから……」
「いいって言われてもよぉ」
その少女は「もう、いいから」と何度も繰り返すだけだった。
「おい、ちょっと待ってくれよ。おい!」
「もう、いいですから。早くどこかに行ってよ」
「おい!」
「うるさい!もう、どっかに行け!」
少女は男を突き飛ばすと、男は尻餅をつく。そして少女は男に背を向けると、走り去って行った。「おい、どこに行くんだよ」
「うるさい! ついて来るなよ!!」
「だから、どこに行くんだって聞いてるだろ!」
「うるさい!」
「おい!」
その少女は立ち止まって振り向いたが、その目は虚ろで、まるで死んでいるようだった。
「……」
その少女は男を睨みつけるが、その目には力が感じられなかった。
「……じゃあな」
男はその少女から目をそらすと、背中を向けて去っていった。
その少女は一人になると、自分の服を破いて全裸になる。
その後、少女の体が溶けて水溜まりとなり、地面へと流れ落ちた。そしてそこには少女がいた痕跡は何一つ残らなかった。
ドアを閉めると、 さっと目の前の空間が歪んだ。
そして現れた男を見て、瑠奈の顔は一気に真っ赤になり硬直する。男はドアを開けようとせず、しばらくその場で立っていた。ドア越しに男の様子をうかがい続けていると……、男が瑠奈に声をかけてきた。
男が声をかけてくると瑠奈は恥ずかしそうにして顔を伏せた。そしてドアを開ける。
――あれは……あの時の人? ドアの前にいたのはさっきの少女だ。でも今は大人っぽい女性になっている。さすがにもうわかっている。あれはあの男と女の能力だと理解していた。
――でも、そんなことよりも……。ドアを閉めると、 さっと目の前の空間が歪んで、 ドアの向こうにいたはずの少女が消えていた。
「えっ? どうして……?」
その少女は突然現れると、
「こんにちは」と言って微笑んできた。
「あっ、どうも」
と答えると、
「私、あなたの担当なんですよ」と笑いかけてくる。
「そうなんですか。よろしくお願いします」と返すと、
「はい、こちらこそ」と嬉しそうに笑っていた。
「それで、あなたの名前は何て言うのですか?」
と尋ねられると、
「はい。私は、天宮瑠奈といいます」と答えた。
「へぇー、かわいい名前ですね」と褒められた。
「ありがとうございます」
「それにしても、あなたのような可愛い子が一人でお店を切り盛りしているなんて……。すごいですよね」
「いえ、それほどでもないですよ」
「そうでしょうか」
「そうですよ」
と答えると、「そうかもしれませんね」と笑顔を浮かべていた。
そして「そういえば、今日はどんなご用件でしょうか」と聞かれたので、「えっと……、実は、その……、」と答えると、
「何かお困り事でもあるのでしたら、遠慮なく言ってください。できることなら何でも協力させていただきます」と優しく言ってきた。
「はい、ありがとうございます。それでは、相談に乗ってもらってもいいでしょうか?」
と聞くと、「もちろん、いいですよ。さぁ、なんでも言ってください」と自信たっぷりに答えた。そして、少し間をおいて口を開いた。
――この人が私の悩みを聞いてくれるというのか……?こんな人が……?信じられないな。でも、本当に信用できるのだろうか?もしかしたら、また嘘をつかれるかもしれないぞ?――
と悩んでいると、 少女は心配そうな表情になって「どうかしました?」と話しかけてくる。
そして瑠奈は思い切って、
「はい。もしよろしかったらなんですけど、相談に乗ってもらえないかと思って、来たのですが……」
と尋ねると、
「ええ、構いませんよ。ぜひ話してみて下さい」と少女は言った。
そして瑠奈は悩みを打ち明けることにした。
「はい。実は私の友達が、すごく大変なことになっていて、助けてあげたいと思うんだけど、どうやって力になればいいのかわからないんです」
すると少女は真剣な表情で「なるほど、つまり……、その方は男性に恋をしているけれど相手にされないということなのでしょうか?」と聞き返してきたので、
「まぁ、そんなところだと思います」と答えると、
「わかりました。とりあえず詳しい話を聞かせてもらえますか?」と少女はうなずいた。
「はい。私の友達には、とても可愛くて綺麗な子がいるんです。その子はいつも明るくて優しい性格で、みんなから慕われているような、みんなの憧れの存在みたいな女の子でした。だけどある時、その女の子が暗い表情をしていたので、私が『どうしたの?』と聞いてみたの。すると彼女は黙ったままうつむいて、しばらくの間何も言わなかったの。だからもう一度、彼女に問いかけようとした時に、彼女が口を開いてこう言ったの。『彼氏が他の女に取られちゃった』って、そして彼女は泣き出したのよ。その時の彼女の言葉と表情を見た時、心の底からかわいそうだと思ったわ。だから何とか彼女を助けたいの。
そして私は、ある一つの方法を思いついた。それは、彼女を好きな男の子を私に惚れさせるというものだった。
それから、私はすぐに行動に移したの。まず最初に、私に好意を寄せている男の人たちに近づいて、その人に告白をさせたの。その人は顔が良くて、スポーツ万能で、成績優秀で、誰からも好かれている人だったから、当然OKしてくれた。そして私は彼と付き合うことになった。でも彼は、私と付き合っていても、ずっと別の女のことを考えているようで、彼の目線の先には、いつもその女の子の姿があった。私はそれが嫌で仕方がなかった。
だからある日、彼に聞いたの。「ねえ、私のことを愛してる?」って。そしたら彼が「ああ、もちろんだよ」って答えたから、さらに続けて「じゃあ、私のことは誰よりも好き?」って聞いたら、彼は「ああ、君が一番好きだよ」って、そう言ってくれたから安心した。そして私は、もっと彼の気持ちを引き寄せるために、彼をデートに誘ったの。でも、いくら誘っても断られ続けた。そして私はイライラした。そして何度も誘い続けるうちに、だんだんと彼の態度が冷たくなっていった。
そしてついに、ある日の放課後に、別れようと切り出されたの。どうして?と尋ねたら、俺のことを信じてくれないと。
他に好きな人ができたんだって。そして最後に、「もう終わりにしよう」と言われた。
私は納得できなくて、彼に詰め寄った。そしてどうして私を捨てるの?と問い詰めた。すると彼は冷たい声で「だってお前は俺のことを愛していないんだろ」と言い残し、立ち去った。
私は、ただ彼のことが好きなだけなのに、どうしてこんなにうまくいかないのだろう。そして、こんなにも辛い思いをしなければならないのだろうと、悲しくなった。そして、涙が出てきた。そして、どうして泣いているのかわからなくなった。私は、自分の心を誰かにぶつけたかった。私は、心のままに叫びながら、泣いた。
そしてしばらくして涙が止まった。私はその足で公園へと向かった。そして、ベンチに座って一人で泣いていた。しばらくすると、一人の男が近づいてきた。
「どうかされたのですか?」と声をかけられた。私は返事をする気になれずに無視していると、男は隣に座った。そして、しばらく沈黙が続いた後、男はいきなり立ち上がってどこかに行ってしまった。そして、しばらく待っていると、戻ってきた。そして再び腰かけた。
そして泣きながら言う。「助けて下さい。私は呪われているのです。このままでは取り殺されてしまいます」
話によれば男の名前は西濃福太郎という。町の文房具屋で地元の女子中学生に文具や制服や運動着を販売していたという。ところが少子化と過疎化で学校が廃校になってしまい、店じまいすることになったらしい。
「それで、今は何をなさっているのですか?」と聞くと、
「はい。実は私も仕事がなくなってしまいまして……」
「そうだったんですか」
「はい。そうなんです」
「それで今は何の仕事をされているのですか?」
「在庫の制服をその方面の特殊なマニアに細々と通販してます。お恥ずかしいことですが生活の為です。ところがある日、顧客から苦情が来たのです。『お前の販売した制服に血がついていた。そのせいでうちのAV女優がエイズに感染してしまった。そして死んだ。責任を取れ。取らないなら呪い殺してやる』」
「酷い言いがかりですね」
「ええ。脅迫を無視していたら死んだ鼠が送られてきました」
「それは確かに呪われてますね」
「はい。私はその女性に同情してしまい、どうしたら良いかと悩んでいました。そこであなたにお会いできたのです」
「なるほど」
「どうかお願いします。助けてください」
「そうですね……。分かりました。何とかいたしましょう」
「本当ですか?ありがとうございます」
「ところで、その被害者の女性というのはどういう方なのでしょうか?」
「ええ。実は、私の親戚の娘さんなんですよ」
「なるほど」
「はい。名前は天宮瑠璃奈といいます」
「えっ?」
「はい。天宮瑠奈という名前なんです」
「へぇー、偶然の一致だな」
「そうなんですか?私の名前と似ていますね」
「そういえば、そうだな。何か運命を感じるな」
少女は少し考え込んでから、何かを決心したように話し出した。
――これはいい機会かもしれない――
そう思った少女は思い切って行動を起こすことにした。
少女は瑠奈の目をじっと見つめて話す。
――瑠奈ちゃん、私に任せてくれるかな?――
瑠奈は少し驚いた様子だったが、素直に従うことにしたようだ。
少女は微笑みながら、
――大丈夫だよ――
というふうに、心の中でつぶやく。
――この子を見ているとなんだか放って置けないんだよな。だから、力になってあげたい――
そんな風に思う。
少女は、ゆっくりと息を吸うと、
――よし!頑張ろう!――
と決意する。
少女は立ち上がり、瑠奈に向かって言う。
少女は微笑むと瑠奈の目を見つめて話し始める。――瑠奈ちゃん、私に任せてくれるかな?――
――はい――
少女は優しくうなずくと、
――うん。任せて――
――はい。ありがとうございます――
と、心の声が聞こえた気がした。
少女は再び椅子に座り直すと、真剣な表情になって言った。
それから少女は瑠奈について質問を始めたのである。そして一通り聞いた後に少女はあることを瑠奈に伝えたのであった……..。
×4 少年は自分の目の前にいる女の子の話を聞いていた。そして、
――本当にこれでいいのだろうか?――
と考えていた。
少女は瑠奈に対して言ったのだった。
―あなたの想いを伝えればきっと上手くいくはずよ。私が必ず二人をくっつけてみせるから― それから少女は言った。
―私を信じて。絶対に悪い結果にはならないから― そして少女はその日は家に帰った。
翌日、学校に行くと、瑠奈と目が合った。すると少女は笑顔で手を振った。しかし瑠奈は少女を無視して行ってしまった。
そしてその日の放課後、少女は瑠奈を呼び出したが、来なかった。そこで少女はさらに次の日に呼び出そうと考えたのだがなかなか時間が作れずに結局三日後の金曜日になってしまったのだ。だが少女はすぐに行動を開始した。少女はまず瑠奈の家に行きインターホンを押したが誰も出てこなかったので諦めようとした時、家の扉が開き瑠奈が出てきた。少女は驚いている。なぜならば、瑠奈が出てくるとは思っていなかったからだ。
少女は驚きながらも勇気を出して声をかける。
―こんにちは。私は、瑠奈ちゃんの味方だから、一緒にがんばりたいの。私と一緒に恋をしてみない?- その言葉を聞いた瑠奈は不思議そうな顔をしていた。それを見てすぐに、自分がおかしなことを言っていることに気がついた。
それから少女は何も言わずに走り出した。そして自分の教室に入ると、友達に話しかけたのだった。
少女が話しかけると、友達も困惑したような表情をした。そして二人はしばらくの間黙っていた。それから少女が言った。
―ごめんなさい。変なこと言ってしまって……- その言葉を聞くと友達は困ったような顔で、 ―気にしないでください。それより早く行きましょう?― と言った。
少女は、どうして?と思いながらも何も聞かずにただついて行くことにした。
その女の子はとても可愛いかったので男子たちが注目していた。
二人は校舎裏へとやってきた。
―ここで何をするの?― と、少女が問いかけるが答えはなかった。
すると突然、一人の女子生徒が姿を現してこう言った。
―やっと来たわね。ずっと待ってたのよ― その女子生徒は、どこかで見たことのある顔だった。
すると、今度はもう一人、同じ学校の制服を着た男の子が現れた。
女の子が叫ぶ。
―もう逃げられないよ― 女の子は笑っている。
そこで気がつく。その女の子が誰なのかに。
―あの時の女だ― そう確信した時には既に遅く、体が動かなかった。―なんでこんなところにいるのだろう?― そう考えているうちに意識が遠のいて行った。
そして次に気が付いたときには、見知らぬ場所にいた。
そこには、たくさんの人が倒れていた。
そしてその中に、一人だけ立っている人がいた。
それは、前に見たことがある人だった。―あれは、私をここに連れてきた人だ。ということはここはどこだろう?― そう考えて辺りを見回すと、あることに気付いた。
それは、空が真っ赤に染まっているということだった。夕焼けにしてはあまりにも赤く染まりすぎている。
さらに、地面も赤い。まるで血の池地獄のように、一面が赤色に染められていた。
その異様な光景に、思わず鳥肌が立った。
少女は周りを見渡していると、後ろから気配を感じた。
少女は振り返る。するとそこにいたのは、あの少女だった。少女はこちらを見ていた。
その目には、狂気が宿っていた。
その瞳を見た瞬間、背筋に寒気が走った。
そして、少女が口を開く。
「ねぇ、私と遊ぼう?」
その声に答えることはできなかった。
そして、その日からその学校には奇妙な噂が流れた。
それは、『血の付いたセーラー服』という噂である。
その話を聞いたとき、私は胸騒ぎがした。
そして、私はその真相を確かめるために行動を起こした。
私は、その日、いつもよりも早めに学校に登校した。
そして、私は、下駄箱の中に手紙を見つけた。私は急いでそれを開けて中を見る。
その手紙には、こんなことが書かれていた。
『放課後、校舎裏に来てほしい』
私は、その手紙に書いてあった通りにその場所に行った。でも、それは罠で、待っていたのは、私に呪いをかけた犯人だった。
私は、そいつを睨みつける。
「よくも私を騙してくれたな」
「何のことかしら?」
「とぼけるな!」
「とぼけてなんかいないわ」
「じゃあ、なんで私を呼び出したりしたんだ?」
「だって、あなたがいけないんじゃない。私に嘘をつくから」
「なに?」
「本当は知ってたんでしょう?私の呪いを解く方法」
「……」
「やっぱりね」
「それがどうした?」
「いいえ、別に」
「それで、私に呪いを解かせてどうするつもりだ?」
「さぁ?それはあなたが決めればいいじゃない」
「……」
「あら、だんまりなのね」
「お前に教えてもらう必要はない」
「ふーん」
「それにしても、お前は何者なんだ?なぜ私の呪いを解けた?」
「それは秘密」
「お前、いい加減にしろよ。私の呪いを解けるのはお前しかいないんだよ」
「そう?」
「ああ」
「ならいいじゃない」
「……」
「呪いを解きたかったんでしょう?」
「それはそうだけど」
「ならいいじゃない」
「……」
「そんなに難しい話でもないのよ」
「えっ?」
「あなたの想いを伝えればきっと上手くいくはずよ」
「それ、どういう意味?」
「そうね。例えば、好きな人に告白するとき、緊張するでしょ?」
「そりゃ、まあ」
「それと一緒」
「いや、全然違うだろ」
「違わない」
「えっ?」
「そう、怖くないの」
「いやいやいやいや」
「だからね、私、呪いをかけちゃうの」
「いや、怖いって」
「怖くないよ」
「命知らずね。じゃあ、死ねば?」
クワっとワニのような大口をあけた。そして少女の右手首を噛みちぎった。
「ギャー!」
少女の悲鳴が響き渡る。
そのあとに聞こえたのはグチャリという肉を潰す音だった。
「痛い!痛い痛い!助けて!誰か、助けてぇー!!」
しかし少女の声が誰かに届くことはなかった。なぜならば、
「誰も来るわけがないでしょ?ここには私と君以外誰も居ないもの」
と、男は笑みを浮かべながら言う。そしてまた、肉を咀しゃくする音が聞こえてくる。その音は少女の耳元で囁かれたかのようにはっきりと聞こえた。
「私、死ぬの?死にたくない!まだ死にたくなんてない!嫌だよ!私はまだ、生きていたい!なのに、なのにどうして?私はこれからも生きていきたいのに!私はただ、恋をして、愛して、そして幸せになりたいのに……どうして、こんなことになるの?こんなの、おかしいよ……。こんな世界、大嫌い。こんな世の中に生きるくらいなら、いっそのこと死んでしまいたい……」
そして少女は息を引き取った。
―ザッ― ザァアアッ―――
ノイズが聞こえる。
「―で―か?―な―が―で―――き―――う―――れ―――く―――――よ―――――――?―」
ノイズ混じりに男の言葉が流れてきた。何を言っているのかは聞き取れないが、おそらく何かを話しているのだろう。
「――く――――し――――の―――――は―――だ―め―――――よ―――――で―し―く――く―の―こ―の―せ―――」
そしてノイズは消えた。
そこで目が覚めた。
「夢か……。嫌な、夢を見たな」
目が覚めると汗が噴き出してきた。体中にべっとりとついた汗を拭いて着替えると学校に向かった。学校に着くとすぐに授業が始まった。先生は淡々と話をする。内容は、今日も平和だった。
「今日はみんなに転校生を紹介するぞ」
教室が騒つく。そして、一人の男子が質問をした。
「せんせー、その人はどこから来たんですか?」
その質問を聞いて、クラスの女子は黄色い声を上げた。その質問に対して教師は、「外国からだ」と言った。
「どんな子かな?」と女子たちは嬉々として会話をしている。
そして男子たちが、その子について予想を立て始めた。その女の子は美人だとか、その子は外国人だからきっと可愛いはずだとか色々言っていた。その様子はとても楽しそうだった。そしてチャイムが鳴り響いた。そして扉が開いた。そこには一人の女の子がいた。
彼女はとても美しかった。そして彼女は微笑んでいた。その笑顔はまるで天使のように輝いていた。その美しさに見惚れた生徒もいただろう。だが大半の生徒が、彼女の瞳を直視できなかった。何故ならば、その目は真っ黒に染まっていたのだから。
「初めまして、皆さん」と、透き通るような声で言った。そして彼女はこう続けた。
「私は今日からこのクラスに編入することになった、神野 彩奈と言います。よろしくお願いします」と言って、頭を下げた。そして続けて言った。
「私の席はどこですか?」と。その言葉を聞いたクラスメイト達はお互いに顔を見合わせた。
―えっ?なんでそんなに戸惑ってるの?まさか、知らない?―とその様子を見ていた女子が呟くと一人の生徒は立ち上がって言った。「えっとね。彩奈ちゃんの席はね。一番後ろの窓際の空いている席だよ」と少し戸惑いながらも説明した。その生徒は、まるで自分がいじめられているかのような態度をとった。それを聞いた他の生徒たちも困惑した表情をしていた。すると、その少女は「わかりました。ありがとうございます」と丁寧にお礼を言うと、自分の指定された場所に向かって歩いて行った。
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
と、周りの人たちも驚いているようで、しばらくすると教室は静まり返り、そして笑いに包まれたのです。
そして少女は自分の席に着いた。そして、周りから声をかけられていた。その反応から察するに、どうやら転入生が日本語があまり得意ではないことを悟っているようであった。
少女が口を開く。すると、声が二重に重なって聞こえてきた。
「はじめまして、私は彩奈といいます。みなさんよろしくね」
そして少女の笑顔を見た人たちは皆、見惚れてしまっていた。その可愛さに頬を赤らめ、照れたような顔をしている。その様子を見ていて私はなぜか、モヤっとした気持ちになり、気がつくとその子の方をじっと見つめていました。その時です。少女と目があったのです。
私は慌てて目を逸らすと胸の奥に妙なざわつきを覚え、思わず胸を手で押さえてしまいました。鼓動も高まっている気がしました。(何なんだこれは?)と思った時にふとある考えが浮かんできました。それは少女が私の呪いをかけた本人だということでした。私はそのことを確信しましたが証拠がないため問い詰めることができませんでした。そこで放課後に少女の後をつけることにしたのです。
放課後になると少女は一人になったタイミングで話しかけられています。そして、そのまま人気のないところに行くと二人でどこかに行ってしまいました。私はこっそりついていく事にしました。
「それでね、私好きな人が居るの」
「そうなんだ」
(好きな人いるんだ……。ってことはやっぱりあの時見たのは……。いや、決めつけるのはまだ早い)
「それでね。その人に告白したいんだけど勇気が出なくて……。ねえ、どうやって告白すればいいと思う?」
「ええっとね……」
「やっぱりストレートに言うべきだと思う?それとも何かサプライズを仕掛けるべきかな?」
「そうだね……」
「それとも手紙を書くべき?」
「それは……」
「ん?どうしたの?」
「それはあなた次第よ」
「そっかぁ……」
「ねぇ」
「なに?」
「もしもの話なんだけどさ」
「うん」
「私が呪いを解いてほしいっていったらどうする?」
少女は唐突に問いかけてきました。その目は黒く濁っていました。そして少女は続けます。
「だってね、あなたの呪いのせいでね、私の家族が死んだの。あなたの呪いのおかげで私は大切な人を亡くしたの」
少女の目には涙が流れており、今にもこぼれ落ちそうでした。私はその言葉を黙って聞いていましたが何も言い返すことが出来ません。その言葉は私にとって重い言葉でした。私は今まで何人もの命を奪ってきたのです。それを改めて思い知らされました。だから私は謝ることしか出来ません。しかし少女はそんな私を許そうとはしませんでした。
「どうして?」
少女は声を荒げて私に問いかけてきます。
「私はあなたの呪いを解きたかったのよ?なのにどうして?どうして私に優しくしてくれるの?どうして?どうしてなの?」
そう言って少女は泣き崩れた。嗚咽交じりに何度も私に問いかける。私はそれに答えることが出来ない。ただ沈黙がその場を支配する。そして私は、その少女が流す雫を見ていて心の底から罪悪感を感じた。私なんかよりも、この少女の方が苦しんでいるはずなのだ。それなのに私は……と自分を恥じているうちに男は言った。
「わかったよ。俺の負けだ。君の言うとおりにしよう。でも約束してくれ。これから起こる出来事は誰にも言わないで欲しい。俺は君を助けたいだけなんだ」
そう言って男はポケットの中からあるものを取り出した。その手に持っていたものは一枚の写真とナイフだった。
「これを、君に渡しておくよ」と言って、写真を少女に手渡し、少女はそれを受け取った。
「これは……写真?」と、少女は疑問を投げかけた。すると男が「君の家族だよ」と言った。「そう……なの?これが……家族の……みんな……」そう言って少女は嬉しそうに笑みを浮かべた。
そして少女は男にこう聞いた。
「ところで……これって誰なの?」
「それはね……僕の妻だよ」と、彼は悲しそうに答えた。
「妻……じゃあこの子は……私の娘……なのかな……?」
「多分……だけど……そうだと思うよ」
「本当に!?やった!」と少女は歓喜に満ちた表情を見せた。
「君は、僕の妻の生まれ変わりかもしれない。だから……その……」
「なに?」
「もう一度、やり直したい。妻との思い出をまた作り直していきたい」
「つまり、どうすれば良いの?」
「この呪われた町を出て、新しい人生を歩み出してほしい。もちろん、一緒に来てくれないか?」
「分かった。行きましょう」
少女は、覚悟を決めたようにはっきりとした口調で言った。そして私たちはこの町を旅立つことにしたのでした。
「ちょっと待ってください。まだ終わっていないでしょう?」
そこで私は二人の会話に割って入ります。そして続けて私はこう言います。「もし仮にあなたがその呪いを解くことが出来るのならば、私の命を助けて欲しいんです」と。
少女は一瞬戸惑いを見せましたが、すぐに真剣な眼差しになって男の方を見つめると、その願いを聞き入れてくれました。
「わかった。その頼みを聞いてあげる」と、男は力強く言いました。
すると私の体から何かが抜けていきました。それはとても温かいものでした。
そして男は、ある呪文を唱え始めました。そしてそれに合わせて少女も詠唱を始めました。そして二人は手を繋いで、私の方へと近づいてきました。そして私の頭に触れようとした時、男の方に異変が起こります。
―ドクンッ 彼の胸からは大量の血が溢れ出していました。そして、少女はその光景を目の当たりにしても冷静さを保っていました。
すると次の瞬間、私の視界が歪み始めました。
―ぐにゃり 歪んだ景色の中で、男は少女に何かを囁いていました。すると、少女の顔がだんだん青ざめていくのが見えました。すると私の頭に触れた時、私の頭の中に映像が流れ込むような感覚が襲います。
―どくん その瞬間、頭の中を誰かの記憶が流れました。――そこは真っ白な世界、そこに一人の少女が立っている。彼女は周りを見渡すと何かを見つけたのか、そちらに向かって駆け寄っていく。その先に居たのは一人の青年でした。その顔はどこか寂しげで、しかしとても優しかったです。「おとうさん!!!」
少女は彼に勢いよく抱きつく。それに応えるように彼も優しく彼女を抱きしめる。
そして二人はしばらく抱擁した後、お互いの手を握って見つめ合う。そして口づけを交わすと、少女は幸せそうな表情で眠りについた。そしてそれを見た彼も、少女の額にキスをして、愛おしそうな目で少女を見下ろしていた。「瑠奈」と、彼は優しく呟いた。
そして場面は暗転する。
「もう大丈夫ですよ」
と、私を気遣うような声で男が言う。
「ありがとうございます。ありがとうございます」
私は何度も何度も、繰り返しそう言い続けた。その言葉を聞くたびに私の瞳から熱いものがこみ上げてくる。私はその度に何度も感謝の気持ちを口にした。しかしそれと同時に私を縛りつけていた何かが解けていくような気がした。その時です。突然、目の前に黒い渦が現れたのです。その向こう側には、少女の姿がありました。
「どうして?」
「ごめんね。本当は呪いを解いてもらうためだったの」
「そう……なの?」
「うん。だって……お父さんは私を救ってくれなかったから」
その一言を聞いた私は驚きました。なぜなら私はこの少女の呪いを解いていたと思っていたからです。
「あの人は嘘つきで卑怯者だった。でも私にとっては大切な人で、ずっと一緒だった。だから私にとっての家族はこの人だけなの」
「そうなんだ……」
「でも安心して」と少女は言います。「私にはまだこの人という家族がいるのだから」
少女は笑顔で言う。その顔は、どこか清々しい様子であった。そして、彼女の口から一つの提案がなされる。
「ねえ、もしもの話なんだけどさ」
「うん」
「私が呪いを解いてほしいっていったらどうする?」
「ええっとね……」
「やっぱりストレートに言うべきだと思う?それともサプライズを仕掛けるべきかな?」
「そうだね……」
「それとも手紙を書くべき?」
「それは……」
「ん?どうしたの?」
「それはあなた次第よ」
「そっかぁ……」
「そうだね」
「もしもの話なんだけどさ」
「うん」
「私が呪いを解いてほしいっていったらどうする?」
「ええっとね……」
「やっぱりストレートに言うべきだと思う?それともサプライズを仕掛けるべきかな?」
「そうだね……」
「それは……」
「それは?」
「それは……」

「……なんだい?」
男は優しい声で少女に語りかけます。そして私は聞きます。
その言葉は……、一体何?少女の言葉を待つと、少女は静かに言い放ちます。その言葉はとても冷たく、鋭利な刃物のような鋭さと重さを持った言葉でした。ラジオ魔人山の呪いがさく裂したのです。魔人山には遊郭がありました。
「どうして?って聞いたわよね?」
少女は男を見つめて問いかけました。男は動揺していました。
「どうして?どうしてって言ったの?」
男は何度聞かれても黙っていました。それは私も同じです。そして少女は私に向かって言の葉を紡ぎます。
「どうしてあなたたちは私を救わなかったの?」
「違う、僕は君を救うつもりだったんだ」
「私のために死んでくれるって約束してくれたじゃない」
「それは……」
「あなたが私のこと好きって言ってくれたから私もあなたのことを愛したのに、どうしてこんなことになるの?」
「魔人山のせいさ。あそこには遊郭の廃墟があってね。江戸時代にやり捨てられた女の怨念と白骨が転がってるそうだよ。そういえば君の前世も湯女だったとか」

「……そうよ」
「だからその恨みの念に君の魂は乗っ取られたんだよ」
「だったら私はあなたに復讐してやる。私はあなたの奥さんに呪いをかけて、そして殺してやったのよ」
その少女は男に対してそう言い放つと、
「だからあなたにも、同じ苦しみを味あわせてあげる」
と、少女は言って男の喉に噛みついた。するとそこから鮮血が溢れ出し、少女は口を真っ赤に染め上げる。
「ほら、あなたも早く私を殺しなさいよ」

「く……う……あ……」
「出来ないの?」
「……できない」
「そう、じゃあもういい」
「あ……待ってくれ……」
「もういいよ。もうたくさん」
「待ってくれ!」
「私、知ってるよ。お父さんは私よりもお母さんのことの方が好きなんでしょ?」
少女は男の胸にナイフを突き立てました。そしてその手を男の首へと伸ばします。
そして、力を込めて握りしめました。
その時、私は自分の身体から何かが抜けていくのを感じました。私の体から命が溢れ出していくような感覚がしました。
すると少女は私の方へと近づいてきて、私の頭に触れました。すると私の頭の中に映像が流れ込んできたのです。
――どくん 私の頭の中に映像が流れ込んできました。
――どくん
「あなたの娘はね、まだ生きているのよ」
少女は男にそう告げました。
「嘘だ!」
「本当よ」
「じゃあなんで僕のところに戻ってこないんだ!?それに、この映像はいったい……」

「この子のお母さんが、あなたを殺すために呪ったの」
「なんで……?」
「あなたが、私の家族を奪ったから」
「違う、僕は、ただ、お前を救いたかっただけなのに」
「それならなぜ、私を置いて先に死んだの?」
「それは……」

「もう遅いの。もう取り戻せないの」
「そんなことはないはずだ、だって、今こうして一緒に居るじゃないか」
「私はあなたが憎い」
「頼む、僕を殺してくれ」
「嫌」
「君は僕を愛してくれているんじゃなかったのか?」

「私はもうあなたが嫌い」
少女はそう言いました。すると突然男は叫びました。
「どうして!?あんなに可愛がっていたのに!!どうしてなの?どうしてなの?」
「あなたが私のお母さんを殺したから」
「違う!!」

「違わないよ。あなたが殺したんだ」
少女は冷淡に答えた。すると男は、
「そうだよ、僕が殺したんだ。ごめん、許してほしい」
「謝れば良いと思ってるの?」
「お願いします。この通りです」

「だめ」
「本当にごめん。何でもするから」
「なんでも?」
「うん。だから……助けてください」
「私を助けてくれるの?それじゃあさっき私が言った事を覚えてる?」
「もちろん」
「だったら、あの言葉を言ってみて」
男は、
「分かった」
と、大きく息を吸うと、はっきりとした口調で少女に告げます。
―愛しているよ、と。少女はそれを聞くと、嬉しそうな顔をした後、静かに目を閉じて眠ってしまいました。
「お父さん、どうして私を置いて先に逝ってしまったの?」
「……君を守るためだよ」
男は、悲しそうな表情で呟きました。そして少女の亡骸を抱きかかえると、そのまま立ち上がります。そして少女の体をそっと置くと、少女の顔を見て言いました。
「瑠奈、また会いに来るよ」
そう言い残して男は消えてしまいました。残されたのは私の心の中に刻まれた悲しみだけでした。
私はそのあと、泣き疲れて眠りについてしまったようです。気がつけば、朝を迎えていました。
「あれ?夢だったのかな?」
ふと窓の外を見るとそこには魔人山の姿があります。私は急いで支度を済ませると、家を出ることにしました。魔人山に、少女の魂を返しに行こうと思ったからです。私は玄関を出て空を見上げました。
「さようなら」
私が呟いたとき、後ろから物音が聞こえました。振り返るとそこには男が立っていて私に微笑みかけてきます。そしてこう言いました。
「さぁ、行きましょうか?」
***
―――ねえ。私と一緒に、魔人山へ行きましょう。あの遊郭へ。女たちの怨霊が渦巻く場所へ。
「はい」
男はそう言うと、手を差し伸べてきました。
そして二人は手を繋いで、ゆっくりと歩き始めました。
(終)
*
「うわあ、これすごいなあ」
と、少年は感嘆したように呟く。
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