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いと哀れなり

原作: その他 (原作:鬼滅の刃) 作者: takasu
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「私はダメです。食べる時間があれば足手まといにならないよう鍛錬をしなければなりません。私は柱の中で一番弱いので。大丈夫です。街の方から頂いたものなので誓って毒など入っておりません。安心してお召し上がりください。」

そう悲しそうな顔をされてしまったので愛は受け取るしかなく、それを持って柱達を呼んだ。

愛「みなさん、どうぞ、これ…」

伊黒「突然どうした。」

愛「街の人から…。」

甘露寺「頂いたの?」

愛「矢神さんが…頂いて…私から渡して欲しいって…」『こんなの自分の手柄になんてできるわけないじゃない!』

「愛柱様の愛想が宜しかったので、それを見ていた方達がきっと私に預けたんだと思います。皆様の好物がありましたので。」

そう言うと皆様悲しそうな顔をされました。

やはり私からだとわかると嫌なのでしょう。

申し訳ないです。

「藤の宿までお持ちしますね。」

そう言うと皆様各自自分の好物を持って下さりました。

「お荷物を増やしてしまい申し訳ありません。」

私はまた人を不快にさせてしまいました。


藤の宿に着きましたので私は宿の前で皆様の休息が終わるまで外で待つことにしました。鍛錬の時間です。

愛「どうして門の前で止まってるの?」
 
「私は鍛錬の時間なので。それに、皆様と同じ宿に泊まるなどおこがましいですから。宿の方に湯浴みだけさせて頂けるように頼むつもりです。」

甘露寺「だめよ!ちゃんと休まなきゃ!」

「休息は歩いているだけで出来ますので今日はもうじゅうぶんと休息をとりましたので大丈夫です。」

私がそう言って皆さんに背を向けると今度は音柱様に腕を掴まれてしまいました。

宇髄「お前も泊まるんだよ!なーに地味に一人で鍛錬なんかしようとしてんだ。」

私はそのままま引きずられるように宿に連れられました。

部屋は男女で分かれておりましたがお食事は皆さんでとるようです。

甘露寺「さぁ!今日の任務に備えていっぱい食べるわよ!ゆりえちゃんも行くわよっ!」

私は半ば無理矢理食事をする部屋に連れて行かれました。

私は一切食べませんので宿の方に飲み物だけを頂こうとすると皆様に怒られました。

不死川「食えっつってんだろォ」

宇髄「派手に痩せ過ぎだ!」

伊黒「食わないで任務に臨めるわけがないだろう。だいたいその髪は…ネチネチ」

愛「食べなさいよ…」

甘露寺「腹が減っては戦はできないわ!」

そうは言われましても…

「私がもし今日の任務で足を引っ張だてしまった場合、殴られた時に吐いてしまってはいけませんので。失礼します。」

私はそう言って一人部屋を出ることにしました。

私のようなものがいない方が皆さんゆっくり食事をとれるはずです。

そのあと皆さんが重い空気で話をしていたことを知らずに…


不死川「なァ、愛。…お前、本当に虐められていたのか?」

宇髄あんな地味な奴が派手に虐めをするか…?」

その言葉に柱全員は俯いた。

愛「…」

甘露寺「愛ちゃん…」

愛が返事をすることはなく、食事も終わり、任務の時間になった。

再びゆりえと合流するとそこにはボロボロの彼女がいた。

宇髄「派手にボロボロだな!」

「すみません、お見苦しい姿を。」

そんな会話も柱全員が混ざることなく突然鬼は現れた。

上弦の零と目に描かれている鬼は人間の跡はなく唸っているだけでただただ強かった。

柱達が苦戦する中、ゆりえは一人戦いながら頭を働かせていた。

そんな時だった。甘露寺と不死身川が攻撃を避けられそうになかった。

「伊黒さんっ!宇髄さんっ!」

ゆりえは伊黒の方に甘露寺を、宇髄の方に不死川を飛ばしそして代わりに自分が攻撃を受けた。

そしてまたその横で愛が攻撃を受けようとしていた時、愛は真横にいたゆりえを引っ張り盾にした。

そして攻撃を受けながらもゆりえは鬼の首を切り落とした。

ゆりえは頭や身体中から血を流していたが自分を盾にした愛に手を差し伸べた。

「大丈夫ですか。」

そんなゆりえの手を愛ははたき落とした。

「すみません。」

そんな愛を柱達は責め立てようとしたが愛は恋の呼吸を使った。

愛「も、もう後には戻れないのよ…!」

そんな彼女の姿を見てゆりえは眉を下げてまた自ら嫌われる道を選ぶことにした。


宇髄「なーに派手に怪我してんだ!」

伊黒「甘露寺を突き飛ばすとはお前は許さない。だいたい…ネチネチ…」

「すみませんでした。」

そして彼女は男達から暴行を受け、その日は宿に戻ることなく地面に横たわっていた。

地面に這いつくばり、痛みこそ感じないもの、動かない体を無理矢理動かして名前だけ書いていない報告書を作り鎹烏に報告書を愛柱様の元へ運ぶように指示を出し、立ち上がり刀を振った。

朝になるまで何度も何度も。

そして朝には柱達と合流し一歩後ろを歩いた。

しかし途中で足が思うように動かなくなってきた。

「すみません。私は用がありますのでここで失礼します。」

嘘だった。

だけれど誰もそれに反応することなく去っていったのでその場に蹲った。

視界はぼやけるし、息もうまくできない。
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