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Sky

原作: 名探偵コナン 作者: takasu
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5

暫くして本部に戻るとそこに零くんはいなくて、私だけが残っていた。

翌日部下に振り分けるはずの仕事を少しでも片付けて部下への負担を減らしていく。

そして気がつけば朝になっていた。

眠気を覚ますために風見くんに買ってきてもらったコーヒーを片手に会議の資料の最終確認をする。

誰もいない時間帯は椅子の上に体育座りをしてかたからジャケットを被せて小さく丸まって仕事をするのがいちばんおちつくのだ。

だが毎日そんな時間まで仕事をして職場だ朝を迎えていると流石に注意力も散漫になっているのか、それとも集中しすぎているのか、人が来ても気がつかないことが多かった。

上司「おはよう」『またあいつ集中して…;』

風見「おはようございます。…って!矢神さん?!まさかまた帰ってないんですか?!」

「~で…であるから…+++になり…」

風見「矢神さん!!」

「あ、おはようございま…あ!こんな時間!私ちょっとシャワー浴びてくる!」

風見「どこにいくつもりですか?!」

「ジム!シャワー浴びて着替えるだけなら十分!いってきます!」

風見「あああ!待ってください!!せめてはい!これ食べて下さいね!」

「ありがと^^」

私は風見くんに手渡されたゼリーを食べながら近くのネットカフェにシャワーを浴びにいった。


「で、でも…ここから入って抑え込むには…」

降谷「いいから2人で行くぞ。ほら早く支度しろ」『そんな疲れた顔で1人で行かせるわけにはいかない…』

「…」『どうしよう…私は…零くんに嫌われてるのに…』



「零くん、ここまでにしよう。今日2人で乗り込むのは危険だよ」

降谷「いやまだだ。あと少しで確信をつける…!」

「だめだよ、奴らが…って!零くん!!」

止めようとするも目の前の奴らに夢中になっていた零くんはそのまま飛び出して言ってしまった。

降谷「そこで何をしている!!現行犯逮捕だ!!」

「待って!まだこいつら仲間がいるのっ!」

犯人「ふふ、お前ら2人で何ができる?ばかか?」

そう言って何人もの大男達がやってくると私達はあっという間に捕らえられてしまった。

流石に100:2じゃ部が悪すぎる。

私は応援を呼ぶか、裏口から一人一人抑えて行く予定だったが零くんは突っ走って言ってしまった。

私達は冷凍コンテナの中に入れられてしまったようで。幸い拘束さえされていないものの、気絶させられている零くんとじゃ何もできない。

このまま零くんが気絶させられたままだとこの冷気の中、いつ死んでもおかしくない…

私は隠し持っていた連絡用の携帯で風見くんに状況を伝えると、ジャケットやシャツを投げる範囲で脱ぎ、零くんを冷やさないように温めた。

凍えながらも倉庫の中を物色していると防寒に使えそうな段ボールが数枚見つかり、それも零くんへと被せた。

「寒いな…」『例え私が死神だったとしても…これ以上誰も死なせたくない…』

寒さで段々手足の感覚もなくなってきた頃、零くんが隣で目を覚ましたようだった。

降谷「…っ」

「もうすぐ、応援が来るから少し我慢してね…」

私は零くんにそう声をかけると零くんは自分にかけられた服に驚いていたようだった。

降谷「これ…!お前、馬鹿か!!死ぬぞ!!」

「零くんが死ななければいいの…」

ぼうっとしてから頭をしっかりと動かして返事をする。

降谷「!!」『やはり俺の言ったことを気にして…』

「はやくこないかな…風見くん達…」

降谷「早く服着ろ!!俺はもう大丈夫だ!!」

「だめだよ、零くん殴られたんだから、ゆっくりしてなよ…私は大丈夫だから。だって今日は空の誕生日だからケーキ買っていってあげないといけないの。…こんなところで死んでる暇なんてないからさ…」


と言っているとガタガタと聞き覚えのある声が聞こえてきた。

風見「矢神さん!!大丈夫ですか?!」

「…っ。…風見くん!!零くん殴られたの!!先に零くんをここから出してあげて!!私は自力で動けるから!!」

風見「降谷さん!!」

私は精一杯叫ぶと全員が零くんの方へ向かった。その間に私はゆっくりと立ち上がると壁伝いに外へと歩いて行く。

だって誰にも見られたくなかったから。…暗闇に閉じ込められるのが怖くて震えていた姿なんて見せられなくて。光のある外に出た瞬間、私はその場へとへたり込んだ。

『私さえいなかったら、零くんはあんな危険な行動にでなかったのかな…?私のせいで、零くんを危険な目にあわせちゃったのかな…?』

ただぼうっとその場に座っていると零くんはどうやら自力で立てたらしくて、平然と部下に指示を出しているようだった。

『私も仕事しなきゃ…。早く部下に指示を出して…物品の押収をして…』

頭ではそう考えているのに先程の恐怖からか全く足に力が入らず、立つことさえできなかった。そこでやっと気がついた。震えが全く止まっていないどころか、先程よりもひどくなっていることに。

「あは…なにこれ…もう、こわく、ない、んだけど…な…」

そう思うもなぜか勝手に出て来る涙を止められず、なんとも情けない姿になってしまった。
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