第5話「カンナ・2」
カンナのお尻の穴に人差し指を押し込んだ男は、グリグリと指を動かした。
「んあっ……んくぅっ!」
男の肉棒を口の中に含んだままのカンナは、くぐもった声を漏らしながら、お尻を震わせる。
お尻の穴をいじられてカンナが抱くのは、嫌悪感ではない。快感であった。
快感が、カンナのお尻を震わせる。
男の指でお尻の穴をいじられて快感を抱きながらも、カンナは唇を使った奉仕を忘れることはない。
「ん、んじゅ……んむ……んじゅぅ」
頭を前後に動かし、唇で肉棒をしごき続ける。
カンナはただ唇で肉棒を出し入れするだけではない。舌も使う。
唇でしごきながら舌を動かし、肉棒に刺激を加える。
彼女のお尻の穴を指で愛撫する男は、満足そうな吐息を大きくさせた。
唇と舌で刺激される男の肉棒は、いつしか脈動をはじめていた。
カンナが頭を前後に動かして唇でしごくたびに、舌を動かすたびに、肉棒の脈動は大きさを増していく。
彼女のお尻の穴をいじっている男は、ソコから指を抜いた。
そして両手でカンナの頭を掴むと、自分の好きな速さで彼女の頭を前後に揺さぶる。
「口の中に出すとしようか」
そう言って男は、カンナの顔を自分の股間に押し付けるようにした。
「んぶっ!」
喉の深い部分まで肉棒で突かれ、カンナは苦しげな声を漏らす。
その直後、男のモノは弾けた。
弾けて、カンナの口の中に白濁液を放つ肉棒。
「飲むんだ」
言われて、カンナは喉を鳴らしながら口の中を満たす白濁した体液を飲み込んでいった。
一気には飲み込めない。少しずつ飲み込んでいく。
肉棒を通して、カンナの口の中が空になるのを男は感じ取った。
白い糸を引きながら、カンナの口から肉棒が抜かれる。
飲みきれなかった白濁液がこぼれ、カンナの口の周りを白く汚していった。
「そのまま後ろを向くんだ」
男の股間では、まだ肉棒がそそり立ったままである。
物足りない……そう言いたげに、存在を誇示していた。
「あいよ」
四つんばいの姿勢のまま、カンナは後ろを向く。そして、プリンッとした可愛らしい形のお尻を高く上げた。
肩越しに男を誘うような表情を浮かべた顔を見せ、高く上げたお尻を左右に小さく振る。
表情とお尻の動きに誘われるように、男はカンナのお尻へと両手を伸ばす。
お尻を両手で掴むと、男は肉棒の狙いを無毛の股間へと定めた。
肉棒の先端が、スリットに触れる。
硬い肉の感触を股間に受け、カンナの顔に浮かぶ表情が誘うようなものから期待するようなものに変化する。
彼女の期待に応えるかのように、男は腰を突き出した。
怒張しているモノが、スリットを左右に割り広げる。綺麗なピンク色の秘洞へと埋没する肉棒。
「ああっ! ああぅっ!」
秘洞から快感が混ざった衝撃が走ってきて、カンナは声を響かせながら首を反らす。
カンナの秘洞は狭く、きつい。
その狭さときつさが、ギチギチとした締めつけを生み出す。
秘洞の締めつけを楽しみながら、男は腰を動かした。
「あっ、あっ! あぅっ! ああっ!」
肉棒が秘洞をえぐるたびに快感が走り、カンナは顔を赤く染めて喘ぎ声を男に聞かせる。
男はガンガン、ガンガンと遠慮が感じられない動きで彼女の秘洞を突く。
「あふぅっ! ふあっ! ふぅあっ!」
肉棒で突かれるたびに、秘洞からは少女の蜜が滴となって飛び散り、ベッドのシーツに点々としたシミを作っていった。
「あっ、あっ! あふっ! あふうっ! あっ、あっ!」
カンナが快感を得ているのを示すかのように、秘洞はウネウネと妖しく蠢く。
その妖しい蠢きは、肉棒を刺激して男を興奮させる材料となる。
カンナを突く男の腰の動きが、激しいものになった。
「ああうっ! ふぅあっ!」
カンナが感じる快感が強いものになる。喘ぎ声が大きくなる。
男が腰を動かすたびに、四つんばいになっているカンナの体は前後に揺れた。
やがて男は体勢を変える。
ベッドの上であぐらをかくような姿勢をとり、股間の上にカンナを乗せるような体勢となった。
「あぅくうっ!」
自分の体重で体が沈むカンナ。男との結合が深くなり、感じる快感はさらに強まった。
座位の体位をとった男は、カンナのようやくくびれはじめたという感じの腰を抱き、彼女の体を上下に揺さぶる。
「あふぅっ! あうふぅっ! あっ、あぁっ!」
男の手で上下に揺さぶられるたびに、カンナの中の快感はどんどん膨らんでいく。
部屋の中には肉棒が秘洞をえぐる音とともに、甘く潤っているカンナの声が響く。
「あっ、くぅあっ! くあっ! あくぅっ!」
疾走する快感で酔ったような表情を浮かべるカンナが響かせる声、それは切羽詰まったようなものになる。
先ほど放ったばかりの男だが、カンナをえぐる肉棒は再び脈動を開始していた。もう次を放ってしまいそうである。
男はカンナを上下に揺さぶる動きを速めた。
「あぁっ! あふぅっ! ああっ!」
破裂寸前まで膨らんだカンナの快感。
肉棒の脈動を大きくさせた男は、ソレが抜けるギリギリまでカンナの体を持ち上げる。
そして、勢いを乗せて一気に落とした。
「あくぅうっ!」
肉棒が根元まで秘洞に埋まる。カンナは男の股間の上で背中を弓なりに反らす。
「あっ、あっ……あふぅあああっ!」
ビクビク、ビクビクと体を大きく震わせるカンナ。肉棒が埋まる秘洞からは、大量の少女の蜜が噴き出し、男の股間をベトベトに濡らした。
性の高みに達したカンナ。同時に、男のモノも弾けていた。
白濁した体液が放たれ、カンナの秘洞をかき回す。
秘洞から肉棒が抜かれると、ソコからは白濁液と少女の蜜が混ざったものが溢れだした。
男が腰から手を離すと、脱力したカンナはベッドに崩れ落ちる。
全身の肌を真っ赤に染め、汗まみれにし、荒く呼吸をするカンナ。今にも意識を失ってしまいそうであった。
そんなカンナを見下ろす男の顔には、満足したような表情が浮かんでいた。
◇◇◇
崩れた建物が並ぶ区画。その男は、そんな場所を走っていた。手には金属製のケースを持っている。
顔には必死の表情が浮かんでいる。
男は逃げていた。追われていた。
一刻も早く【忘れられた街】から出たかった。だが、ここは【忘れられた街】のほぼ真ん中に位置する場所。
【忘れられた街】から出るには遠い場所であった。
追っ手さえ振り切ればどうにかなる。だが、振り切れない。追われ続ける。
「うわっ!」
逃げている最中、ガレキに足を取られて転倒してしまう。
その表紙に手からケースが離れ、地面に落ちる。
ケースのフタが開く。中に詰まっているのは、札束であった。
男が追われている原因である札束。
転倒した男は慌てて立ち上がり、ケースを手に取ろうとするが、その瞬間であった。
辺りに銃声が響いた。
男は悲鳴を上げ、再び倒れる。後ろから脚を撃たれた。激痛が男を襲う。
足音を小さく響かせ、誰かが倒れた男の元に歩み寄ってくる。男を追っている者。
男は追っ手を見て顔をひきつらせた。
追っ手は少女であった。褐色の肌で、癖のある髪をロングにしている少女。年齢は12歳くらいに見える。
カーキ色のタンクトップに迷彩模様のジャケットとズボンという格好だ。
タンクトップの胸の部分には膨らみがある。発育のいい少女だ。
褐色の肌の少女の右手には、拳銃が握られていた。
モデルの古い、5発しか撃てないリボルバー拳銃だ。かつて、この国の警察が使っていた拳銃。
この国の警察の拳銃がオートマチックのものに更新されたことで、処分が決まった。
しかし、処分される直前に災厄地震が起きた。大量の拳銃は処分されず、【忘れられた街】に流れてきた。
【忘れられた街】では容易に入手できる拳銃だ。それに安く売られている。
そんな拳銃を持っている少女が近づいてくるのを見て、男は「ひっ」と情けない悲鳴を上げる。
褐色の肌の少女……12歳の少女であるディアナは、拳銃を男に向けた。
「た、助けてくれ!」
男はディアナに助けを乞う。
ケースの中の札束をいくつか手に取り、彼女に差し出した。
「か、金をやる! いくらもらったんだ? その倍、出すぞ!」
「悪いけど、あんたから金は受け取れない」
ディアナは拳銃を男に向けたまま、冷たい口調で言う。
「あんたから金を受け取ったら、私は信用を失う。こっちは信用商売なんだ。信用を失うわけにはいかない」
買収は通じない……それを知った男はディアナから逃げようとする。しかし脚を撃たれたため、その動きは遅い。
ディアナはトリガーにかけている指に力を入れた。
銃声が響く。男は地面に突っ伏し、そのまま動かなくなる。真っ赤な水たまりが、男を中心にして広がっていった。
男はピクリとも動かない。頭を撃たれて死んでいた。
「馬鹿な男だ」
金が詰まっているケースに視線を向けるディアナ。
「組織の金に手を出すなんて」
男が持っていた金は、男のものではない。男が所属していた組織の金だ。
男は組織から金を盗んだ。組織は金を盗んだ男の処分を決めた。ディアナはその処分を依頼されたのだ。
ディアナは迷彩模様のズボンのポケットからスマートフォンを取り出し、男の死体の写真を撮った。データをある人物のスマートフォンに送る。
すると、スマートフォンが着信音を鳴らした。液晶画面に表示されるのは、ある組織の人間……組織の支配者である男の名前だ。
ディアナは通話のアイコンを押す。
「ツカダさん、ターゲットは始末しましたよ」
『ご苦労、ディアナ。後はこっちでやる』
後のこと……金の回収だ。死体の処分ではない。【忘れられた街】では、死体など珍しいものではない。放っておいても問題はなかった。
ディアナは「了解」と答えると通話を切り、スマートフォンと拳銃をしまった。
そして、もう死体には視線を向けることなく、その場から去る。
金次第で何でもやる何でも屋……殺しもやる。それがディアナという少女であった。
翌日、ディアナが住んでいるアパートに1人の男が訪れた。
【忘れられた街】の権力者の1人であり、何でも屋ディアナのお得意様であるツカダという人物の使いだ。
「ツカダさんからだ」
男は分厚い封筒をディアナに差し出した。
中身は金だ。昨日の殺しの報酬である。
「ツカダさんに伝えてくれ」
ディアナは使いである男に言う。
「またいつでも依頼してくれ、と」
「ああ」
仕事を終えた男はアパートを去った。
男の姿が見えなくなると、ディアナのスマートフォンが鳴った。知り合いからの着信であった。
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