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METAL GEAR SOLID the ROCK

原作: その他 (原作:メタルギアソリッド) 作者: gekco
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第七話

「オタコン、次のミサイルの場所はわかるか?」
「今衛星写真で調べているところだよ。たぶん、灯台と建物屋上だと思うんだけど・・・。」
そのとき、館内放送が響いた。
「侵入者へ告ぐ。私は合衆国海兵隊ハメル准将だ。たった一人でここまで妨害工作を遂行したことは賞賛に値するが、君は人質の存在を忘れているようだ。」
バクスターが連れてきた人質をマイクの前に座らせた。
「何か話せ」
ハメルに促され、人質がかろうじて声を出す。
「妻と、娘も人質に取られている。今、頭に銃を突きつけられてるんだ・・・た、助けてくれ、頼む・・・」
「君が盗んだ誘導チップを返却しないと、この人の頭を撃つ。すぐに返しに来るんだ。」
ぶつっと、放送機器が切れる音がした。
「ス、スネーク・・・」
「ジョニー、チップは俺が預かろう。」
スネークは誘導チップを受け取ると、全て踏み潰した。
「いいかジョニー、お前は残りのミサイルを見つけ出して無力化しろ。奴らはSeal’sの生き残りが一人だと思っている。俺がハメルと話してくるから、お前はミサイルを探すんだ。」
「話してくるって、相手は気の狂った海兵隊だぞ!」
「いや、少なくとも俺の知っているハメルという男は狂人なんかじゃない。それを確かめてくる。」
そう言い残すと、スネークは司令室へ向かった。


「なぜ待つんです。さっさとぶち殺しましょう!」
拳銃を引き抜くダロウを、バクスターが制した。
「決めるのはお前じゃない、ダロウ。将軍だ。」
舌打ちしながら銃をしまうダロウ。
殺伐とした空気が漂う司令室に、一人の男が近付いてきた。
男は見たことのない戦闘服に身を包み、両腕を頭の後ろで組んでいた。降伏のサインである。
「誰だ?」
バクスターが尋ねると、男は口を開いた。
「放送を聞いてきた。」
男の装備に疑問を持ちつつ、ハメルが尋ねた。
「所属と姓名、階級を名乗れ。」
「元FOX HOUNDの、スネークだ。」
バクスターはじめ海兵隊員たちは首を傾げたが、ハメルだけは理解していた。
「そうか、キャンベルの差し金か。」
「俺はもう除隊している。キャンベルとの腐れ縁でここへ来た。」
「キャンベルならわかるはずだ。どうして私が立ち上がったのか。死んでいった海兵隊員たちの無念が。」
「それが、こんな毒ガスミサイルでどうにかなると思っているのか。新兵だったころ、あんたは俺の教官だった。あのハメル教官はどこへいったんだ!」
「チップを返せ、スネーク!」
冷たい声で、ハメルがガバメントを向ける。
「踏み潰してきた。」
「バカなことを・・・」
「どうする?俺と人質を撃つのか?」
ハメルは緊迫した面持ちで、スネークと人質を交互に見た。


「あった・・・」
ジョニーは吹き抜けの天井を見上げた。
ミサイルランチャーの三脚が見える。
非常階段を登ると、目の前にミサイルが見える。
スネークが必死に時間を作っているはず。今のうちにミサイルを・・・。
と、そのとき。
ジョニーの体が空を舞い、地面に叩きつけられた。
「よぉ、トーシロのぼーや!」
フライがジョニーの体に蹴りを入れる。
「ヘンドリックスがしくじったっていうから、必ずここに来ると思ってたぜ!」
ぐったりと倒れこむジョニーに、フライが話しかけた。
「本当はこのままなぶり殺しにしてやるところなんだが、お前は特別ゲストだ。めでたく人質の仲間入りだぜ」
最後に付け足した。
「・・・トイレだけは行かせてやる。」


独房にジョニーの叫び声が響く。
「トイレには行かせてやる!?ふざけんな!何が海兵隊だテロリストめ!」
「落ち着け。今はここを抜けることだけ考えろ。」
そうはいっても、大昔に作られた単純な構造の独房ゆえに、脱出手段が見当たらない。
そこへ、フライとダロウ、ドローズ伍長がやってきた。
「よお、お前Seal’sじゃなくて、ただの傭兵らしいな?」
スネークは答えない。
「おいドローズ、こいつを出せ。逃げられないようにな。」
スネークの腕を後ろで固定しながら、ドローズが独房から出した。
ダロウが腹を殴る。
「てめぇがジャマしたせいで、儲け話がパーになりそうだぜ!」
「傭兵ふぜいがふざけたマネしやがって!」
スネークの全身に鈍い痛みが走る。
膝から崩れ落ちるように床に転がるが、二人の執拗な暴力が続く。
ひとしきりスネークをいたぶったあと、フライとダロウは司令室へ戻った。
「何が伝説の傭兵だ、口ほどにもねぇ。ドローズ、そいつを独房に戻しとけ。」
「次はトーシロのにーちゃんをオモチャにしようぜ。きっといい声で泣くさ。」
笑いながら、フライとダロウが去っていく。
―面倒なのはいなくなった。
「おい、立て。」
ドローズがスネークの腕を掴み、起き上がらせたその瞬間、スネークはドローズの背後に回り、首を締め上げた。数秒とかからず、ドローズが沈み込む。
倒れたドローズを引きずって、スネークは自分がいた独房に放り込んだ。
ドローズの持っていた武器も拝借する。
あっけにとられた顔でこちらを見つめるジョニーの独房も開けてやった。
「あんた・・・あれだけ殴られても平気なのか?どういう神経してるんだ?」
「拷問好きのガンマニアだの触手を使う元大統領だの、昔はもっと変態が多かったもんさ。」
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