ネット喫茶.com

オリジナル小説や二次創作、エッセイ等、自由に投稿できるサイトです。

メニュー

METAL GEAR SOLID the ROCK

原作: その他 (原作:メタルギアソリッド) 作者: gekco
目次

第四話

「ああ、ジョニー。お前のことなら知ってる。接触しろと頼まれたからな。」
ジョニーと名乗った男はほっと胸をなでおろした。
「それなら、あんたは戦闘のプロってことだろ?頼む、一緒にここから逃げてくれ。僕一人じゃとても・・・」
「それはできない。」
奪い取ったMP5の残弾を確認しながら、スネークが言い放つ。
「お前、自分の任務がなんなのか、わかってるのか?」
「わかってるさ。でも、僕にはできない。怖いんだ。銃なんか、FBIのアカデミーでしか触ったことないのに。僕と一緒にヘリから降下したみんなが、まるで虫のように殺された。血を見るのも死体を見るのもたくさんだ。ここにいたら僕もあんたも殺されちまう。だから」
「あいにく、俺は殺される予定じゃないんでな。」
点検を終えたMP5を手に、スネークが語りかけた。
「いいか、俺も好き好んでここに来たんじゃない。どうせお前もそうだろう。だが、どんな理由があるにせよ、今はここにいる。だったら、今いる場所で、自分の果たすべき役割を精一杯果たすことだ。誰かの命令だからではなく、自分の意思で、やると決めてやりきることだ。」
「自分の、意思で・・・。」
「安心しろ。お前の言うとおり、銃を撃つのは俺の仕事だ。お前は俺と一緒に来て、ミサイルを無力化してくれればそれでいい。」
「もし、途中で海兵隊が襲ってきたら・・・?」
「大丈夫だ。俺の側にいろ。それに、今逃げたところで奴らの毒ガス兵器で死ぬだけだ。」
「わかったよ、スネーク。君と一緒なら、僕でもなんとかできそうだ。」
説得できたことに若干の安心感を持ちつつ、スネークは改めてジョニーの装備を確認した。
「お前、このMP5以外に武器はないのか?」
「拳銃も持ってたんだけど、どこかで落としたみたいで・・・。」
ため息をつくと、スネークは自分のホルスターからM9を引き抜いて渡した。
「ほら、お前はこいつを使え。MP5より扱いやすい。あくまで護身用だ。」
スネークは足元に置いたSOCOMピストルをホルスターにしまうと、MP5に持ち替えた。
「こちらスネーク。大佐、FBIの捜査官と合流した。」
「ああ、よくやったスネーク。彼と一緒にミサイル保管場所へ行き、ミサイルを無力化するんだ。」
「何か、海兵隊の動きはないのか?」
「Seal’s突入について、ハメル将軍からホワイトハウスに通信があった。死亡した隊員のウェアラブルカメラを通して、Seal’s隊員が死亡した責任は合衆国政府にあると、将軍が自分の口で伝えてきた。私もその映像を確認したが、確かにハメル将軍本人だったよ。」
今回の首謀者は、ハメル将軍本人。
改めてその事実を思い知ったスネークに、オタコンが続けた。
「スネーク、あまり時間がない。まず、ミサイルの無力化を優先してくれ。ミサイルが保管されている遺体安置所は、その地下水路を直進した先にあるはずだ。」
「了解。化学兵器のスペシャリストをお仲間にできて、ありがたい限りだ。」
通信を切ると、スネークは前を向いた。
「さあジョニー。先へ進もう。」


同時刻。
Seal’s残党狩りに出たフライ大尉は、まずシャワー室に向かった。
あの銃撃戦のとき、顔を見た連中は全員射殺した。ということは、残党がいるとすれば、あの銃撃戦に参加していない隊員、ということになる。連中はシャワー室を経由して内部に侵入する計画だったのだから、もう一度シャワー室からの進入を試みるはずだ。
シャワー室の振動探知センサーは戦闘で壊れたから、再度進入されても探知できない。
フライはそう考えた。
シャワー室に到着した一隊は、内部をくまなく探索し、地下水路との出入り口も確認した。
「どこだ、どこにいやがるネズミ野郎!」
銃撃戦の昂奮が冷めないのか苛立ちを隠せないフライだったが、ふと違う考えが頭をよぎった。
生き残った奴は、どこへ向かうだろう?
どんな任務を帯びていたのか。
人質の救出?
俺たちの抹殺?
それとも・・・。
フライは気づいた。
「遺体安置所だ!奴はミサイルを狙うはずだ!遺体安置所に急げ!」


「スネーク、そのあたりに遺体安置所がある。上に上がれる場所はないかい?」
オタコンに言われて見回すと、真上に向かう通路があった。
「あった。これから遺体安置所に潜入、ミサイルを無力化する。」
「気をつけて、スネーク。ミサイルは彼らの生命線だ。警備をつけていないはずがない。」
「わかった。」
不安がるジョニーをその場に残し、スネークは通路を登った。
ハンドミラーで内部を確認する。
都市迷彩に身を包んだ海兵隊員の姿が見えた。
人数、2名。
装備はM16。
このままマンホールを持ち上げて出て行けば蜂の巣だ。
スネークは空のマガジンを取り出すと、出入り口付近に投げた。
音に気づいた2人が出入り口付近に向かう。
その隙に音もなく遺体安置所に進入したスネークは、すぐさまSOCOMピストルで二人を撃ち抜いた。崩れ落ちる海兵隊員たち。
「オタコン、見張りを無力化した。」
「どこか、死体を隠せる場所はないかい?死体が見つかると、ミサイルを無力化したことがバレてしまう。」
「わかってる。机があるから、その下にでも隠しておこう。おいジョニー、上がって来い。」
おずおずと上がってきたジョニーの目に、先ほど倒した海兵隊員の姿が見えた。
「あ、あんたがやったのか?」
「そうだ。」
「二人とも?」
「他に誰がいるんだ?」
室内に腹の音が響く。
「スネーク・・・トイレ、ないかな?」
「下で済ませて来い」
あきれ顔のスネークを尻目に、ジョニーは水路に下りていった。
「大佐、聞こえるか?」
「どうした?スネーク。」
「例のFBIの奴、健康面で何か聞いていることはないか?」
「ううむ・・・そういえば、緊張すると腹を壊しやすい傾向があると、資料に書いてあったな。」
「次から奴の装備に携帯トイレを加えてやれ。もっとも・・・。」
スネークはミサイルを見た。
「次があれば、だがな。」
目次

※会員登録するとコメントが書き込める様になります。