はじまり
光の戦士、闇の戦士、ヒカセン、ヤミセン…
この物語の主人公達はそんな名前で呼ばれていて、私もその1人だった。
ここはファイナルファンタジー14の世界。
全世界で何十万人もプレイヤーのいるオンラインゲームの中の世界だ。
様々な種族、モンスター、生き物がいる世界。
今、これを読んでる人は訳が分からないと思う。
なにせ、私だってわかっていないのだから。
ただ、現実世界で楽しくプレイしていた世界に私は突如としてゲームの世界に引きずり込まれてしまった。
最初は夢なのかと思い、これは楽しまなくちゃ。と張り切ってもいたがそんなのはこの暮らしが続くうちに消えていった。
モンスターに攻撃されれば怖いし、痛いし、血だって出る。
疲れて眠るし、腹も減るし、体も汚れる。
トイレにだって行く。
そんな些細なリアルが私に襲いかかってきて夢ではないんだと気付かせた。
NPCと暮らす中で唯一、現実世界との繋がりが、FCと呼ばれるこの世界でのグループ。家族のような人達との繋がりだ。
FCのメンバーがログインしている時には孤独ではなかった。
最初、私自身が中に入ってしまったの!と打ち明けた時に彼らは信じてくれなかった。
いや、今でも話半分か頭のイカれた虚言癖のある廃人だと思っているのだろう。
それでもそばに居てくれた。
ただ1人、本当に信じていてくれたメンバーの一言で状況が大きく変わった。
「今、ヒカセンが行方不明になる事件が全国で多発してるんだって…」
その時にログインしていたメンバー達がざわつく。
その場で事件を調べる者もいた。
まだ都市伝説の域を出ないその話しでその日は終始盛り上がっていた。
自分がもしオンラインゲームの中に入ってしまったら?
そんなファンタジーに誰だって憧れる。
なりたい自分になれる!という運営のキャッチコピー。
そりゃあ、私だって画面越しになりたい自分になっていたのだ。
でもこちらの世界に来て初めて、敵にズタズタにされて、蘇生魔法で生き返らされた時の生々しさは今でも忘れられない。
そのメンバーがそんな事を言った次の日、そのメンバーは私と同じ場所にいた。
家に帰りたいとずっと泣き続けていた。
私だって帰れる事なら帰りたい。
こちらの世界に来てから涙は枯れてしまった。
泣けたらどんなに楽になれるだろう。
夢と希望と、剣と魔法のファンタジー世界。
楽しかった世界が私には今は絶望しかない世界だ。
この物語の主人公達はそんな名前で呼ばれていて、私もその1人だった。
ここはファイナルファンタジー14の世界。
全世界で何十万人もプレイヤーのいるオンラインゲームの中の世界だ。
様々な種族、モンスター、生き物がいる世界。
今、これを読んでる人は訳が分からないと思う。
なにせ、私だってわかっていないのだから。
ただ、現実世界で楽しくプレイしていた世界に私は突如としてゲームの世界に引きずり込まれてしまった。
最初は夢なのかと思い、これは楽しまなくちゃ。と張り切ってもいたがそんなのはこの暮らしが続くうちに消えていった。
モンスターに攻撃されれば怖いし、痛いし、血だって出る。
疲れて眠るし、腹も減るし、体も汚れる。
トイレにだって行く。
そんな些細なリアルが私に襲いかかってきて夢ではないんだと気付かせた。
NPCと暮らす中で唯一、現実世界との繋がりが、FCと呼ばれるこの世界でのグループ。家族のような人達との繋がりだ。
FCのメンバーがログインしている時には孤独ではなかった。
最初、私自身が中に入ってしまったの!と打ち明けた時に彼らは信じてくれなかった。
いや、今でも話半分か頭のイカれた虚言癖のある廃人だと思っているのだろう。
それでもそばに居てくれた。
ただ1人、本当に信じていてくれたメンバーの一言で状況が大きく変わった。
「今、ヒカセンが行方不明になる事件が全国で多発してるんだって…」
その時にログインしていたメンバー達がざわつく。
その場で事件を調べる者もいた。
まだ都市伝説の域を出ないその話しでその日は終始盛り上がっていた。
自分がもしオンラインゲームの中に入ってしまったら?
そんなファンタジーに誰だって憧れる。
なりたい自分になれる!という運営のキャッチコピー。
そりゃあ、私だって画面越しになりたい自分になっていたのだ。
でもこちらの世界に来て初めて、敵にズタズタにされて、蘇生魔法で生き返らされた時の生々しさは今でも忘れられない。
そのメンバーがそんな事を言った次の日、そのメンバーは私と同じ場所にいた。
家に帰りたいとずっと泣き続けていた。
私だって帰れる事なら帰りたい。
こちらの世界に来てから涙は枯れてしまった。
泣けたらどんなに楽になれるだろう。
夢と希望と、剣と魔法のファンタジー世界。
楽しかった世界が私には今は絶望しかない世界だ。
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